リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収!事例や業界動向、価格相場を解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収に関して、業界動向・成功させるポイント・M&A価格の算定方法などを解説します。リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aによる売却・買収事例なども紹介します。

目次

  1. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収・事業承継
  2. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収動向
  3. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収相場
  4. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収される理由
  5. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却を行う際のポイント
  6. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・買収を行うポイント
  7. リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aに関する注意点
  8. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収におすすめの仲介会社
  9. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収まとめ
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1. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収・事業承継

本記事では、リネンサプライ・クリーニング会社のM&A事業承継の動向、M&Aによる売却・買収事例などを紹介します。まずは、リネンサプライ・クリーニング会社の定義や、M&A・事業承継の意味から確認します。

リネンサプライ・クリーニング会社とは

リネンサプライ・クリーニング会社とは、クリーニング業法の分類に定められた普通クリーニング店・クリーニング取次店、無店舗取次店・リネンサプライ業やホールセールに該当する事業を行う会社のことです。

リネンサプライ業とは

リネンサプライ業とは、ホテル・旅館に対してシーツ類の貸与・回収を行ったり、飲食店に対しておしぼりなどの貸与・回収を行ったりするなど、リネン製品の貸与・洗浄・回収を繰り返す事業のことです。

近年はインバウンド需要拡大によってホテル・旅館のリネン製品需要が増加していますが、これに伴い競争も激化しています。

クリーニング業とは

クリーニング業とは、衣類などの繊維品や皮革品を預かり、洗濯をして返却する事業のことです。クリーニング業は、店舗で預かったり返したりする形態が主流ですが、近年の超高齢社会によって集配・宅配によるサービスが増加傾向にあります。

リネンサプライ・クリーニング業界に見られる特徴

リネンサプライ・クリーニング会社は全国各地に存在していますが、特に東京・大阪・愛知に多くの会社が集まっています。集配が円滑であることがコストに直結するため、大・中都市に集中しやすい傾向にあるでしょう。

リネンサプライ・クリーニング業界は、各分野に強みがある企業が存在する点も特徴的です。企業例として、清掃事業が主な事業のダスキンやサニクリーン、病院・福祉事業に強いワタキューセイモアなどが挙げられます。

リネンサプライ・クリーニング業界の市場規模

矢野経済研究所の「国内リネンサプライ市場の調査」によると、2019年度のリネンサプライの市場規模は、前年度からほぼ横ばいで、5,182億7,700万円でした。低価格要請が強まった影響で、事業所・病院数の減少による市場規模の縮小が止まったと見られます。

リネンサプライ・クリーニング業界は、ホテルリネンの需要が広がっています。しかし、それ以外の分野における需要が縮小傾向にあるため、各企業がこれからどのように業界全体の市場規模を大きくするのかに注目が集まっている状況です。

その一方、矢野経済研究所の「クリーニング関連市場に関する調査」によると、2020年度のクリーニング関連市場規模は、2019年から一転して大幅な減少となり、2,825億円でした。

「コインランドリー」「無店舗・宅配型」が微増を確保したものの、近年はクリーニングの市場規模の縮小傾向が続いています。

参考:矢野経済研究所「リネンサプライ市場に関する調査を実施(2020年)」
   矢野経済研究所「クリーニング関連市場に関する調査を実施(2021年)」

リネンサプライ・クリーニング業界の課題と展望

従来、リネンサプライ・クリーニング業界は深刻な人手不足に陥っていましたが、2019年に実施の働き方改革でさらに深刻化しています。燃料費の高騰や顧客からの値下げ要求も、収益の悪化につながっている状況です。

ただし、2018年にリネンサプライ職種が技能実習2号移行対象職種に加わったため、外国人労働者の労働年数が延長となり労働力の増加・確保が期待できます。

収益悪化の改善は、工場の自動化・新工場の建設による効率化・バックオフィスの自動化など、投資するべき点に的確に投資できるかが企業にとって大きな課題です。

ホテルリネン分野だけでなく他分野のリネンサプライヤーも含め、業界全体でこれらの課題に取り組む必要があります。

M&A・売却・買収とは

M&Aとは、株式や事業用資産の売買により、経営権の移行や統合などを行う手法を総称した呼び方です。リネンサプライ・クリーニング会社の場合、買収側は店舗網の拡充・事業エリアの拡大目的、売り手側は事業のスリム化・ブランド力の獲得目的などでM&Aを行うことが多いです。

