譲渡企業M社
R.O.社長 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
今後の事業拡大とそれに伴う人材獲得の手段として、M&Aを考え始めました。
当社は私がオーナー社長として経営してきました。私が想定している以上に速いスピードで会社の規模が大きくなっており、今後もさらに事業を拡大していきたいと思っています。
資金繰りや財務面の管理を一人で担っていましたが、今後もし何かがあった時に総倒れになる可能性があると思うと、重責を感じるようになりました。
ー会社の規模が大きくなると、リスクも大きくなりますよね。人材獲得についてのお考えも教えてください。
これからも順調に業績を伸ばしていくために従業員を増やしていきたいと思っていましたが、優秀な人に当社のような小規模な会社へ来てもらうのは難しいと考えています。
そこで、大きな会社のグループ傘下に入ることで、人材獲得を加速させたいと思いました。
譲受企業様への印象
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
当社の持っている力がより発揮できる会社と一緒になりたいと思っていました。
経営的には順調な中で譲渡のお話を進めるので、ものづくりを基本としている当社の技術力が主力となって活躍できる環境かどうかを重視していました。
ーN社様に決められたご理由を教えてください。
N社様からお話を伺う中で、N社様の中でものづくりは今後強化していきたい分野の一つであると分かったので、足りないピースを埋めるようなかたちで当社の技術力が活かせるのではないかと思いました。
それは私が理想としているM&Aのかたちに近しいと感じたので、譲渡を決意しました。
ーものづくりをする上でどのようなことを大切にされているのでしょうか?
ものを受け取った側から見たときの品質や手に取った時の喜びを大事にしています。
作り手の都合とユーザーの理想は相反する要素が多いです。作り手は費用を抑えて簡単につくりたいという都合がある一方で、ユーザーは満足のいくものを求めているので、ある一定の妥協点が生まれてしまいます。
その妥協点を探る際に、考え方の軸足をユーザー側に近づける意識を持つようにしています。
そうすることでユーザーに満足してもらえ、ゆくゆくは他の当社の商品も手にしていただくことに繋がり、お互いが満足できると思っています。
ーN社様への社風のご印象はいかがでしょうか?
当社は前例のないことであっても失敗を恐れずに取り組む、チャレンジ精神を大切にしてきました。
N社様は大きな上場会社かつ伝統のある会社なので大きな舞台となりますが、変わらず当社の挑戦心を発揮して良い影響を及ぼせたらと思っています。
弊社との出会い
Q3.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと存じます。その中で弊社にご依頼いただいたご理由を教えてください。
担当アドバイザーの堀江さんとやり取りしているうちに、お任せして安心できると感じたので最後までM&A総合研究所様にお願いしました。
様々な譲受企業の候補先をご紹介いただきましたが、それに対して興味があるかどうかをすぐに堀江さんに伝えておりました。
堀江さんはその答えを加味したうえで次の候補先を紹介してくださり、的確なタイミングで的確な会社をご紹介いただいたのでありがたかったです。
ーたしかに、候補企業に対するO社長の意思決定が早かった印象があります。
戦力を欲しがっている譲受企業のバックグラウンドがそれぞれにあるのだろうと思いながら一つひとつ決断していました。シナジー効果が見込めないと面白くないと思いますし、特にその点は大事にしていました。
Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
オーナー社長としてこだわりを持って会社をつくり上げてきたのものですから、そういった自信のようなものが言葉遣いに表れ、時にはストレートな表現になったこともあったかと思います。
堀江さんはそのような時でも丁寧に話を聞いていただいて、要点をしっかりと把握してくださりました。
私が様々なことを話す中で、的確に必要事項を把握していただいたからこそ、的確な譲受企業が見つかったのだなと思います。最後までお付き合いいただきまして感謝しております。
今後への期待
Q5.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
N社様が期待されていることは、ものづくりを中心とした当社のノウハウを、N社様が持っているコンテンツと結び付けていくこと。
そしてそこからさらにビジネスを拡大していくというところなので、その根本を大事にしていきたいです。
また、N社様のグループ会社にもものづくりの特性を丁寧に案内することで役に立てたら嬉しいです。
ー譲渡を考えるきっかけとしてお話しされていた人材獲得についてはいかがですか。
グループ内の人材の共有であったり、もしくは新規の人材市場からの教育であったり、様々な部分で非常に期待しています。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
自分の会社がどのようなかたちで譲受企業の中で役立てるのか、という点を具体的に考えることが大事だと思います。そこを仲介の方に的確に理解いただくことで、候補先が見つけやすくなると思います。
そして、譲渡側と譲受側のお互いがなぜ必要とし合っているかどうかを確かめ、整合性と必要性がしっかりと担保されると良いM&Aになるのではないでしょうか。
担当者からのコメント
譲渡企業側オーナー様はアニメキャラクター事業を手掛ける会社の創業者であり、2015年に設立し、7期目を終えたばかりでした。また業績好調で成長企業でもありました。そのため譲渡を急いでいた訳ではありませんでしたが、今後の事業拡大を目指す中良いご縁があれば紹介して欲しいとご依頼をいただき何度も対話を重ねてまいりました。
今回の譲受側企業様は放送業を営まれる異業種ですが、商品開発や事業展開のなかで相乗効果が見込まれ、双方が事業拡大のイメージを描ける良縁となりました。オーナー様の思いを引継ぎ、会社を託せるお相手とのご縁を結ぶお手伝いができ大変光栄に思っております。
(企業情報第三本部第二部 部長 堀江 大也)