2023年01月17日更新
FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却は行える?法律面、契約も解説
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却ができるのか、疑問をもっている経営者の方がいらっしゃるでしょう。この記事では、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の手順・流れ・メリットなどを詳しく解説します。それ以外に、法律面にも触れます。
目次
1. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却
近年は、後継者不在や経営者の高齢化によって、中小企業におけるM&Aが増加しています。フランチャイズ加盟店(FC)でもオーナー経営者の高齢化が進んでいることから、M&A による事業譲渡・事業売却の需要が高まっています。
ここでは、フランチャイズ加盟店(FC)と事業譲渡・事業売却の理解を深めましょう。
FC(フランチャイズ加盟店)とは
フランチャイズ加盟店(FC)とは、フランチャイズの本部に加盟する店舗をいいます。フランチャイズとは、「フランチャイザー」と呼ばれる本部と「フランチャイジー」と呼ばれる加盟店が契約を結ぶシステムです。
ロイヤリティとする加盟金を本部に支払うことで、商標の使用権や商品・サービスの販売権を得られます。フランチャイズ加盟店(FC)は、本部が積み上げてきた経営のノウハウなどを使用できます。
知識がない業界に参入できる点がメリットとしてあげられるでしょう。そのほかにも、個人事業や法人を設立して事業を行うより安心感があり、短期間で独立開業を行える点が利点といえます。
「JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、2018年度のコンビニエンスストアやファーストフード、ドラッグストアをはじめとしたフランチャイズチェーンの市場は、チェーン数1,328、店舗数26万4,556店、売上高は26兆2,118億円です。
参照:日本フランチャイズチェーン協会「JFAフランチャイズチェーン統計調査(2018年度)」
事業譲渡とは
事業譲渡とは、会社の事業そのものを第三者へ譲渡(売却)する方法をいいます。ここでいう事業譲渡の「事業」とは、営業目的のためのさまざまな財産のことです。
その他にも、設備などの有形財産だけではなく、事業に必要な人材・特許権などの知的財産権・ブランド・顧客リストや契約といった、無形財産も事業譲渡の「事業」に含まれます。
事業売却とは
事業売却とは、会社内のある事業を売却する方法です。主に売り手が事業を売却するときに用いる言葉で、事業譲渡と同様の意味で使われます。
会社内にある一つの事業を売買した場合も、全ての事業を売買した場合も、どちらも事業売却のカテゴリーに入ります。
FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却は行えるか?
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却は行えるのでしょうか?フランチャイズ加盟店(FC)の経営者であれば、知りたいところでしょう。
基本的に、多くのフランチャイズ本部では、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却を禁止しています。しかし、交渉次第では認められることもあります。
事業譲渡・事業売却先の選び方は?
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却先として考えられるのは、同業種や同系列の経営者です。同系列などであれば、自社のノウハウや機密情報がもれることを心配する必要はありません。フランチャイズ本部から認められやすいといえます。
それ以外にも、他業種・他業界の企業や、起業を考えている個人が相手先となることが考えられます。ただし、本部に認めてもらうにはハードルが高くなるかもしれません。制限がかけられる可能性もあるでしょう。
居抜き物件での譲渡・売却もできるか?
