学習塾のM&A動向と事業承継の最前線|2026年現在の市場環境や売却・買収のメリットを解説

取締役副社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、学習塾業界の最新概要や2026年現在のM&A動向、売却・買収双方のメリットを専門的な視点で解説します。少子化が加速する現在、学習塾のM&Aは生き残りへの重要戦略です。業界再編が進む今、経営者が知るべき実務知識と最新情報を網羅しています。

目次

  1. 学習塾業界の定義と2026年現在の市場環境
  2. 学習塾のM&A価値を高めるデジタル変革の推進
  3. 学習塾業界における最新のM&A動向と注目すべき4要素
  4. 学習塾業界のM&A案件一覧
  5. 学習塾M&Aの成功事例14選
  6. 学習塾のM&Aを行うメリット
  7. 学習塾M&Aの譲渡価格の相場
  8. 学習塾M&Aが失敗する3つの理由
  9. 学習塾のM&A・事業承継・事業譲渡・会社売却のまとめ
  10. 学習塾業界の成約事例一覧
  11. 学習塾業界のM&A案件一覧
  • セミナー情報
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談
  • 学習塾のM&A・事業承継

1. 学習塾業界の定義と2026年現在の市場環境

学習塾とは、学校以外で教科の補習や受験指導などを行う教育施設のことです。基本的には国語、数学(算数)、社会、理科、英語など基礎的な科目を教える塾がほとんどでしょう。一部では、科学実験などを取り入れ、学習への意欲を高めるための塾もあります。

学習塾の分類方法は複数あります。受験指導を行う塾と、学校の教育に適応できない生徒に対して補習を行う塾が主流です。特に都市部では受験指導に力を入れている塾が多く、有名校の進学実績をアピールし、生徒を集めるところが多いといえるでしょう。

生徒数やニーズによって指導方法は異なり、学習塾を分けることが可能です。受験対策を行う塾では、1人の講師が複数の指導を大人数に行います。授業の補習を中心にする塾では、生徒1人ひとりの理解度に合わせて、教材や指導方針を変える個別指導を行っているところもあります。

2020(令和2)年からスタートしている教育制度改革に対応するため、指導方針やカリキュラムの変更を検討する学習塾も少なくありません。生徒や保護者のニーズに応えるには、その地域における学習環境を深く理解しておく必要があるでしょう。

学習塾業界の特徴

学習塾の経営は、個別指導あるいは集団指導など、マネジメント方法が違います。2019年、三井住友銀行の「学習塾業界を取り巻く事業環境と今後の方向性」によると、昨今は、集団指導方式から個人のレベルに合わせた学習指導を求めるニーズが高まりつつあります。

大手学習塾も、1人ひとりに対応する個別指導方式へのシフトが進んでいるのが現状です。ただし、個別指導方式へのシフトは、教室や教師の数を増やす必要があるため固定費がかさみ、損益分岐点を上昇させる結果となります。

そこで、固定費を変動費となるよう、講師をアルバイトやフリーランスとして雇ったり、家賃が比較的安い空中階に設置したりする学習塾も出てきました。大手の塾は、経営圧迫要因を解消するため、インターネットを活用した個別指導なども導入しています。

学習塾の経営は、効率のいい広告宣伝費によって生徒を集め、かつクオリティの高い講師を多くそろえ、高稼働率を維持する必要があるからです。そのほか、スマートフォンなどで授業のネット配信や、学習SNSを提供する事業者も増加しています。

今後は、こうしたAIを活用したコンテンツの充実も重要になると見られます。

学習塾業界における最新の市場規模推移

2025年度の学習塾・予備校市場に関する最新調査によれば、市場規模は微増傾向にあり約9,800億円台で推移しています。2026年現在は、対面授業の価値再評価とデジタル教材の普及が両立する「ハイブリッド型」が定着しました。事業所数は微減傾向にあるものの、1教室あたりの生徒単価上昇が市場を支える構造へと変化しています。


新型コロナウイルスの影響により、学習塾業界も前年比マイナスとなってはいるものの、他の業界に比べその影響は相対的に小さくなっています。学習塾業界の大手企業の売上高は以下のとおりです。

