2024年11月09日公開
就労移行支援業界のM&A動向!売却・買収事例3選とメリットを解説!【2023年最新】
本記事では就労移行支援業界のM&A動向を解説します。就労移行支援業界は景気動向の影響を大きく受ける業界です。そのため業界再編を目的とした同業他社とのM&Aが盛んに行われています。本記事では実際の売却・買収事例も紹介するのでぜひ参考にして下さい。
目次
1. 就労移行支援業界の概要と動向
就労移行支援業界は、障害を持つ人々の社会進出や就業機会の拡大を目的として事業活動を行っています。近年、就労支援業界に対する重要性が高まっており、多くの事業所や就労支援プログラムが設立・開発されています。
特に、先端IT領域での障害者の職域拡大と活躍を支援するための新しい取り組みが注目されています。
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就労移行支援業界とは
就労移行支援業界は、障害を持つ人々が一般の職場での就労を目指す際のサポートを提供する業界です。
この業界のサービスは、障害者が社会との接点を持ち、自らの能力やスキルを活かして働くためのトレーニングや指導を行います。
就労を支援するうえでの注意点が、障害を持つ人々とは異なるため、特別な支援が必要です。そのため、特に、発達障害や自閉症スペクトラムなどの障害を持つ人々に対して、専門的なサポートを提供する事業所が増えています。
就労移行支援業界の市場規模と動向
近年、障害者の就労支援の重要性が高まっており、就労移行支援業界もその需要の増加を受けて拡大しています。
特に、ITやWeb関連の職種に特化した就労移行支援事業所が増加しており、プログラマーやWebデザイナーとしてのスキル習得をサポートするプログラムが提供されています。従来は、工場勤務などが多かったものの、ITスキルが近年の就労移行支援業界のトレンドです。
また、大手企業や中小企業、官公庁など、さまざまな業種での就職をサポートする事業所も存在します。これにより、障害者が自らの興味や能力に合わせて、幅広い職種での就労を目指すことが可能となっています。
さらに、就労移行支援事業所と連携して障害者の転職支援を行うサービスも増えており、障害者が一度就職した後もキャリアアップを目指すためのサポートが受けられるようになっています。
注意点として、就労移行支援業界は、政治的な意思決定の結果に大きく影響を受けることが挙げられます。
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2. 就労移行支援業界のM&A動向
この業界は、障害を持つ人々の社会進出や就業機会の拡大を目的とした業界ですので、多くの事業所や就業支援プログラムが設立されています。
こうした事業所の施設の充実や人的リソースの確保が必要となっているため、M&Aを活用して物的・人的リソースを確保する動きがみられます。
その中で、業界の競争が激化し、さらなる成長やサービスの質向上を目指すためのM&Aが活発化しているのが近年の動向です。
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3. 就労移行支援業界のM&Aにおけるメリット
業界内での競争が激化しており、事業所間の差別化やサービスの質の向上が求められています。このような背景から、事業所の統合や新しいサービスの開発を目的としたM&A・買収・譲渡が増加しています。
以下では、就労移行支援業界におけるM&Aのメリットを解説します。
従業員を確保できる
M&A(合併・買収)は、企業の成長戦略の一つとして広く認知されていますが、その背後には多くのメリットが存在します。その中でも、従業員の雇用の安定や新しい雇用機会の創出は、M&Aの大きな利点として挙げられます。
M&Aを進めることで、異なる事業所や企業間でのリソース、技術、ノウハウの共有が実現されます。
これは、単に物的なリソースや資金の共有だけでなく、人的リソースや経験、スキルの共有をも意味します。このような統合により、企業は新しい市場への進出や新しいサービス・製品の開発を加速させることができ、これが結果として新たな雇用機会の創出につながります。
さらに、現代のビジネス環境では、多くの業界で競争が激化しています。このような状況下で、企業は生き残りをかけた経営努力を強いられる中、M&Aは企業の競争力を強化する手段として注目されています。
