紙・パルプ製品製造・卸売業界のM&A動向!売却のメリット・デメリットは?

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

当記事では、紙・パルプ製品製造・卸売業界のM&A・売却・買収・事業承継について解説します。そのほか、紙・パルプ製品製造・卸売業界のM&A動向や、買収・売却・事業承継時におすすめの相談先、M&Aを実施するメリット・デメリットなども紹介しましょう。

目次

  1. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A
  2. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A動向
  3. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A売却・買収事例
  4. 紙・パルプ製品製造・卸売会社によるM&A・売却のメリット・デメリット
  5. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却を成功させるポイント
  6. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却・買収の際におすすめの相談先
  7. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却・買収まとめ
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1. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A買収・売却・事業承継について、さまざまな角度から詳しく解説します。まずは、紙・パルプ製品製造/卸売会社の定義や、M&A・売却・買収・事業承継の概要を説明しましょう。

紙・パルプ製品製造・卸売会社とは

紙・パルプ製品製造/卸売会社とは、印刷資材・新聞用紙・コピー用紙・包装用紙・トイレットペーパー・段ボールといった紙・パルプでできた製品を製造および販売を主事業とする会社です。

紙・パルプ製品製造/卸売事業を展開する国内の企業には、大王製紙・日本製紙・日本紙パルプ商事・三菱製紙・北越コーポレーションなどがあります。

紙・パルプ製品製造・卸売会社の特徴

紙・パルプ業界の構造は、王子ホールディングスと日本製紙が2強です。売上(紙・パルプ事業以外も含む)は、王子ホールディングスが1兆3,590億(2020年度)、日本製紙が1兆73億円(2020年度)でした。

それに続き、大王製紙が5,629億円(2021年度)、北越コーポレーションが2,224億円(2021年度)、三菱製紙が1,623億円(2021年度)となっています。

三井住友銀行発表の「紙・パルプ産業の動向と今後の方向性」によると、紙・パルプ製品製造・卸売会社は2018年下期以降、紙・パルプ各社は相次いで製品値上げを進め、市況は上昇しました。

しかし昨今、燃料価格は世界的な経済低迷を背景に、大きく低下しています。原料となる古紙も、古紙が国内に滞留している状況のため、低水準で推移しているのが現状です。

国内製紙各社は紙生産設備の停止や紙から板紙への生産品種転換などを推し進め、固定費を抑制し、2017年以降は利益率を改善してきました。新型コロナウイルス感染拡大を背景とする景気悪化に伴う需要の冷込みや企業活動の低下による産業用途の落込みから、各社の売上も低下しています。

紙・パルプ製品製造・卸売会社の市場規模

経済産業省「経済産業省生産動態統計年報 紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計編」の発表によると、2020年の紙・パルプ業界の販売金額は、紙が1兆4,634億円でパルプが526億円でした。紙の内訳は、新聞用紙が2,358億円、印刷情報用紙が6,562億円、包装用紙が866億円、衛生用紙が3,312億円、雑種紙が1,533億円です。

2020年の紙・パルプの生産は、紙が約1,121万トンで、パルプが約705万トンでした。紙の内訳は、新聞用紙が206万トン、印刷情報用紙が587万トン、包装用紙が75万トン、衛生用紙が183万トン、雑種紙が68万トンとの結果となっています。

参照:経済産業省大臣官房調査統計グループ「経済産業省生産動態統計年報 紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計編(2020年)」

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/012_s02_00.pdf

紙・パルプ製品製造・卸売業界が抱える悩み

紙・パルプ製品製造/卸売業界が抱える悩みとして、下記の点があげられます。

  • ペーパーレス社会により紙媒体の消費が減少している
  • 生産にかかるコストが増加している
  • 設備への投資を欠かせない

ここまで説明したように、紙・パルプ製品製造/卸売業界ではM&A件数が増加していますが、その背景には業界が抱える悩みがあります。この章では、紙・パルプ製品製造/卸売業界全体が抱える悩みには、どのようなものがあるか見ていきましょう。