フランチャイズ加盟店を居抜き物件として事業譲渡・事業売却することは、本部から認められればできるでしょう。実際の居抜き物件の事例を見ると、コンビニエンスストアやファミリーレストランなどの飲食店で実施されているケースがあります。
コストをかけずに開業できるため、居抜き物件は事業譲渡・事業売却には向いているといえます。最近では、このようなフランチャイズ加盟店の居抜き物件が事業譲渡・事業売却するケースが増加傾向です。
2. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却の流れ・手順
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却を行うとしても、多くの人は未経験であるため、流れや手順がわからないのがほとんどではないでしょうか。
ここでは、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の流れ・手順を詳しく解説します。
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の流れ・手順】
- FC本部への相談
- M&A仲介会社への相談
- 売却先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
①FC本部への相談
多くのフランチャイズ本部は、フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aによる売却を原則禁止しています。フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の手続きを進める前には、まずフランチャイズ本部に、売却の相談を行う必要があります。
やむを得ない事情がある場合や、フランチャイズ契約を解除することで本部が不利益を被る場合、フランチャイズ加盟店(FC)を売却することで本部側に利益がある場合などは、売却を許可してもらえる場合があるかもしれません。
②M&A仲介会社への相談
フランチャイズ本部からフランチャイズ加盟店(FC)の売却が許可された後は、フランチャイズ本部主導で売却手続きを行うケースが多いです。しかし、フランチャイズ本部はフランチャイズ加盟店のM&Aによる売却に慣れていないことも多いでしょう。
M&Aによる事業譲渡・事業売却では、M&A仲介会社などの専門業者に相談するのが一般的です。自身で事業譲渡・事業売却先を探す方法もありますが、自分自身のM&Aの知識に自信がない限り、M&A仲介会社を利用したほうがよいでしょう。
秘密保持契約書の締結
M&A仲介会社との契約が決まったら、次は秘密保持契約を結びます。M&Aによる事業譲渡・事業売却では、承継先や仲介会社などに自社の情報を開示するので、情報漏えいや悪用防止のために秘密保持契約書を締結します。
特にフランチャイズ加盟店(FC)における秘密保持契約は、万が一情報が漏れた場合、フランチャイズ加盟店(FC)だけでなくフランチャイズ本部にも大きな問題となる可能性があるため、他業界よりも重要な契約書といえます。
③売却先の選定
M&A仲介会社へ相談して秘密保持契約書を締結したら、次は売却先の選定を行います。事業譲渡・事業売却を行い第三者へ売却する場合、主に以下の4つから相手先を選定します。
- 同じフランチャイズ系列のフランチャイズ加盟店(FC)に売却する
- 他系列のフランチャイズ加盟店(FC)に売却する
- フランチャイズ未経験の法人や個人に売却する
- フランチャイズ本部に売却する
まず「ロングリスト」と呼ばれる大まかな候補先リストを作成し、さらにその中から数社に絞った「ショートリスト」を作成します。ショートリストの中の有力な事業譲渡・事業売却先に実際に連絡を取り、相手が興味を持てば具体的な交渉へと進みましょう。
FC本部の意見も聞く
フランチャイズ本部が全ての権利を持っているため、契約上、本部が売却を認めなければ、売却はできません。事業譲渡・事業売却先を探す場合も、フランチャイズ本部とコミュニケーションを取りながら進めるほうがよいでしょう。
最善の方法で事業譲渡や事業売却を進めるためには、フランチャイズ本部の意見をよく聞きます。
買い手がFC契約を望まないときの対処法
フランチャイズ加盟店(FC)は一般企業の事業譲渡・事業売却とは異なり、経営の自由度が制限されます。買い手によってはフランチャイズでは契約したがらないこともあります。
フランチャイズ契約がスムーズに進まない場合はいったん、フランチャイズ加盟店(FC)の契約を解除しなければなりません。そのうえで、売却の交渉を行います。フランチャイズ本部から違約金を求められる可能性もあるため注意しましょう。
買い手がFC契約を望まない場合は、FC契約をしてもよいと思える条件を提示するか、本部側がFC契約を解除してもよいと思える条件を提示する必要があります。この点も本部に相談にのってもらい、必要があれば、M&A専門家のアドバイスを受けましょう。
④基本合意書の締結
売却先の選定が決まり、フランチャイズ加盟店(FC)・フランチャイズ本部・買い手の間で条件の合意が得られたら、基本合意書の締結を行います。基本合意書の決まった形式はありません。
