2024年11月09日公開
海運のM&A動向!売却・買収事例5選とメリットを解説!【2024年最新】
この記事では海運業界のM&A動向を説明します。海運業界のM&Aは近年活発に行われており、多くのメリットがある一方でデメリットもあるので注意が必要です。売却・買収事例を踏まえて、注意点やメリット・デメリットを解説するので是非参考にしてください。
1. 海運業界の概要と動向
海運業界は、世界経済の背骨とも言える産業であり、国際的な物流や貿易の大部分を担っています。
この業界の動向は、世界の経済動向や政治的な状況、さらには環境問題など、多岐にわたる要因に影響を受けています。
そのため、海運業界の動きを理解することは、グローバルなビジネスの現状や将来の方向性を把握する上で非常に重要です。
海運業界とは
海運業界は、国際的な貿易や物流を支える重要な産業の一つとして位置づけられています。この業界は、大型の船舶を使用して、さまざまな商品や資材を世界中に輸送する役割を果たしています。
特に、石油や鉱石、食品などの大量の商品を長距離輸送する際には、海運が不可欠です。また、海運業界は、環境への影響を最小限に抑えるための技術や取り組みも進めており、持続可能な物流を目指しています。
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海運業界の市場規模と動向
近年、海運業界は多くの変化を経験しています。
特に、経済のグローバル化や技術の進化、環境問題への対応など、さまざまな要因が業界の動向を左右しています。市場規模に関しては、世界的な貿易量の増加や新興国の経済成長に伴い、拡大傾向にあります。
しかし、一方で、燃料価格の変動や環境規制の強化、新型コロナウイルスの影響など、多くの課題も抱えています。
これらの要因により、業界内での競争が激化しており、効率的な運営や環境対応技術の導入が求められています。
今後も、海運業界は持続的な成長を目指しつつ、さまざまな課題に対応していくことが期待されています。
2. 海運業界のM&A動向
近年、多くの海運会社がM&Aを活用して、業界内での競争力を強化し、新たな市場やビジネスチャンスを探求しています。
経済の変動や新しい技術の導入、環境問題への対応など、さまざまな外部要因に対応するため、多くの大手海運会社がM&Aを活用しています。
今後も、海運業界のM&A動向は、業界の成長や変革を促進する重要な要因として注目されるでしょう。多くの企業が新しい市場や技術、ビジネスモデルを追求する中、M&Aはそのキーとなる戦略の一つとして位置づけられています。
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3. 海運業界のM&Aにおけるメリット
M&Aには、売却側と買収側の双方に多くのメリットがあります。
売却側が得られるメリット
売却側がM&Aを通じて得られるメリットとして、まず資本の確保や資金調達が挙げられます。
特に、資金繰りが厳しい中小企業や、新しい事業展開に必要な資金を確保したい企業にとって、M&Aは有効な手段となります。
また、業界内での競争が激化している場合、M&Aを通じて競合他社との連携や協力関係を築くことで、市場シェアの拡大や競争力の強化が期待できます。
さらに、M&Aを通じて新たな技術やノウハウを取得することで、事業の多角化や新しい市場への参入が容易になります。
買収側が得られるメリット
一方、買収側がM&Aから得られるメリットとして、新しい市場へのアクセスや業界内での地位向上が考えられます。
特に、海外市場への進出を検討している企業にとって、現地の企業を買収することで、市場への迅速な参入やリスクの低減が期待できます。
また、買収を通じて新しい技術やビジネスモデルを取得することで、事業の多角化や競争力の向上が図れます。
さらに、M&Aを通じて経営資源を効率的に活用し、シナジー効果を生み出すことで、業績の向上や収益性の強化が期待されます。
4. 海運業界のM&Aにおける買収・売却事例5選
次に、海運業界で近年行われた実際の買収・売却事例を5つ厳選して紹介していきます。
住友倉庫が孫会社の株式の譲渡をした事例
2022年4月、株式会社住友倉庫の子会社、J-WeSco株式会社は、米国海運会社のウエストウッドシッピングラインズ社の全株式を、スワイヤーシッピング社の関係会社、SSPL US社に譲渡することを決定しました。
これによって、住友倉庫は、孫会社の株式を譲渡するに至っています。
ウエストウッド社は1980年に設立され、日本・韓国・中国と北米北西岸間の航路サービスを提供していました。住友倉庫は2011年にウエストウッドを買収し、特別目的会社を通じて4隻の船を取得しています。
ウエストウッドは7隻の船で航路サービスを提供しており、2012年から2015年まで安定した業績を維持していましたが、2016年度からは業績が低迷していました。
業績の低迷を受けて、住友倉庫はポートフォリオを見直し、今回の株式譲渡に至っています。
