譲渡企業
オーナー 田邉様 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
元々は会社を成長させるため、他の会社を譲り受けることを想定していました。そのため、譲受側として様々なM&A仲介会社様と話をしておりました。
ーそうだったのですね。そこから譲渡側として検討されたきっかけは何だったのでしょうか?
具体的に話を進めていく中で、上場企業が当社の譲り受けを検討しているというご提案を頂きました。上場企業であれば第三者の目も入ってきちんと会社を管理されているだろうと思い、会社を成長させることができるのであれば、譲渡側として本格的に話を聞いてみようと思ったのがきっかけです。
土木管理総合試験所様・弊社との出会い
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
他の仲介会社様から様々な会社をご提案いただく中で、建設コンサルティング業の上場企業に絞って検討しておりました。
顧客企業に譲り渡すことも可能性として考えましたが、そうすると当社の役割が一部署のような規模感になってしまい、他のお客様にサービスを提供できなくなってしまうため、最終的には希望からは外していました。
Q3.土木管理総合試験所様に決められたご理由を教えてください。”建設コンサルティング業の上場企業”という点はもちろんかと思いますが、事業内容の詳しい部分はいかがでしたでしょうか。
調べれば調べるほど、当社と同じようなことをやっているけど実務面では少しずつ異なる点があることが分かり、シナジー効果が大きいと考えました。例えばエリアであれば、当社は九州中心で土木管理総合試験所様は長野中心であること、業務フローであれば何かをつくっている点は同じですが、手掛けているサービスが違うことなどが挙げられます。
ー社風についてはどのような印象を受けられましたか。
社風が似ていると感じました。特にお客様への対応の姿勢が似ていると感じました。また下平社長の記事や講演を拝見していた中で、真面目に努力を積み重ねてきた会社であるという印象を受けました。
Q4.弊社とのやり取りはどのように始まったのでしょうか。
今から約1年前に、担当アドバイザーの樋山さんからお話を頂いたのが始まりでした。その後、土木管理総合試験所様をご紹介いただきました。
土木管理総合試験所様のことは以前から存じ上げていましたが、樋山さんにご提案いただいた後に詳しく調べて本格的に検討しました。
今後への期待
Q5.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
全国の皆様に社名を覚えていただけるくらい、全国的にサービスを展開していきたいです。
人のつながり、人でしか解決できないものを大切にして、皆様にご満足いただけるよう質の高いサービスを提供していきます。土木管理総合試験所様と一緒に、目的を果たしたいと思います。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
経営者として、しっかりとした会社をつくるためにはどうしていくべきなのかを考えることが大事なのではないでしょうか。そのようにして会社を作っていくと、譲受側の会社から「一緒になりたい」と評価を頂くことにも繋がるかと思います。
ー経営者としてどうするべきか、という視点を大事にされているのですね。
私は、経営者として世の中の役に立つ人間でありたいと思っています。経営者として自分を磨くことが会社を磨くことに繋がると考えているので、引き続き同じ気持ちを持って会社を大きくしていこうと思います。
譲受企業
経営戦略室長 下地様 インタビュー
参入後も経営を継続いただくM&A
Q1.今回のM&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社は以前よりM&A戦略を取ってきました。M&A実施後も社長が引退せずに継続してご活躍いただく成功事例が多く続いています。
その点、環境と開発様は田邉社長が40代と大変お若いので、当社に参入いただいた後にご活躍いただけるイメージが湧き、当社とマッチする可能性が高いのではと思い、検討し始めました。
M&Aの決め手
Q2.環境と開発様の譲り受けを決められたご理由を教えてください。
社長同士の相性が良かったことが決め手になりました。
特にトップ面談の際の雰囲気が良く、大変盛り上がったことを覚えています。面談が終わった後も、良い方だね、一緒にやっていきたいねと、社長の下平と話しておりました。
ー田邉社長のご印象はいかがでしたでしょうか。
大変勉強熱心で、今後成長していきたいという思いや、今のビジネスをより良くしたいという気持ちが伝わり、今後一緒になった際も仲間として良い関係を築けるだろうと感じました。
ー写真(左) 株式会社土木管理総合試験所 経営戦略室 室長 下地五月様
(中央)株式会社土木管理総合試験所 代表取締役社長 下平雄二様
(右) 株式会社環境と開発 代表取締役 田邉陽介様