ペーパーレス社会により紙媒体の消費が減少している

紙・パルプ製品製造/卸売業界は、ペーパーレス化の波によって国内需要が著しく低下しています。スマートフォンやタブレットなどの普及や技術の進化によるものです。

生産にかかるコストが増加している

紙・パルプ製品製造/卸売業界は、製品製造の原料価格高騰にも悩まされています。原料となる木材チップ・パルプ・石炭などは、為替変動や環境などによって価格が大きく変動するからです。生産コストが増加すれば、当然その分、企業の収益は減少するため、コスト高に悩まされる企業が増えています

設備への投資を欠かせない

製紙製品の原料となるパルプを生産したり、原料から製紙製品をつくったりするには、大規模な設備・施設が必要です。紙・パルプ製品製造/業界の企業は、設備投資が欠かせません。

国内需要が低下しているにもかかわらず、設備投資は引き続き必要となるため、資金的に苦しくなるケースも少なくありません。海外市場などに新規参入する場合は、多額の初期投資も必要になります。

M&A・売却・買収とは

近年は、M&Aや会社売却・買収といった言葉を頻繁に耳にするようになりました。ただ、実際にはどのような意味なのかわかっていない方も多いのではないでしょうか。ここでは、M&Aや売却・買収の意味を簡潔に解説します。

M&Aとは

M&Aは「Merger&Aquisition」の略称で、狭義には企業の合併・買収のことをさします。M&Aの用語は、広義では資本業務提携などの戦略の意味で使われることも多いです。

売却・買収とは

買収とは、株式取得・事業譲受・第三者割当増資・株式交換会社分割などの方法によって、対象企業の経営権を買い取ることをいいます。

反対に、株式譲渡事業譲渡などによって、会社の経営権を譲り渡すことを売却と表現します

事業承継とは

事業承継とは、会社経営者が自社の事業や経営権を後継者に引き継ぐことです。近年は、国内にある中小企業経営者の高齢化が進んでいることもあり、事業承継の需要が高まっています。

誰を後継者に任命するかの違いによって、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aによる事業承継の3種類に分類できるでしょう。

親族内(外)事業承継は、自社の従業員や役員に事業を引き継ぐことです。例えば、紙・パルプ製品製造/卸売会社の経営者が自身の子供に事業を引き継いだ場合は、親族内事業承継に当てはまります。

M&Aによる事業承継は、M&Aを実施して第三者企業に会社を売却し、事業を引き継ぐ方法です。

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2. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A動向

紙・パルプ製品製造/卸売業界のM&Aや買収・売却を行う際は、業界のM&A動向を把握しておくことも重要です。動向を把握しておけば、適切なタイミングや手法でM&A・買収・売却手続きを進められます。

  1. 近年大手・中堅によるM&Aが増加傾向
  2. 大手・中堅による関連業種へのM&Aも増加
  3. 海外企業へのクロスボーダーM&Aも増えている
  4. 経営者の高齢化が問題に
  5. 海外進出するには単独では難しい

①近年大手・中堅によるM&Aが増加傾向

近年の紙・パルプ製品製造/卸売業界では、大手・中堅企業によるM&Aが増加傾向にあります。紙・パルプ製品の需要は縮小していく予測です。この市場縮小に対応すべく、顧客網や販路拡大を目的とした企業買収が見られます。

②大手・中堅による関連業種へのM&Aも増加

大手・中堅の紙・パルプ製品製造/卸売会社が、関連業種に対してM&Aを実施するケースも増加しています。なかでも、ネット通販事業への新規参入や、成長分野や異業種への新規参入を目的とした買収が多くなっているようです。

③海外企業へのクロスボーダーM&Aも増えている

海外市場への販路拡大・事業領域の拡大を目的に、海外企業へのクロスボーダーM&Aを実施する紙・パルプ製品製造/卸売会社も増加しています。海外企業の買収を実施している企業は、国内シェアをある程度確保している大手企業がほとんどです。

④経営者の高齢化が問題に

紙・パルプ製品製造/卸売業界では、経営者の高齢化が進んでおり、特に中小企業は経営者の高齢化に伴う後継者問題が深刻化しています。そのような背景により、高齢となった経営者が事業承継を実施するケースが増えています。