  • ベネッセホールディングス:4,485億円
  • 学研ホールディングス:1,405億円
  • ナガセ:451億円
  • 小学館集英社プロダクション:346億円
  • リソー教育:267億円
  • 早稲田アカデミー:246億円

学習塾は教育関連市場での最大業界となっており、教育関連市場の他の業態は、通信教育・資格取得学校・幼児教室・体操教室などです。投資資金が潤沢にある大手学習塾は、幼児教育、英会話、学童保育などにも進出するなどの動きが見られます。

学習塾業界の現状

都心部を中心に、学校教育の補助的な存在として教育事業を行っているのが、学習塾です。しかし、少子化の影響や地方での人口減少などがあり、特に中小企業や個人の学習塾経営に不安を感じている人は少なくないでしょう。

以下に、学習塾業界の現状でポイントとなる点を掲示します。

少子化の加速と生徒獲得競争の激化

現在、日本国内の少子化は予測を上回るスピードで進行しており、特に地方都市における年少人口の減少は深刻な課題です。経営努力だけでは集客が困難なエリアが増加した結果、2026年現在の学習塾経営では、単なる補習塾ではなく、特定の強み(プログラミング、中学受験特化など)を持つ塾以外は淘汰される局面を迎えています。講師の採用コストや光熱費の高騰も相まって、損益分岐点の上昇が経営を圧迫しています。


生徒数が減少すると、その分売上が減ってしまうため、固定費を支払い続けるのが難しくなり、廃業の可能性も出てくるでしょう。参入障壁が低い学習塾業界では、子供の数に対し、塾が多くなり過ぎているエリアも少なくありません。

そうした場合、学習塾同士での競争が激しくなります。コストカットの難しい中小企業・個人の学習塾が利益を出し続けるのは非常に難しくなるでしょう。

好調な学習塾であっても、プログラミングや英会話など話題の教育事業を取り入れつつ、今後の経営を検討していく必要があるでしょう。

人件費の上昇・利益率の減少

2019年、三井住友銀行の「学習塾業界を取り巻く事業環境と今後の方向性」によると、非常勤講師などの優秀な人材確保のための待遇改善などを理由に、人件費は上昇傾向にあります。売上は増加しているものの、一方で利益率が減少している事業者の増加が見られます。

個別指導塾の増加

以前は、講師1人が10人以上の生徒を教える集団指導が中心となっていました。しかし昨今では、生徒個人のペースや考え方、理解度に合わせ指導を行う個別指導が主流です。

個別指導では、生徒と講師が1対1で学習を進めます。そのほか、講師1人が2名ほどの生徒を担当し、カリキュラムを設定するケースも少なくありません。

個別指導の塾では多くの生徒を教えられませんが、地域の子供が減っている中、生徒の事情を理解し、より効率的に成績をアップさせることも可能です。今後、生徒数はさらに減少していくと予想されます。

生徒の事情に合わせたきめ細やかな指導で実績を積む学習塾は増えていくでしょう。

オンライン指導とEdTech活用の完全定着

かつては対面指導が主流でしたが、現在はオンライン指導と対面指導を組み合わせた「ブレンディッド・ラーニング」が学習塾の標準モデルとなっています。最新のeラーニングシステムはAIによる個別最適化が進み、生徒一人ひとりの苦手分野をリアルタイムで特定・分析することが可能です。これにより、講師の質に依存しすぎない均一な指導サービスの提供が、学習塾のM&Aにおける企業価値評価の重要な指標となっています。


遠隔指導の実施によって、塾の拠点によらず全国各地の生徒に対応できるため、学習塾の生き残り策としても有効です。また、すでに録画してある授業教材を使い、生徒の都合の良い時間にチェックしてもらうスタイルの学習塾も一般的になってきました。

映像や音声によって、いつでも復習ができるようになるので、生徒の学習効率向上にもつながるでしょう。毎月定額の料金で、講師の授業や学習コンテンツを提供する塾も出てきました。

こうしたeラーニングを利用すれば、講師や塾周辺の子供が少ない場合でも安定して生徒を確保できます。今後は、塾の規模を問わず、eラーニングを含めた新しい授業や指導の形を検討していくことが必要になるはずです。

