譲渡企業
トラストコミュニケーション株式会社
代表取締役 松田 穣様 インタビュー
M&Aを考え始めたきっかけ
Q1.この度、ご譲渡をお考えになった背景や経緯を教えてください。
当社には大きな経営課題がありました。一つ目は、一般的な会計年度の下期(主に3月)に仕事が集中しすぎてしまうということです。この状況を脱却するために、サポートしてくださる企業様と一緒になれば課題解決になるのではないかと考えたのがきっかけです。
そしてもう一つ、やはり沖縄の市場だけではアッパーがありましたので、今後の成長戦略を見据えて東京の市場を持つ企業様と事業提携したいと考え、譲渡を考えるようになりました。あくまでも今後の会社の成長戦略としてM&Aを検討していました。
Q2.ご検討を進められる上で、大事にされていたことを教えてください。
当社はICTインフラに特化した会社ですので、その中でシナジーが生み出せる企業様でないと課題解決に繋がらないと考えていました。そのため、一緒になることで両社の発展となるような未来が描ける企業様を希望しておりました。それから、地場である沖縄を大切にしていただけるかも重要なポイントでした。
チエル様との出会い
ーチエル様への譲渡を決断された理由を教えてください。
決定まで何社もの候補先様とトップ面談を行い、皆様とてもいい方であったというのが印象です。その中でもチエル様は会長のお人柄と考え方に惹かれました。また企業文化が非常に魅力的であり、一緒に仕事をしてみたいと素直に思いました。企業というのはやはり人対人だと思っておりますので、何をするか、誰とするかが大事であると思っています。
Q3.M&Aの前後で、M&Aへのイメージは変わりましたか。
以前は、一般的なM&Aのイメージとしてあまりいいイメージはありませんでした。しかし、実際にM&A総合研究所の担当アドバイザーの小堀様に半年程サポートしていただき、全体の流れが分かった今は、M&Aをして本当によかったと思っております。会社がいい方向に進む実感を持てました。
ーM&Aをして良かったと思った点を具体的に教えてください。
成約後、早速いろいろと事業の話や今後の体制強化などの話が進んでいます。極端な変革の場合、社内的に歪みが出てしまうリスクはあると思いますが、会社の方針や目指す方向性が明確になり、心強い仲間が増えたと考えています。そして、今後当社がいい方向に進めるという実感がすごく湧いているところです。
弊社との出会い
Q4.ご検討を始められてから様々な情報を収集されたことと思います。その中で弊社にご依頼いただいた理由を教えてください。
昨年からM&Aを意識し始めていました。他社様からのご提案もありましたが、担当アドバイザーの小堀様に出会えたのがきっかけです。
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの小堀様は120点満点です。親身になって話を聞いてくださり、売り手側の目線に立ち一緒に考えてくださったというのが非常にありがたいと感じました。もう感謝しかないですね。実のところ、一時期M&Aに迷いがあった時期がありましたが、小堀様に親身になってご相談を聞いていただく中で前向きな気持ちに変わりました。どんな時でもレスポンスが早く丁寧に進めてくださる姿勢に安心してお任せできると感じました。
今後への思い
Q6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
経営理念にも掲げておりますが、沖縄県の北部地域ないし沖縄県全体の発展に寄与できるような企業であり続けたい思っています。それと同時に、人材の育成にも力を入れていきたいと考えています。どこでも通用するようなスキルを持った人材育成とともに、地域に対して貢献していけるような会社の仕組みづくりをしたいと思っていましたが、M&Aをしてそれが実現できそうです。具体的に言うと、東京などで第一線で活躍できる人材に育てるべく、最先端の技術に関われるような仕事にチャレンジできる環境を作り、幅を広げていきたいと考えています。
譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
これから起業する若者も増えていくと思いますが、会社を次のステージへ成長させる有効的な方法の一つとして、M&Aを活用するのもいいと思っています。沖縄でもどんどんこういった事例が増えていってくれたらうれしいですね。
譲受企業
チエル株式会社
会長 川居 睦様 インタビュー
M&Aでさらなる事業拡大を
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社は30年程前から、沖縄県における学校教育に携わっており、2016年に沖縄チエルを設立しました。名護市は北部に位置しており、那覇市の南部とは沖縄県内でも文化の違いがありますが、北部地区でも当社の製品を拡大したいという思いがあり、今回M&Aを検討いたしました。また、当社はエンジニアリング会社でネットワークインフラの上流から下流まで手掛けております。その中で、クラウドサービスの利用拡大にともなって生じるエンジニア不足というのが大きな課題でした。そのため、そのエンジニア不足を解決する手段としてもM&Aが必要でした。
今後への思い
Q2.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
トラストコミュニケーション様は元々当社のパートナー様でしたが、今回さらにご一緒し期待することは主に3つです。まず1つ目は、外部環境としてGIGAスクール構想による1人1台端末環境が進む中でのエンジニア不足を補うため、新たな人材を確保して育成しつつ基盤を固めていきたいと考えます。2つ目は、沖縄における北部地域への当社の製品拡販をしていきたいという思いです。そして3つ目は、リモートの受け皿として当社と一緒に拡大していってほしいということです。
Q3.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
当社はこれまで5社とM&Aを実施し、譲り受けを行ってきました。 M&Aをする最大のメリットである時間を買えることだけではなく、仲間を集めるという側面もあります。自力で成長戦略を描けない場合には、やはりM&Aというのは会社の成長戦略の大きな柱だと思います。小学校から大学までのICTのビジネスは5年に1度更新されます。中でも小中学校は市町村の管轄になり地場の企業を通すことになるため、これからもM&Aを活用して全国展開をしていきたいと考えております。
弊社との出会い
Q4.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
M&A仲介会社様は中立的なサポートを行うため難しい立ち位置であると思います。譲渡企業と譲受企業の両方のニーズを拾っていかなければならない、本当に大変な仕事だなと日々感じております。そういった中でもM&A総合研究所の担当アドバイザーである小堀様は非常に人柄が素晴らしいと感じました。そして両社の間に入ってフラットに対応いただいたと感謝しております。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
ー譲渡企業様に向けてアドバイスをお願いします。
まだまだ日本においてM&Aはネガティブなイメージがあると思っています。苦労をして起業した経営者様が、将来的な会社の発展のためや、社員の雇用維持のためのM&Aをする意味は大きいと考えています。その中で、創業者利益の獲得は妥当だと思いますので活用するのも一つの手段ではないでしょうか。
ーそれでは譲受企業様に向けてお願いします。
人任せにせず自らお相手先様のところへ行き、話をしたり環境を見るべきだと思います。また、環境変化が著しく予測不能な時代ですので、時間をかけずに成長できるM&Aは一つの成長戦略になると思います。
担当者からのコメント
本件は私が担当させていただいた中でも大変思い入れ深いものでした。トラストコミュニケーション様は沖縄北部で盤石な営業基盤を持たれており、実績からも喫緊でM&Aを必要としている会社様ではありませんでした。その中で松田様は『従業員のためにより良い環境・会社にしたい』とのお考えを一貫して持たれており、このお考えに合致するお相手を見つけることが私の最大のミッションでした。松田様からはITの初歩的なことから様々なことを勉強させていただき、そのお陰でチエル株式会社様という良いお相手をご紹介できたかと思っております。
ご両社の今後の成長を少し離れたところからではありますが、心より祈念しております。
(会計提携第一部 副部長 小堀 裕史)