事業承継とは

事業承継とは、後継者へ事業を引き継ぐ行為を意味します。中小リネンサプライ・クリーニング会社では、経営者の高齢化などにより事業承継の必要なケースが増加している状況です。

競争の激化や利益率低下により厳しい経営を強いられる企業も多いため、親族への事業承継割合は減少し、第三者へのM&Aによる事業承継が増加傾向にあります。

2. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収動向

リネンサプライ・クリーニング会社における近年のM&A動向は、主に以下の特徴が見られます。

  1. 市場縮小の影響で競争が激化
  2. 業界全体で後継者不足・人手不足が悩み
  3. 原油高の影響で経営を圧迫するケースも
  4. クリーニング業者がリネンサプライ事業へ参入するケースも
  5. 総合サービスの確立を目指したM&Aが増加

①市場縮小の影響で競争が激化

リネンサプライ・クリーニング業界は、全体として市場が縮小傾向にあります。過当競争によって事業所数は減少し続けていますが、それ以上に利用者数の減少幅が大きく、過当競争が継続している状況です。

②業界全体で後継者不足・人手不足が悩み

厚生労働省の「クリーニング業の実態と経営改善の方策(抄)」によると、リネンサプライ・クリーニング事業者の8割以上が営業30年以上で、経営者の年齢は70歳以上が5割を超えています。

後継者不在により事業承継ができない事業者は7割を超え、人手不足も重なって事業継続が難しいため、廃業を選ばざるを得ない事業者が多い状況です。

参考:厚生労働省「クリーニング業の実態と経営改善の方策(抄) 」平成30年11月27日

③原油高の影響で経営を圧迫するケースも

総務省の調査によると、原油高や資源高の影響でコストが上昇しているにもかかわらず、料金はほぼ横ばいで推移しています。各事業所は価格競争により料金を上げられず、結果として業界全体が利益率の低さに苦しんでいる状況です。

④クリーニング業者がリネンサプライ事業へ参入するケースも

クリーニング市場は市場縮小が続いていますが、リネンサプライ市場はインバウンド需要によってホテル・旅館への供給需要があります。クリーニング業者がM&Aによって、事業親和性の高いリネンサプライ事業へ参入するケースも見られるでしょう。

⑤総合サービスの確立を目指したM&Aが増加

大手のリネンサプライ・クリーニング会社は、差別化を図るためにM&Aによって多様なサービスを展開しています。価格や営業網だけでは差別化が難しい近年は、いかに付加価値を持ったサービスで差別化を図るかが重要な課題です。

3. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収相場

この章では、リネンサプライ・クリーニング会社におけるM&A・事業承継相場の算定を解説します。

企業評価価値の算定方法

企業価値算定では、現在の企業価値に加えて、買い手企業と統合した後の収益力やブランド力などを「のれん代」として換算します。

リネンサプライ・クリーニング会社の企業価値算定で評価が高くなるのは、地域優位性を持っていたり、付加価値の高いサービスを展開していたりするケースです。

小規模事業者や個人事業主など地域密着型でリネンサプライ・クリーニング会社を営む場合は、地域優位性やサービスなどの強みがあり、周辺商圏の顧客と信頼関係を構築していることが重要です。

簡易的な算出と本格的な算出の違い

簡易的な企業価値算出の場合は、資産や負債・売上・利益などから、現在の企業資産価値を算出します。一方、実際にM&Aの際に用いる算出方法では、現在の企業資産価値に加え、将来的な収益力や数字には現れないブランド力、買い手企業とのシナジー効果なども含めて精緻に算出します。