AI、IoTの普及・新たな学習範囲への対応

2026年現在、生成AIやIoTを組み込んだ学習プラットフォームは、塾運営のインフラとして不可欠な存在です。AIが学習進捗を管理し、人間である講師はモチベーション管理やコーチングに特化するという役割分担が明確化されました。学習塾のM&A市場においても、こうした最先端のIT基盤を自社で保有、あるいは活用できているかどうかが、譲渡価格を大きく左右する要因となっています。


新学習指導要領の実施により、2020年度から小学校で英語教育が必修化されました。2020年度まで採用されてきた大学入試センター試験は、新しく「大学入学共通テスト」に代わります。このようなことを背景に、学習塾には新たな学習範囲への対応が求められるでしょう。

学習塾業界の課題と展望

2025年以降、教育現場では「個別最適化」が完全に主流となり、一斉授業型からパーソナライズ型への移行が完了しました。現在の学習塾業界では、単なる学力向上だけでなく、非認知能力の育成や探究型学習への対応も求められています。こうしたニーズの変化に対応できない小規模塾が、経営資源の豊富な大手グループの傘下に入ることで、サービス品質の維持・向上を図る事例が2026年現在も相次いでいます。


小規模の学習塾は、ICT活用に遅れをとり、取り残されていくといった懸念があります。そのほか、経営者の高齢化により、M&Aで譲渡、合併を行うケースも増加傾向です。

今後は、大手の塾はさらなる拡大を目指し、中堅クラスの塾は生き残りや事業承継のため、学習塾業界では、よりM&Aが進んでいくのではないかと予想されます。

学習塾の事業譲渡/売却のポイントについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】学習塾の事業譲渡/売却のポイント!株式譲渡との違いや費用の相場や事例をご紹介!

2. 学習塾のM&A価値を高めるデジタル変革の推進

AI教材の導入による属人性の排除と収益化

学習塾のM&Aにおいて、特定のカリスマ講師に依存する経営体質はリスクと見なされる傾向にあります。現在では、AI教材を活用した自立学習システムを構築することで、誰が教えても一定の成果が出る仕組み(オペレーションの標準化)を作ることが、売却時の高い評価につながります。
 

ハイブリッド型運営による教室維持コストの最適化

物理的な教室の広さを最小限に抑えつつ、オンライン指導を併用するハイブリッド型運営は、現在の塾経営における高利益率モデルです。固定費を抑えた効率的なビジネスモデルは、買収側にとって魅力的な投資対象となります。
 

学習データの蓄積によるLTV(顧客生涯価値)の向上

入塾から退塾までの学習データを詳細に蓄積・分析できている塾は、継続率の予測精度が高く、経営の透明性が評価されます。長期間にわたって生徒をサポートできる体制は、安定したキャッシュフローを生み出す基盤として、M&Aにおける重要な加点要素となります。

3. 学習塾業界における最新のM&A動向と注目すべき4要素

少子化が加速する中、生き残りのためM&Aを検討する学習塾は少なくありません。ここでは、学習塾業界のM&A動向を解説します。

  1. 関連業種での統合が多い
  2. 事業範囲の拡大・サービス質向上を図るM&Aも多い
  3. 少子化問題に対応する
  4. 人材確保に動く

①関連業種での統合が多い

学習塾の開業には特別な免許が不要なため、以前は参入障壁が極めて低い業界でした。しかし、現在では高度なICT教育環境やAI教材の導入、厳格な情報セキュリティ対策が求められるようになり、質の高い教育を提供するための実質的な参入障壁は上昇しています。そのため、ゼロからの新規開校よりも、既存の生徒やブランド、ノウハウを持つ拠点を取得する学習塾のM&A手法が、スピーディな事業拡大の有効な手段として選ばれています。

中小企業・個人が運営する学習塾は急速に増えており、学習塾同士の競争は厳しくなっているのです。しかし、他の学習塾と差別化を行うには限界があります。

特に小さな個人塾などでは、生徒の確保ができず短期間で廃業してしまうことも少なくありません。そのような事態を防ぐため、学習塾業界では同業種・関連業種間でM&Aを行い、経営の維持を目指すケースが多くなっています。

大手学習塾とM&Aを行うことでブランド力アップも期待できるので、広告に費用をかけられない個人・中小企業の学習塾は、M&Aを前向きに検討しているところが多い状況です。

