譲渡企業
統合アセットマネジメント株式会社
代表取締役 西山 統 様 インタビュー
確かな目利き力と自社管理不要の運用体制
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
金融機関からのご提案をきっかけに、円滑な資産承継の戦略として不動産を保有することが有効であると考え、2019年に日建製紙株式会社を譲り受けました。現在は首都圏を中心とした複数の賃貸物件と、太陽光発電施設を保有しています。強みは、保有する賃貸物件の多くが都内を中心とした入居需要の高い立地にある点です。一部物件では家賃保証会社を通じたサブリース契約を活用し、滞納リスクを抑え、より強固で安定した収益基盤を構築していることも大きな特徴です。
金利環境と市況を見極めた不動産運用
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
譲り受けた際、まずは借り換えを有効に活用することで金利負担を削減し、資金繰りを安定させました。また、当時の低金利環境や将来的なインフレを予測し、不動産価値が上昇すると見込んだことが大きなポイントです。その後も金融機関から新たな融資枠を確保し、希少性の高い都内の物件を絶好のタイミングで取得して大きな売却益を得るなど、市況の変化を的確に捉えながら収益を生み出してまいりました。
新たな事業展開へ向けたイグジット戦略

―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
過去5年間で優良物件の取得や借り換えを進め、盤石な収益基盤を構築してまいりました。2019年の譲り受け当初からインフレによる不動産価値の上昇を見込んでおりましたが、予測通りに市場価値が向上してきたため、投資のサイクルとして一度利益を確定させる良いタイミングだと判断しました。得られた資金で資産を再構築し、新たな投資へと繋げるために譲渡を決断いたしました。
対話を重視し信頼関係を築けるか
―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
既存の借入金の返済や、手元に残る資金の最大化は前提としつつ、しっかりと話し合いができることを重視しました。金額の大小だけを考えれば、他社様からより高い条件でのご提案もありました。しかし、M&Aはお相手の企業様と意図を正確に共有できなければ成り立ちません。そのため、表面的な条件だけにとらわれず、誠意を持って対話ができ、信頼関係を築けるお相手であることを条件にしておりました。
誠実さが最大の決め手
―最終的に三光ソフラン様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
ご検討いただいた企業様の中には、より高い金額をご提示くださる会社様もありましたが、条件面や方向性ですり合わせが難しい部分もありました。その点、三光ソフラン様は非常に誠実で、経営陣の皆様も真面目であるという印象を強く受けました。数字以上に真正面から向き合ってお話しできる企業様だと感じ、ここであれば安心してお任せできると確信したことが最大の決め手です。
経営に参画し共に成長する次世代の企業支援
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
今回の譲渡を通じて得られた資金を元に、新たな投資活動へと経営リソースを移行させたいと考えています。私自身はこれまでも単なる資金提供のみの投資は行わず、経営に参画し、意見を交わしながら共に成長する支援を大切にしてきました。今後も事業立ち上げの初期段階や、将来の目標を見据えた最終段階にある企業様にフォーカスし、企業再生やハンズオンでの経営支援に注力していく考えです。
感情面でも納得できる誠実な対話が鍵
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
過去にもM&Aを経験してきましたが、最も重要なのはお相手企業様とのコミュニケーションだと実感しています。M&Aに絶対的なノウハウはなく、お互いの希望をすり合わせて落としどころを見つける過程が欠かせません。数字や条件の調整はロジックで解決できますが、それだけではどうにもならない感情面を納得させるロジックは存在しません。だからこそ、お相手の熱意を理解し、心から納得できる対話を重ねることが、より良いご縁につながると思います。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
当初は不動産の個別売却も考えましたが、それではこれまで積み上げてきた法人としての価値を活かせません。担当アドバイザーからは、株式譲渡により税務面を効率化し、手元に残る資金を最大化する「目から鱗」のスキームをご提案いただきました。非常に緻密な提案書は説得力が格段に違い、想定外のトラブルにも双方が納得できるよう粘り強く調整してくれました。全幅の信頼を置く熱意あるサポートであり、担当者が異なっていれば今回はまとまらなかったと強く思います。

