中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A!動向、売却・買収事例、ポイントを解説【2022年最新】

企業情報第四部 部長
長嶺 勇希

税理士法人系M&Aブティックにて調剤薬局・食品製造業・保険代理店業等のM&Aを成約に導く。会社法、会計、税務等の幅広い知識、M&A成約の経験を活かし、調剤薬局・食品製造・保険代理店業界を中心に担当。

本記事では、中食(お弁当・惣菜屋)業界の市場動向や、M&Aによる売却・買収動向、M&Aを成功させるポイントなどを解説します。中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aを行うメリット・デメリットを紹介しつつ、M&Aによる売却・買収事例も詳しく解説します。

目次

  1. 中食(お弁当・惣菜屋)業界とは
  2. 中食(お弁当・惣菜屋)業界の動向
  3. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aの現状
  4. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・売却・買収事例
  5. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行うメリット
  6. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行うデメリット
  7. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行う際の注意点
  8. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・売却の成功ポイント
  9. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・買収の成功ポイント
  10. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A相場・費用
  11. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aまとめ
    • お弁当・惣菜屋のM&A・事業承継

    1. 中食(お弁当・惣菜屋)業界とは

    本記事では、中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A動向を解説しますが、まずは中食(お弁当・惣菜屋)業界とはどのような業界をさすのか、その定義や販売形態の特徴などを紹介します。

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の定義

    食品業界は、外で食べる外食業界・持ち帰って食べる中食業界・家で作って食べる内食業界の3つに分かれており、お弁当・惣菜屋は中食業界に該当します。

    中心に位置するのは、持ち帰り弁当・惣菜などのテイクアウト専門店、および宅配ピザや宅配すしなどの宅配専門店を運営する会社です。ただし、最近では、コンビニエンスストア・スーパーマーケット・デパートなどの小売業も中食業界に参入しています。

    中食業界でも、食材を加工したうえで提供するには、食品衛生法に基づく食品営業許可が求められます。たとえ調理加工しない場合であっても、取り扱う食材に応じて、乳類販売業・食肉販売業・魚介類販売業など販売業としての営業許可が必要です。

    上記のほか、都道府県の条例によって規制を受けるケースもあります。

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の販売形態

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の販売形態には、実店舗で販売しているお弁当や惣菜を持ち帰る「テイクアウト形式」と、電話やインターネットなどで注文し宅配してもらう「デリバリー形式」が存在します。

    近年の動向を見ると、消費者ニーズの高まりからテイクアウト形式のサービスを導入する企業が増加していました。一方、デリバリー形式のサービスは、人手不足や効率の低さから導入を控える企業が多かったのが、コロナ禍の中、現在は注目を集めています。

    中食(お弁当・惣菜屋)業界と居抜き物件

    中食(お弁当・惣菜屋)業界では、店舗数の拡大や事業参入を行う際に、居抜き物件を活用するケースが増えています。居抜き物件とは、過去に入っていた店舗の内装・厨房設備・空調設備・什器などの設備が残ったままの状態の物件のことです。

    居抜き物件の買い手からすると、外観や内装の手入れが最低限で済むため、コストを抑えられます。中食業界では好立地の物件獲得が重要となる中で、居抜きの活用により良物件の獲得機会を増やせるでしょう。

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の市場推移

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の市場推移を見ると、年々、拡大傾向にあることがわかります。この背景には、生活スタイルの変化に伴う1人当たりの消費量の増加や、消費者ニーズの多様化による単価の上昇などが深く関係しています。

    以下では、参考資料として近年の惣菜市場の推移をまとめました。
     

    2016 2017 2018 2019 2020
    市場規模 9兆8,399億円 10兆0,555億円 10兆2,518億円 10兆3,200億円 9兆8,195億円

    出典:一般社団法人日本惣菜協会「2017年版惣菜白書ダイジェスト」
       一般社団法人日本惣菜協会「2020年版惣菜白書ダイジェスト」
       一般社団法人日本惣菜協会「2021年版惣菜白書ダイジェスト」