②事業範囲の拡大・サービス質向上を図るM&Aも多い

学習塾業界では、事業範囲の拡大やサービスの質向上を図るM&Aも多くなっています。例えば、学研ホールディングスは、2019年に、甲信越・東海エリアの補完を図るために、静岡・山梨県内で塾や予備校の運営を行っている文理学院を買収しました。

2021年10月、九州に基盤を置く英進館グループは、広島を中心に中国地方で最大規模の学習塾を運営するビーシー・イングスを子会社化しました。地理的にも事業運営的にも相互補完の関係を築き、より一層の指導力向上を目指すことが狙いとのことです。

③少子化問題に対応する

一部の都市を除き、多くの地域で少子化が進行しているため、今後は生徒を確保できなくなる学習塾が増加するとの予測です。規模を問わず、塾に通う生徒数を増やすためのM&Aを積極的に行う企業が増加しています。

生徒数が多いほど経営の効率化も進み、教材や授業にかかるコストを減らすことも可能です。特に大手の塾では、M&Aで生徒と拠点を確保し、事業の拡大を狙うケースが多くなっています。

長期的な視点で少子化問題に対応するため、大人向け教育事業との統合を行う会社も出てきました。M&Aを行えば、生徒のターゲット層を広げ、新たな教育事業を行うことも可能になります。

④人材確保に動く

少子化による人口減少の影響で、塾講師の確保も難しい状態です。多くの学習塾ではアルバイトなど非正規で講師を賄っている場合が多いため、時期によっては人手が足りず運営に大きな影響が出ることも少なくありません。

そこで、安定して指導ができる講師を確保するため、M&Aを行う事例が増えてきています。M&Aを行えば、売り手と買い手相互で不足した人材を補い合えるので、指導のクオリティを維持できるでしょう。

【関連】学習塾の売却の相場は?価格算出方法、高く売るポイントを解説【譲渡事例あり】
  • 学習塾のM&A・事業承継

4. 学習塾業界のM&A案件一覧

本章では、学習塾業界のM&A案件を一覧にしてご紹介します。

【創業30年以上】那覇市中心部含む3教室で小・中・高生向け個別学習塾経営

沖縄で創業30年以上経営する学習塾の案件です。地域住民からは一定の知名度を誇っています。那覇市内の一等地を含む3教室で展開しており、生徒数は全体で70名程度、最大100名まで増加の余地があります。オーナーは譲渡後引継を経て退任予定(応相談)です。

 

売上高 1,000万円〜5,000万円
営業利益 〜1,000万円
譲渡希望金額 1円(備忘価格)+役員借入金3,700万円の返済
譲渡理由 後継者不足
案件URL https://masouken.com/list/1482

5. 学習塾M&Aの成功事例14選

ここでは、実際の学習塾業界関連のM&A事例を紹介します。

  1. しょうわ出版によるCreate Education Onlineの子会社化
  2. エルアイイーエイチによるTransCoolの子会社化
  3. スタディプラスによるシリーズDラウンドへの資金調達
  4. スプリックスによるひのき会の和陽日本語学院事業を子会社化
  5. ヤマノホールディングスによる東京ガイダンスの子会社化
  6. 昴によるタケジヒューマンマインドの吸収合併
  7. 明光ネットワークジャパンによるSimpleの子会社化
  8. 学研ホールディングスによるジープラスメディアの子会社化
  9. サンリオとやる気スイッチグループホールディングスとの資本提携
  10. 早稲田アカデミーによる個別進学館の吸収合併
  11. エージェントが「本気のパソコン塾」事業を譲受
  12. SELC Australia Pty Ltdが京進へ株式譲渡
  13. Cheer plusが城南進学研究社へ株式譲渡
  14. マナボが駿台グループへ株式譲渡

①しょうわ出版によるCreate Education Onlineの子会社化

2024年6月、しょうわ出版はCreate Education Onlineの株式を取得し、子会社化することを発表しました。

しょうわ出版は富士山マガジンの子会社であり、インターネットによる電報受託サービスを展開している企業です。対象会社のCreate Education Onlineは、オンライン学習塾の事業を行っています。

