鉱業のM&A動向!売却・買収事例5選とメリットを解説!【2024年最新】

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

鉱業業界では資源確保や経営合理化、業務効率化のためのM&Aが活発化しています。特に、中小企業が、資金力、技術力、後継者不足をM&Aによって解決しようという動きが多いようです。この記事では、鉱業業界のM&Aについて詳しく解説します。

目次

  1. 鉱業業界の概要と動向
  2. 鉱業業界のM&A動向
  3. 鉱業会社をM&Aで譲渡するメリット
  4. 鉱業業界のM&Aにおける買収・売却事例5選
  5. 鉱業業界のM&Aにおける成功のポイント
  6. 鉱業業界のM&A・事業売却まとめ
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1. 鉱業業界の概要と動向

鉱業業界では、資源確保や経営効率化などの課題を解決するためのM&Aが活発化しています。この記事では、鉱業業界の動向と、M&Aについて詳しく解説します。まずは、鉱業業界の概要と動向です。

鉱業業界とは

鉱業とは、鉱物などを地下や地表から資源として取り出す産業です。卑金属、貴金属、鉄、ウラン、石炭、オイルシェール、岩塩、炭酸カリウム、砂利などを採掘します

農業では栽培できない材料や、研究室や工場での化学合成では作れない材料を、地下や地表から採掘するのが鉱業です。

鉱業は危険性や周囲の環境悪化を招くこともあり、日本では鉱業法という法律によって対象となる鉱物や採掘してもいい区域、鉱業権が制限されています。

鉱業業界の市場規模と動向

業界動向サーチの分析によると、鉱業業界の中でも非鉄金属の販売金額は、2017年から2020年までは1.7兆円から1.9兆円の幅で横ばいだったのが、2022年には2.8兆円と大幅な伸びを見せています。

2022年の伸びは、コロナ禍からの経済回復を受けたことと円安の影響、非鉄金属の世界的な急速な値上がりがあったと思われます。

しかし、今後はエネルギー価格の高騰や物価上昇、金利上昇による為替リスクの懸念などから、金属価格が不安定化しており、今後の動向は先行きが不透明な状況となっています。

参考:業界動向サーチ「非鉄金属業界の動向や現状、ランキングなど

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2. 鉱業業界のM&A動向

国内の非鉄金属鉱山は中小企業による稼働のところが多く、老朽化した設備を更新するための資金や最先端の技術力、後継者が不足しているといった課題を抱えている会社が多くあります。

また、今後、鉱物資源が枯渇する可能性もあり、業界全体として課題が多いのが現状です。そのために、経営合理化や新技術の取得による業務効率化、資源確保、資金確保を目的としたM&Aが行われています

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3. 鉱業会社をM&Aで譲渡するメリット

鉱業会社をM&Aで譲渡することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。M&Aのメリットについて解説します。

従業員の雇用が継続できる

資金不足や後継者不足で会社を続けていくことが難しくなった場合には、会社の廃業か精算を選択するしかありません。しかし、会社がなくなってしまったら、それまで会社を支え続けてくれた従業員は全員解雇することになります。

人手不足の現在、技術のある若手であれば次の就職先がすぐに見つかるでしょうが、高齢な従業員は再就職できない可能性もあります。

M&Aで会社を売却することができれば、従業員の雇用はそのまま維持されるので、従業員を守ることが可能です

後継者問題の解決策となる

鉱業業界に限らず、現在、日本の6割以上の会社では社長の年齢が60歳を超えています。さらに、日本の会社の半数以上が後継者がいなくて、現在の社長が続けられなくなったら会社の存続が危機的な状況になる状態です。

後継者問題を抱えている鉱業会社も、もしもM&Aで会社を売却できれば、新しく経営を買収側の会社に全て任せることができます。M&Aは、後継者不足に悩む鉱業会社の最後の切り札ともいえる手段なのです。