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    2. 中食(お弁当・惣菜屋)業界の動向

    近年、中食(お弁当・惣菜屋)業界の市場動向を見ると、以下のような特徴が目立っています。

    1. 在宅介護なども含めた高齢者向けサービスが活況
    2. 弁当需要の増加に伴う競争の激化
    3. 仕出し弁当などの大口注文は伸び悩み
    4. 消費者のニーズが多様化

    ①在宅介護なども含めた高齢者向けサービスが活況

    中食(お弁当・惣菜屋)業界では、高齢者向けサービスに参入する企業が増えています。高齢者向けサービスの具体例を挙げると、買い物に行けない1人暮らし世帯や高齢夫婦世帯向けのサービス・介護施設向けのサービスなどです。

    今後も高齢者向けサービスは、数・種類ともに増加するものと見られます。

    ②弁当需要の増加に伴う競争の激化

    最近では、外食に使う時間やお金を減らしたい理由から、食事を弁当や惣菜などで簡単に済ませようとする消費者の需要が高まっています。中食(お弁当・惣菜屋)業界に新規参入する企業が増加中です。

    しかしながら、業界の売上自体は伸びているものの、競争の激化により厳しい経営を強いられる企業が少なくありません。

    ③仕出し弁当などの大口注文は伸び悩み

    慣習の変化により、家に大人数で集まる機会が減っていることから、これまで一度に大量の注文が入っていた仕出し弁当屋などは注文が小口化しており、売上が伸び悩んでいます。特に小規模経営の企業や自営業者などは、経営が成り立たずに廃業するケースも多いです。

    ④消費者のニーズが多様化

    消費者のニーズが多様化していることから、中食(お弁当・惣菜屋)業界でも、事業範囲の拡大や新事業の展開などによる対応を進める企業が増加しています。

    最近では消費者の求めるトレンドが数年で変化するようになっており、企業には迅速かつ柔軟な対応が求められている状況です。このように、中食(お弁当・惣菜屋)業界では市場が拡大している一方で、競争が激化している状況が見られます。

    つまり、企業は「価格で勝負する」もしくは「何らかの特徴を持つ商品を販売する」という2つの選択肢に迫られています。

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    3. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aの現状

    中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aによる売却・買収動向には、以下5つの特徴が見られます。

    1. 大手だけではなく中小企業も参入しやすい
    2. 同業種間のM&Aも多い
    3. 設備や店舗を得るためのM&Aも増加している
    4. 周辺業界からの業界参入も多い
    5. 時流に合わせる必要があるため、M&Aは増え続ける

    ①大手だけではなく中小企業も参入しやすい

    中食(お弁当・惣菜屋)業界は、大手企業のシェアが他業界と比べてそれほど高くないうえに、初期投資も比較的安く抑えられる業界でもあるため、新規参入がしやすいです。ただし、たとえ参入しやすいとしても、長く生き残っていくことは容易ではありません

    なぜなら、すでに参入している企業が多いためです。その状況の中で生き残っていくには、「価格で勝負する」もしくは「特徴のある商品を販売する」のような戦略と、顧客のニーズに応える企業努力が必要とされます。

    ②同業種間のM&Aも多い

    中食(お弁当・惣菜屋)業界では、外食業界や内食業界とのM&Aや、中食業界内の他業種によるM&Aも多く実施されています。特に近年では、多様化する消費者のニーズに対応するため、同業種間のM&Aによって関係を強化するケースが多くなってきました。

    ③設備や店舗を得るためのM&Aも増加している

    中食(お弁当・惣菜屋)業界を含めて、飲食業界は物件の確保に多くの時間がかかるのが特徴の1つです。特に好物件の場合は運に左右されるケースも多いため、すでに設備が整っている店舗を手に入れる目的でM&Aによる買収を行うケースが増えています。

    ④周辺業界からの業界参入も多い

    中食(お弁当・惣菜屋)業界は、他業界とのシナジー効果が得やすい業界であるため、周辺業界からの参入も多く見られます。特に近年は、女性向けや高齢者向けの需要が高まっていることから、健康関連業界からの参入が増加している状況です。