今回のM&Aにより、EdTech(エデュテック)事業を構築し拡大していく予定です。

参考:連結子会社による株式の取得(連結子会社化)に関するお知らせ

②エルアイイーエイチによるTransCoolの子会社化

2023年9月、エルアイイーエイチはTransCoolの全ての株式を取得し、子会社化することを決議しました。

エルアイイーエイチは食品流通、酒類製造、教育関連の事業を展開する企業です。対象会社のTransCoolは、小学生・中学生・高校生を対象とした学習塾事業を行っています。

今回のM&Aにより、新サービスの開発を進め、教育関連事業の売上高拡大を目指します。

参考:株式会社TransCoolの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

③スタディプラスによるシリーズDラウンドへの資金調達

2022年8月、スタディプラスは、シリーズDラウンドでの資金調達を行いました。既存投資家のRFIアドバイザー、増進会HD、フィデリティ・インターナショナルを加えた3社が引受先です。

スタディプラスは、学習者や教育機関を対象に、学習管理プラットフォームをメインとした事業を行っています。学習管理アプリ「Studyplus」は1,000校を越える教育機関で広く活用されています。

今回の資金調達は、教育業界の課題解決に向けてスタディプラスが提供するソフトウェアプロダクトや電子参考書プラットフォームなどの機能強化を目的として実施されました。

参考:スタディプラス、シリーズDラウンドでの資金調達を実施

④スプリックスによるひのき会の和陽日本語学院事業を子会社化

2022年6月、スプリックスは、ひのき会の和陽日本語学院事業の全株式を取得し子会社化しました。取得価額は非公表。

ひのき会は、学習塾経営指導や日本語学校経営を手掛けています。一方、スプリックスは、新潟県や首都圏で個別指導の「森塾」を運営しているだけでなく、海外関連事業を積極的に展開しています。

今回のM&Aにより、スプリックスは双方のブランド力や運営ノウハウを融合し、日本語学校事業の強化を目指します。

参考:日本語学校事業の譲受及び子会社設立に関するお知らせ
 

⑤ヤマノホールディングスによる東京ガイダンスの子会社化

2022(令和4)年5月、ヤマノホールディングスは、東京ガイダンスの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は3億1,500万円です。

持株会社であるヤマノホールディングスは、グループとして美容事業、和装宝飾事業、DSM(訪問・展示会販売)事業、教育事業を行っています。ガイダンスは、個別指導学習塾FC「スクールIE」に加盟し東京・神奈川で16店舗の運営を行っている企業です。

ヤマノホールディングスのグループには、すでに「スクールIE」FC加盟店となっている会社があり、2社間の協業によるシナジー効果で、グループ内の教育事業を拡大させたい狙いがあります。

参考:東京ガイダンス株式会社の株式取得(子会社化)及び 報告セグメントの変更並びに資金の借入に関するお知らせ

⑥昴によるタケジヒューマンマインドの吸収合併

2022年4月、昴は、完全子会社であるタケジヒューマンマインドを消滅会社とする吸収合併を行うことを発表しました。合併予定日は同年9月です。昴は、九州・沖縄で68校の学習塾「昴」の運営を行っています。

タケジヒューマンマインドは、沖縄で大学受験専門予備校「即解ゼミ127°E」の運営を行っている企業です。昴としては、経営資源の一体化により、収益力の強化と事業運営効率化を図ります。

参考:株式会社タケジヒューマンマインドの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

⑦明光ネットワークジャパンによるSimpleの子会社化

2022年4月、明光ネットワークジャパンは、Simpleの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。明光ネットワークジャパンは、「明光義塾」などの学習塾事業、幼児・学童・スポーツ事業、人材事業を行っている企業です。

Simpleは、有料職業紹介事業として、保育士・幼稚園教諭に特化した転職支援サービス「しんぷる保育」、 栄養士に特化した転職支援サービス「しんぷる栄養士」を展開しています。明光ネットワークジャパンとしては、新規の人材事業でシナジー効果が得られると判断しました。

参考:Simple株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

⑧学研ホールディングスによるジープラスメディアの子会社化

2022年3月、学研ホールディングスは、ジープラスメディアの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。

学研ホールディングスは、教室・塾、出版コンテンツ、園・学校、医療福祉サービス、物流などの事業を行うグループの持株会社です。ジープラスメディアは、訪日・在日 外国人向け英字ニュース、外国人向け総合・不動産情報のサイトや、求人情報サービスの提供などを行っています。