⑤海外進出するには単独では難しい

紙・パルプ製品製造/卸売業界での国内需要の低下に伴い、海外市場に商機を見いだそうとする企業が増えています。しかし、中小企業が単独で海外進出するのは非常に困難であるといわざるを得ません。

海外進出を単独で行うためには、工場や施設の建設・海外での人材確保など、多くの時間・コストが必要です。すでに海外市場で事業展開している海外企業を買収すれば、施設・販路・取引先などを短期間で獲得できます。

3. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A売却・買収事例

ここからは、紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A売却・買収事例をご紹介します。
 

  1. トーモクの買収
  2. 王子HDの買収
  3. 大王パッケージの買収
  4. 王子HDの買収
  5. レンゴーの買収
  6. ダイナパックの買収
  7. トーモクの買収
  8. 三菱製紙の売却
  9. ダイオーロジスティクスの買収
  10. ウゼン社の売却
  11. 小倉紙器の売却
  12. 武田紙器の売却
  13. 遠州紙工業の売却
  14. GRAND FORTUNE CORPORATIONの売却
  15. トッパンコンテナーの売却

①トーモクの買収

2023年4月、トーモクは、コスモス工業の全ての株式を取得し、子会社化しました。トーモクは、段ボール・紙器製品の製造・販売などを行う総合包装会社です。対象会社であるコスモス工業は、段ボール製造・加工・販売および梱包請負を行う会社です。

今回のM&Aによりトーモクは、長野県や周辺地域でのグループ会社の連携を強化し、事業拡大を目指します。

②王子HDの買収

2023年2月、王子ホールディングスは、Coesia S.p.Aが保有する、IPI S.r.I.へのM&Aを行いました。

王子ホールディングスは、王子製紙などの企業を傘下に持つ産業資材・生活消費財、機能材、資源環境ビジネスなどの王子グループの持株会社です。IPI社は、イタリアに拠点を置く液体紙容器事業会社で、アセプティック液体紙容器用加工紙や充填機の製造販売を行っています。

今回のM&Aにより、王子ホールディングスは、原紙・加工紙の生産、加工紙・充填機のセット販売が可能となり、新興国への事業拡大を目指します。グローバル市場においてはアセプティック市場が最も多く、新興国を中心に市場成長が伸びると予想しています。

③大王パッケージの買収

大王製紙の子会社である大王パッケージは2022年4月、吉沢工業の全ての株式を取得し、子会社化しました。

大王製紙グループは、紙・板紙製品や家庭紙製品の製造販売を行う大手製紙メーカーです。大王パッケージは、原紙から段ボールまでの一貫生産体制による段ボール製品の製造、販売を行っている会社です。対象会社の吉沢工業は、新潟県の拠点を置く、段ボールシート・段ボールケース製造、販売を行う会社です。

今回のM&Aにより、グループとして新規生産拠点を確保し、段ボール原紙の販路拡大・生産性向上を目指します。

④王子HDの買収

INCJは2022年3月、子会社であるOji Fibre Solutionsの全ての株式を、王子ホールディングスへ譲渡しました。

王子ホールディングスは王子グループの持株会社で、産業資材・生活消費財ビジネス、資源環境ビジネス、印刷情報メディアなど幅広い事業を展開しています。

INCJは、オープンイノベーションにより次世代の産業を育成・創出するのを目的に設立された投資会社です。対象会社であるOji Fibre Solutionsは、ニュージーランドやオーストラリアにて、パルプ事業、板紙事業、パッケージング事業を展開している会社です。

今回のM&Aにより、INCJは王子ホールディングスの子会社になることで、シナジー効果創出と企業価値向上が図れると判断しました。

⑤レンゴーの買収

レンゴーは2022年2月、ヒロパックスの全ての株式を取得し、子会社化しました。

レンゴーは、主力製品である段ボールをはじめ、製紙、段ボール、紙器、軟包装、重包装を中心とした、さまざまな事業を行っている会社です。対象会社のヒロパックスは群馬県に拠点を置く会社で、段ボールケース、化成品、ラベル・シールなどの製造・販売を行っています。

