成約インタビューM&A事例

人材紹介・人材派遣業のM&A事例【東京都】

人材サービスとAgeTechが描くシナジーの可能性

  • 譲渡企業

    株式会社メディカルジョブセンター

    取締役

    岩橋 成典 様

    業種
    人材紹介・人材派遣業
    地域
    東京都
    売上
    5億円~10億円
    社長の年齢
    40代
    譲渡理由
    事業成長
  • 譲受企業

    LDT株式会社

    代表取締役CEO

    白石 和也 様

    業種
    サービス業
    地域
    東京都
    売上
    非公開
    上場有無
    未上場
    譲受目的
    成長戦略

この度、株式会社メディカルジョブセンター様とLDT株式会社様とのM&Aが成立いたしました。
両社に、M&Aを決意した背景や今後のビジョンについてインタビューいたしました。

【譲渡企業】株式会社メディカルジョブセンター
本社:東京都
事業内容:医療・介護・保育分野に特化した職業紹介・人材派遣事業を展開している。

【譲受企業】LDT株式会社
本社:東京都
事業内容:AgeTech領域の人材プラットフォーム事業、ソフトウェア開発・提供事業、M&Aサービス、コンサルティング事業を展開している。※AgeTech領域(ヘルスケア・医療・介護・シニアライフ・相続)

譲渡企業
株式会社メディカルジョブセンター
取締役 岩橋 成典 様インタビュー

まずは御社についてご紹介いただきたいと思います。

1.御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えて下さい。

当社は、看護師に特化した人材紹介事業を2009年に札幌で創業しました。私自身、HR領域での経験があり、中長期的な成長が見込まれる分野と考えていたためです。当時、看護師の転職市場では有力な求人媒体が少なく、さらに看護師特有の残業や夜勤により転職に割ける時間が限られていることから、人材紹介事業との親和性が高いと判断しました。当社の強みは、創業以来、医療・介護・保育業界に特化した専門性の高い人材サービスを提供している点にあります。


2. どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。

創業後、エリア・職種・事業の3つの軸で展開を進めてまいりました。エリアでは、札幌を起点に東京・大阪・広島・福岡へと順次拡大しています。紹介する職種は、看護師に加えて保育士、薬剤師、介護職へと拡充し、事業も紹介事業にとどまらず、人材派遣事業へと展開してまいりました。

M&Aを検討されたきっかけ

3.譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。

コロナ禍以降、人材サービス業界にも多様なサービスが登場しました。特にダイレクト型サービスの台頭により、市場環境が年々厳しくなっていると感じていました。当社では、他企業様とのアライアンスも視野に入れており、その中でLDTの白石CEOとの面談の機会をいただいたことがきっかけとなりました。


4.ご検討を進められる上で、ご希望や大事にされた条件を教えてください。

第一に、既存社員の継続雇用を前提条件としました。また、将来的に会社の成長が見込めることを重要な希望条件として掲げておりました。

LDT様との出会い

5.最終的にLDT様への譲渡をご決断されましたが、LDT様の印象や譲渡を決められた理由を教えてください。

初めてお会いした時から現在に至るまで、一貫して誠実なご対応をいただきました。この印象は白石CEOに対しても、LDT社全体に対しても非常に強く抱いています。また、LDT社が掲げるAgeTech領域は、当社の事業領域と重なる部分が多く、非常に親和性が高いと感じました。

さらに、ミッション・ビジョン・バリューに深く共感できたことや、当社にないノウハウや経験を保有している点が大変魅力的でした。加えて、PMIを実行するなど全体を通じてスピード感があり、今後の成長を具体的にイメージできたことが、最終的な決断の決め手となりました。

6.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

まずは、何よりも会社の成長を期待しています。このたびLDT社のグループに加わることができたことに深く感謝するとともに、社員一同でグループの発展に貢献したいと強く願っています。また、私自身も引き続きしっかりと貢献していく所存です。

M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

7.譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。

今回のM&Aは私にとって初めての経験で、多くの思いがありましたが、早めに最初の一歩を踏み出しておいて本当に良かったと感じています。経営者様それぞれにさまざまなケースがあると思いますが、M&Aを選択肢の一つとして前向きに検討することは非常に有効であると改めて実感しました。

最後に、M&A総合研究所についてお聞かせください。

8.M&A総合研究所にお任せいただいた理由を教えてください。また、弊社のアドバイザーのサポートはいかがでしたでしょうか。

LDT社様とのご縁をいただいたことに心から感謝しております。M&A総合研究所様に最終的にお願いした理由は、素晴らしい企業様をご紹介いただける確かな実績があったからです。また、担当アドバイザーの鞍野様には本当に親身にサポートしていただきました。M&Aに関する知識が不足していた私に対し、1から10まで丁寧に教えてくださったことは大変心強かったです。さらに、ご紹介いただいた企業様の実現可能性を逐一フィードバックしていただき、スタートからクロージングまでのやり取りを迅速に進めてくださったおかげで、大きな安心感を得ることができました。

譲受企業
LDT株式会社
代表取締役CEO 白石 和也 様インタビュー

まずは御社についてご紹介いただきたいと思います。

1.御社の創業の経緯を教えてください。

葬儀業界に興味を持った理由は、21歳の時に祖父と父を相次いで亡くし、2回の葬儀を経験したことです。その中で、理解しがたいルールやしきたりなど、非合理的な現実を目の当たりにしたことがきっかけでした。その後、バイアウトを経験し、これまでの失敗を踏まえて次の事業展開を検討する中で、人口統計や死亡者数、高齢化、労働人口といったデータを活用したビジネスを始めたいと考えました。さまざまなリサーチを行った結果、2020年1月に葬儀社と葬儀依頼者をつなぐマッチングプラットフォームをスタートしました。その後、コロナ禍におけるオンライン化の進展を受けてオンライン葬儀を開始し、葬儀システム事業をCRM(顧客管理システム)に拡張していきました。