譲渡益が手に入る

M&Aで会社を売却せずに廃業することになったら、廃業するためのコストがかかります。設備を処分したり、従業員へ退職金を支払う必要があるためです。

鉱業会社で製錬所を解体することになったら、廃業するためのコストはかなりの出費となるでしょう。

M&Aで会社を売却できれば、従業員の雇用が維持できるだけでなく、設備も全て譲渡できます。さらに、経営者は会社を売却した譲渡益も手に入れることができるので、新しい事業の資金にしたり、生活に余裕を持たせるための資金にしたりできます

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4. 鉱業業界のM&Aにおける買収・売却事例5選

鉱業業界では実際にどのようなM&Aが行われているのでしょうか。鉱業会社をM&Aで売却、買収した事例を5つ紹介します。

三井金属鉱業が日比製煉をM&Aした事例

2020年2月に、三井金属鉱業株式会社から、日比製煉株式会社の全株式を取得して100%子会社にするM&Aの実施を発表しました。

日比製煉株は、三井金属鉱業とJX金属株式会社が共同出資していましたが、JX金属側が所有する全ての株式を三井金属鉱業が取得します。

三井金属鉱業とJX金属は2000年に共同出資会社を立ち上げましたが、それぞれの会社の事業ポートフォリオの中で、独自に製錬所を活用していく事になり、三井金属鉱業が日比製煉株を運営することになりました。

参考: 三井金属鉱業株式会社「日比製煉株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

日鉄鉱業がチリのアルケロス鉱山をM&Aした事例

平成29(2017)年8月に、日鉄鉱業株式会社から、チリ共和国のアルケロス鉱山株式会社の株式を取得するM&Aを発表しました。このM&Aにより日鉄鉱業のアルケロス鉱山株式会社の資本構成は80%、議決権比率は100%となります。

日鉄鉱業は、平成23年にアルケロス鉱区の探鉱権を取得して、探鉱作業を進めており、有望な銅鉱床を確認しました。その後、アルケロス鉱山株式会社に資本参加して事業の経済性評価を行っていましたが、今回、十分な採算性が見込めるとの判断に至った上でのM&Aだとのことです。

参考:日鉄鉱業株式会社「チリ共和国における銅探鉱プロジェクトの権益取得に関するお知らせ

相鉄ホールディングスが相鉄鉱業を売却した事例

平成28(2016)年3月に、相鉄ホールディングス株式会社から、同社の完全子会社である相鉄鉱業株式会社の全株式を、松上産業株式会社に譲渡するM&Aが発表されました。

相鉄鉱業は、神奈川県、茨城県、栃木県で砂利採取事業を行う会社ですが、神奈川県では砂利の需要が減少し続けており、近年赤字が続いています。

更に、設備の老朽化により今後多額の投資が必要になるとのことで、事業の方向性を検討していました。その結果、神奈川県の鉱区での砂利事業を連携している松上産業に事業を継承することになったとのことです。

参考:相鉄ホールディングス株式会社「子会社の株式譲渡及び特別損失計上に関するお知らせ

日鉄鉱業が住金鉱業をM&Aした事例

平成25(2013)年8月に、日鉄鉱業株式会社から、住金鉱業株式会社の発行済株式の70%を新日鐵住金株式会社から取得して子会社化するM&Aが発表されました。

住金鉱業は日鉄鉱業と同じ石灰石事業が主要事業であり、このM&Aにより日鉄鉱業グループの石灰石事業でのシナジー効果が期待でき、更なる事業基盤の強化を図れるとしています。

参考:日鉄鉱業株式会社「住金鉱業株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

日本電工が錦州日電鉄合金有限公司を株式譲渡した事例

平成21(2009)年6月に、日本電工株式会社から、連結子会社である錦州日電鉄合金有限公司の株式を亜洲鉱業有限公司に譲渡するM&Aを発表しました。

これにより、M&A前は日本電工の錦州日電鉄合金への出資比率は71.07%だったのが、10.00%になります。

錦州日電鉄合金は2006年に中国遼寧省錦州市で操業を開始したシリコンマンガンの、主に日本向けの生産販売を行っていた会社です。しかし、中国国内の諸制度の変更や2008年の世界経済の悪化などの影響を受けて、M&Aで譲渡することとなりました。

