譲渡企業
化学工業薬品製造業
代表取締役社長 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
当社は元々技術者不足という課題があり、技術者を支援してもらえる会社様を探していました。そして、希望条件に合致した譲り受け企業様に出会い、事業譲渡を行いました。 ただ、これは最初からその手法で決めていたわけではなく、話し合いを進める中で「株式譲渡」から「事業譲渡」になったのですが、最終的にその手法で進めて良かったと思っています。
卸売業W社様との出会い
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件と、卸売業W社様に決められた理由を教えてください。
化学工業関係に強みを持っているということと、代表が理系出身ということもあり、当社の事業内容を理解されているというのが一番の決め手となりました。また、希望条件としていた取引先や従業員も譲渡後も守ってくださるという部分も安心しました。
ー希望条件のポイントについて詳細を教えてください。
技術の継承、新商品の開発を継続してもらえるということ、また取引先との関係維持、従業員の雇用維持・待遇維持、というのを条件として出していたのですが、希望通りに進められました。
Q3.M&Aの前後で、M&Aへのイメージは変わりましたか。
M&Aは外資系企業が国内企業を乗っ取るなどのマイナスの印象がありました。しかし今回、事前の話し合いもしっかりとできましたし、M&Aには事業譲渡という手法があることなど初めて知る部分も多く、大変勉強になりました。
弊社との出会い
Q4.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと思います。その中で弊社にご依頼いただいた理由を教えてください。
元々はM&Aを検討するという気持ちはありませんでした。そのような中、担当アドバイザーの佐藤様からご連絡をいただき、当社の財務状況ではM&A自体成立しないと諦めていたものが、別の評価方法もあるという話を伺い、M&Aを前向きに検討してみようという気持ちになりました。今回、佐藤様が根気よく買手先候補をリサーチしてくださったお陰で、成約に繋がったと思っています。
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
先述した通り、佐藤様には親身になって候補企業を探していただき、様々なアドバイスをいただきました。そして、最後に事業譲渡といったベストな提案をしていただいたのが良かったと思います。
今後への思い
Q6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
新商品の開発を進めていきたいと思っています。また、難燃剤を活用した新規開発を中心に事業を拡大していって欲しいと思っています。当社は不動産事業が残るため、そちらに今後注力していきたいと考えています。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
今回、会社に懸念材料があったとしても、M&Aの検討の余地はあると分かりました。M&Aを検討している経営者様は、不安材料があった場合でも諦めず、様々な方法があるというのを知っていただければと思います。
譲受企業
卸売業
代表取締役CEO Y様 インタビュー
M&Aを経営戦略の根幹へ
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社は、事業拡大に主眼を置いています。そして、それは裏を返せば、自社のみの事業で売上を伸ばすのは限界があるということです。領域を広げていくためには現事業から肉付けしていく必要があるためM&Aを視野に入れておりました。
ーM&A戦略を考え始められたのはいつ頃からでしょうか?
本格的に事業拡大のためのM&A活用をスタートしたのは、5〜6年前からだと思います。検討前は今のようにビジネスを拡大するという目的ではなく、防衛することに主眼を置いていました。
Q2.化学工業薬品製造業F社様に決められた理由を教えてください。
経営を承継するにあたり、お相手企業の取引先様と当社との事業シナジーが得られると考え、またそれを実現するための定性的な部分が合致したのが大きな理由です。
今後への思い
Q3.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
取引先が化学系だけでなく、多岐にわたっているので事業シナジーが得られると期待しています。そして、新規事業も積極的に投資していきたいと考えています。将来的には、事業拡大とともにグループ全体で売上を伸ばしていければと思っています。
ー単体のビジョンや戦略を教えてください。
原料を扱う会社を増やし、取引先を拡大していきたいと考えています。また、将来的な次のステップも検討しており、まずは情報チャンネルを増やすのが重要だと思っています。
Q4.今後もM&Aをご活用されるかと思いますが、その際の方針を教えてください。
M&Aを活用する理由は2つあります。まずは、通常ビジネスの延長線上として行う事業を補完するためです。今回のM&Aはまさしくこれで、大型投資より中規模投資をして当社の現事業を補完する、そして即効性のある会社様であることが重要です。もう1つは、売上規模の拡大のためです。いわゆるパラダイムシフトをするということですね。20億〜30億ぐらいの売上のある会社をターゲットとしており、10年以内に進めたいと考えています。
ーどちらを優先して取り組んでいきたいと考えていますか?
大型案件のために攻めの情報収集もしつつ、事業補完する守りのところと両軸で考えています。特に大型案件は簡単に見つかるものでもないでしょうし、時間もかかる作業であると思いますので継続していく必要があると思っています。
弊社との出会い
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
過去に色々なアドバイザーの方と接してきましたが、その中で佐藤様は1番だと思っています。具体的には、無駄な時間の短縮の仕方が非常に良かったです。途中で案件を離脱することなく佐藤様がうまく導いてくれ、様々なサポートのお陰でM&Aのプロセスに時間を割く必要がなくスムーズに進められました。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
今の会社の立場、財務状況、事業内容に応じたM&Aをするのがいいのではないでしょうか。また相手先様との相性も重要です。ただ単に株式を買うというのではなく、柔軟に考えるのがベストではないのでしょうか。また、成約後に自信がない場合はやめた方がいいかもしれません。 成約後に自信があるという前提で動いていくという方法が正解なんだろうなと思っています。
ーM&Aに不安を持っている経営者様はどういった準備をしておくと良いでしょうか。
まずは成長戦略を考えるのが重要です。会社にどういうものが必要か、あるいはどういうネットワークが必要なのかなど、十分考えた上でそのためにはどのような準備をしておかなければならないかを見極めることです。ただ、現状も考えた上での成長戦略というのが前提です。そういうものをしっかり考えて、失敗しても仕方ないと思える程度の規模にすること。それが1番良いのではないでしょうか。
担当者からのコメント
今回の譲渡企業様と譲受企業様とのM&Aは、株式譲渡から事業譲渡へと切り替えることでご縁が結べたと感じております。 譲渡企業様の抱える「技術人材不足」という課題解決と、譲受企業様が譲渡企業様の事業を引き継ぐことで期待できる「クロスセルによる事業拡大」を始めとしたシナジー創出の両方を叶えることが出来るご縁でした。 ご成約に至るまでは様々な論点がございましたが、両社の代表者様がお互いに「このご縁を結びたい」と強く願っていただいていたことで、弊社も黒子としての役割を全うすることが出来ました。
(企業情報第五本部第三部 シニアマネージャー 佐藤 秀)