2024年12月09日公開
自動車解体処理業界のM&A動向!売却・買収のメリットを解説!【2024年最新】
自動車解体処理会社は許可が必要だったり、リサイクル法遵守が厳しく求められることからM&Aでの売却は難しいと思っている方も多いようです。実態はどうなのでしょうか。この記事では、自動車解体処理会社のM&Aについて解説します。
1. 自動車解体処理業界の概要と動向
自動車解体処理業界では、人手不足や後継者問題、自動車リサイクル法への対応などを理由としたM&Aが活発化しています。この記事では、自動車解体処理業界の動向とM&Aについて詳しくみていきましょう。
自動車解体処理業界とは
自動車解体処理業界とは、廃車となった自動車を解体してパーツごとにまとめてリサイクルに回す、という仕事をする業界のことです。
ただ単に乗れなくなった自動車を壊して捨てる、ということではなく、自動車リサイクル法という法律に基づいた手順で自動車を解体してリサイクルしなくてはいけません。また、自動車の解体は1台ごとに報告することも義務付けられています。
自動車リサイクル法では、エアコンに使われていてオゾン層破壊の原因となるフロンガスと、エアバッグ類の回収とリサイクルが義務付けられています。また、その他の部品もリサイクルできものはリサイクルします。
現在は、自動車の解体には、都道府県知事の許可が必要であり、自動車解体処理業者には適切な施設と専門的な知識、技術が求められます。
自動車解体処理業界の市場規模と動向
使用済み自動車の引取件数は、2013年には343万台、2016年には310万台、2019年には336万台と、ここ10年ほどは300万代から350万代の間で推移しています。
自動車解体処理業者の売上はリサイクルして売却する部品などの価格に大きく左右されます。
鉄スクラップの価格は、1トンあたり2016年には22,727円だったのが、2021年には51,336円と大幅に値上がりしていますが、中古部品の総売上は2018年には849億円、2020年には754億円と減少傾向にあります。
自動車の保有台数はコロナ禍を経て増加傾向にあることから、自動車解体処理業界の市場規模は今後も堅調に推移していくものと思われます。
参考:株式会社エックス都市研究所:「令和3年度製造基盤技術実施等調査 (自動車リサイクル分野おける解体業者等実態調査) 調査報告書」
2. 自動車解体処理業界のM&A動向
自動車解体処理業界は、2005年に施行された自動車リサイクル法により、一度、大きな業界再編が行われています。自動車リサイクル法に対応できない業者の多くが、2005年までに撤退しました。
現在は、ディーラーを通さず直接ユーザーから自動車を買い付ける自動車解体処理会社が増加しており、中古自動車買い取り店等、シナジー効果を見込める相手とのM&Aなどが増加しています。
また、日本車の中古車や中古部品は海外で高い人気があることから、海外とネットワークのある会社とのM&Aも見られるようです。
3. 自動車解体処理会社をM&Aで売却するメリット
自動車解体処理会社をM&Aするメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。売却する側のメリットと、買収する側のメリットをそれぞれ解説します。
売り手側のメリット
自動車解体処理会社をM&Aで売却・譲渡するメリットは次の通りです。
後継者問題の解決
現在、自動車解体処理会社に限らず、日本の全ての会社の約4割で親族や社内に経営の後を引き継ぐ人がいない後継者問題が深刻化しています。
もしも、後継者が見つからない場合には、経営者が経営ができなくなった時点で、業績が良くても会社を畳む必要に迫られるでしょう。
M&Aで会社を売却することができれば、社内に後継者がいなくても譲渡する会社に事業承継できるので、事業を存続させることが可能です。M&Aは、後継者問題を解決する切り札ともいわれているのです。
従業員の雇用維持
もしも、経営悪化や後継者問題などの理由で会社を廃業することになれば、従業員は全員解雇するしかありません。会社の廃業による解雇は、会社都合による失業なので失業保険をすぐに受けることができます。
しかし、解雇した従業員が全員、失業保険が切れるまでに再就職できるとは限らないでしょう。
M&Aでは、従業員の雇用は通常は買収側の会社に引き継がれます。M&Aで会社を売却すれば、従業員の雇用を維持して、生活を守ることが可能になります。
売却譲渡益の獲得
会社を廃業することになると、廃業するための出費を負担する必要があります。解雇する従業員への退職金の支払いと、自動車解体処理会社の専門的な設備を処分するための費用が必要です。
M&Aで会社を売却することができれば、従業員の雇用も設備も全て買収側の会社へ引き取ってもらうことができます。退職金や施設日の処分費用を経営者は負担する必要はありません。
それどころか、会社を売却した売却利益を手に入れることができます。売却金から住民税と所得税を支払った残りは、会社のオーナーが好きに使えるお金です。
引退後の生活費に充てたり、新規事業の立ち上げに使ったりできます。
個人保証・債務の解消
中小企業では、会社の金融機関からの借り入れに対して、経営者が連帯保証人となったり、担保を提供したりすることが一般的です。
廃業した場合、廃業後に債務が残ってしまったら、経営者が返済を続けなければいけません。
M&Aで会社を売却することができれば、経営者の個人保証を外して、会社の債務は買収側の会社に引き継がれます。
経営者は債務を負わずにすみ、個人保証の負担からも解放されるのです。
買い手側のメリット
M&Aで自動車解体処理会社を買収する側のメリットは次の通りです。
事業規模の拡大
自動車解体処理会社が同業の自動車処理会社を買収すれば、事業規模を拡大させることができます。