    ⑤時流に合わせる必要があるため、M&Aは増え続ける

    消費者ニーズの変化サイクルが速くなっていることから、今後も中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aは増えるでしょう。中食(お弁当・惣菜屋)業界のトレンドは、周辺業界の動向に影響されます。

    中でも変化の激しい外食産業の動向から大きな影響を受けるため、企業には柔軟な対応力が求められるでしょう。こうした理由により、中食(お弁当・惣菜屋)業界では、大手企業を中心にM&Aによる再編が続くと予測されます。

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    4. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・売却・買収事例

    ここでは、中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・売却・買収事例を、成功・失敗に分けて取り上げます。

    成功事例16選

    まずは、中食(お弁当・惣菜屋)関連業界のM&Aによる売却・買収の成功事例を15件取り上げます。それぞれの成功事例からポイントをつかみ、中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aのイメージを膨らませましょう。

    1. まん福ホールディングス
    2. ぐるなび
    3. レパスト
    4. ダスキン
    5. 明治
    6. スマイルダイニング
    7. あいネットグループ
    8. 日清製粉グループ本社
    9. ハークスレイ
    10. ホットランド
    11. オイシックス・ラ・大地
    12. ユニー・ファミリーマートホールディングス
    13. 日本KFCホールディングス
    14. 夢の街創造委員会
    15. T&Cメディカルサイエンス
    16. 小僧寿し

    ①まん福ホールディングス

    まん福ホールディングスは、後継者不足、コロナ禍によって大幅な売上減により企業存続の危機に瀕(ひん)する中小企業を救うために設立された、食に特化した事業承継プラットフォーム会社です。

    まん福ホールディングスは2021年5月に、創業60年の老舗お弁当屋「ちがさき濱田屋」の事業承継を実施しました。

    両社の協業により、ちがさき濱田屋の伝統をそのまま受け継ぎつつも、新商品の開発から、デリバリー新規開拓・エリア拡大、ECサイト最適化などを導入し、新規顧客獲得・売り上げ向上を目指します。工場労働生産性の改善や、仕入先の見直しなど、抜本的な改革も行う予定です。

    ②ぐるなび

    2021(令和3)年4月、ぐるなびは、楽天グループより、楽天デリバリー・楽天リアルタイムテイクアウトの2事業を会社分割の方法を用いて譲受すると発表しました。本件の取得価額は1,300万円です。ぐるなびは、飲食店の情報を集めたWebサイト「ぐるなび」を運営しています。

    一方、楽天デリバリーは出前・宅配サービスの専門サイトであり、楽天リアルタイムテイクアウトは近隣の飲食店のテイクアウトをWebで簡単に注文できて店頭で待たずに受け取れるサービスです。本件M&Aの目的は、飲食店に対する送客力の向上および業績の回復・再成長にあります。

    ③レパスト

    2020(令和2)年11月、レパストは、マシモの事業を譲受しました。本件の取得価額は非公開です。レパストは、給食や食堂の受託運営および在宅配達事業などのフードサービスを提供しています。マシモは、寿司・弁当を製造して大手食品スーパーなどに販売している企業です。

    本件M&Aの目的は、コロナ禍の食を取り巻く環境変化への対応および給食受託・在宅配食など既存事業の付加価値向上にあります。中食分野に参入するために、マシモの食品系工場を取得しました。

    ④ダスキン

    2020年6月、ダスキンは、いちごホールディングスおよび同社の子会社ストロベリーコーンズが展開する宅配ピザ事業を譲受すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。ダスキンは、清掃業務を中心に、外食産業やミスタードーナツの事業も運営しています。

    一方、いちごホールディングスは、「ナポリの窯」および「ストロベリーコーンズ」の宅配ピザブランドを保有している企業です。本件M&Aの目的は、食品デリバリーのノウハウ吸収によるフード事業の拡大にあります。