Q3.下平社長のお人柄を教えてください。
きわめて穏やかで静かにコミュニケーションを取るタイプの社長です。口数が多い方ではないので、前のめりに会話を繋げていくのは珍しいです。田邉社長と話した時は会話が止まらないくらい盛り上がっていたので、相性の良さを感じました。
また、グループ会社の社長に対して上から目線になることは無く、同じ経営者として同じ目線で話をするような、懐の深い人物です。
ー下平社長と田邉社長のお二人がパートナーとして一緒になった時にどのような変化が起こるか、下地様が期待されることを教えてください。
下平が持っている経営の経験・ノウハウを田邉社長が吸収することで、さらに田邉社長がパワーアップされるのではないでしょうか。
田邉社長ご自身は技術的にも専門家レベルで知識をお持ちである上に、経営的についても細かく深く勉強されているオールマイティーな方です。下平の上場会社の経験やマインドが田邊社長に伝わることで、より会社を引っ張っていく存在になっていただけると思います。
弊社との出会い
Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの樋山さんと室井さんは、仲介として間に入っていただき、的確に情報を運んでくださりました。
当社側で環境と開発様の情報を知るのが難しい時期にも、田邉社長がどんな考えをされている方なのかという部分を、詳細に教えてくださいました。そのおかげで、環境と開発様がどのようなことを重要視されて、決断の材料としているのかを探るきっかけやヒントをたくさん頂き、大変ありがたかったです。
また、当社の考えを柔らかくお伝えいただいた場面も多々あったのではないかと思います。本当に感謝しています。
今後への思い
Q5.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
環境と開発様はこれからさらに成長される会社なので、グループ会社の中でも存在感を出していき、重要な役割を担っていただけるのではと期待しています。
これから伸びていく会社に当社のような上場会社がバックにつくことで、効率的に成長を支えるかたちをM&Aの理想のモデルと考えていたので、まさにこれが当社が求めていたM&Aだと感じています。
ー他のグループ会社様との関係性も新たに生まれますし、より楽しみですね。
はい、楽しみです。田邉社長は経営の経験が長いので、そのノウハウを活かして会社全体を引っ張っていただく柱のような存在になってほしいです。
Q6.今後も、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。
そうですね。さらに積極的に活用していきたいです。
方針としては、顧客層が重複するビジネスの会社様だとありがたいです。同じクライアントに対して当社が持っているサービスを提供し、また新たに加わった会社の別のサービスも提供することで、お互いにワンストップサービスの領域が広がっていくことを期待しています。
ーそういった点では、環境と開発様は手掛けている事業が完全に同じではなかったのが良かったのでしょうか。
はい、そう思います。事業は異なりますが顧客層は同じなので、幅広いサービスを提供していきたいと思っています。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
M&Aはビジネスライクな話ではありますが、人間同士の心のつながりが重要です。
私は過去にもM&Aを対応させていただきましたが、M&Aはお互いの人生を左右する大イベントなので、一つひとつ丁寧に対応することを心がけてきました。うわべだけでいいことを言ったり、ビジネス感だけで話を進めたりすると、後々失敗してしまうのではないかと思います。
そのあと何十年も関わっていく家族のような存在になるのですから、人として信頼し合える関係性が築けるかどうかという点を意識して、最初からやり取りすることが大事なのではないでしょうか。
担当者からのコメント
本件の譲渡企業様は高収益かつ優良な産業廃棄物処理施設、再生可能エネルギー施設のコンサルティング企業様であり、売主様も大変お若いため、譲渡を急いではいませんでした。
しかし譲受企業様との事業上のシナジー効果が大きいことや、エリア拡大の必要性から、自社の更なる成長のために第三者への譲渡をご検討いただき、弊社へご相談を頂きました。
一方、譲受企業様は土木建設工事に必要な試験や調査、地盤補強を行っている会社様で、M&Aを用いて顧客に対し提供できるサービスの幅を広げたいと兼ねてから考えていたとのことでした。
両社の社長同士のお人柄もマッチし、初回面談から今後のビジョンへ対する考えが同様であったこともあり、アドバイザリー契約締結より約4ヶ月で成約した事例となりました。
双方の希望条件が叶った事例であり、両社の知見を活かしグループ内シナジー効果も見込めることから、極めて優良なマッチング事例となったものと考えます。
(企業情報第八本部第二部 部長 樋山 悠)