M&A後も日本電工は出資者として残り、プロジェクトへの関与と日本向け輸出を継続していくとのことです。

参考:日本電工株式会社「子会社の異動(持分譲渡)に関するお知らせ

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5. 鉱業業界のM&Aにおける成功のポイント

日本ではM&Aの成功率は4割程度といわれています。会社の売却や買収を希望しても、6割の経営者が思うようなM&Aができないのが現実です。

M&Aを成功させるためにはどうしたらいいのでしょうか。鉱業会社のM&Aを成功させるためのポイントについて解説します。

M&Aの専門家に相談をする

鉱業会社をM&Aで売却したい、買収したいと思ったら、まずはM&Aの専門家に相談しましょう。中小企業が多い鉱業会社では、会社の存続について取引のある金融機関に相談してもなかなか相手にしてもらえません。

しかし、日本には中小企業のM&Aを専門的に扱う専門家がいます。M&Aの専門家にまずは相談することで、会社を売却するべきかどうかといったところから相談に乗ってもらえます。

M&Aを決断したら、専門家が最適な相手とのマッチングや、法律や財務の高度な専門性が必要な手続のサポートもしっかりとしてくれるでしょう。まずは、相談から始めるのがおすすめです

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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シナジー効果が見込まれる相手先の選定

M&Aを成功させるためには、売却側も買収側も、最適な相手を選ぶことが大切です。M&Aの専門家にサポートを依頼すると、複数の候補を挙げてくれるので、経営者自らがその中から交渉相手を決めて、トップ会談に臨みます。

相手側の事業内容や企業風土などが自社と合うのか、自社の事業内容とシナジー効果を発揮して、お互いに高い利益を生み出せる相手なのか、資料やトップ会談で見極めることが大切です。

条件交渉のコツや手続きの要点を押さえる

M&Aで会社を売却するのなら、最低限譲れない条件は決めておきましょう。譲れない条件とは、M&Aの目的によって異なります。従業員の雇用を維持することであれば、雇用の条件や労働環境などをしっかりと交渉しましょう。

また、M&Aを進めるためにはいくつもの交渉や手続きが繰り返し行われます。基本合意書に向けた交渉から締結、デューデリジェンス、最終交渉から最終契約書の締結、クロージングと、手続きの段階と要点について事前に理解しておくようにしましょう。

情報漏洩に気を付ける

M&Aの発表は最終契約締結後となります。必要に応じて、取引先や一部の役員や従業員には事前に説明することもありますが、必要最低限な人物以外にM&Aの情報が漏れたら、M&Aは失敗するでしょう。

最終契約を締結してクロージングに向けた作業を始めるまで、従業員や取引先にM&Aの情報が漏洩しないように気をつけましょう。

会社の売却の噂が流れると、従業員の退職や取引の打ち切りが誘発される可能性があります。また、発表後も伝え方や根回しを間違えると、引き渡しまでに従業員が退職してしまうこともあるでしょう。

M&Aの情報が開示できるようになるまでの秘密厳守と、情報開示のタイミングや伝え方も、従業員や取引先の離反を招かないように十分に準備することが大切です。

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6. 鉱業業界のM&A・事業売却まとめ

鉱業業界では、設備の老朽化や後継者不足などにより、厳しい状況に置かれている会社が多いようです。会社の存続が難しい場合でも、M&Aで解決できる可能性があります。

M&Aでの会社売却を成功させるためには、十分に時間をかけて準備することも大切です。会社の売却を考えているのなら、できるだけ早くM&Aの専門家に相談してみましょう。

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