参考: 住友倉庫が孫会社を株式譲渡した事例
東海汽船が小笠原海運をM&Aした事例
2021年5月、東海汽船が孫会社であった小笠原海運の株式を追加取得して子会社化しました。
もともと、小笠原海運は、1969年9月、東京と小笠原諸島父島間の定期船運航を目的として、東海汽船は、日本郵船との協力のもとに小笠原海運を設立しています。
そして今回、東海汽船は小笠原海運の株式をさらに取得し、連結子会社として組み込むことを決定しました。
この組織変更によって、東海汽船はさらなる協力関係とシナジーを生み出すことができる強固な体制を築くことを目指しています。
参考: 東海汽船による小笠原海運のM&A
栗林商船が北日本海運をM&Aした事例
2020年、栗林商船はM&Aを通じて北日本海運の株式を取得しました。
栗林商船は、海上輸送を中心に、港湾荷役や陸上輸送などのサービスも提供しており、全国的に海と陸をつなぐ一貫輸送サービスを実現しています。
また、栗林商船の関連会社である共栄運輸は、北日本海運と協力して、函館と青森間の「青函フェリー」事業を展開しています。
共栄運輸と北日本海運がそれぞれの強みを組み合わせることで、事業のシナジー効果が増大し、より効率的な運営が可能となるでしょう。
栗林商船グループは、内航海運業界での長い経験と実績を誇っており、この株式取得は青函フェリーのさらなる発展を後押しするものになると期待されています。
参考: 栗林商船による北日本海運のM&A
明治海運がTRINITY BULKをM&Aした事例
2020年7月、明治海運は関連会社であったTRINITY BULKを子会社化することに成功しました。
今回の子会社化は、株式を追加して取得するかたちで実現しています。
子会社化の目的は、より一層の意思決定の迅速化を図ることにあり、今回の子会社化を通じて、明治海運は、外構海運業を強化するとしています。
参考: 明治海運によるTRINITY BULKのM&A事例
川崎汽船がKHL-GをM&Aした事例
2019年9月、川崎汽船は、連結子会社である"K" LINE HEAVY LIFT (GERMANY) GmbH(以下、「KHL-G」)の全株式を譲渡しました。
譲渡先となったのは、ドイツのFreiherr von Feldegg Vermögenswerte GmbH(以下、「FFV」)です。
もともと、KHL-Gは、かつて川崎汽船の子会社であったSAL HEAVY LIFT GmbH(通称「SAL」)の親会社として設立された企業です。
しかし、2017年7月に川崎汽船がSALを手放した後、KHL-Gの主要な役割は終了していました。
KHL-Gの清算にかかる時間やコストを考慮し、FFVへの売却が最も適していると考え、今回の株式譲渡に至っています。
参考: 川崎汽船によるKHL-GのM&A
5. 海運業界のM&Aにおける成功のポイント
近年、この業界におけるM&Aの動きが活発化しており、その成功のポイントが多くの関心を集めています。
成功の鍵は、適切な戦略の策定と実行、そして関係者との適切なコミュニケーションにあります。
M&Aの専門家に相談をする
売却側・譲渡側の共通事項として、M&Aの専門家に相談することは非常に重要です。
専門家は、業界の動向や市場の状況を正確に把握しており、適切な価格設定や交渉戦略を提案することができます。
また、M&Aのプロセスには多くの法的・税務的な問題が伴うため、これらの専門知識を持つ専門家のアドバイスは不可欠です。
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譲渡側企業が押さえるべきポイント
譲渡側企業がM&Aで成功を収めるためのポイントとして、まず自社の強みや弱みを正確に把握することが挙げられます。
これにより、適切な価格設定や交渉戦略を策定することが可能となります。
また、買収側企業との関係構築やコミュニケーションを重視し、双方の利益を最大化するための協力関係を築くことも重要です。
譲受企業が押さえるべきポイント
一方、譲受企業がM&Aで成功を収めるためのポイントとして、買収対象となる企業の事業内容や財務状況を詳細に分析することが挙げられます。
これにより、適切な価格設定や将来的なシナジー効果を評価することができます。
また、M&A後の統合プロセスをスムーズに進めるための計画を事前に策定することも必要です。
6. 海運業界のM&A・事業売却まとめ
M&Aは、企業の競争力を高めるための戦略的手段として多くの海運業界で採用されており、その動きは日々加速しています。本記事で取り上げた事例を通じて、M&Aがもたらすメリットや、成功のためのポイントについて理解しておきましょう。
特に、業界の変化に柔軟に対応するためのM&Aの重要性や、新しい市場への参入、業務効率化の実現など、多岐にわたるメリットがあることを理解しておくことが重要です。
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