譲渡企業D社
代表取締役 U.T.様 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
私自身の年齢が60歳、独立して11年目です。映画業界は、若手のプロデューサー含めた人材の育成など、先行投資が必要です。
今後の当社の成長戦略として新規事業に参入するためには、資本力があった方がいいのではないかと考えました。また、経理・総務業務などのバックオフィス業務を今まで一人で行ってきましたが、M&Aをすれば全て一任できます。
そして、個人の会社を廃業する際は、いろいろと面倒な手続きがあるのですがM&Aであれば解決できるなど、さまざまなメリットが享受できるため譲渡を検討するようになりました。
ー映画業界特有の背景も?
確かに業界の再編っていうのも大きいですよね。 特に海外関係の事業を進めようとしたときに個人でそのリスクは背負えません。資本力増強だけでなく、組織再編をして強い組織を作る必要があると感じていました。
譲受企業様の印象
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件と、C社様に決められた理由を教えてください。
C社様は資本力があるだけでなく、映画業界専門として映画ビジネスの知識・経験が豊富にあります。
そして、映画専業で決まったやり方のある会社というよりは、メディアミックスを活用して多角的に事業を展開し、変化に柔軟に対応できる会社様であるというのが大きな決め手となりました。
また、知り合いが多いというのもあって安心感があり、映像の企画開発に関して双方のリソースやノウハウを共有することで得られるシナジー効果も大きいと考えました。
ーそのほかに大事にされていた条件はありますか?
譲渡時の条件として、金額の妥当性です。M&A後の処遇や業績に基づいたインセンティブなども条件的に希望通りだったのが決め手になりました。
Q3.M&Aの前後で、M&Aへのイメージは変わりましたか。
特にM&Aのイメージはありませんでした。最初お会いしたときからM&Aが成立するまで1年3か月でしたが、自分でも勉強しながら取り組みました。
弊社との出会い
Q4.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと思います。その中で弊社にご依頼いただいた理由を教えてください。
M&Aを検討する際に個人の会社の場合、最初に大きな費用がかかってしまうと資金面で躊躇してしまいます。
M&A総合研究所様は売手の着手金・中間金が無料、というのが検討をする上でのひとつポイントになりました。
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
正直、最初は真剣にM&Aを考えていたわけではありませんでした。仲介会社はM&A総合研究所様の他にも2社程度案内があり、コンタクトを取っていました。しかし、次第に連絡が途絶えていく中で、M&A総合研究所様の鯉沼さんだけは最後まで一生懸命聞いていただき、熱心に通っていただきました。
今後への期待
Q6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
まだ業務体制は決まっていないのですが、まずは人材採用、人材育成の強化などを前提に、半年から1年程度で構築していきたいと考えています。 今後C社様と相談をしながら、海外案件や大型映画の企画開発、グローバルOTTなどの事業展開を進めていきたいと思っています。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします
会社の事情によってM&Aの活用方法はさまざまですが、譲渡をして後悔をしないためにも事前準備として条件を固めておくと良いでしょう。
譲渡するだけであれば単純に数字を見るだけでも良いとは思います。しかし、譲渡後も経営者が残る場合は、相手先の経営者様の考え方や企業風土をみておく必要があります。そして双方の価値観を共有しておくことが譲渡をする上での一番重要なポイントになると思います。
担当者からのコメント
譲渡企業のオーナー様は60歳という節目を迎えるにあたり、残り5年~10年のキャリアビジョンをどうするべきかを踏まえてのご相談でした。一度独立をされた経緯もあり、譲渡のご検討については慎重な姿勢でしたが、更なる事業成長のためにM&Aをご決断されました。 また、映画業界特有の課題に対して譲渡企業様と譲受企業様の理解が合致し、同じベクトルで事業を発展させていきたいという想いがあったからこそ、本件の成立に繋がったと思います。 今後は両社のノウハウを最大限に発揮してエンタテインメント業界の先端を走り、次の時代の「新しい作品」を人々の暮らしに届けられることを楽しみにしております。
(企業情報第七本部第三部 部長 鯉沼 佑)