譲受企業
三光ソフラン株式会社
代表取締役 有保 誠 様 インタビュー
不動産管理を中核とした多角的な事業展開
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
今から約50年前に米穀店としてスタートし、その後不動産業へと展開してまいりました。主に建設不動産事業を手掛ける中で、土地の有効活用に関するご相談を受けるようになり、介護施設や幼稚園などの運営にも事業の幅を広げました。現在では不動産の賃貸管理を中核としながら、医療や教育、宿泊施設など、社会のニーズに応える多角的な事業を展開している点が当社の大きな強みです。
M&Aを活用し、時間を買う戦略的拡大
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
ホールディングス傘下ではありますが、三光ソフランとして独自のグループを形成し、事業規模をさらに拡大したいと考えていました。3年ほど前から賃貸管理事業を始め、管理戸数を増やしたいと考えていた時期でもあります。自社開発による物件の増加だけではどうしても時間がかかります。当社は過去にも複数の企業をM&Aで迎え入れてきた実績があり、「時間を買う」という意味でM&Aは最適な選択肢だと考えていたタイミングで、今回のお話をいただいたことがきっかけです。
柔軟な発想で複数の優良資産を一括譲受
―最終的に日建製紙様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。
当初は未経験の太陽光発電事業が含まれていたため、賃貸物件のみの譲り受けを検討していました。しかし、他社様も一括で検討中と聞き、交渉をスムーズに進めるため方針を転換しました。対象の収益物件は都内の優良物件であり、現在の建築コスト高騰を踏まえると非常に価値が高く、管理戸数増加という当社の目的にも合致していました。加えて、社内に太陽光発電の知見を持つ者がいたことも後押しとなり、柔軟な発想で一括での譲り受けを決断いたしました。
優良資産の獲得を足掛かりとした管理戸数拡大

―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
2030年までに管理戸数を現在の約1,700戸から7,000戸へ拡大する目標を掲げており、今回のM&Aによる物件譲受はそれに直結します。また、金利上昇時代を見据え自己資本比率を高めるなど財務基盤を強化し、中身も強固な会社を目指します。事業拡大の背景には、成果を従業員へ還元したいという思いがあります。利益をしっかり還元し、安定して働きやすい環境を作ることで、社員が定着する良い会社にしていきたいと考えています。
自社の強みを補完し合える企業様とのご縁
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
今後もM&Aは事業展開の重要な選択肢として活用していく方針です。管理戸数の拡大はもちろんのこと、設計事務所や不動産管理会社など、当社の事業と親和性が高い企業様がいらっしゃれば前向きに検討いたします。特に、自社で施工管理の体制を持つ建設会社様など、私たちが不足しているリソースを補完し合えるような企業様とのM&Aは、非常に魅力的だと感じております。
固定観念にとらわれない柔軟な視点を持つ
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
長年同じ事業を続けていると、どうしても固定観念にとらわれがちになります。M&Aにおいては「こうでなければならない」という思い込みを捨て、柔軟な視点を持つことが何より大切だと実感しています。今回、当初は予定していなかった事業を含めて譲り受けたことが、結果として大きなプラスをもたらしました。新たな考え方を取り入れることで、事業の可能性はさらに広がっていくはずです。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
とにかくご対応が迅速で不安を感じることは一切ありませんでした。不動産業界でも同様ですが、迅速なご対応は信頼関係の構築に直結します。的確な情報提供やフィードバックなど、その対応の質の高さが非常に際立っていると感じました。担当アドバイザーの優れたサポートがなければ今回の成約はなかったと確信しています。安心して前向きに検討を進められ、スムーズな承継へと導いていただいたことに心より感謝しております。
誠実な対話を重視する日建製紙株式会社と、柔軟な発想で事業拡大を目指す三光ソフラン株式会社。双方の希望が見事に合致し、今回のM&Aは成立しました。次世代の企業支援へと踏み出す日建製紙と、従業員への還元を見据えて強固な財務基盤で成長を続ける三光ソフランの、さらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
担当者からのコメント

本件は、事業の「選択と集中」のため子会社のカーブアウトをしたい譲渡企業様と、管理戸数および物件数のさらなる拡大を目指す譲受企業様のニーズが合致した、非常に理にかなったマッチングでございます。複数の企業様からの意向表明書も提示される中、事業シナジーをご評価いただき、最終的に弊社の譲受企業様をお選びいただきました。大変ありがたいことに弊社に対するご評価もいただき、ディール進行において要所で論点が発生した際も、両社と迅速かつ密に連携を取りながら進められたことが、本件成約の最大の鍵であったと感じております。末筆ではございますが、両社の今後の益々のご発展を心より祈念申し上げます。
( 提携本部 金融提携部 副部長 松井 拓也)