今回のM&Aにより、直営工場やグループ会社との営業面・開発面での連携強化を目指せるとしました。化成品やラベル・シール事業を活用して幅広い商品をそろえ、関東地区でのさらなる事業拡充を図ります。

⑥ダイナパックの買収

ダイナパックの子会社である旭段ボールは2021年12月、城西および城西パックの株式を取得し、子会社化しました。取得割合は、城西の全株式、城西パックの35%(7,000株)を株式取得しました。

旭段ボールは、段ボール製品の製造・販売を行う会社です。対象会社である城西は不動産の賃貸事業をメインとする会社で、城西パックは、包装資材の製造・販売を行っています。

今回のM&Aにより、城西や城西パックの持つ高い信用力と営業実績により、さらなる企業価値向上を目指します。

⑦トーモクの買収

段ボール・紙器事業、住宅事業、運輸・倉庫事業などを展開しているトーモクは、2021年3月、タマゼンの全株式を取得し、子会社化しました。取得後の称号は玉善に変更します。

このM&Aにより、住宅事業の持続的成長を図り、トーモクグループの企業価値向上を目指します。

⑧三菱製紙の売却

紙・パルプ・写真感光材料の製造、加工および販売を展開する三菱製紙は2020年8月、プレスボード事業について、王子エフテックスに事業譲渡するのを決定しました。

2019年3月の両社の資本業務提携後、新たなシナジー効果の創出を目指していました。このM&Aにより、電気絶縁紙事業において、さらなる事業基盤の強化と収益向上を見込んでいます。

⑨ダイオーロジスティクスの買収

大王製紙の子会社であるダイオーロジスティクスは2020年7月、ケイジ―物流の全株式を取得し、子会社化しました。

このM&Aにより、ケイジ―物流の物流ネットワークを活用することで、さらなる安定供給体制の強化を図り、収益力強化に向けた物流ネットワークの構築を目指します。

⑩ウゼン社の売却

大王製紙は2020年5月、トルコの大手食品・消費財メーカーグループであるユルドゥズ社が保有するウゼン社の全株式を取得し、子会社化しました。取得価額は約30億円です。

ウゼン社は、イスタンブールに工場を持ち、ベビー用紙おむつ・ウェットワイプ・液体せっけんなどの衛生用品を生産・販売を行っていました。このM&Aにより、事業基盤強化と拡大をすることで、さらなる企業価値向上を図ります。

⑪小倉紙器の売却

紙器の製造販売や包装資材関係の仕入販売などを行う小倉紙器は2019年12月に、各種段ボール、紙器、軟包装、緩衝材などの設計・製造・販売を行うダイナパックに、株式を譲渡することで、M&Aによる売却を実施しました。

このM&Aにより、存在感のある企業を目指しているダイナパックは、さらなる企業価値の向上を目指します。

⑫武田紙器の売却

段ボールケースメーカーの武田紙器は2019年8月に、段ボール製品の製造などを手掛けるレンゴーに株式譲渡することで、M&Aによる売却を実施しました。株式譲渡価額は非公表です。

レンゴーは、近隣の直営工場とグループ会社との連携を強めて事業を拡大することを目的に、当M&Aを実施しました。

⑬遠州紙工業の売却

段ボール事業と紙器事業を展開する遠州紙工業は2018年10月に、段ボール・紙器製品などの総合メーカーであるトーモクへ株式譲渡を実施しました。株式譲渡価額は非公表です。トーモクは、静岡県での事業規模拡大を目的として、当M&Aを実施しました。

⑭GRAND FORTUNE CORPORATIONの売却

マレーシアの段ボールメーカーであるGRAND FORTUNE CORPORATION SDN.BHD.は、2018年10月に、段ボールや梱包資材などのメーカーであるダイナパックに株式譲渡しました。株式譲渡価額は非公表です。

ダイナパックは、拡大している包装資材需要に対応するための機能拡充などを目的として、当M&Aを実施しました。

⑮トッパンコンテナーの売却

凸版印刷の子会社であるトッパンコンテナーは2018年3月に、レンゴーの第三者割当増資による子会社化を受け入れました。レンゴーは、トッパンコンテナーが保有する各工場に対しての設備投資を積極的に行い、段ボール製品の生産力強化・品質向上を目的に、M&Aを実施しました。

