譲渡企業A社
Y.T.様 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
私は今年47歳になりますが、3年後の50歳を期日として、ある程度ビジネスから引退をしようと考えていました。残りの数年間のキャリアビジョンや、その後の事業展開を踏まえたうえで、 現在保有している4社の中の1社をどのようなかたちで整理し、方向付けていくかを検討していました。
当社としては、M&Aで会社を存続させたい意向があったため、今回の検討に至りました。
譲受企業様との出会い
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件と、S社様に決められたご理由を教えてください。
S社様に決めた理由は3点あります。1点目は企業風土、2点目が会社の安定性、3点目は金額面が希望条件に合っていたことです。
当社代表の経営スタイルや相性を踏まえると、体育会系のアグレッシブな会社よりも、歴史が長く安定性が高い会社様の方が性格面で合っていると思いました。また、S社様は創業50年以上の会社様で、今後100年に向けた事業会社を目指していらっしゃいます。非常に安定的な事業展開を堅実に展開されてる事業会社様である点が大きな決め手になりました。
ー事業についてはどのような印象でしたか。
当社はBtoBの人材事業を行っています。S社様もBtoB事業を手掛けられているので、企業風土もマッチするのではないかと思いました。
また、D社様の経営者様が私や当社の代表と同年代である点も相性が良かったと思います。例えば、年齢の差が大きかった場合はハレーションが起きる可能性も危惧していたため、この点についても払拭できました。
弊社との出会い
Q3.M&Aの前後で、M&Aへのイメージは変わりましたか。
今回、初めてのM&Aで一連の流れを経験しM&Aの概念も把握できました。今回は譲渡の立場でしたが、今後は譲受側の立場で投資戦略の一環としてM&Aで会社を買収する・出資するといった選択をする気持ちが少し強まりました。
Q4.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと存じます。その中で弊社にご依頼いただいたご理由を教えてください。
実は、何社かの仲介会社様にM&Aの依頼をしていましたが、M&A総合研究所様にご依頼した理由としては、3点あります。
1点目は会社の知名度があったことです。2点目は案件数の多さと候補先の多様性です。今回、人材派遣業・人材紹介業などの同業種だけでなく、他業種も紹介していただきました。3点目としては、金額面です。当社にとって理想的な金額感で話を進めていただきました。このような様々な条件面で比較し、M&A総合研究所様にご依頼しました。
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの鯉沼さんにはこまめにご連絡いただきました。レスポンスも早く、柔軟なやり取りをさせていただいたため、非常に話が進みやすかった印象です。また、S社様に対しての金額の交渉や、金額のすり合わせなどの折衝もスムーズに対応いただき、非常に感謝しております。
今後への思い
Q6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
私の今後のビジョンは、社内での制度を整えることです。出資、投資、買収の分野を長期的に取り組みたいと考えております。
また、今回のM&Aに対しては当社はしっかり実績を作り、S社様に投資回収をしていただけたらありがたいと思っております。併せて、グループとして今まで実現できなかったことが、S社様と一緒になることで2〜3つ事業化できそうだと感じております。それらを進められれば当社としても、より長期的なプラスになると期待しています。
ーS社様と一緒になることでどのようなことを実現させたいですか。
S社様の経営者様が銀行出身だということで、数字やリスク管理能力などのファイナンス面に強みがございます。当社は、設立から税理士と協業しながらファイナンスをやってきており、S社様とは大きな差があると思っていますので、そこの部分で大きなメリットが得られます。
もう1点、S社様の取引先の顧客数や取引先の幅が非常に多いため、そのパイプに対して当社は人材の供給を行う、あるいは人材紹介サービス会社を一緒に立ち上げるなど、コラボレーションの方法が期待できそうだと思いました。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
企業風土のすり合わせが一番重要ではないでしょうか。M&Aを進めていくうえで、候補先のことを良く知るために、仲介会社様を含めた3社ミーティングをしっかり行うと安心できると思います。
ーM&A仲介会社様を検討する際のアドバイスがあれば教えてください。
譲渡側から直接的に譲受企業様へ聞くことが難しい内容もあります。仲介会社の担当者であるファシリテーターの方が、企業風土のヒアリングをしっかりと行ってくれる方かどうかを見極めることも重要です。
今回は、鯉沼さんがうまくバランスを取って進めていただいたお陰でスムーズな成約に繋がりました。担当者のヒアリング能力も、1つ重要視する必要性はあるかと思います。
譲受企業S社
代表取締役社長 M.K.様 インタビュー
M&Aで事業の拡大
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
