2022年06月06日更新
EC・通販業界のM&A・買収・売却の完全マニュアル【相場/成功事例あり】
スマートフォンのアプリを用いて手軽にサイト制作・運営ができるようになり、市場が拡大中のEC・通販業界では、M&Aによる買収・売却も盛んです。EC・通販業界のM&A動向、買収・売却のメリット・ポイント、譲渡・売買相場や事例などを解説します。
目次
1. EC・通販業界
ECサイトや通販業界のM&Aのマニュアルを解説する前に、まずは基礎事項として、ECサイト・通販業界の違いや動向、相場などについて確認しておきましょう。
EC・通販業界とは
スマホの普及と、2020(令和2)年に突如、起きたコロナ禍による巣ごもり需要があって、現在、ECサイトや通販業界は市場が拡大中です。現状では、かなりの数のECサイトや通販サイト、またはリアル店舗のアプリ活用による販路拡大が見受けられます。
しかし、ECサイトや通販業界事情について、一般には伝わっていない情報が多いのも事実です。そこで、あらためて、EC業界・通販業界に分けて、それぞれの意味を見てみましょう。
EC業界とは
ECとは、「electronic commerce」の略です。日本語では電子商取引といいます。
そして、日本においてECサイト業界が誕生したのは1993(平成5)年といわれており、これはアメリカのAmazonに先駆けること1年です。
ただし、国内でECがメインストリームになったのは、1997(平成9)年の楽天市場の誕生からであり、当時の楽天三木谷社長の考案は、周囲から反対されていたという話もあります。
その後、同時期にYahoo!や価格.comなどの登場もあり、ECサイトは勢いを増していったのでした。
通販業界とは
通販業界とは、小売業の1つですが、無店舗販売という枠で成り立つもので、メディアで商品を展示して受注発注を行う業界です。
従来、この通販業界では、テレビ通販・カタログ通販などが主とした方法でしたが、最近では、アプリの活用による販路の拡大が多く見られるようになっています。
EC・通販業界の市場規模
2020年7月に公表された経済産業省の「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2019(令和元)年のEC・通販業界(電子商取引市場)のBtoC(消費者向け電子商取引)市場規模は19兆3,609億円(前年比+7.65%)でした。
一方、BtoB(企業間電子商取引)市場規模は353兆円(前年比+2.5%)です。一般には、あまり知られていませんが、この数値の示すとおり、実はEC市場については、企業間取引の方が圧倒的に多くなっています。
さて、一般になじみの深い消費者向けECについて、取引されるジャンル別の市場規模を下表にまとめました。
2018(平成30)年 | 2019年 | 上昇率 | |
---|---|---|---|
物販系 | 9兆2,992億円 | 10兆515億円 | 8.09% |
サービス系 | 6兆6,471億円 | 7兆1,672億円 | 7.82% |
デジタル系 | 2兆382億円 | 2兆1,422億円 | 5.11% |
合計 | 17兆9,845億円 | 19兆3,609億円 | 7.65% |
物販系とは、飲食料、酒類、家電、PC、書籍、映像・音楽ソフト、化粧品、医薬品、家具類、雑貨、衣類、文房具、自動車、バイク、自転車などです。
サービス系に含まれるのは、旅行・飲食・金融・理美容サービスやチケット販売などです。また、デジタル系とは、電子出版、オンラインゲーム、有料音楽・動画配信などが該当します。
いずれにしても、市場全体の売上上昇率7.65%は、国内の全業種の中でも10位内に位置しており、EC・通販業界は、まさに今、旬の業界の1つであるといえるでしょう。
EC・通販業界の動向
ECサイトや通販業界の市場動向を見ていくと、日本では1997年に楽天市場がスタートしたことが発端です。
そして、1998(平成10)年にはYahoo!ショッピングが開設され、2000(平成12)年にはAmazon.co.jpがサービスインしたことにより、ECサイト・通販業界はブームを迎えます。
スマートフォンの台頭による変化
楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jpの誕生により隆盛となったEC・通販業界ですが、その後の2007(平成19)年のiPhone発売に伴い、市場はさらに拡大された動向も見受けられます。