    ⑤明治

    2020年3月、明治は、連結子会社である明治ライスデリカの全株式を藤本食品に譲渡しました。明治ライスデリカは、炊飯・米飯二次加工品の製造販売を行っています。

    さらなる事業拡大を目的に、惣菜など多種の製品に関して、主に近畿・中四国・中部エリアで事業を行っている藤本食品に経営を委ねました。なお、本件M&Aに伴い、明治ライスデリカの商号は「藤本ライスデリカ」に変更されています。

    ⑥スマイルダイニング

    2020年2月、三春情報センターの子会社であるスマイルダイニングは、エイトより「パティスリー雪乃下」の事業を譲受しています。スマイルダイニングは弁当販売店や居酒屋などの運営を行っています。

    エイトは、居酒屋や和食・洋食、洋菓子などの飲食店を運営している会社です。本件M&Aにより、スマイルダイニングは、需要の最盛期に余裕を持ってケーキなどを製造販売できる体制を整えることで、売上増加や業容拡大などを見込んでいます。

    ⑦あいネットグループ

    2019(令和元)年12月、あいネットグループは、和田フードセンターの惣菜・仕出し事業「楽多厨房」を譲受すると発表しました。本件の取得価額は非公開です。あいネットグループは、互助会を基盤にした結婚式・葬儀などの冠婚葬祭サービス・ホテルサービスを提供しています。

    和田フードセンターは、「楽多厨房」を通じて顧客に手作り惣菜とお弁当を提供してきました。本件M&Aにより、譲渡企業では、次代に向けたさらなる事業の強化・楽多厨房ブランドの確立・あいネットグループとのシナジーの獲得などを狙っています。

    ⑧日清製粉グループ本社

    2019(平成31)年3月、日清製粉グループ本社は、トオカツフーズの株式51%を取得し連結子会社化すると発表しました。取得価額は非公開です。日清製粉グループ本社は日清製粉グループの持株会社であり、ニップン・昭和産業・日東富士製粉とで製粉大手4社を構成しています。

    一方のトオカツフーズは総合中食サプライヤーであり、日清製粉グループ本社関連会社です。本件M&Aの目的は、中食・惣菜事業および冷凍食品事業のさらなる拡大にあります。

    ⑨ハークスレイ

    2019年1月、「ほっかほっか亭」を運営するお弁当・惣菜屋関連業界大手のハークスレイは、創作おこわを販売するメイテンスを株式譲渡により子会社化しました。本件M&Aにより、ハークスレイでは、惣菜事業の拡大と高齢者向け事業への参入などを見込んでいます。

    ⑩ホットランド

    2018(平成30)年10月、「築地銀だこ」を運営するお弁当・惣菜屋関連業界大手のホットランドは、お好み焼き店「ごっつい」を運営するアイテムを約5億円の株式譲渡により子会社化しました。

    たこ焼きとお好み焼きにおける事業ノウハウの親和性が高いことから、ホットランドはアイテムの買収によってノウハウの共有や事業の拡大などを目指しています。

    ⑪オイシックス・ラ・大地

    2018年8月、有機野菜など安全な食品の宅配サービスを行っているオイシックス・ラ・大地は、オーダーメイドケータリングサービスを行うCRAZY KITCHENを株式譲渡により子会社化しました。

    オイシックス・ラ・大地では実店舗やイベントでの認知度向上を図っていますが、CRAZY KITCHENのクリエイティブ力を生かすことで、デザイン性の高い店舗やイベントでの企画を実現しています。

    ⑫ユニー・ファミリーマートホールディングス

    2017(平成29)年6月、ユニー・ファミリーマートホールディングス(現:ファミリーマート)は、中食業界大手のカネ美食品を株式譲渡により子会社化しています。本件の譲渡価額は約79億円です。

    本件M&Aにより、ユニー・ファミリーマートホールディングスは、惣菜分野の強化を図っています。2019年には、保有するカネ美食品株式の一部をパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスに売却・譲渡しました。

    ⑬日本KFCホールディングス

    2017年5月、「ケンタッキー・フライド・チキン」などのフランチャイズ展開を行っている日本KFCホールディングスは、子会社である日本ピザハットとピザハットのフランチャイズ運営会社であるフェニックス・フーズを株式譲渡により投資ファンドへ売却しました。

