成約インタビューM&A事例

技術サービス業のM&A事例【静岡県】

無人航空機の専門家集団が
老舗建設コンサルタントと描く未来

  • 譲渡企業

    日本DMC株式会社

    代表取締役

    小栗 幹一 様

    業種
    技術サービス業
    地域
    静岡県
    売上
    非公開
    社長の年齢
    非公開
    譲渡理由
    後継者不在、事業拡大
  • 譲受企業

    建設コンサルタント業 M社

    業種
    建設コンサルタント業
    地域
    東京都
    売上
    非公開
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    自社技術とのシナジー

無人航空機のコンサルティングを手掛ける日本DMC株式会社が、建設関連の調査を専門とするM社に事業譲渡を決断。東日本大震災の復興支援でドローンの可能性に着目した譲渡企業の小栗幹一代表と、空と地中を組み合わせた新たな探査技術の確立を目指す譲受企業のM社。それぞれの想いが共鳴し、M&Aは実現しました。新たな技術と歴史ある事業が融合することで生まれるシナジー、そして両社が見据える未来に迫ります。

【譲渡企業】日本DMC株式会社
本社:静岡県
事業内容:無人航空機についてのコンサルティング業務を手掛けている。

【譲受企業】建設コンサルタント業 M社
本社:東京都
事業内容:建設関連地質調査や防災・維持管理調査などの調査業務を行っている。

譲渡企業
日本DMC株式会社
代表取締役 小栗 幹一 様 インタビュー

東日本大震災の経験が創業の原点に

ーまずは、御社の創業の経緯について教えてください。

私は元々、総合建設コンサルタントとして働いており、東日本大震災の被災地で復興支援に携わっていました。津波で建物の基礎だけが残ったような広い場所を、ひとつひとつ手作業で測るより、もっと迅速に測量できる技術があれば、復旧・復興はもっと早まるのではないかと感じたのです。その時に、無人航空機による航空写真測量という技術を知り、これを事業として確立したいという想いから、当社を創業しました。

時代を先取りした10年間の技術蓄積

ー御社の事業内容と強みについて教えてください。

当社は2015年の設立当初から無人航空機を活用したコンサルティング事業を手掛けてきました。当時はまだ専門家がほとんどいない中、様々な分野の技術者の方々と協力しながら経験を積んできた10年間が強みです。測量やドローンスクールの運営を通じて培ったノウハウは多岐にわたります。市場が動き出した今、これらの技術を活かせる機会が増え、幅広いニーズにお応えできると自負しています。

安全性のノウハウ提供が事業拡大の鍵

 ―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

創業当初はドローンを活用したモニタリングから始めましたが、すぐに「安全性への信頼」という課題に直面しました。そこで、無人航空機の専門家が集まるJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)の認定スクールに加入し、安全管理に関するノウハウを蓄積していきました。この経験が、行政や企業に対して安全性を担保する知識を提供する機会となり、事業拡大の重要な柱となりました。

58歳を前に後継者と事業の未来を考慮

―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。

私が58歳になり、今後の無人航空機技術の進化を考えると、私一人で事業を継続していくことに不安を感じたのがきっかけです。後継者の育成も課題でした。この技術やノウハウをさらに広げるためには、組織的なサポートが必要だと考えました。事業譲渡により、私自身も技術的な面に専念できるようになるため、このタイミングがベストだと判断しました。

決め手は「空」と「地中」の融合というビジョン

―最終的にM社様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。

M社様との出会いは本当に感動的でした。当社はドローンで地表面の空間情報を計測する事業を行っていましたが、地中探査についてはまだ考えていませんでした。しかし、先方の社長も「空中のデータと地中のデータを融合する技術」の確立を考えていらっしゃると知り、ビジョンが完全に一致しました。当社の技術が、M社様の強みと合わさることで、新たな価値を創造できると確信しました。

技術の相乗効果で世界を目指す

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

M&Aによって、お互いが培ってきた事業に大きな相乗効果が生まれることを期待しています。すでに今後の進め方についてもお話をさせていただき、専門部署で技術の融合を進めることになっています。日本だけでなく、この技術を世界で活用できるようなレベルにまで高めていきたいと考えています。今回のM&Aは、私たちにとって非常に大きなメリットがあったと感じています。

自社を客観的に評価する機会を持つこと

―M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。

私が申し上げるのも恐縮ですが、 M&Aを検討する際には、事業が順調な時期にこそ前向きに考えてみることも大切だと感じています。そのためにも、自社を客観的に見つめ直す機会を持つことが役立つのではないでしょうか。年に一度でもM&Aの専門家に相談することで、自社の価値や課題、今後の方向性について、新たな気づきを得られることもあると思います。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください

押田さんとは趣味が合ったこともありましたが、それ以上に仕事の速さと信頼感が、今回のM&Aを安心して任せられた一番の理由です。良いことばかりではなく、時には厳しい現実も正直に伝えてくれたので、安心してすべてを任せることができました。
また、常に最悪の事態を想定しながらも、最適な案をご提案していただけたことには感銘を受けました。
私たちの業界も「段取りが9割」と言われるほど事前準備が重要なので、そのプロフェッショナルな姿勢には深く共感しました。
 

空中のプロフェッショナルである日本DMC株式会社と、地中のプロフェッショナルであるM社。それぞれの強みがM&Aによって融合し、新たな探査技術の確立という共通のビジョンが生まれました。小栗代表が培ってきた技術と経験、そしてM社の持つ歴史と事業基盤が見事に合致し、今後の両社の発展に大きな期待が寄せられます。今回のM&Aは、単なる事業承継ではなく、新たな価値を創造する戦略的なM&Aとなったと言えるでしょう。

担当者からのコメント

押田 真吾
この度、事業承継をご検討されていたオーナー様よりご相談をいただき、M&Aが成約いたしました。長年にわたり培ってこられた技術と、従業員に対する深い想いを未来に繋ぎたいというオーナー様の願いに対し、譲受企業様はそのノウハウと技術力に強く共感していただきました。今回のM&Aは、まさにオーナー様が望む未来を共に築く理想的なパートナーとの出会いだったと感じております。単なる事業の存続ではなく、両社の技術と知見が融合することで新たなイノベーションが生まれる、大変意義深いM&Aとなりました。この素晴らしいご縁を機に、今後の両社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(企業情報本部 マネージャー 押田 真吾)

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