つまり、スマートフォンの普及やネットショッピングのブームがこの業界動向を大きく動かしたともいえるでしょう。店舗などを持たずにすむことから、中小企業であっても、大企業と同じようにアプリを開発し、ECサイトの設立ができるようになり、市場拡大は加速してきました。
このEC・通販業界の伸びは、これからも加速していくことが見込まれています。その理由は、Amazonなどの主要会社に加えて、新たなECサイトの開設や、ネットショッピングを利用した通販業界への進出企業が多くなっているからです。
他業種の参入
これまでのEC・通販業界はBtoC取引で、市場を盛り上げてきた動向が見られます。一方で、最近では、スマートフォンの普及で「メルカリ」などのCtoCのためのアプリも市場拡大の要因となりました。
また、セブン-イレブンは、コンビニエンスストアとインターネット、スーパーマーケットをシームレスにつなぐサービスを開始するなど、他業種からEC・通販に参入する動向も見られます。
EC・通販会社の動向として、事業譲渡(事業売却)が非常に多く行われているのが特長です。EC・通販業界は、現在では、かなりの数のECサイトや通販サイト、またはリアル店舗のアプリ活用による販路拡大が行われている業界となっています。
そこで、全事業のうち人気のあるEC・通販事業だけを事業譲渡するというケースは珍しくありません。近年では、リアル店舗を展開している流通の事業者などが、販売チャンネルの拡大に向けて、EC・通販事業者を買収する動向がよくあります。逆にいえば、EC・通販事業を事業譲渡するのは難しくないということです。
したがって、幅広い規模のEC・通販会社において、事業譲渡などのM&Aが活発になってきている状況から、個人事業で行っているEC・通販事業であっても、内容次第で売却のチャンスはあります。
コンテンツマーケティングの台頭
ECや通販業界は勢いのある業界であり、コンテンツマーケティングとしても活用されています。
2015(平成27))年頃を機に急激に伸びてきた業界ですが、ブログやSNSアプリの活用で売り手の伝えたいことを一方的に伝えるだけではなく、ユーザーに役立つ情報を伝えて選んでもらえるようにするコンテンツマーケティングも行われるようになってきたのです。
2. EC・通販業界のM&A動向
現在の国内市場では、EC・通販業界が伸び続けている動向を受けて、他業種からの参入やアプリ・サイトの新規開設のためにM&Aが盛んに行われています。
ここでは、EC・通販業界のM&A動向について見ていきましょう。
店舗経営企業がECに参入
EC・通販業界で大きな流れとなっているのは、リアル店舗を展開している流通の事業者などが、販売チャンネルの拡大に向けてEC・通販事業者を買収する動向です。
最も典型的な事例としては、京王百貨店が衣料・キッチン用品などのECを展開するセレクチュアーを買収した件があります。
EC企業が他企業を買収
EC・通販業界のM&Aの動向として一番多いのが、同業種による販売品目拡充のためのM&Aです。また、EC事業者が、リアル店舗販売業者を買収するM&Aも多くあります。
1つの事例としては、インターネットで「サンプル百貨店」と題して試供品を提供するオールアバウトライフマーケティングは、2014(平成26)年に酒類・調味料の販売を行うシャンディーを買収し、子会社化しました。
世界規模でのM&A
EC・通販業界では、越境ECが注目されている動向があります。クオリティーの高い日本製品は世界中で需要があり、それらの製品の販売経路として、ECサイトを買収する企業もあるのです。
また、大手EC企業は、海外市場への本格参入のために、現地での倉庫や流通網を持つ企業をM&Aにて子会社化するケースもよくあります。
EC・通販業界のM&Aにおすすめの仲介会社
M&A総合研究所は、中小企業のM&Aを主に手掛けており、さまざまな業種のM&A支援実績がございます。
豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが専任となって、EC・通販企業のM&Aをフルサポートします。
通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを最短3カ月で成約した実績があり、機動力も強みとなっています。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。随時、無料相談を受けつけておりますので、EC・通販業界のM&Aをご検討される際には、お気軽にお問い合わせください。
3. EC・通販業界でM&Aをするメリット
EC・通販業界では、国内外を問わずに買収や売却などM&Aによる会社・事業の売買が多数、行われています。