一般的には、売却金額・売却完了までのスケジュール・契約内容の保証・秘密保持義務などを記載します。このときに買い手は独占交渉権を要求し、基本合意書の内容に盛り込めます。
基本合意書の記載内容に決まりはないものの、後々のトラブル回避のため、専門家に作成をサポートしてもらうとよいでしょう。基本合意書は最終的な決定ではありません。
最終契約書締結までの交渉やデューデリジェンスの結果により、条件の変更もできます。
意向表明書の提示
M&Aによる事業譲渡・事業売却を行う際、基本合意書の締結前に意向表明書が提示されるケースがあります。意向表明書とは、買収側が売却側に対して契約の意思を伝える書面です。事業譲渡・事業売却を本格的に話し合う意思があることを表明するものになります。
意向表明書の提示は必ず行われるわけではありません。買い手候補が複数で絞り切れないときなど、意向表明書を見比べて1社に絞るなどの場合に使用されます。
⑤デューデリジェンスの実施
基本合意書を締結したら、買収側は相手先企業のデューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは、事業譲渡・事業売却を行う企業の現状をさまざまな分野から調査し、事業に対する成長性やリスクなどの分析と把握をするものです。
【主なデューデリジェンスの種類】
- 財務デューデリジェンス
- 法務デューデリジェンス
- 労務デューデリジェンス
- ITデューデリジェンス
全てを実施するのは、時間や資金の面で非常に困難でしょう。中小規模のM&Aによる事業譲渡・事業売却では、必要最低限のデューデリジェンスだけを行うのが一般的です。
デューデリジェンスの的確な実施を行うためには、高い専門性が必要となります。会計士や弁護士などの専門家、M&A仲介会社に依頼するのが不可欠です。
⑥最終契約書の締結
デューデリジェンスよって売り手企業に問題がないとわかり、売却側と買収側が契約に最終合意をしたら、最終契約書を締結します。最終契約書の内容は基本合意契約書をベースとし、デューデリジェンスの結果を考慮のうえ、書き換えて作成しましょう。
最終契約を結んだ後は、事業譲渡・事業売却を行うために必要となる所定の手続きを進めます。最終契約書には法的効力があるので、締結後に契約を破棄した場合などは損害賠償を請求できます。
⑦クロージング
最終契約書が締結されると、全ての手続きは終了しクロージングとなります。クロージング後も、必要に応じて定期的に調査し、問題があれば修正を行いましょう。
クロージングまでの期間は事例によって異なります。小規模店舗なら1〜3カ月、大規模企業なら3〜6カ月くらいかかるのが一般的です。フランチャイズ加盟店(FC)の引き継ぎの場合は、フランチャイズ本部が介入して引き継ぎ作業を行う場合も多々見られます。
3. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却メリット
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却には多くのメリットがあります。ここでは以下の4点を詳しく解説しましょう。
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却メリット】
- 後継者問題から開放される
- 廃業のリスクがなくなる
- 従業員の雇用を確保できる
- 売却益を獲得できる
①後継者問題から開放される
昨今後継者不足に直面している中小企業は多く、かつて主流だった親族への事業承継は年々減少しています。外食産業やコンビニエンスストアなど、フランチャイズ加盟店(FC)の歴史が長い業界では、オーナーの高齢化が進み、後継者不足が問題です。
もちろん、オーナーの子供がフランチャイズ加盟店(FC)を引き継ぐケースもあります。しかし、後継者がいない場合や、子供に引き継ぐ意思がなければ、廃業せざるを得なくなるでしょう。
業績が順調にも関わらず、オーナーの高齢化によりフランチャイズ加盟店(FC)を失ってしまうことは、フランチャイズ本部としても大きなデメリットになります。事業譲渡・事業売却によってフランチャイズ加盟店(FC)を売却できれば、後継者問題も解決可能です。
②廃業のリスクがなくなる
オーナーの高齢化や業績悪化などのやむを得ない理由があっても、フランチャイズ加盟店(FC)が廃業してしまうと店舗が減り、フランチャイズ本部にも大きなデメリットとなります。
事業譲渡・事業売却を行えば、フランチャイズ加盟店(FC)にとっては今まで行ってきた事業を引き継げ、フランチャイズ本部には加盟店数を減らすことなく事業を継続できるでしょう。
③従業員の雇用を確保できる
フランチャイズ加盟店(FC)が廃業となってしまうと、そのフランチャイズ加盟店(FC)で働く従業員は職を失うことになります。事業譲渡・事業売却によって包括的に事業を引き継ぐ場合は、従業員の雇用も引き継いでもらえるでしょう。
中心的事業に経営資源を集中させたい場合は、残った従業員も中心的事業に回せるメリットもあります。
