譲渡企業
株式会社ジャストプロダクツ
代表取締役 妹尾 和典様 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
後継者問題の課題を抱えていたため、10年ほど前の早い段階から出口戦略としてはM&Aを検討しており、ベストなタイミングを見計らっていました。また、当社は私が代表取締役と営業担当を兼ねており、スピード感をもって取り組めるというメリットもある反面、営業面での属人性やリソース不足という課題もあり、更なる事業拡大のためには他社とのパートナーシップが必要と考えておりました。
ーM&Aを考えてはいたもののコロナ禍に入ってしまったわけですね。
コロナ禍に突入してしまったため、当時はM&Aを検討する段階でははないと判断し、コロナの完全収束まではグッと我慢して収束したタイミングで動き出しました。また、自分の年齢的にも焦っていなかったため、長期スパンで検討しようと考えていました。
エイシンインターナショナル様との出会い
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件と、エイシンインターナショナル様への譲渡を決められた理由を教えてください。
「会社の成長を加速させたい」というのがM&Aの1番の目的としてありました。そういった意味では、エイシンインターナショナル様は、経営資源・人的資本・販売ネットワークなど当社に不足しているものを既に持ってらっしゃるというのが大きな決め手となりました。
ー銅部品の製造業ということで、譲り渡し先の候補の選定も難しかったのではないでしょうか。
そうですね、狭い領域業界であるのは確かです。業界に対する知見・知識がないお相手であると統合後が非常に難しいと考え、業界に対して既に知見があり、しっかりとした販売実績をお持ちの企業様に譲渡したいと思っていました。
弊社との出会い
Q3.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと思います。その中で弊社にご依頼いただいた理由を教えてください。
これまでさまざまなM&A仲介会社様からお話しはありましたが、M&A総合研究所様は、最初から丁寧なアプローチであったのが良かったため依頼させていただきました。結果、M&Aのプロセスも非常に丁寧で安心して進められましたので良かったと思います。
Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
今回、無事に成約となりましたが、担当アドバイザーとの相性というのは非常に重要だと思いました。短期間に会社の重要書類を提出するため、信頼感がないとなかなか進みません。仲介会社と担当アドバイザーの方への信頼感というのは、M&Aを進める上でかなり大きなウエイトを占めていると感じました。そういった意味でも本件のアドバイザーの加藤様とは信頼関係を築けることができました。また、M&Aに関する打ち合わせだけではなく、食事会などでも色々とお話しができたことで、当社と私たちの想いをご理解頂けたと思います。
今後への思い
Q5.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
当社は若い従業員も多く在籍しています。従業員もやりがいを感じられるよう、エイシンインターナショナル様と共に統合した新しい価値を一緒に考えていければと思っています。”「新しい価値」ってなんだろう”というのは仕事の中で試行錯誤しながら進められるのではないかと今から期待をしています。大変ではありますが、今は「夢を語ってるような」状態でワクワクしています。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
Q6.譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
急いで検討してしまうと、ベストな相手先様と巡り会える可能性も低くなってしまいます。ある程度猶予を持って長期的に探すスタンスでいるのがベストだと思います。
そして、会社の価値を高めておくのが重要だと思います。 会社の価値を高めておくことで、いい出会いに巡り会える確率も高くなります。
また、さまざまな経営者様と積極的に交流することも重要ではないかと思います。ビジネス情報の交換や人脈形成ができ、経営者同士の悩みの相談からビジネス拡大のチャンスなど、会社の目指す方向性も見えてくるのではないでしょうか。
譲受企業
株式会社エイシンインターナショナル
代表取締役 山本 道伸様 インタビュー
M&Aでさらなる事業拡大を
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
私の父が会社経営をしていたのですが、M&Aで会社売却をしたという経験があります。そういったこともあり、経営戦略の1つの手段としてM&Aは有効だというのは実際に感じていました。そのため、前々から事業戦略の中にM&Aを行うというイメージはありました。