ここでは、なぜEC・通販業界で売買などのM&Aが盛況なのかを理解するために、そのメリットを見ていきましょう。
売却・譲渡側のメリット
まず、EC・通販業界の企業を売買するときに、売却・譲渡した側が主として得られる以下4つのメリットについて解説します。
- 投資した資金の回収ができる
- 本業に注力できる
- サイト運営に関わる経費を移管できる
- 創業者利益を得られる
投資した資金の回収ができる
EC・通販事業は、サイトやアプリ開発に非常に資金がかかるものとしても有名です。これは、立ち上げてから管理や運営をするうえでかかる費用も含まれます。
しかし、一度開発してしまえば、人件費などがあまりかからないビジネスモデルでもあるのです。したがって、地道にコツコツと資金を回収するのではなく、大きく回収するとすれば、売却・譲渡時ということになります。
本業に注力できる
ECや通販用サイト、アプリを開発するオーナーは個人で始めるケースも多く、その事業が大きくなるにつれて個人で行うことが難しくなる場合もあります。
また、サイトやアプリの開発を行う人は、開発後は管理を行うだけになってしまうのです。IT分野などで他の事業に挑戦したいなどという人が多く、そのような事情がある場合は、EC・通販用サイトやアプリの事業を売却・譲渡し、本業または、行いたいことに注力できるメリットがあります。
手を引きたい事業を売ってしまえば、そこで得られた経営資源を、ほかに見込みある事業に投入することも可能です。事業譲渡(事業売却)であれば、譲り渡す事業・資産の範囲を買い手と売り手、双方の話し合いで決められますから、EC・通販事業が他の事業に比べて不要であると感じるなら、それだけを選択して売却でいます。
不必要な事業を売ることでまとまった資金を得られるほか、会社全体として見たときの利益率アップも期待できるはずです。特にEC・通販事業の売上があまり出ていないという場合は、一度事業譲渡について検討してみるべきでしょう。
サイト運営に関わる経費を移管できる
ECサイトやアプリの運営で最近、見られるのが、バグなどによる事業停止です。
このようなバグによるトラブルがないように運営するには、それなりの管理コストや手間・時間がかかってしまいます。
また、それを担当する優秀なエンジニアの雇用にも注力しなければならないため、余計に経費がかさばることがありますので、サイトやアプリの事業を他に売却・譲渡をしてしまえば、その経費を他の事業に使えることがメリットです。
創業者利益を得られる
EC・通販事業は、サイトやアプリの開発をすることで、株式の評価額が上がることが多く、その際に資本金額を上回る株式評価額になることもあります。
そこで株式を売却・譲渡すると、創業者利益を獲得できることとなり、これも大きなメリットです。創業者利益を得られれば、それを新たな事業のための資金としてもいいですし、引退後の生活費にもあてられます。
買収側のメリット
ここからは、EC・通販会社・事業を買収する側のメリットを4点に絞り解説します。
- 販売チャンネルを拡大できる
- 0からECサイトを構築しないですむ
- EC業界に安全に参入できる
- もともとある会員ベースを拡大できる
販売チャンネルを拡大できる
これまで店舗で販売を行ってきて、自社製品に強みのある企業は、EC・通販業界の企業を買収することで、販売チャンネルを拡大して収益アップにつなげられます。
0からECサイトを構築しないですむ
ECサイトの構築は、システムを作りあげるのに、かなり時間とコストがかかります。
M&Aによる買収を行うことで、新規でECサイトを立ち上げるコストと時間をかけずにすみ、効率がかなり上がることがメリットです。
また、新規事業への参入も容易に行えるようになるので、M&AでEC・通販会社・事業を買収するのはメリットが大きいといえます。
EC業界に安全に参入できる
EC業界はインターネットを活用した業界なので、当然、予期せぬトラブルもあります。しかし、M&Aでの売買によって、すでに構築されているシステムを取得できれば、リスクなく安全に参入できるのです。
株式譲渡で会社を丸ごと買収した場合、負債などのマイナス資産も受け継ぐ必要があります。しかし、事業譲渡(事業売却)の場合、売り手が同意すれば、買い手は負債を引き受けず必要な事業だけを譲り受けられるのです。
事業強化や新規事業への参入を考えている買い手にとって、負債なしで人材や取引先などを引き継げるのは大きなメリットといえるでしょう。
もともとある会員ベースを拡大できる
M&Aの買収によってEC・通販のサイトやアプリを獲得したとき、譲渡側の企業の会員、あるいはユーザーをそのまま引き継ぎ、シナジー効果によって会員数を拡大することも可能であり、これもメリットとして魅力的です。
