譲渡企業
株式会社アッドバディ
代表取締役 向 和人 様 インタビュー
自身の可能性に挑む起業と震災の苦境
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
大手IT企業で勤務しておりましたが、組織に頼らず自身の可能性を試したいという想いから2011年に起業いたしました。直後に東日本大震災が発生した影響で、ネット広告にとどまらず、イベント運営や映像制作、システム開発へと事業領域を広げてまいりました。その一環として12年前に東京・渋谷で飲食事業を開始し、沖縄や新潟へと展開してまいりました。前職で培ってきたマーケティングやプロモーションの視点を店舗運営に融合させてきたことこそが、当社の強みであり集客の原動力です。
人と接する場の尊さを再認識

―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
コロナ禍で人との接触が制限される中、改めて飲食という「人と接する場」の重要性を強く感じました。当社のような小規模な会社が他社と差別化を図りながら、より事業を拡大していくためには、予約困難店のように圧倒的な価値と影響力を持つお店を作る必要があります。那覇の一等地に個性豊かな店舗を複数展開することで、確固たるドミナント体制を確立してまいりました。
従業員の可能性と幸せを追求
―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
現場の情熱に頼りがちな飲食業界で頑張ってくれている従業員に、他職種と同等の給与や福利厚生、多様なキャリアパスを提供したいと考えたことがきっかけです。しかし自社単独では待遇改善や多様な新しいポストの創出には限界がありました。大きな事業規模と強固な組織基盤を持つ企業と一緒になることで、事業をスケールアップさせ、給与アップや就業環境の改善といった従業員の全体的な幸せを最速で実現できると考え、事業譲渡を決断いたしました。
従業員たちが輝けるステージを
―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
譲渡対価以上に、従業員がより輝ける環境を用意していただける企業様かどうかという点を最も大切にしました。雇用の維持はもちろんですが、彼らが安心して挑戦し続けられ、個々のポテンシャルを最大限に発揮できる舞台を整えていただくことが、一番の希望条件でした。
理想的な事業基盤と経営トップの圧倒的な熱量
―最終的にO社様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
O社様が飲食業の川上から川下まで一貫して展開されており、当社の譲渡目的をこれ以上ない形で叶えてくれると感じられたことが大きな理由です。また、代表者が非常に誠実なお人柄で、飲食業に対して並々ならぬ熱量をお持ちだったことも決め手となりました。トップ面談を通じて、「この方であれば、従業員を必ずより良い未来へ導いてくれる」と確信し、最終的な決断に至りました。

飲食業界の常識を覆すホワイトな企業へ
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
何より期待しているのは、従業員一人ひとりの働きやすい環境づくりと、待遇の劇的な向上です。他職種に劣らない待遇を実現し、休日や福利厚生を確実に確保していきたいと考えております。働きやすい環境でありながらも、しっかり売上や利益を上げる飲食企業という理想の組織像を、O社様と共に全国規模で築いてまいります。
自社を再定義する絶好の機会
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
M&Aについて相談すると、どんどん話が進んでしまい途中で引き返せなくなるのではないか、と不安に感じる経営者様も多いと思います。しかし、自社の選択肢を広げる意味でも、専門家に相談して市場の反応や自社の客観的な価値を知ることは、とても価値があるはずです。また、提案資料を作成するプロセス自体が、自社の強みや法的リスクを冷静に見つめ直す絶好の機会にもなります。まずは選択肢の一つとして、気負わずに一度相談してみることをおすすめいたします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください

上場企業としての組織的なサポート体制はもちろん、担当アドバイザーの誠実な対応に深い信頼感を抱きました。何でも気兼ねなく相談できる雰囲気を作ってくださったことや、レスポンスの早さと親身に寄り添う姿勢があったからこそ、論点の多かった交渉を乗り越え、無事に成約を迎えることができました。心より感謝申し上げます。
独自の発想力とマーケティング手法で那覇の飲食シーンを彩ってきた株式会社アッドバディ。強固な組織基盤と多角的な食の事業ネットワークを持つO株式会社とのM&Aにより、従業員の処遇改善と、働きやすさと強さを兼ね備えた飲食企業の実現という向社長の熱い志が形となりました。互いの強みと人柄に惹かれ合った両社の新たな挑戦が、飲食業界の明るい未来を切り拓いていくことでしょう。
担当者からのコメント

この度は大変有難いお言葉をいただき、心より感謝申し上げます。向社長とお話を重ねる中で、従業員皆様の将来や飲食業界の未来を心から考え抜く熱い姿勢に、私自身も深く胸を打たれました。譲受企業のO社長とのトップ面談において、業界に対する互いの強い熱量が共鳴し、一気に意気投合された瞬間が今でも非常に強く印象に残っております。自社の理念を守り抜き、妥協することなく理想のパートナーを探し続けた向社長の強いお気持ちと決断力があったからこそ、今回のご成約が実現いたしました。向社長の想いを引き継いだ両社が手を取り合うことで、さらなるシナジーが生まれ、従業員の皆様がこれまで以上に輝く素晴らしい未来が切り拓かれることを、心より楽しみにしております。
(企業情報本部 次長 藤井 健人)