ーM&Aは戦略として非常に良いということですね。
M&Aは、会社の価値を高めるのとイコールだと思います。中小企業ですと、なんでもできるというより企業独自の強みや特色を持つことが大事だと考えます。そうすると競合との差別化も図れ、成長戦略のM&Aの候補先としても挙げられます。これは買い手・売り手双方に言えることだと思いますが、M&Aの有力な候補先になるためにも、収益力が安定していて、魅力的な会社になっておくというのは将来的にも重要なのではないかと考えます。
ジャストプロダクツ様との出会い
Q2.ジャストプロダクツ様を譲り受けられた理由を教えてください。
近い業界ではあるけれど”当社にはないものを持っている”というのを重要視していました。当社は販売力を強みとする商社ですが、製造の領域も内製したいという構想がありました。ジャストプロダクツ様は、まさにそのニーズに合致する相手先様でした。当社には足りない部分を補完できるものがあったというのが大きな決め手です。
ー以前からジャストプロダクツ様の妹尾様とはお知り合いだったのですよね。
担当アドバイザーの加藤様から、偶然にもご紹介いただきました。ジャストプロダクツの妹尾社長はまだお若いですし、我々からすると譲渡を考えているとは思ってもいませんでした。以前、工場なども見学させてもらっていましたのですぐにイメージはつきました。そして、当時から工場内の整理整頓が行き届いており、従業員の皆様が働きやすい環境づくりを積極的に行っている姿勢が素晴らしいなと思っていました。そうした企業価値の高い会社様であったのと、そうした方針の社長様であったということもあり、今回のM&Aを進めようと決断できたのも非常に早かったですし、安心して進められました。
今後への思い
Q3.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
現在は両社の理解を深めている段階です。最初の1年で目に見えるシナジーを実現するなど、しっかりと結果を出していきたいと考えています。また将来的に業績が上向きになり、社員の待遇も良くするなど、長期的に安定成長を目指していきたいと思っています。数年後に、妹尾社長や副社長、従業員にM&Aをして良かったと思っていただければ嬉しいですね。
弊社との出会い
Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの加藤様は、しっかりと資料を整理・分析し、しっかりとジャストプロダクツ様を理解をしてから提案して下さったので非常に信頼ができました。事業への理解が不十分のまま進めてしまう仲介会社様もおり不安になったことがありましたが、我々買い手側として仲介会社様に求めるものは「グリップ力」だと思っています。経営者である意思決定者と仲介会社のアドバイザーが、一緒になって進めているという感覚が伝わってくると、非常にやりやすく信頼関係も構築できます。そういった意味で、加藤様は当社やジャストプロダクツ様の事業内容を理解し、整理した上で提案をしてくれたので進めやすかったと感じています。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
M&Aに取り組む際は、会社の戦略と可能性を明確にした上で、全体を見ていくことが重要ではないかと思います。また会社を譲り受けるということは、大きな責任が伴います。譲渡企業様にとっては大きな決断であり従業員やクライアント様も含め、真摯に誠実に向き合うことが大切ではないでしょうか。
ーM&Aを活用したい場合は、どのような準備をしておくと良いでしょうか。
さまざまなところで発信していくことが大切だと思います。今回、会社に必要な分野や興味のある分野を事前に伝えていたため、良縁に恵まれました。そのため、会社を成長させるためには何が必要かを把握しておくことが重要です。
担当者からのコメント
今回のM&Aは譲渡企業様・譲受企業様がお互いにはない強みを持っていたことが、成立に至った一番の要因でした。売手オーナー様は検討開始段階から「成長の加速化」という明確な目的を持っていた為、どういった企業様がベストなお相手となり得るか、何度も議論を重ね、意見交換をさせて頂きました。また、通常の面談だけでなく、食事会にも何度も連れて行って頂き、創業時の想いやこれまで大変だったこと等、M&Aとは直接的に関係のない事も含めて色々なお話を聞かせて頂くことができたので、担当者としてあらゆる面から譲渡企業様を理解した上で買手企業様の探索をすることができました。譲受企業様もM&Aを通じて実現したいことを明確化されていたので、本件が"良縁"であるということを直ぐに理解し、スムーズに進められたのだ思います。両社が1つのグループとしてこれからどんな成長を遂げていくのか、本当に楽しみです。
(企業情報第四本部第二部 副部長 加藤 大地)