本格的に企業価値を算出するには、企業の決算資料だけでなく、経済動向や自社の業界動向、相手企業の業界動向なども読む専門性が必要です。

4. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収される理由

リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・事業承継は、主に以下の理由で行われます。

  1. 後継者問題を解決するため
  2. 人材不足を解決するため 
  3. 競合が増え、経営が難しくなったため
  4. 最良のタイミングがきたため
  5. 倒産・廃業を避けるため

①後継者問題を解決するため

リネンサプライ・クリーニング業界は、個人事業主と小規模事業主が大半を占めているうえに、経営者の平均年齢が高いです。厚生労働省の「クリーニング業の実態と経営改善の方策(抄)」によると、直近10年以内で新規にリネンサプライ・クリーニング事業を始めた事業所は全体の1.1%と、新規参入が少ない状況です。

事業承継が必要にもかかわらず、後継者不足が課題であるため、全国から最適な後継者を探す目的でM&Aによる事業承継が行われるケースがあります。

参照:厚生労働省「クリーニング業の実態と経営改善の方策(抄)」

②人材不足を解決するため

リネンサプライ・クリーニング業界は、従業員の有資格者率が高いです。しかし、リネンサプライ・クリーニング会社では、有資格者人材の安定確保が難しい状況です。M&A・事業承継によって有資格者の人材不足解消を図るケースもあります。

③競合が増え、経営が難しくなったため

リネンサプライ・クリーニング事業者は1970年代から1990年代にかけて増加しましたが、その後は需要減少により過当競争が起き、厳しい経営を強いられる事業者が増加しました。

以前は廃業を選ぶ事業者が大半でしたが、近年はM&A・事業承継の認知度やイメージが向上し、M&A・事業承継による売却を選ぶ事業者が増加傾向にあります。

④最良のタイミングがきたため

リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・事業承継では、原材料費や燃料費の変動・競合他店舗の状況・立地条件における変化などの外部要因や、店舗・設備における状態、売上・収益状況などの内部要因によって、最適な買収・売却タイミングがあります。

最適なタイミングで買収・売却の打診があり、M&A・事業承継を決断するケースも少なくありません。

⑤倒産・廃業を避けるため

事業継続が困難となり倒産や廃業を選ぶ割合は依然として多いですが、近年は倒産・廃業のデメリットを避けるためにM&A・事業承継を選択するケースが増えています。M&A・事業承継であれば、事業を存続でき、売却益を得ることも可能です。

5. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却を行う際のポイント

リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aによる売却を行う際は、以下のポイントを意識して行うことが重要です。

  1. M&A・売却までを計画的に準備する
  2. M&A・売却を行う理由を明確にする
  3. 最適な買い手を見つける
  4. M&A・売却の専門家に相談する

①M&A・売却までを計画的に準備する

M&A・事業承継による売却の準備は、時間をかけて計画的に行う必要があります。株式や事業用資産の整理だけでなく、経営者が覚悟を決める時間も必要であるためです。

近年は小規模事業者や個人事業主などもM&A・事業承継による売却を行いやすいですが、経営者にとってはやはり大きな不安が伴います。計画的に準備すれば、スムーズなM&A・事業承継が可能となり、不安を減らすことも可能です。

②M&A・売却を行う理由を明確にする

M&A・事業承継は事業を売却して終わりではなく、「売却後のリネンサプライ・クリーニング会社をどのようにしてほしいか」「自身は売却後どのようにしたいか」なども明確にする必要があります。

売却理由によって交渉スタンスは大きく変わるため、M&A・事業承継を行う際は事前に目的・理由を明確にし、相手先や仲介会社に説明しましょう。

③最適な買い手を見つける

経営者が高齢であったり、経営が苦しい状況だったりすると、早期に売却相手を見つけてM&A・事業承継を終わらせたいと焦りがちです。しかし、入念に最適な事業売却先を探すことが、最終的には満足のいくM&A・事業承継につながります

自社のみで最適な売却先を探すのは非常に困難であるため、M&A仲介会社など専門家に依頼して進めるのが良いでしょう。

④M&A・売却の専門家に相談する

M&A・事業承継の専門家に相談すれば、最良の条件で事業を売却するための準備や、手続き面のサポートを受けられます。専門家が持つネットワークを活用すると、最適な売却相手をスムーズに見つけることも可能です。