4. 紙・パルプ製品製造・卸売会社によるM&A・売却のメリット・デメリット

この章では、紙・パルプ製品製造/卸売会社がM&Aによって買収・売却する際に発生するメリット・デメリットを詳しく解説します。

メリット

紙・パルプ製品製造/卸売会社をM&A・買収・売却することで得られるメリットを説明します。

  • M&Aによる事業基盤を拡大できる
  • 燃料費などのコストを下げられる
  • 信用が高まり取引が有利になる
  • 後継者問題を解決できる
  • 従業員の雇用先を確保できる
  • 売却益を獲得できる

M&Aによる事業基盤を拡大できる

紙・パルプ製品製造/卸売会社をM&A・買収することで、事業基盤を拡大できます

大規模設備によって生産力のある企業を買収したり、海外市場である程度市場シェアを獲得している企業を買収したりすれば、スムーズな事業基盤拡大が可能です。売却側企業は、大手企業グループになれば資金力・人材・ノウハウなどを活用できます。スムーズな事業基盤の拡大に期待がもてるでしょう。

燃料費などのコストを下げられる

紙・パルプ製品製造/卸売業界を悩ませていることの一つが、燃料費や原料費などのコストです。紙・パルプ製品製造/卸売会社を買収することで、共同仕入れが可能となり、燃料費などのコストを削減できます

信用が高まり取引が有利になる

紙・パルプ製品製造/卸売会社をM&Aによって大手企業に売却し、資本力のある大手企業のグループ傘下となれば、信用が高まり取引を有利に進めることも可能です。

後継者問題を解決できる

中小規模の紙・パルプ製品製造/卸売会社では、経営者の高齢化と人材不足が相まって後継者問題が深刻化しています。後継者となるべき人物がいなかったり、子供や親族に事業を継ぐ意思がなかったりするなど、事業承継ができず、倒産・廃業を選択するケースも少なくありません。

M&Aにより第三者企業に事業を譲渡できれば、後継者問題を解決でき、廃業コストも不要になります。

従業員の雇用先を確保できる

M&Aによって、会社を売却したり事業承継したりすると、従業員は買収側企業に引き継がれるため、従業員の雇用先を確保できます

紙・パルプ製品製造/卸売会社の中には、国内需要の低下や後継者問題などにより、廃業・倒産を余儀なくされるケースもあります。そうなれば従業員を解雇しなければなりません。従業員の雇用を守るためにも、M&Aは有効です。

売却益を獲得できる

紙・パルプ製品製造/卸売会社をM&Aによって売却すれば、譲渡・売却益を獲得できます

得られる譲渡・売却益の額は会社によって異なります。市場動向や会社の規模によっては、億単位の売却益を獲得できることもあるでしょう。この売却益は創業者利益とも呼ばれ、経営から退いた後の生活費や新規事業を開始するための初期費用として使えます。

デメリット

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aを行う際は、メリットだけでなくデメリットも把握しておかなければなりません。ここでは、紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aを行うデメリットを解説します。

  • 希望どおりの売却ができない可能性がある
  • 従業員が離職する可能性がある
  • 売却後に簿外債務などが見つかる可能性がある
  • 取引先などから反発される可能性がある

希望どおりの売却ができない可能性がある

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aでは、希望どおりの売却ができない可能性もあります。そのときの市況や交渉によっては、予想していた売却金額に至らなかったり、交渉が決裂してしまったりすることもあるからです。

自社の希望条件を満たすM&Aを行うためには、業界に関する知識や交渉力が必要になります。M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼して進めるとよいでしょう。

従業員が離職する可能性がある

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aを進める際には、従業員が離職する可能性があることも頭に入れておかなければなりません。

M&A後は、買収側企業の待遇や報酬体系への不満・職場環境の変化への戸惑いなどにより、従業員が離職してしまうこともあります。能力・スキルのある人材の流出を避けるためには、事前に処遇・報酬の調整や職場環境の整備などを行っておくことが大切です。