4. EC・通販業界のM&A成功のポイント
ECや通販業界のM&Aによる売買は、年々、増加しています。
このM&A・売買により、成功を収めている企業も多数存在しており、そうなるためには相場や事例を元にM&Aの理解を深めることも必要です。
ここでは、それら相場や売却・買収などM&A・売買に関係するポイントについて解説します。
相場を調べる
売却・買収などの会社売買・M&Aを成功させるには、まず、相場を理解しておくことが大事です。
今、勢いのあるEC・通販業界だからといって相場をわからないままM&Aを進めてしまうと、売却側・買収側ともに失敗してしまうリスクがあります。
したがって、M&Aにて売却・買収を行う際には、相場をしっかり理解したうえで条件交渉を進め、売買取引を行うことが成功のポイントです。
相手企業との相性を確認
EC・通販業界のM&Aでは、相手企業との相性をしっかりと把握したうえで売買を行うのが重要なポイントです。
EC・通販業界は勢いのある業界なので、相場だけつかんでいればいいと思ってしまうかもしれませんが、相手企業との相性が合わない場合は、売買がうまく成立したとしても成功に至れないでしょう。
M&Aの成功とは相手との成約が決まることではなく、成約後、買収した会社・事業が想定どおりの実績を上げることにあります。M&Aの成約は手段であって、決して目的ではありません。
そして、成約後、買収した会社・事業が思ったとおりに利益を上げていくかどうかの1つの見極めは、相手企業との相性も重要なポイントです。
5. EC・通販業界のM&Aの相場と成功事例
この項では、EC・通販業界のM&Aで成功した3つの事例を紹介します。
M&A成功事例①:ECサイト事業の売買
ECサイト事業の売買事例です。
2018年4月に行われたM&Aの事例です。
売却側と買収側
売却側は、EC企業を東南アジアなど海外で行っている未上場企業で、成長著しい新興国で配送から決済まで一括で運営をしていた会社です。
買収側企業は、中部地方で大手の通販上場企業で東南アジア進出の足掛かりにしたいという目的で、このM&Aに乗りました。
スキーム
このM&Aに使われた手法は、株式譲渡です。
双方のメリット
売却側は譲渡益を回収し、経営資源を他社に譲渡することで事業の存続を可能にしました。
買収側は、東南アジアへの進出を可能にし、双方の経営資源の活用で事業の拡大を獲得しています。
M&A成功事例②:ベビー用品通販事業を行う企業同士のM&A事例
次の事例は、ベビー用品通販事業を行う企業同士のM&A事例です。
約半年に渡る面談や交渉の結果、M&Aの実施が決まり、成功を収めている事例です。
売却側と買収側
売却側は、各電子モールで本分野での豊富な営業実績を有していて20年以上の顧客基盤を持っている企業でしたが、長期的な後継者不足に悩まされているオーナーでした。
買収側は、大手総合商社グループの通販会社で、医薬品や日用品、食品販売で大手の一角を占めている企業です。
スキーム
このM&Aに用いられた手法は、株式譲渡です。後継者不足を解消するために、会社を丸ごと譲渡し、また譲渡側の企業の元オーナーは、相談役として経営に携わっています。
双方のメリット
売却側のメリットとしては、クロセリングによる売上向上と、資金面の強化です。
買収側のメリットは、独自の開発と企画力を生かせる企業との統合でシナジー効果を発揮し、売上高の向上と事業規模のスケールメリットを獲得しています。
M&Aによる事業承継について
このように、後継者不足に悩まされて、事業承継のためにM&Aを行うケースは非常に多いです。経営者の高齢化や病気などの事情で事業を誰かに引き継がなければならないのに、適任者がいないことはEC・通販業界でもよくあります。
事業承継を行うことで、今まで雇っていた従業員や取引先とのつながりを残すことが可能です。廃業をしてしまった場合、EC・通販会社の存在自体がなくなるので、雇用関係も取引先との契約もなくなってしまいます。
今まで苦労して守ってきたEC・通販会社が、廃業になり消えてしまうこと、そして廃業を周囲に告知するのは経営者も心苦しいでしょう。したがって、EC・通販会社そのものや従業員、仕事に思い入れがあるなら、M&Aを用いた事業承継を検討しましょう。
EC・通販業界で事業承継を行うことについては、以下の記事で詳しく書いているのでぜひ参考にしてください。事業承継のためのM&Aでも、買い手側と売り手側にメリットが多いので積極的に取り組むべきです。
EC・通販業界の事業承継・M&Aにおすすめの相談先
後継者難を補うためにM&Aによる事業承継を思い立ったとしても、どこに相談してよいものか困っているということをよく耳にします。