M&A・事業承継には計画的な準備が必要になるため、将来を見据えて早めに相談するのが大切です。

6. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・買収を行うポイント

リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aによる買収を行う際は、以下のポイントを押さえる必要があります。

  1. デューデリジェンスを行う
  2. 買収先の従業員の離職を防ぐ
  3. 設備の老朽化などを確認する
  4. M&A・買収の専門家に相談する

①デューデリジェンスを行う

リネンサプライ・クリーニング会社をM&Aによって買収する際は、デューデリジェンス(企業内監査)を入念に行うことが重要です。特にリネンサプライ・クリーニング会社の多くを占める小規模企業や個人事業主の場合、事業データが整理されていなかったり、抜けや漏れがあったりするケースも少なくありません

買収後に簿外債務が発覚するなどのリスクやトラブルを防ぐためにも、丁寧なデューデリジェンスが必要です。

②買収先の従業員の離職を防ぐ

人材不足が続くリネンサプライ・クリーニング業界では、買収をきっかけに買収先の従業員が離職すると大きな痛手です。リネンサプライ・クリーニング会社の場合は買収後のブランド転換を急ぎすぎた結果、従業員の不安・不満を招いて離職につながったケースも多くあります。

M&Aによる買収を行う際は、買収先従業員とのコミュニケーションを丁寧に取り、トラブルを防ぐことが重要です。

③設備の老朽化などを確認する

買収手続きの際は設備の状態をしっかり確認しなければ、買収後に想定外の出費がかさむ可能性があります。投資の回収には時間がかかるため、相手からの情報だけでなく、買収側も直接状態を確認するなど十分な注意が必要です。

④M&A・買収の専門家に相談する

買収を行う際のデューデリジェンスや買収後の統合プロセスを的確に行うには、専門家の知識や経験によるサポートを受けることがおすすめです。リネンサプライ・クリーニング業界のM&Aサポート経験を持つ専門家に相談すれば、成功率をさらに高められます。

7. リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aに関する注意点

リネンサプライ・クリーニング会社のM&Aでは、以下の注意点がありますのでそれぞれ紹介します。

土壌汚染の問題

業種によって取り扱う有害物質は異なりますが、クリーニング作業では衣服類の洗濯をする際に特殊な洗剤を使用します。クリーニング会社の工場のある土地では、土壌汚染問題の可能性が高まる可能性があるでしょう。

土壌汚染とは、有害な物質が土壌に浸透あるいは混入している状態をさします。近年は、環境保護政策の高まりを受け、国によって厳しい規制が設けられている状況です。

クリーニング工場を取り壊す際は買収する企業が自主的に土壌汚染調査を行うことが一般化されており、決して安価ではない費用がかかるため注意しましょう。

人事・労務の問題

M&Aでは、売り手のリネンサプライ・クリーニング会社がアルバイトやパートタイマーへの賃金未払いを抱えている可能性や、従業員の賃金が最低賃金を下回っている可能性なども想定されます。

売り手に人事・労務問題がある場合は、買い手がその問題を解決しなければならない可能性があります。社会問題に発展しかねないため、労務管理の瑕疵(かし)に関して、買い手側で事前に調査しておくことが大切です。

8. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収におすすめの仲介会社

M&A総合研究所

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出典:https://masouken.com/

リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・事業承継を成功させるためには、M&Aに関する専門的で幅広い知識と、豊富な経験・成功実績を持つ専門家によるサポートを受けることがおすすめです。M&A総合研究所では、さまざまな業種で多くの仲介実績を持つM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。

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9. リネンサプライ・クリーニング会社のM&A・売却・買収まとめ

本記事では、リネンサプライ・クリーニング会社のM&A動向や売却・買収事例などを紹介しました。リネンサプライ・クリーニング業界では、市場縮小に伴い競争が激化し、業界全体で慢性的な人材不足に陥っています。

近年は後継者問題を解決するべく、M&Aによる事業承継を行う企業や、総合サービスの確立を目的としたM&Aが増えている状況です。

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