売却後に簿外債務などが見つかる可能性がある

買収側企業が注意しておかなければならないのは、M&A後に簿外債務などが見つかる可能性があることです。

簿外債務とは、企業の貸借対照表上に記載されていない債務をさします。特に中小企業の場合、簿外債務が発覚するのは決して珍しいことではありません。

簿外債務の額があまりにも大きかったり、法に反していたりする場合は、買収側企業が背負うケースもあります。デューデリジェンスを徹底することにより、可能な限り簿外債務のリスクを下げておくことが重要です。

取引先などから反発される可能性がある

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aを実施する際は、取引先などから反発される可能性があることにも注意しておかなければなりません。

M&Aに関する説明が不十分な場合、取引条件が変わったり取引が打ち切られてしまったりすることを懸念し、取引先などが反発するケースもあります。M&A後も円満な関係を続けるためには、取引先に対して事前に丁寧な説明を行うなどの十分な対策が必要です。

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5. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却を成功させるポイント

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を成功させるためには、いくつか意識しておくべきポイントがあります。ここでは、成功させるポイントを解説します。

  1. 計画的にM&A・売却を行う
  2. M&A・売却の目的を明確にする
  3. 自社の製品・特許・設備などをアピールする
  4. 売却先をきちんと選ぶ
  5. M&Aの専門家に相談する

①計画的にM&A・売却を行う

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aを成功させるためには、計画的に準備をしてM&A手続きを進めることが大切です。

準備が不十分なまま進めてしまうと、従業員の離職や取引先などからの反発を受ける可能性があります。これらのデメリットを避けてスムーズにM&Aを進めるためには、早めの段階からしっかりと準備をしておくとよいでしょう。

②M&A・売却の目的を明確にする

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を成功させるためのポイント2つ目は、M&A・売却の目的を明確にすることです。

M&A・売却の目的を明確にしておけば、自社に適切な相手先を見つけやすくなります。交渉時には譲れない条件をしっかり提示できるため、理想的なM&Aが実現する確率も高くなるでしょう。

③自社の製品・特許・設備などをアピールする

自社の製品・特許・設備などをアピールすることも、紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を成功させるポイントの一つです。

自社の製品・特許・設備をしっかりアピールできれば、交渉がスムーズに進みやすくなるだけでなく、理想的な金額で売却できる可能性も上がります

④売却先をきちんと選ぶ

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を成功させるためには、まず売却先をきちんと選ぶことが大切です。M&Aは、完了後にシナジー効果の発揮など、望んでいた効果が得られてこそ成功といえます。

自社に最適な相手先企業を選ぶことはM&Aを成功させるための第一歩でもあるため、じっくり検討することが必要です。

⑤M&Aの専門家に相談する

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を成功させるには、M&Aに関する幅広い知識や高い交渉力も必要になるため、M&A仲介会社などの専門家に相談することがおすすめです。

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・売却を行う際は、できるだけ早い段階からM&A仲介会社などの専門家に相談しましょう。サポートを受けながら計画的・戦略的に進めることが重要です。

【関連】会社売却とは?メリット・デメリット、売却相場までを徹底解説!

6. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却・買収の際におすすめの相談先

紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・買収・売却・事業承継を成功させるためには、M&Aの専門家のサポートがおすすめです。

M&A総合研究所では、案件ごとに実績豊富なM&Aアドバイザーが案件をクロージングまでフルサポートします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&Aをお考えの際は、お気軽にご連絡ください。

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7. 紙・パルプ製品製造・卸売会社のM&A・売却・買収まとめ

今回は、紙・パルプ製品製造/卸売会社のM&A・買収・売却・事業承継を詳しく解説しました。紙・パルプ製品製造/卸売業界では、製品需要の低下やコスト増加などの背景から、今後ますますM&A件数が増加していくと考えられます。

M&Aを成功させるためには、業界のM&A動向を注視しておくとともに、早い段階からM&A仲介会社などの専門家に相談をして、サポートのもと計画的に進めることもポイントといえるでしょう。

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