    ピザハットは日本KFCホールディングスにとって主力事業の1つでしたが、競争の激化や人材不足などを理由に立て直しが困難であったため、子会社2社の売却に至っています。

    ⑭夢の街創造委員会

    2017年4月、飲食デリバリーサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会(現:出前館)は、飲食デリバリー店の提案・指導業を行うデリズをデリズの代表取締役に1,000万円で株式譲渡しました。

    2016(平成28)年に、夢の街創造委員会はデリズを子会社化し新市場の開拓を図っていましたが、シナジー効果が得られなかったことから売却・譲渡に至っています。

    ⑮T&Cメディカルサイエンス

    2016年7月、先端医療や金融アドバイザリー事業を行うT&Cメディカルサイエンスは、お弁当フードコートの運営などを行うダイヤモンドムーンを取得価額約500万円の株式譲渡により持分法適用関連会社化しました。

    ダイヤモンドムーンは、「大勝軒」ブランドの中華弁当を販売している会社です。本件M&Aにより、両社は健康志向の弁当開発に取り組んでいます。

    ⑯小僧寿し

    2016年6月、持ち帰り寿司チェーン店を展開する小僧寿しは、介護・福祉関連サイトの運営などを行う「けあらぶ」を1,500万円の株式譲渡により子会社化しました。本業で苦戦が続く小僧寿しは、けあらぶの買収によって介護食分野に新規参入しています。

    ドンキホーテホールディングスによるオリジン弁当の買収失敗事例

    2005(平成17)年8月、ドンキホーテホールディングス(現:パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)は、「オリジン弁当」を運営するお弁当・惣菜屋関連業界大手のオリジン東秀に買収を仕掛けたことで大きな話題となりました。

    当時のドンキホーテホールディングスは、自社のノウハウをコンビニエンスストア運営に応用する方法で新規参入を計画していました。そこで、これを実現するには弁当・惣菜が必要であるとの理由から、中食業界大手のオリジン東秀に買収を提案したのです。

    しかし、オリジン東秀に拒否されたため、ドンキホーテホールディングスはTOB(Takeover Bid=株式公開買付)による敵対的買収に切り替えました。

    このときに、オリジン東秀はイオンにホワイトナイトとして友好的買収を行ってもらう買収防衛策を取ったため、結果的にTOBはイオン側が勝利してオリジン東秀はイオングループ入りを果たしています。

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    5. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行うメリット

    本性では、中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aによる売却・買収を行うメリットについて、売却側・買収側それぞれの立場から解説します。

    売却側のメリット

    売却・譲渡側では、M&Aによって以下5つのメリットが得られます。

    • 従業員の雇用確保
    • 後継者問題の解決
    • 売却・譲渡益の獲得
    • 大きな資本の下で安定した経営
    • 個人保証・債務・担保などの解消

    従業員の雇用確保

    中食(お弁当・惣菜屋)業界は、店舗従業員の流動性が高い業界です。M&Aによる売却・譲渡によって店舗従業員の雇用を確保できれば、従業員やM&Aの当事会社間だけでなく、中食(お弁当・惣菜屋)業界全体にとっても人材流出を防げる点でメリットとなります。

    後継者問題の解決

    小規模企業や自営業者が多い中食(お弁当・惣菜屋)業界でも、他業界と同じく後継者問題が深刻化しています。そこで、売却・譲渡によって事業を引き渡せば、これまで大事に育ててきたお弁当・惣菜屋の経営を継続させることが可能です。

    売却・譲渡益の獲得

    中食(お弁当・惣菜屋)業界でも経営者の高齢化が進んでいます。そこで、M&Aによって売却・譲渡益が得られれば、引退後の生活資金に充てることが可能です。売却・譲渡益は、新たな事業を開始する際の資金源としても使用できます。

    大きな資本の下で安定した経営

    変化の速い中食(お弁当・惣菜屋)業界で安定して生き残るには、時流に乗り遅れないよう事業への投資が必要とされます。そこで、売却・譲渡によって大手資本傘下に入れれば、豊富な経営リソースの活用による安定した経営を実現可能です。