事業承継・M&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、これまでにさまざまな中小企業のM&Aに数多く携わっており、事業承継・M&Aの支援実績も豊富です。
豊富な実績のあるM&Aアドバイザーが案件ごとに専任となって、事業承継・M&Aをフルサポートいたします。
当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。
M&A成功事例③:異業種によるM&Aの事例
3つ目の事例は、ネット通販を行う企業同士ですが、異業種によるM&Aの事例です。
売却側企業の経営者が別事業に専念したいとの思いでM&Aを検討し、2カ月という短い期間で行われたM&Aになります。
売却側と買収側
売却側は、楽天などで家電類のネット通販業を行っている老舗で、安定した収益力とノウハウを構築している会社です。
買収側は、中堅企業のソフトウエア開発事業を行っている未上場の会社でした。
スキーム
このM&Aは企業再編のために行われたもので、株式譲渡によるM&Aを活用した事例です。
EC・通販会社は株式譲渡や事業譲渡が非常に盛んです。現在では、かなりの数のECサイトや通販サイト、リアル店舗のアプリ活用による販路拡大などが見受けられます。そのような事業拡大のために株式譲渡(会社売却)が使われているのです。
株式譲渡では、企業のオーナーが持っている株式を法人、または個人に譲渡します。多くの株式を渡すほど、譲り受けた相手は会社に対して強い影響力(経営権)を持ちますが、多くの場合、買収側は少なくとも50%以上でできるだけ多くの株式を求めるのが常です。
なお、EC・通販会社の株式譲渡については、以下の記事で詳しく解説しているので確認してみてください。
双方のメリット
この事例での双方のメリットとしては、譲渡側はEC・通販会社の売却により別事業(別会社)に注力ができることと、そのための資金が獲得できたことでしょう。
一方、買収側は異業種である分野への新規参入がスムーズにいき、事業領域拡大へのコストと時間の削減が可能になったところであるといえます。
EC・通販会社が株式譲渡や事業譲渡で人気を集めている理由は、事業拡大のためです。まだ、ECサイトや通販サイトを持たない販売店が、スピーディーに事業に参入するために買収を行っています。
EC・通販会社も株式譲渡や事業譲渡によって大きな売却益を得られることも多く、契約が成立しやすいです。
近年では、大手企業が中小規模のEC・通販会社を買うことも珍しくはありません。したがって、自社を売る決断をした際には、思わぬ大企業に買われるという可能性もあります。
6. まとめ
近年、注目されているEC・通販サイト業界は、スマートフォン普及が後押しとなって市場拡大が加速しています。したがって、EC・通販サイトに参入を考えている場合は、M&Aの活用が得策でしょう。
7. ネット通販・EC業界の成約事例一覧
8. ネット通販・EC業界のM&A案件一覧
【旧型酒類販売免許保有】酒類販売業×九州
食品卸・小売/その他の卸・小売/九州・沖縄案件ID:2389公開日:2024年11月06日売上高
1000万円〜5000万円
営業利益
非公開
譲渡希望価格
〜1000万円
酒小売業/希少性の高い旧酒類販売免許保有/アセットライト/1円譲渡案件
【増収総益/首都圏】中古着物用品EC販売(店舗あり)
繊維・衣料卸・小売/その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/関東・甲信越案件ID:2385公開日:2024年11月05日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1億2,500万円以上(応相談)
【特徴・強み】 ◇コロナ前に始めたECショップにより売上が拡大し、3期以上増収増 ◇【実店舗】売上の約2割。駅近で立地が良く、国内客9割・インバウンド客1割。 ◇【ECショップ】売上の約8...
【催事出店多数/海外ブランド】 高級スイーツブランドの日本総代理店
食品卸・小売/ECサイト(カートあり)/飲食店/近畿案件ID:2341公開日:2024年10月18日売上高
5億円〜10億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
対象企業は、高級海外スイーツチブランドの日本総代理店を運営する会社様でございます。 この度は更なる事業拡大と当社ブランドを永続的に残す為、企業の譲渡をご検討されております。 圧倒的なブランド...
