譲受企業
株式会社富士山マガジンサービス
取締役 佐藤 鉄平様 インタビュー
M&Aでさらなる事業拡大を
Q1.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社は2015年に株式上場を果たし、既存事業はおかげさまで非常に安定しています。しかし、第2、第3の新たな成長戦略を十分に見い出せていないのが現状です。また、業界全体の競争環境が厳しさを増しており、異なる視点での事業開発が必要だと感じていました。こうした状況の中、新しい風を吹き込み、スピード感を持って対応するため、数年前からM&Aの準備を進めてきました。
譲渡企業様との出会い
Q2.学習塾C社様を譲り受けられた理由を教えてください。
M&A戦略を進める中で、どの領域に注力するべきか、当社でもさまざまに検討しました。その結果、当社の強みを活かせる領域として、資格や人生に直結するようなサービスが最も親和性が高いと判断しました。資格、教育、趣味といった領域で検討を進めていたところ、M&A総合研究所様からオンライン塾という非常に適したお相手様をご紹介いただきました。
ーオンラインの塾はどういったところが決め手になったのでしょうか。
教育の分野では、首都圏がすでに飽和状態で競争が激化しており、勝機が見いだしにくい状況です。そのため、情報格差が指摘される昨今、地方からのアプローチとしてオンライン塾が最適であると判断しました。
今後への思い
Q3.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
譲渡企業の経営者様は非常に若く、当社の社風とは異なる点も多いため、良い意味で新たな刺激をもたらしていただけると期待しています。今後のビジョンとしては、EDtech事業を教育産業の中核に据え、この分野を基盤としながら周辺領域を取り込んでいきたいと考えています。また、当社の既存事業である媒体を活用し、新たな事業につながる仕組みを構築したいと思っています。グループ全体として、事業のコア領域を拡大し、さらなる成長を目指していきたいと考えています。
Q4.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
主軸としている領域でのM&Aは現時点ではあまり考えていません。しかし、趣味嗜好のデータベースを活用したサービス展開においては、M&Aの方が圧倒的にスピード感があると感じているため、ここについては今後も積極的に活用していきたいと考えています。また、教育分野にも新たな柱を立て、その周辺領域でのM&Aを進める戦略を計画しています。さらに、資格分野においては、WEB・記事コンテンツサービスへの進出も視野に入れています。
弊社との出会い
Q5.弊社のアドバイザーはいかがでしたでしょうか。印象に残っている具体的なエピソードなどあれば教えてください。
担当アドバイザーの宇野様には、柔軟なサポートを多岐にわたって提供していただき、心より感謝しております。特に、お相手様に関する現地情報のリサーチ力は非常に優れており、大変感心しました。M&Aでは迅速な対応が求められる場面が多いですが、宇野様はスピード感を持って対応してくださり、その日のうちに課題を解決していただいたことで、安心してプロセスを進めることができました。
M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
M&Aは、ある意味では結婚に似た側面があると思います。フィーリングが合うかどうか、理念の共有ができるかどうかなどを慎重に見極めながら進めることが重要です。一方で、少しでも違和感を覚えた場合には、早い段階で取引を中断する判断も必要だと思います。
担当者からのコメント
本件の譲渡企業様は、高い利益率を誇り、他社との差別化を図ったオンライン塾を運営されている企業様であり、売主様も非常にお若いため、譲渡を急ぐ状況ではありませんでした。
しかし、譲受企業様との事業上のシナジー効果が大きいことや、エリア拡大の必要性を考慮し、自社のさらなる成長を目指して第三者への譲渡をご検討いただきました。
一方、譲受企業様は雑誌の定期購読に対応したオンライン書店を運営している会社様であり、顧客に提供するサービスの幅を広げたいと以前から検討されていたとのことです。
両社の社長同士のお人柄も非常に相性が良く、また、両社の知見を活かしてシナジー効果を見込めることから、極めて優れたマッチング事例となったと考えます。
(企業情報第四本部第二部 シニアマネージャー 宇野 凌麻)