    個人保証・債務・担保などの解消

    店舗を畳む際や親族に店舗を任せる際、経営者や後継者にとっては個人保証や債務が大きな負担です。しかし、M&Aによる売却で第三者にお弁当・惣菜屋の事業を譲渡すれば、負債は買い手に引き継がれるため個人保証・担保を解消できます。

    買収側のメリット

    次に、買収側のメリットを取り上げます。買収側で得られるメリットは、主に以下の5つです

    • 屋号の獲得が可能
    • 従業員や人材を獲得
    • 新規事業へ低コストで参入
    • 新たな顧客・取引先・ノウハウなどの獲得
    • 事業エリアの拡大

    屋号の獲得が可能

    買収側は、M&Aによってお弁当・惣菜屋の屋号を獲得できます。新規参入の場合、顧客が定着するまでに時間がかかります。しかし、買収先のブランドの獲得により知名度と信頼性を得られれば、買収後すぐに顧客を獲得して収益を上げることが可能です。

    従業員や人材を獲得

    中食(お弁当・惣菜屋)業界では人材不足が続いているため、新店舗を開店しようと考えても人材が集まらずに苦労するケースは少なくありません。しかし、M&Aによる買収で人材を獲得できれば、円滑な店舗運営を目指せます。

    新規事業へ低コストで参入

    他業界から中食(お弁当・惣菜屋)業界に参入する場合、参入障壁自体は高くないものの、事業として軌道に乗せるには資金と時間が必要です。しかし、M&Aによる買収での参入ならば、参入コストを抑えられるだけでなく、余剰資金を事業運営に充てられるメリットもあります。

    新たな顧客・取引先・ノウハウなどの獲得

    お弁当・惣菜屋を経営していくには、固定客・信頼できる取引先・地域性に合わせたノウハウなどが必要です。M&Aによる買収であれば、これらの要素を即座に獲得できるため、買収直後から事業を軌道に乗せられます。

    事業エリアの拡大

    店舗を拡大する際、好物件の取得と人材の確保に苦労しやすいです。場合によっては、物件や従業員がなかなか決まらずに、開店まで時間がかかるケースもあります。

    しかし、M&Aにより、ターゲットエリアの店舗を買収できれば短期間で参入できるため、事業エリアをスムーズに拡大できるでしょう。

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    6. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行うデメリット

    中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aでは、さまざまなメリットがある反面、デメリットも存在します。できるだけリスクを避けられるように、デメリットもよく把握しましょう。

    売却側のデメリット

    中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aでは、売却側に以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

    従業員の離職 M&Aに対してネガティブなイメージを持つ層もいます。会社に対する愛着の反動でM&Aに不安感や反発を抱いた結果、退職を選択する従業員が現れる可能性があります。
    取引の停止 M&Aで急に経営主体が変わることに対して不信感を抱く取引先がいるかもしれません。そのような場合、関係が悪化し取引契約が解消される可能性があります。
    M&A相手への妥協 M&Aはタイミングの取引でもあるため、必ずしも理想的な買収相手と出会えるとは限りません。何らかの妥協をしないとM&Aが成立しないこともあり得ます。

    買収側のデメリット

    中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aでは、買収側にも以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

    経営リスクの存在 株式譲渡で買収した場合、包括承継であるため、偶発債務などの簿外債務が潜んでいた場合、それを引き継いでしまいます。内容次第では大きな経営ダメージを受けるかもしれません。
    経営統合の難しさ 買収側にとってのM&Aの成功は、想定どおりの業績向上です。そのための経営統合がうまくいかないと、M&Aが失敗に終わる可能性があります。
    M&A相手への妥協 M&Aはタイミングの取引でもあるため、必ずしも理想的な売却相手と出会えるとは限りません。何らかの妥協をしないとM&Aが成立しないこともあり得ます。

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    7. 中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行う際の注意点

    中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを行うにあたっての注意点は、「M&Aの目的を明確にしておく」ことです。悪い例としては、M&Aが目的のようになってしまい、本来の「何のためにM&Aを行うのか」といった主旨が抜け落ちてしまうケースです。