【高級ブランドとして確立】首都圏×スイーツプロデュース・販売業
食品製造/関東・甲信越案件ID:2209公開日:2024年09月01日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
・こだわりぬいた高品質の材料を海外から仕入 ・実績のあるパティシエにより商品のプロデュース力抜群 ・高品質×高価格のブランドを構築し、明確な顧客層へアプローチ
【ライセンス複数保有/高品質】オリジナルギフトの企画制作・販売業
その他の製造業/その他の卸・小売/ウェブサイト/中国・四国案件ID:2204公開日:2024年08月30日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
3,000万円(応相談)
中国エリアにてオリジナルギフトの企画制作・販売を手掛ける企業
【旧型酒類販売業免許保有】東北地方×酒類販売業
食品卸・小売/その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/東北案件ID:2195公開日:2024年08月28日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
対象企業は、新規では取得ができない旧型酒類販売業免許を保有されている酒類販売企業業でございます。 業歴も長く、取引先からの信頼も厚い企業となります。
【主要都市に複数店舗展開】トレーディングカードショップ運営業
その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/娯楽・スポーツ/関東・甲信越案件ID:2051公開日:2024年07月16日売上高
10億円〜25億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
トレーディングカードの買取・販売
【優良取引先あり】東北のサッシ・エクステリア工事業
その他の卸・小売/建設・土木・工事・住宅/東北案件ID:1975公開日:2024年06月26日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
サッシ・エクステリア工事、特産物オンライン販売
【首都圏/3期平均EBITDA3億円越え】EC・物販業
繊維・衣料卸・小売/食品卸・小売/その他の卸・小売/関東・甲信越案件ID:1946公開日:2024年06月13日売上高
10億円〜25億円
営業利益
2.5億円〜5億円
譲渡希望価格
15億円〜20億円
・小売業(EC) ・卸売業
【大手ECサイトにて複数回の総合ランキング1位を獲得】レディースインナー商品の企画、EC販売
繊維・衣料製造/繊維・衣料卸・小売/ECサイト(カートあり)/関東・甲信越案件ID:1936公開日:2024年06月07日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
5000万円〜1億円
首都圏に本社を構えるレディースインナー商品の企画、EC販売業を手掛ける企業です。
【関西/高収益・ストック収益】健康機器・食品のEC販売業
ECサイト(カートあり)/娯楽・スポーツ/近畿案件ID:1930公開日:2024年06月07日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
・CBD関連商品の企画、開発、製造、販売
【高収益/新鮮な水産物】EC販売業
食品卸・小売/ECサイト(カートあり)/北海道案件ID:1893公開日:2024年05月24日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
食品小売業
【海外/シンガポール】顧客数700社以上の食品(グローサリー)卸売業
食品卸・小売/その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/海外案件ID:1767公開日:2024年04月10日売上高
10億円〜25億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
応相談
・生鮮食品を除く食料品や飲料(グローサリー)の卸売事業を運営
【マレーシア】BtoB日用消費財プラットフォーム
その他の卸・小売/ウェブサイト/ECサイト(カートあり)/海外案件ID:1720公開日:2024年03月27日売上高
50億円〜100億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
約160億円
マレーシアにて日用消費財のBtoBプラットフォームを運営
【稼働会員6万人×高収益】ギフトショップ運営・EC販売業
食品卸・小売/その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/非公開案件ID:1612公開日:2024年02月21日売上高
10億円〜25億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
2.5億円〜5億円
冠婚葬祭などに用いるギフトを店舗・EC販売を手掛ける企業様になります。
【化粧品雑貨の企画/製造/販売】純資産程度での譲渡・近畿主要都市
SES・受託開発/その他の製造業/その他の卸・小売/近畿案件ID:1550公開日:2024年01月23日売上高
2.5億円〜5億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1億2,000万円(応相談)
化粧品雑貨の企画開発及び、製造並びに販売
【西日本・複数法人同時譲渡】就労継続支援業(図面チェック)、製作図業
IT・ソフトウェア/介護・福祉・医療/住宅・不動産・ビルメンテナンス/中国・四国案件ID:1463公開日:2023年12月14日売上高
10億円〜25億円
営業利益
1億円〜2.5億円
譲渡希望価格
5億円〜7.5億円
①図面製作図業 ②就労継続支援A型
【収益拡大中】売上16億円以上を誇るPC、家電等の買取・販売業
その他の卸・小売/ECサイト(カートあり)/関東・甲信越案件ID:1403公開日:2023年11月21日売上高
10億円〜25億円
営業利益
5000万円〜1億円
譲渡希望価格
4億7,000万円以上(応相談)
新品、新古品のPC・家電等の買取・販売事業
【関西 / ワインの輸入・販売業】独自性の高い商品・商流を保有
食品卸・小売/近畿案件ID:1387公開日:2023年11月13日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
赤字経営
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
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