④売却益を獲得できる
フランチャイズ加盟店(FC)を廃業する場合は、契約内容やタイミングによっては、さまざまな費用が必要となることがあります。場合によっては、廃業後の生活に支障が出てしまう可能性もあるでしょう。
事業譲渡・事業売却を行えば、売却益を現金で受け取れます。売却後のリタイア生活や、新しい事業資金などに活用可能です。
買い手企業が事業譲渡・事業売却される事業に将来性や価値を感じれば、大きな売却益が得られる可能性もあります。
4. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却の注意点
フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却を行う際は、どのような点に注意して進めていけばよいのでしょうか。ここでは、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却を行う際、特に注意すべき5つを解説します。
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の注意点】
- 経営状態
- 経営に関する資料・データ
- 事業譲渡・事業売却の交渉期間
- 事業譲渡・事業売却の目的
- 事業譲渡・事業売却の専門家への相談
①経営状態
事業譲渡・事業売却を行う場合、買収側にとって最も気になるのは、買収する会社の経営状態です。事業譲渡・事業売却を行う会社は、現在の経営状態・近年の経営状態・今後の経営状態の見込みを提示するのが重要です。
②経営に関する資料・データ
事業譲渡・事業売却を行う際、自社の良さや強みをどれだけ多く言葉にしても、経営に関する客観的な資料・データがなければ、交渉はスムーズには進みません。自社の良さや強みを正確に伝えるには、事業に関するデータをあらかじめまとめておくことが重要です。
具体的には、近年の事業計画書を作成して現在の経営状態をしっかり把握し、利益・売上見込み・売上目標などの資料を提示するとよいでしょう。
③事業譲渡・事業売却の交渉期間
事業譲渡・事業売却の交渉期間は、会社の規模や事業内容にもよりますが、早くても3カ月、長ければ6〜12カ月の期間を要します。事業譲渡・事業売却の交渉期間が長期間になると、両社の負担が大きくなり、成功率も下がってしまいます。
交渉をスムーズに進め、期間をできるだけ短縮するには、事業譲渡・事業売却の本格的な手続きに入る前から計画を立てるとよいでしょう。しっかりと準備を行うことが重要です。
フランチャイズ加盟店(FC)は、大規模ではなく小規模な店舗が多いです。実際に、経営者が引退を考えたときに事業譲渡・事業売却を実行しようとしても、手順や方法がわからないために、準備が進められないといったケースも見られます。
このような事態を避けるためには、計画的な事業譲渡・事業売却の準備が必要となります。しかし、フランチャイズ加盟店(FC)の経営者の多くは、事業譲渡・事業売却の知識が乏しい場合がほとんどです。
引退などにより事業譲渡・事業売却を検討する場合は、早い段階でM&A仲介会社などの専門家に相談をし、計画的に準備をするのが重要といえます。
④事業譲渡・事業売却の目的
事業譲渡・事業売却を行う際は、自社がどのような目的で事業譲渡・事業売却を行うのかを明確にしておくことが大切です。事業譲渡・事業売却の目的を明確にすると、戦略が立てやすくなるでしょう。
買い手側も、なぜ事業譲渡・事業売却が行われたのか把握しやすくなるため、交渉をスムーズに進めやすくなります。目的が明確でなければ、M&Aがスムーズに進まないこともあります。
期待する結果を得られない場合もあるため、事前に事業譲渡・事業売却を行う目的を明確にしておくことが重要です。
⑤事業譲渡・事業売却の専門家への相談
フランチャイズ加盟店(FC)を事業譲渡・事業売却する際は、買い手側との交渉を行う前にフランチャイズ本部との契約を確認し、本部の了承を得なくてはなりません。本部の了承を得た後は、相手先企業と交渉を進めます。
スムーズに進めるためには、M&Aの幅広い知識や交渉力が求められます。ほとんどの場合、事業譲渡・事業売却を行った経験がないため、自社のみで事業譲渡・事業売却を行うことは非常に困難です。M&A仲介会社などの専門家に相談するようにしましょう。
M&Aの専門家はそれぞれ得意分野を持っています。事業譲渡・事業売却を得意分野で扱っているM&A仲介会社を選べば、M&Aの成功率を上げることも可能です。
FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却のご相談はM&A総合研究所へ
先述のとおり、FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却を成功させるには、M&A仲介会社など専門家のサポートがおすすめです。M&A総合研究所では、事業譲渡・事業売却に精通した実績豊富なM&Aアドバイザーが専任でフルサポートします。
当社は完全無料の完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)です。着手金は完全無料ですので、初期費用を抑えてM&Aを実施できます。
