成約インタビューM&A事例

情報通信業のM&A事例

ストック収益が魅力の予約システム事業
新体制でさらなる高みへ

  • 譲渡企業

    情報通信業 J社

    代表取締役

    T.Y.様

    業種
    情報通信業(システム開発)
    地域
    非公開
    売上
    非公開
    社長の年齢
    非公開
    譲渡理由
    潜在的後継者不在、事業拡大
  • 譲受企業

    情報通信業 A社

    業種
    情報通信業(SES事業・SaaS事業等)
    地域
    非公開
    売上
    非公開
    上場有無
    非公開
    譲受目的
    事業の成長戦略

診療予約システムを軸としたSaaS事業で、高い収益性と成長性を誇るJ社。順調な事業拡大の先に、より大規模な成長の壁を感じた代表T.Y.氏が、事業の未来を託したのが、Web技術に強みを持つA社でした。ストック型ビジネスの安定性と、高い製品力を評価した譲受企業と共に、さらなる高みを目指す代表の想いに迫ります。

【譲渡企業】情報通信業 J社
事業内容:コンピュータソフトウェアの開発、販売コンピュータシステムの企画・開発・設計・導入を手掛けている。

【譲受企業】情報通信業 A社
事業内容:Web技術をベースとしたシステム開発に強みを持ち、賃貸サイトの運営に注力している。

譲渡企業
情報通信業 J社
代表取締役 T.Y.様 インタビュー

高い製品力と顧客満足で成長した予約システム事業

当時の社長と開発を担当していた私で、社長の以前のお客様だった予約システムのビジネスを継続させるために創業しました。現在の事業内容は、診療予約システムの利用料収入を主軸としたSaaS(サブスクリプション)事業で、売上の約8割を占める安定した収益基盤となっています。

広告ゼロで顧客を拡大する高収益ビジネス

―御社の事業内容と強みについて教えてください。

主な事業は診療予約システムの開発・販売で、強みは三点あります。一点目は、システム利用料収入が右肩上がりに成長している安定的なストック収益であること。二点目は、売上総利益率が80%を超える高収益構造であること。三点目は、広告宣伝費をかけずに収益を伸ばしている営業効率の高さです。

利益を内部留保しシステム強化に投資

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

当社は「広告に頼らない成長」をポリシーとしてきました。マーケティングに頼るのではなく、製品の質を磨き、HPや口コミ、ご紹介によって事業を拡大してきました。財務面では、毎期安定して利益を内部留保し、それを元手に無理なくシステム強化のための設備投資を行い、システム競争力を高めてきたことが成長の要因です。

さらなる成長には大規模な資本力が必要

―譲渡をお考えになったきっかけや背景を教えてください。

事業は順調に成長していましたが、これからさらなる成長ステージに進むためには、当社のリソースだけでは限界を感じたためです。特にシステムの大規模な改修や、優秀な人材の確保には、より大きな資本力が不可欠だと判断し、M&Aを検討し始めました。

既存事業の継続と適正な企業価値評価

―検討を進められる上で、希望や大事にされた条件を教えてください。

最も大事にしたのは、現行のシステムと既存の顧客を大切にして、事業を継続させることです。システムの継続的な発展なくして、顧客への貢献はできません。また、当社の持つストック収益の安定性や純資産から、適正な評価をいただけることも重要視していました。

将来性への評価と満額提示が決め手に

―最終的にA社様への譲渡をご決断されましたが、印象や決め手を教えてください。

A社様は、当社の将来性とビジネスモデルを高く評価してくださいました。譲渡希望額についてもご配慮くださったことも大きな決め手となりました。さらに、A社様の開発リソースと当社のストック型ビジネスを組み合わせることで、私たちの事業がより発展できるというビジョンを共有できたことが、最終的な決断理由です。

より多くの医療機関に不可欠な存在へ

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

A社様の資本力と開発リソースを背景に、システムの優位性を拡大し、より広く展開できると期待しています。より多くの医療機関にとって不可欠な存在となり、医療現場の効率化に貢献することが、今後のビジョンです。

自社の「質」に自信を持ちディスカウントをしない

M&Aを検討されている経営者様へメッセージをお願いします。

アドバイスは二つです。一つ目は、「自社の事業の質」を表現することです。売上や利益の額だけでなく、収益の安定性や営業効率、顧客基盤といった無形資産の部分も重要な情報になります。二つ目は、「不要なディスカウントをしない」ことです。これまでの苦労や努力を思い返し、ご自身のビジネスに自信を持って臨んでください。

最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください

当社の強みを深く理解し、最大限に魅力を訴求していただきました。交渉もスピード感があり、秀れた候補企業を多数提案してくれたことも大きかったです。企業をよりよくすることをなによりも重視していたので、無事成約を迎えて安心しています。
また、デューデリジェンスを行う際の昼食時も和気あいあいとした雰囲気で会食が進み、デューデリジェンスが無事終了しました。拍子抜けするほどスムーズで安心感を覚えました。

安定したストック収益と高い製品力を持つ成長企業と、Web技術とグループの強固な資本力を持つ企業。この二社の出会いは、お互いの強みを掛け合わせ、事業を次のステージへと押し上げる理想的なM&Aとなりました。代表が感じていた成長の限界は、譲受企業の開発リソースという強力な武器を得て、さらなる優位性の拡大というビジョンへと昇華しました。最終的に、J社の事業価値と将来性を正当に評価し、熱意を示した譲受企業の決断は、今後の事業展開における力強いシナジーを予感させます。J社のシステムが、より多くの医療機関にとって不可欠な存在となる未来に、期待が高まります。

担当者からのコメント

鞍野 海人
オーナー様は、年齢も若くご健康でいらっしゃいましたが、従業員様や事業の今後のことを考える中でM&Aという選択肢をお持ちでした。身近な関係者様の影響もあり、より具体的に意識されたタイミングで弊社との縁がありご相談を頂戴いたしました。オーナー様の従業員様や取引先様のことを第一に考えつつ、ご自身のライフプランも踏まえた中で考えを整理し、希望に沿う企業様とのご縁を結べるよう尽力した結果、理想的なご縁を結べました。自社ではできなかったスケールで今後は更なるサービス拡大する中で、更に需要が増えるサービスを展開されると確信しております。今回、担当者としてオーナー様や譲受企業様と携わらせていただいたことを心から嬉しく思います。
(企業情報本部 マネージャー 鞍野 海人)

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