例えば、新しく進出したいエリアがある場合、その地域でゼロから営業所を立ち上げるよりも、その地域に根付いた会社を買収して自社の傘下に収めたほうが、最終的なコストを大幅に抑えることができます。
買収した会社が持つ自動車解体処理設備や経験のある従業員、顧客も引き継ぐことで、事業規模を短い期間で拡大することが可能になるのです。
新規事業進出
違う業種の会社がM&Aで自動車解体処理会社を買収することで、自動車解体処理業界に進出することが簡単になります。
特に、中古自動車の買取店や、中古自動車や自動車部品の輸出入を行う会社などでは、自社の傘下に自動車解体処理会社を収めると、それまで外注していた自動車解体処理を自社内で行えるようになるので、コストダウンなどの大きなシナジー効果を期待できるでしょう。
自動車解体処理を行うのには、専門的な設備や許可が必要で、新規でゼロから立ち上げるのは難しいのが現状です。既存の会社を買収することで、自動車解体処理業界ではない業界から新規に進出することが可能になります。
4. 自動車解体処理会社のM&Aにおける成功のポイント
自動車解体処理会社をM&Aしたいと考えた時に、M&Aを成功させるためにはどのようなポイントに気をつけたらいいのでしょうか。
日本では、M&Aの成功率は4割程度という説もあります。経営者が会社の売却を希望しても、約6割の会社は事業承継できずに廃業せざるを得ない状況に陥ってしまうのです。
M&Aを希望してもできない会社と、M&Aに成功する会社ではどのような違いがあるのでしょうか。M&Aを成功させるためのポイントについてみていきましょう。
M&Aの専門家に相談をする
本来であれば、会社の経営に関することは取引先の金融機関に相談するものです。しかし、金融機関では基本的に中小企業のM&Aは取り扱っていません。その代わり、中小企業のM&Aを専門的にサポートする専門家がいるので、ぜひM&Aの専門家に相談してみましょう。
専門家なら、今までの豊富なM&Aの経験に基づいて、会社の状況からM&Aをした方がいいのか、といったところから親身になって一緒に考えてくれます。
また、M&Aを決断したら、相手探しや高度な法律や財務の知識が必要なM&Aの手続きも丁寧にサポートしてくれます。
M&Aについて考え始めたら、自分一人で進めようとせずに、まずはM&Aの専門家に相談しましょう。
M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください
M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。
M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
情報漏洩に気をつける
M&Aの成功は、最終契約書締結までに情報漏洩が起きないかどうかにかかっているともいわれます。情報管理は厳重にしましょう。
M&Aでの情報漏洩の危険は2つあります。
1つは、会社売却の噂が社内に流れて不安や憶測を呼び、従業員の離職や取引先からの取引停止を招くことです。M&Aの専門家との会話を従業員に聞かれるなど、ちょっとしたことから噂が広がります。M&Aについての会話にはよく気をつけましょう。
もう1つは、買収側の会社へ開示した売却側の機密情報が漏れることです。ノウハウや人事情報などがM&A以外の目的で利用されてしまうと、万が一M&Aが成立しなかった場合に、売却側の会社にとっては大きな損失となってしまうでしょう。
こちらは、罰則を設けた秘密保持契約を締結することで防止します。秘密保持契約は内容をしっかりと確認してサインするようにしましょう。
早めの検討
M&Aの準備はできるだけ早く始めましょう。特に後継者問題のためにM&Aをしたいときには、経営者の判断力がしっかりとしている元気なうちに、M&Aに向けた準備に取り掛かることが大切です。
M&Aは専門家に相談してからクロージングまで、1年以上かかることが普通です。時には数年かかることもあります。経営者の健康問題が生じてから準備を始めても、間に合わないこともよくあるようです。
早めに準備を進めて、最も高額で売却できるタイミングで売却するのが理想的なM&Aでの会社売却といえます。
目的の明確化
どうしてM&Aをしたいのか、目的を明確化することが、スキームなどの戦略を練る上でとても大切になります。
M&Aをする目的が、売却側は後継者問題なのか、経営者が売却益を得たいのか、事業を立て直したいのかなど、買収側は事業拡大なのか、自動車解体処理業に進出したいのかなど、目的によって選ぶ相手やスキームが大きく異なります。
正しい相手や戦略を選ぶためには、最初の目的が大切です。目的が明確化ができない時に、M&Aの専門家の助けを借りながら、M&Aを進める前に整理しておきましょう。
シナジー効果が見込まれる相手先の選定
M&Aは成立後に会社が合併してからが本当の勝負だともいわれます。M&Aで1つの会社になったことで、お互いの業績が大きく飛躍できるようなM&Aでなければ、M&Aが成功したとは言えません。
真に成功したM&Aをするためには、シナジー効果が見込まれる相手を選ぶことが最も大切です。
売却側は、従業員がM&A後も安心して働き続けることができる環境を作るためにも、買収側は高額な出費のもとを取るためにも、どのようなシナジー効果を生み出せる相手なのかをよく検討しましょう。
5. 自動車解体処理業界のM&A・事業譲渡まとめ
自動車解体処理業界もM&Aによる再編が進んでおり、今後もM&Aは活発に行われるでしょう。そのような中で、後継者問題などで会社の将来に不安を感じている経営者も少なくありません。
会社の将来が不安であるのなら、まずはM&Aの専門家に相談して、会社を売却できる可能性がないか検討してみましょう。
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