M&Aによる企業の統合や協力は、業界内での競争力を高めるだけでなく、経営基盤を強化し、従業員の雇用の安定をもたらすことが期待されます。
創業者利益の取得が可能
M&Aを通じて、事業所の売却や統合が行われる際、創業者や経営者はその事業価値に見合った利益を取得することができます。これにより、創業者や経営者は新たな事業展開や他の投資機会への資金を確保することが可能となります。
廃業の費用や手続きが不要
事業所が独自に廃業を検討する場合、多くの費用や手続きが発生します。
しかし、M&Aを通じて他の事業所との統合や買収を行うことで、これらの廃業に伴う費用や手続きを回避することができます。
利用者はサービスを引き続き受けられる
M&Aによる事業所の統合や買収が行われた場合でも、利用者はサービスを引き続き受けることができます。
これにより、利用者はサービスの中断や変更を心配することなく、安心して就労移行支援のサービスを受け続けることができます。
しかし、事業所が無くなると、利用者はその場で受けられていたサービスを受けられなくなります。
売却・譲渡などM&Aによって事業を継続できれば、利用者に負担をかけずに済むことも大きなメリットです。
4. 就労移行支援業界におけるM&A・買収・売却事例3選
ここからは、就労移行支援業界におけるM&A・買収・売却事例を3つ厳選して紹介していきます。
manabyがスタンディをM&Aした事例
2023年3月、株式会社manabyはスタンディ株式会社からの事業譲受けに成功しました。
2016年の設立から東北・関東・関西の各地においてCSP(フランチャイズ)を含む30近くの障害者向け就労支援施設を運営してきたmanabyは、各個人が自分のスタイルで働くことができる社会の実現を目指している企業です。
スタンディ株式会社からの就労移行支援部門の取得を通じて、manabyは関東地域でのサービス範囲をさらに広げることができるようになりました。
参考: manabyによるスタンディの事業譲受け
manabyが奥洲物産運輸をM&Aした事例
2022年10月、株式会社manabyは、奥州物産運輸をM&Aを通じて取得しました。
manabyは、2016年に設立されてから東北・関東・関西の各地において、CSP(フランチャイズ)を含む約30の障害者向け就労支援施設を保有・運営している企業です。
今回、奥洲物産運輸の就労移行支援部門を取得したことによって、manabyは、関東地域でのサービス範囲をさらに広げることができるようになりました。
さらに、奥州物産運輸から取得した部門には就労移行支援の専門知識を持つスタッフが在籍しており、彼らの経験と知識がmanabyの成長に寄与すると考えられます。
参考: manabyによる奥洲物産運輸の事業譲受け
ケア21がかがやく学び舎を野口株式会社へ事業承継した事例
2019年11月、ケア21は、かがやく学び舎を野口株式会社へ事業承継しました
かがやく学び舎は、障害を持つ人々が健常者と同様に職場で活躍するためのスキルや知識を磨く訓練や、就労に関するアドバイスやサポートを提供する事業を2017年6月にスタートさせた企業です。
その後、同年12月に事業を本格的に開始し、事業を軌道に乗せられるよう、活動を行ってきました。
しかし、今回、かがやく学び舎の共同出資者であった野口株式会社から事業承継の提案があり、ケア21がこれを承認したことで、かがやく学び舎の株式を譲渡するに至りました。
参考: ケア21によるかがやく学び舎の株式譲渡
5. 就労移行支援業界のM&Aにおける成功のポイント
M&Aは、企業の成長戦略の一つとして多くの業界で行われていますが、成功するためにはいくつかの重要なポイントがあります。
特に、就労移行支援業界では、障害を持つ人々の社会進出や就業機会の拡大を目的としているため、M&Aの成功が社会的な意義も持っています。
以下では、この業界におけるM&Aの成功のためのポイントを詳しく解説します。
M&Aの専門家に相談をする
M&Aは複雑なプロセスを伴います。そのため、専門家の意見やアドバイスを求めることは非常に重要です。
M&Aの専門家は、業界の動向や価値評価、交渉戦略などの知識を持っており、企業が最適な判断を下すためのサポートを提供します。