学研ホールディングスとしては、デジタル戦略とグローバル戦略において、高いシナジー効果が得られると判断しました。

参考:株式会社ジープラスメディアの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

⑨サンリオとやる気スイッチグループホールディングスとの資本提携

2022年2月、サンリオと、やる気スイッチグループホールディングスは資本提携を締結しました。サンリオがやる気スイッチグループホールディングスの大株主であるAPファンドから、10%分の株式を30億円で譲り受けています。

サンリオは、「ハローキティ」などの多数のオリジナルIPを所有し、それらのリテール事業、エンターテイメント事業、インターネット事業、ライセンス事業、ソリューション事業、コンシューマ事業を行っている企業です。

持株会社であるやる気スイッチグループホールディングスは、個別指導学習塾「スクールIE」の直営とフランチャイズ事業、幼児教育事業の直営・フランチャイズ事業を行うグループの経営管理を行っています。

両社は資本提携により、それぞれの事業分野におけるさまざまな協業の可能性を図り、新たな事業展開を行う考えです。

参考:サンリオとやる気スイッチグループHDが資本提携

⑩早稲田アカデミーが個別進学館を吸収合併した事例

早稲田アカデミーは2021(令和3)年12月、完全子会社である個別進学館を吸収合併すると発表しました。早稲田アカデミーは、関東で展開する中学・高校・大学受験の大手学習塾です。

個別進学館は早稲田アカデミーの子会社であり、明光ネットワークジャパン、 MAXSエデュケーションから事業を譲受し、新設分割により設立された会社です。今回のM&Aにより、意思決定の迅速化と事業運営の効率化、集団指導校舎との連携強化を目指します。

⑪エージェントが「本気のパソコン塾」事業を譲受した事例

エージェントは2021年4月、オンラインスクール「本気のパソコン塾」の事業を譲受しました。エージェントは、システム・アプリ開発、オフショア開発ラボ、人材派遣・人材紹介事業、就業支援メディアの運営など幅広い事業を展開しています。

一方、「本気のパソコン塾」は、三浦宙也氏が運営する掲載動画数900本以上、累計会員数900名以上のオンラインスクールです。今回のM&Aにより、本気のパソコン塾を事業基盤に、オンラインスクール事業の拡大、さまざまなサービスの展開により、事業価値向上を目指します。

参考:オンラインスクール「本気のパソコン塾」事業譲受のお知らせ

⑫SELC Australia Pty Ltdが京進へ株式譲渡した事例

京進は2020(令和2)年10月に、SELC Australia Pty Ltdの全株式を取得し完全子会社化しました。京進は、国内や海外の学習塾サービス、フランチャイズ事業、国際人材交流事業、介護サービス、キャリア支援サービスなど、幅広い事業を展開している企業です。

SELC Australia Pty Ltdは、オーストラリア・シドニーに拠点を置く会社で、留学生を対象とした語学学校、専門学校の運営をしています。京進としては、海外のノウハウとリソースを取得し、英会話のサービス展開や語学関連事業における相乗効果を得るのが目的です。

参考:SELC Australia Pty Ltd の株式取得に関するお知らせ

⑬Cheer plusが城南進学研究社へ株式譲渡した事例

城南進学研究社は2019(令和元)年9月に、Cheer plusの全発株式を取得し完全子会社化しました。城南進学研究社グループは、保育園や英語教室など、M&Aによる事業拡大を行っています。

Cheer plusは、認可外保育園「サニーキッズインターナショナルアカデミー」を運営しています。英語教室や学童保育などのノウハウを持っている企業です。

今回のM&Aにより、城南進学研究社は、既存の事業とCheer plusが持っているノウハウとのシナジー効果によって、さらなる保育サービスの提供を目指します。

参考:【cheer plus 株式会社子会社化のお知らせ】

⑭マナボが駿台グループへ株式譲渡した事例

大手予備校として知られる駿台グループは2018(平成30)年5月、グループ会社を通じて家庭教師サービスを提供するマナボの全株式を取得し完全子会社としました。駿台グループは、大学受験に強みを持つ大手予備校で、有名校への進学実績を多数持っています。