無料相談を随時受け付けていますので、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却をご検討の際は、どうぞお気軽にご連絡ください。
5. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却に関する法律
フランチャイズ加盟店(FC)とFC本部との契約には、さまざまな法律が関わっています。それらを理解しないままM&Aを行うとトラブルにつながる可能性もあります。法律面の理解も深めておきましょう。
ここでは、フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却に関する法律のうち、トラブルになりやすい以下の内容を解説します。
①フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却に関する法律の概要
- 契約期間
- 商標の使用許諾
- テリトリー制
- 商品の供給
- 加盟金
- 保証金
- ロイヤリティ
契約期間
契約期間は契約先によって違ってきます。契約前にはしっかり把握しておくことが重要です。
その他にも注意しなければならないのは、契約期間の算出方法です。具体的には、契約締結日とオープン日のどちらを起点とするのかによって、必要なコストにも影響します。
契約期間満了後の更新も確認しましょう。自動更新なのか、もしくは何らかの手続きが必要なのか、契約前の確認が必要です。
商標の使用許諾
フランチャイズ本部のブランド名称やマークなどの商標が使えることは非常に強みといえます。FC加盟店で開店を決める際の大きな理由の一つとなるでしょう。
ほとんどのFC本部は、商標を特許庁に登録し、使用を制限しています。商標が持つブランドイメージを損なわないようにすれば、一定の使用が可能な場合が多いです。
しかし、思いがけず使い方をあやまってしまうこともあります。商標の不正利用は、大きな問題につながることもあります。契約違反とならないように、契約前に使用条件を必ず確認し、きちんと理解するように心掛けましょう。
テリトリー制
テリトリー制とは、加盟店の販売・営業地域を限定する制度です。加盟店の商圏が守られる点や、多店舗と顧客が被ることを防ぐ点がメリットといえます。しかし、他地域での営業などが許されないデメリットもあります。
テリトリー制の条件は一定ではありません。テリトリー制を導入していないところもあります。開業してすぐに、近隣に別の加盟店がオープンすることも考えられます。そうなれば、他店に顧客を取られることになりかねません。
事業を行っていくにあたって大きな影響を与える制度であるため、必ず内容の詳細を確認しましょう。
商品の供給
フランチャイズ契約では、フランチャイズ加盟店(FC)が仕入れる商品・材料・備品などは、ブランドイメージの統一や、提供するサービスの品質を確保する目的のため、フランチャイズ本部によって指定されているケースが多いです。
指定されているとはいえ、本部から度を越えた要求がある場合は、不公正な取引として問題になる場合があります。場合によっては、訴訟に発展することもあり得えます。
「仕入れ数の強制」「正当な理由のない仕入れ品目の制限」など、フランチャイズ加盟店(FC)側に不利にならないよう、確認しましょう。
加盟金
加盟金は、商標利用権などに対する対価として、フランチャイズ加盟店(FC)が契約締結時に支払います。加盟金に含まれる費用の詳細が、契約書に記載されているか、よく確認します。
加盟金は、フランチャイズ契約の終了後も返還されないケースが一般的です。ほとんどの場合は、契約書に返還しない旨が明記されています。あとになってトラブルとならないためにも、契約前にその点も確認し、理解しておきましょう。
保証金
フランチャイズ契約における保証金とは、万が一フランチャイズ加盟店(FC)に金銭の未払いが生じる場合に備えて、フランチャイズ本部に支払われる「預かり金」のことです。不動産を借りるときの「敷金」と同じようなイメージです。
回収できる金銭の範囲は、契約により自由に決められます。契約書に詳細が書かれていない場合は、しっかりと説明を求めるようにしましょう。
保証金はあくまでも預かり金です。契約終了時に、本部はフランチャイズ加盟店(FC)に残額を返還しなくてはいけません。返還の時期や方法も、必ず確認します。
ロイヤリティ
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部が所有する商標・経営に対するノウハウ・システムなどの提供を受ける代わりに、フランチャイズ加盟店(FC)が「毎月支払う使用料」のことです。以下3つの方式があります。
- 定額方式
- 売上比例方式
- 利益分配方式
金額の算出方法は、契約先によって決められます。十分な説明を求めて確認し、理解したうえで契約しましょう。
②違約金の支払い
違約金の支払う場合は「解除・損害賠償」と「中途解約」があります。それぞれの内容を解説します。
解除・損害賠償