また、専門家のネットワークを利用することで、適切なパートナー企業とのマッチングも期待できます。
M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください
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M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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事業が好調な時期に売却する
企業の価値は、現在の事業の健全性や将来への展望によって、時とともに変わっていきます。
この価値は、企業の財務状況、市場の動向、業界の成長率、技術の進化など多くの要因に影響を受けます。事業が順調に成長している時期、つまり売上や利益が増加している時、新しい市場や顧客層を獲得している時などは、企業の価値は高まると一般的に考えられます。
このような好調な時期にM&Aの検討や実行を行うと、買収側の企業や投資家からの評価が高くなる可能性があります。なぜなら、好調な事業は将来的なリターンが期待されるため、投資の魅力が高まるからです。また、事業の好調さを具体的な数字や実績で示すことができれば、交渉の際の立場も強くなります。
一方で、事業が停滞している時期や業績が下降している時期にM&Aを検討すると、企業の価値は低く評価される可能性が高まります。このような状況下でのM&Aは、買収側の企業や投資家にとってリスクが高くなるため、低い価格での取引が求められることが多いです。
したがって、企業としては、最も価値が高まるタイミングを見極め、その時期にM&Aの検討や実行を行うことが、成功への鍵となります。
会社の強みをアピールできるようにする
M&Aの過程は、単に企業同士の経済的な取引以上のものです。それは、文化、ビジョン、価値観、そして企業の核となる強みや独自性を共有し、統合するプロセスでもあります。
このため、M&Aの交渉段階で自社の強みや特色を明確に伝え、アピールすることは非常に重要です。
企業が持つ強みや独自性は、その企業の競争力の源泉であり、他の企業との差別化を図る要因となります。これは、新しい技術、特許、ブランドの知名度、顧客ベース、地域での地位など、さまざまな要素によって形成されます。
特に、就労移行支援業界のような特定の業界においては、その業界特有のノウハウや専門知識が求められます。例えば、障害者の就労支援に関する深い知識や実績、専門的な人材の存在などは、この業界における大きな強みとなり得ます。
これらの要素は、M&Aの際に高い価値を持ち、取引の成功に大きく寄与する要因となります。そのため、M&Aの交渉においては、自社の強みや独自性を明確に伝えるプレゼンテーションや資料の準備、そしてそれを効果的に伝えるためのコミュニケーションスキルが求められます。
これにより、取引相手が自社の価値を正確に理解し、適切な評価を下すことが可能となります。
適切に情報開示する
M&Aのプロセスにおいて、情報の開示は非常に重要な役割を果たします。適切な情報開示を行うことで、双方の企業が信頼関係を築くことができ、スムーズな交渉が進められます。
逆に、情報を隠蔽したり、不適切な情報開示を行うと、信頼関係が崩れるリスクがあります。これらのポイントを踏まえることで、就労移行支援業界におけるM&Aが成功する可能性が高まります。
企業は、M&Aの成功を目指すために、これらのポイントを意識し、適切な戦略を立てることが求められます。
6. 就労移行支援業界のM&A・事業売却まとめ
就労移行支援業界は、障害を持つ人々の社会参加や就業をサポートするための業界として、その重要性が増しています。
この業界でのM&Aや事業売却は、業界の拡大やサービスの質向上を目的として行われています。
特に、障害者の就労をサポートするための専門的なノウハウや人材が重要とされ、M&Aや事業売却の際にはこれらの要素が考慮されることが多いです。
M&Aには、事業所やサービスの拡大、質の向上、新たな市場への参入などのメリットがあります。
しかし、これらの取引は複雑であるため、専門家やコンサルタントの意見やアドバイスを取り入れることが推奨されています。
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