マナボは、オンラインでの家庭教師サービス「manabo」を提供する会社です。駿台グループは、今後、eラーニングの充実や拠点を持たないエリアでの教育研修に力を入れるため、マナボの持つシステムを元に新サービスの開発を行うとしています。

そして、子会社のエスエイティーティーを通じ、病院や自治体など異業種でのシステム活用を目指す考えです。

参考:駿台グループのエスエイティーティーが 株式会社マナボの全株式を取得

英会話教室・語学学校のM&A・買収・売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】英会話教室のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・事例を徹底解説【2025年最新】

6. 学習塾のM&Aを行うメリット

人口が減少する地方では、今までの体制で学習塾を経営するのが難しくなってきています。したがって、今後の経営のことを考え、M&Aを検討している経営者は多いでしょう。

ここでは、学習塾のM&Aで得られるメリットについて、売却側・買収側それぞれに分けて解説します。

売却側のメリット

学習塾のM&Aで売却側が得られる主なメリットは以下の4点です。

  1. 学習環境をそのまま残せる
  2. 新しく講師を得られる
  3. 教育レベルを向上できる
  4. 譲渡利益を獲得できる

①学習環境をそのまま残せる

学習塾を売却すると、学習環境をそのまま残せます。なぜなら、買い手の資金によってそのまま運営が続けられるからです。同じ場所で経営を行えるため、以前から通っている生徒たちは転塾せずに、そのまま通い続けられます。

学習環境を変えないことによって、モチベーションの低下や学習内容の変更を防ぎ、生徒たちの集中力や学習能力の低下を防ぐ効果も期待できるでしょう。学習塾を残せるだけでも、大きなメリットが得られます。

②新しく講師を得られる

学習塾を運営していくために必要な新しい講師を得られます。なぜなら、講師が不足していても買収側から新たな講師が補充されるからです。

もし、講師が不足している学習塾であっても、買収側には新しい事業をスタートできるだけの資産があるため、講師を補充する可能性が高いといえます。買収側にとっても、講師が十分でない限り、安定した学習塾の経営を望めません。

講師の補充は十分に検討されているはずですから、講師不足の問題を心配する必要はないでしょう。

③教育レベルを向上できる

M&Aで学習塾を売却すると、教育のレベルを維持できるだけでなく、向上させられるでしょう。講師を補充し、手元にある教材をより役立てるような、買収側が持つノウハウを得られるからです。

今まで行えなかった授業を取り入れることも検討できるでしょう。こうした教育レベルの向上は、見逃せないメリットといえます。

④譲渡利益を獲得できる

学習塾の経営者は、売却することで譲渡利益を獲得できます。ある程度まとまった額を得られるため、新規事業を立ち上げる場合は、その資金に充てられるでしょう。引退する場合は、生活費など自由に使える資金となるため、大きなメリットといえます。

買収側のメリット

買収側が学習塾を得ることで得られる主なメリットは以下の3点です。

  1. 既存の生徒と講師を獲得できる
  2. 立地の良い場所を獲得できる
  3. 教育業界へ新規参入できる

①既存の生徒と講師を獲得できる

M&Aで学習塾を買収すると、新たに生徒や講師を獲得する必要がなくなります。買収した学習塾の生徒や講師を、そのまま獲得できるからです。

生徒や講師を募集するための広告代を削減できるため、資金を他のことに使えるでしょう。その結果、より学習塾の発展が見込めるようにもなるのです。

②立地の良い場所を獲得できる

すでに駅前などの立地の良い場所は建物が立っていて、ほとんど空いてない場合が多いでしょう。立地の良い場所を見つけるだけでも苦労してしまうか、最悪は見つからないかもしれません。そこで、立地の良い場所にある学習塾を買収すれば、苦労なく獲得できます。

良い場所を確保できるだけでなく、建設するまでの時間も省略できるのです。駅前や学校の近くの学習塾を買収したとなれば、生徒数や講師の数が増えることも期待できるでしょう。

③教育業界へ新規参入ができる

学習塾の買収によって、教育業界に新規参入できます。すでに運営されている学習塾を買収すれば、異業種からでもすぐに事業を開始できるからです。学習塾の運営に必要なノウハウや教材、講師・生徒が揃っているため、新規参入でも安定した経営が可能となるでしょう。