M&Aは興味があり、前々から検討していました。私自身は事業承継における親族内承継の2代目で、創業者ではありません。 マネジメントは勉強して学んではいますが、起業する力はないという自覚があったので、M&Aの検討では、そういう部分で仲介会社などの第三者を通して補完できたらと思い、今回お願いをしました。
譲渡企業様との出会い
Q2.A社様の譲り受けを決められたご理由を教えてください。
決め手は3点あります。1点目は、B社長にマネジメントに入ってもらえることです。2点目は再生型ではなく、自立して自走している企業、マネジメントを託せる人材がいる企業であったことです。3点目は、 M&Aは初めてなので、当社の経営の屋台骨に影響が出ない範囲内の投資であった点です。
A社様は当社の条件としている3つの要素を満たしていたので、話を前向きに進めていただきました。もちろん、シナジー効果が長期的に期待できるという点もありますが、3つの要件にマッチしている案件だったことが大きな決め手となりました。
ー社風の印象はいかがでしたか。
フルリモートで業務をされている会社様なので、限りなく生産性の高い会社というイメージです。今はB社長のリーダーシップのもと、伸び盛りのフェーズなので、これからますます会社として面白くなるのではとワクワクしています。
B社長ご自身も数字にこだわりが強く、KPI管理の設定や業績を把握して運営されています。従業員の皆様はフルリモートで活躍されており、他の事業会社様にはないかたちでの働き方を推奨されているところは、大きな特徴ではないでしょうか。
今後への思い
Q3.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
M&Aは成約がゴールではないと思っています。グループ運営をして、プラットホームを確立する第1歩だと考えておりますので、まずはそこを定着させる必要があります。当社は基本的にノベルティーグッズなど「モノ」を扱う会社で、A社様は「人」を扱う会社です。
今回のM&Aで企業に関わる必要な「モノ」と「人」との強みができました。次は「モノ」と「人」と「情報」の3つの軸で顧客へ貢献する部分をかたちづくることが今後のビジョンです。例えば、3つの軸をうまく繋げられるコンセプトの事業などのグループ構成ができていくと、今とは違う切り口の事業ができるのではないでしょうか。
ー「モノ」と「人」と「情報」の3つの軸で、今後どのような事業展開を考えていますか。
あらゆる世の中の変化に対して適応できるようになっていったり、リソースの分配を変えていったりなど、将来のビジョンを検討しています。人材系を強化するのも1つだと思います。
今回のM&Aは事業領域の拡大を目的として実施しましたが、顧客領域を広げる意味ですと、今後は「情報」軸を目指すのがいいのではないかと思っています。得意としている分野を掛け合わせながら、より良い方向に発展をさせていくことが今後見込まれると期待しています。
Q4.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
引き続き手段としてのM&Aは検討していく予定です。
当社は顧客数の多さが強みです。その点も活かしながら提供できる価値を増やしていく予定です。自走力の高い会社様を中心に、前向きに検討していきたいと思っています。
ー規模感の希望はありますか。
何をものさしとするのかでも変わりますが、当社の体力の範囲内、例えば財力や調達力の中で吸収できるものであれば検討可能だと考えています。今回は、初めてだったこともあり1社のM&Aでしたが、今後は余力も残しつつ、分散投資をしていくイメージを持っています。
弊社との出会い
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの鯉沼様には本当に感謝しております。スピード感などのコミュニケーション面やサービス面で最善を尽くしていただいたと思っております。柔軟かつ適切に立ち回っていただき、素晴らしいパートナー様とM&Aを行うことができました。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
会社は生き物のように、検討している間に刻々と変化していきます。1つひとつのフェーズを丁寧に検討し、最終的な判断の部分で思い切って決断するのが大切だと思います。
ただ、重要なのは失敗しても大丈夫な範囲内、自己資本の範囲内で行い、自社の出口戦略も含め、思い切りが肝心なのではないでしょうか。そして、話が白紙に戻ってしまう要因を潰し、提言しながら進めていくと成約を迎えられるのではないかと思います。
担当者からのコメント
譲渡企業のオーナー様はまだ40代と若く、ご自身のキャリアビジョンを踏まえてのご相談でした。業績も順調に推移している状況でしたが、会社を更に成長させるための手段としてM&Aのご決断をされました。
お相手先様に対して「長年の実績と安定性」を求める譲渡企業様と、「M&A後も自走可能であること」を求める譲受企業様の想いが合致し、成約の日を迎えることができました。
譲渡企業様が持つ成長性に譲受企業様のリソース、安定性が加わることで、加速度的に事業成長できることが想定されます。
今後お互いのノウハウや経験を共有することでシナジーを発揮し、両社が益々ご発展することを期待しております。
(企業情報第七本部第三部 部長 鯉沼 佑)