ー事業の強みを教えてください。

当社の大きな強みは、取引社数の多さにあります。葬儀業界全体で約1,000社と取引があり、プラットフォーム事業では約800社、システム事業では約500社の企業様に導入いただいています。葬儀社向けシステムでは、3年で業界トップシェアを獲得しました。このネットワークを活用し、人材プラットフォーム事業を葬儀社向け、さらにはAgeTech領域へと展開していきたいと考えています。

M&Aを検討されたきっかけ

2.M&Aを検討されたきっかけを教えてください。

起業した友人や、士業として活躍する友人からM&Aに関する話を聞いたことがきっかけです。私が最初に起業した事業は最終的に譲渡しませんでしたが、M&Aの準備を進めながら検討していた時期がありました。その後、友人と共同でM&Aを目的とした事業を立ち上げ、数年後に数億円で売却したことが本格的にM&Aを始めるきっかけとなりました。

メディカルジョブセンター様との出会い

3.最終的にメディカルジョブセンター様を譲り受けされましたが、メディカルジョブセンター様の印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。

まず1つ目は、岩橋元代表にお会いした際に非常に誠実な方だという印象を受けたことです。これまでのM&Aの経験から、最初の直感で感じた印象が正しい場合が多く、迷って判断した場合には失敗に終わることが多々ありました。そのため、今回もお会いした際の直感を信じました。

2つ目は、事業領域におけるミッション・ビジョン・バリューに共通点が多いと感じた点です。さまざまなやり取りを通じて、レスポンスの速さや経営の整備状況を理解し、統合後もスムーズに進むのではないかと確信しました。
さらに、当社にはないデータベースや取引先、従業員の知見などが非常に魅力的であり、これらが事業展開の足掛かりになると考え、最終的に譲り受けを決断しました。

今後への思い

4.今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。

今後取り組みたい労働力の最適化を、一緒に進めることで実現できるのではないかと考えています。また、今回の統合により、新たな事業を生み出す可能性にも期待しています。特に、シニアライフ領域における労働力の最適配置はグループとして取り組みたい課題であり、必要なデータベースやノウハウをお持ちであることから、大きなシナジーが生まれると期待しています。


ー従業員様に伝えたいメッセージなどはありますか。

まずは、一緒になってよかったと思っていただけるよう、従業員の方々には給与面での待遇改善を実現したいと考えております。当然、パフォーマンスとして求めるものも高くはなりますが、それに見合った対価を払い、今までにない人生の選択肢を増やしていただく機会を作っていただきたいと思っています。事業強化と従業員の幸せな関係こそが当社の存在意義であると考えます。


5.今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。

自社の領域から大きく逸脱するM&Aは、統計的に失敗する例が多いと感じています。そのため、当社が注力する領域内で、既存事業にグループインしていただくことで時間短縮を図るのがM&Aの大きな目的の一つだと考えています。また、M&Aを検討する際には、具体的な施策が明確であることを判断基準としています。その上で、AgeTech領域においてシナジーが期待できる企業とのM&Aを視野に入れています。

M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

6.M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。

M&Aでは、最終的に統合後の関係が最も重要です。そのため、従業員や役員を含めた全体的な判断を重視すべきです。初対面の印象があまり良くない相手とは、慎重になるべきかもしれません。また、事前に相手先を十分に調査しても、すべてを把握するのは難しいため、リスクを事前に可能な限り排除しておくことを推奨します。

譲渡企業の場合、税務や人事労務がしっかり整備されていることで、買い手の選択肢が広がります。また、経営者に依存しない体制を早めに整えることも重要です。さらに、エリアや業界におけるナンバーワンの実績を持つことで企業価値が高まり、買い手候補が増える可能性が高くなります。

最後に、M&A総合研究所についてお聞かせください。

7.弊社のアドバイザーのサポートはいかがでしたでしょうか。

担当アドバイザーの鞍野様は、これまでお付き合いした仲介会社の中で最も丁寧に仕事をしてくださったと感じています。特に、私は譲渡企業側であった経験もありますが、譲渡側は進捗状況に不安を抱えることが多いです。その中で、鞍野様のレスポンスの速さは大きな安心感につながりました。今回、譲渡側・譲受側の双方に対して穏やかさと気遣いを持って対応していただき、本当に素晴らしいアドバイザーだったと思います。
思い出に残っているのは、電話でのやり取りを必ずメールでもまとめて送ってくださるなど、細かい配慮が非常に良かった点です。

担当者からのコメント

本件は、当社のマッチング力と成約スピードの強みが存分に発揮された事例だと感じております。譲渡企業様と譲受企業様双方の誠実なご対応、そして提携後に共に描く成長戦略の一致を早期の段階から共有できたことで、短期間で成約に至ることができました。最適な企業様をご紹介できたことを非常に嬉しく思うとともに、企業のさらなる発展を支援できたことに、アドバイザーとして大きな喜びを感じております。譲受企業様の運営のもと、ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
(企業情報第五本部第三部 次長 鞍野 海人)
鞍野 海人

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※ 本ページには、成約時期に関わらず、過去に弊社がお手伝いさせていただいたお会社様の一部を掲載しております。

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