7. 学習塾M&Aの譲渡価格の相場

ここでは、学習塾のM&A相場を確認しておきましょう。学習塾のM&Aでは、小〜中規模の学習塾の場合、1,000万〜3,000万円ほどの譲渡希望が多くなっています。

一方、小さい学習塾であれば、1,000万円以下、非常に小さい個人塾などであれば、数百万円での譲渡希望も少なくありません。年間、数千万~数億円の売上を出す規模の大きい塾であれば、数億円でのM&Aもあります。

学習塾は、拠点の数や塾の規模が譲渡価額に大きな影響を与えるため、それぞれのケースで金額が異なるのです。塾の立地や学習に関する設備、生徒数なども譲渡価額に大きく影響します。

特に、人材不足に悩む企業は大小問わず多いため、優秀な正社員講師が複数いる場合、譲渡価額が大きくアップするでしょう。実際の譲渡価額は、M&Aの専門家である仲介会社に相談し、企業価値評価を受けるのがおすすめです。

8. 学習塾M&Aが失敗する3つの理由

学習塾のM&Aに失敗しないためには、多くの失敗例から学ぶことも大切です。ここでは、代表的な失敗するパターンを紹介します。

  1. M&A後の講師離職
  2. 税金対策を忘れていた
  3. 未払い賃金や債務が見つかった

①M&A後に講師が離職してしまう

M&Aで買収後、講師が離職してしまう場合があります。例えば、M&Aが完了する前に講師たち従業員に知られてしまい、不安感や不信感を持った講師たちが学習塾から離れてしまうのです。

事前に講師たちが情報を知り、不安がってしまうと、その不安が生徒や保護者達に伝わり、講師だけでなく生徒たちまで離れていってしまう可能性が出てきます。講師の中には、経営者の人格や情熱、方針にひかれて働いている人も多いでしょう。

経営者が変わってしまうことを知り、離職してしまうのです。このような失敗を防ぐためには、新たな経営者が講師などの学習塾の人材に、経営方針や経営者自身のことを説明することが必要でしょう。

②税金対策を忘れていた

失敗事例の中には、税金対策を忘れていて多額の税金に苦労する場合があります。M&Aに関連する税金にはいくつかの種類が存在します。

個人の譲渡側に必ず発生するのが所得税と住民税です。譲渡者が会社であれば、法人税が課されます。事業譲渡では、買収側は消費税も負担しなければなりません。

名義変更による登録免許税、不動産取得税なども発生します。登録免許税は、購入した土地や会社の所有者を記録し公示する際に国に支払う税金です。不動産取得税は、購入した不動産を得た人に必ず課税されます。

M&Aで発生する税金は、事前にM&A仲介会社からアドバイスを受けておくのが得策でしょう。

③未払い賃金や債務が見つかった

未払い賃金や簿外債務が見つかるなどして、M&Aが失敗してしまう場合があります。未払い賃金や簿外債務が見つかってしまうと、M&A後に売却側が賠償請求を受けることもあるでしょう。

そうならないためにも、M&Aを行う前にしっかりとした財務状態にしておく必要があります。

9. 学習塾のM&A・事業承継・事業譲渡・会社売却のまとめ

少子化問題が大きくなる中、学習塾の経営課題は多くあります。場合によっては、今後はより経営が厳しくなる可能性もあるでしょう。早期に対応策を見つけなければ、最悪の場合、「廃業・倒産」の選択を迫られてしまいます。

M&Aであれば、学習塾を存続できるだけでなく、新たな経営方針でのサービス提供によって今後も生き残れるはずです。M&A市場が活発な今、会社を売ることで後継者問題の解決や講師不足の解消なども可能になるでしょう。

M&Aを実施する際は、信頼できるM&A仲介会社を選ぶことが肝要です。

10. 学習塾業界の成約事例一覧

11. 学習塾業界のM&A案件一覧

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬の料金体系
  2. 最短43日、平均7.2ヶ月のスピード成約(2025年9月期)
  3. 専門部署による、高いマッチング力
  4. 強固なコンプライアンス体制
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>完全成功報酬制のM&A仲介サービスはこちら(※譲渡企業様のみ)

関連する記事

新着一覧

最近公開された記事
学習塾のM&A・事業承継