一般的な契約では、フランチャイズ本部またはフランチャイズ加盟店(FC)に違反行為があった場合、契約を一方的に解除できます。フランチャイズ加盟店(FC)の違反行為は、損害賠償金額が契約書に記載されているケースもあります。
契約解除を行った際の違約金の記載もありますのでよく読みましょう。
中途解約
フランチャイズの契約期間は契約先によって異なります。3年や5年など複数年であることが一般的です。契約期間内に中途解約する場合は、規定に沿って解約を進められます。
しかし、中途解約をする際の記載がない場合、解除するような契約違反などがない限り、原則として一方的に解約はできません。中途解約を行う場合は、違約金が発生することも覚えておきましょう。
違約金の算出方法は、契約先により決められます。中途解約の規定の有無・違約金の金額などがあることを留意しておきます。
③競業禁止義務
競業禁止義務とは、既存するフランチャイズ加盟店(FC)の優位性や利益を保護するため、フランチャイズ加盟店(FC)が、同業もしくは類似した事業を営むことを禁止する規定のことです。
競業禁止義務は、フランチャイズ契約期間中および契約終了後の一定期間に渡り、経営ノウハウの流出を防ぐことを目的としています。契約以前より他のフランチャイズ本部に加盟している場合は、競業に当たらないかを確認しておくことが必要です。
「類似した事業」がどのようなものかを具体的に確認しておくことも必要でしょう。契約終了後の禁止期間も、不当に長い期間が指定されていないかどうかを確認します。
6. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却の際におすすめの仲介会社
フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aによる売却には、フランチャイズ本部との契約の課題が加わるため、他業界のM&Aよりも専門的な業界知識と経験が求められます。M&A総合研究所では、実務経験豊富なM&Aアドバイザーが担当し、徹底サポートを行います。
料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)です。無料相談は電話・Webより随時受け付けていますので、フランチャイズ加盟店(FC)のM&Aによる売却をご検討の際は、どうぞお気軽にご連絡ください。
7. FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却まとめ
フランチャイズ加盟店(FC)では、本部が積み上げてきた経営のノウハウなどを使用できます。個人事業や法人を設立して事業を行うよりも安心感があり、短期間で独立開業を行えます。
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の流れ・手順】
- FC本部への相談
- M&A仲介会社への相談
- 売却先の選定
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却メリット】
- 後継者問題から開放される
- 廃業のリスクがなくなる
- 従業員の雇用を確保できる
- 売却益を獲得できる
【フランチャイズ加盟店(FC)の事業譲渡・事業売却の注意点】
- 経営状態
- 経営に関する資料・データ
- 事業譲渡・事業売却の交渉期間
- 事業譲渡・事業売却の目的
- 事業譲渡・事業売却の専門家への相談
【FC(フランチャイズ加盟店)の事業譲渡・事業売却に関する法律】
- 契約期間
- 商標の使用許諾
- テリトリー制
- 商品の供給
- 加盟金
- 保証金
- ロイヤリティ
8. FC(フランチャイズ加盟店)業界の成約事例一覧
9. FC(フランチャイズ加盟店)業界のM&A案件一覧
【首都圏・超好立地】複数店舗のスペイン料理店運営
飲食店/関東・甲信越案件ID:2377公開日:2024年10月31日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
対象企業は首都圏超好立地に複数店舗のスペイン料理店舗を展開する企業様でございます。
【エリア特化/業歴約60年/数十店舗運営】EBITDA2億円超のクリーニング業
専門サービス/その他/非公開案件ID:2104公開日:2024年07月31日売上高
10億円〜25億円
営業利益
1億円〜2.5億円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
対象法人は、衣類クリーニング・コインランドリー業を運営する企業でございます。 エリアに特化しており、知名度も非常に高く、アクティブ会員数は12万人を超える支持がございます。 サービス品質、出...
【海外 / FC本部】宅配ピザのFC本部運営
食品卸・小売/飲食店/海外案件ID:1440公開日:2023年12月06日売上高
50億円〜100億円
営業利益
10億円〜25億円
譲渡希望価格
希望なし
宅配ピザのFC本部運営
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