    M&Aの成約には妥協が必要な場合もあります。しかし、M&Aが目的化してしまった状態では、取引すべきではない相手に対し、十分な検討も行わず成約を決めてしまいかねません。

    M&Aの検討初期段階に十分な考慮をして目的を定め、それを初志貫徹するのが肝要です。

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    8. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・売却の成功ポイント

    ここでは、中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aによる売却を成功させるための5つのポイントを取り上げます。内容をしっかりと確認し、中食(お弁当・惣菜屋)業界でのM&Aの成功につなげましょう。

    1. 提供する商品に魅力・アピールポイントがある
    2. 特定の顧客・ターゲット層・取引先などがある
    3. 認知力・ブランド力を持っている
    4. 衛生的であり従業員の教育も行き届いている
    5. M&Aの専門家に相談する

    ①提供する商品に魅力・アピールポイントがある

    中食(お弁当・惣菜屋)業界では、知名度のある大手企業でも、定番商品が売れない悩みを抱えています。「明確なアピールポイントのある商品を開発する企業」や「魅力のある商品などを持つ企業」の買収が進んでいる状況です。

    このような理由から、強みのある商品を持つお弁当・惣菜屋であれば、良い買い手が見つかりやすい傾向にあります。

    ②特定の顧客・ターゲット層・取引先などがある

    中食(お弁当・惣菜屋)業界は1店舗当たりの商圏が狭いため、特定の顧客・ターゲット層、取引先などをしっかり取り込むことが重要です。したがって、お弁当・惣菜屋が店舗周囲の地域に定着している場合、売却・譲渡が円滑に進みやすくなります。

    ③認知力・ブランド力を持っている

    中食(お弁当・惣菜屋)業界の特徴の1つに、「消費者はよく知っている店舗や何度も行っている店舗に通う傾向にある」点が挙げられます。つまり、消費者の認知度が高くブランド力のある店舗であれば、好条件での売却・譲渡が可能です。

    ④衛生的であり従業員の教育も行き届いている

    近年はSNSによりうわさが広まりやすいうえに、従業員による不祥事が相次いでいるため、買い手側は衛生面や従業員のマナーなどに神経をとがらせています。このため、衛生面や従業員教育を徹底しているお弁当・惣菜屋の場合は、買い手との交渉がスムーズに進みやすいです。

    ⑤M&Aの専門家に相談する

    M&Aによる売却・譲渡は、戦略の策定・売却価額の算定・法務や税務面の手続き・買い手との交渉など、さまざまな手続きを遂行しなければなりません。スムーズかつ確実に手続きを進めるためにも、M&Aの専門家に相談・依頼するとよいでしょう。

    M&A総合研究所では、お弁当・惣菜屋の売却・買収に精通するM&Aアドバイザーが専任について、手続きをフルサポートします。

    料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談をお受けしていますので、中食(お弁当・惣菜屋)業界でのM&Aを検討している場合には、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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    9. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・買収の成功ポイント

    お弁当・惣菜屋がM&Aによる買収を成功させるには、以下3つのポイントを押さえることが大切です。

    1. M&A仲介会社に相談する
    2. M&Aのマッチングサイトなどの募集案件を探す
    3. 金融機関や行政機関などに相談する

    ①M&A仲介会社に相談する

    M&Aによる買収を成功させるには、手続きを円滑に進めるだけでなく、M&A後の経営統合マネジメントこそ重要です。中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aでは、買収後にお弁当・惣菜屋企業との統合サポートを受けることで成功率が上昇します。

    したがって、中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A・買収を成功させるには、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら手続きを進めましょう。

    ②M&Aのマッチングサイトなどの募集案件を探す

    最近ではM&A需要の高まりからM&Aマッチングサイトの数が増えており、サイトの質も向上しています。M&Aマッチングサイトは、小規模案件に特化したサイトや飲食店専門のサイトなど、中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A相手を豊富な案件から探せる点が魅力です。

    ③金融機関や行政機関などに相談する

    近年では、地元金融機関や行政機関へのM&A相談もしやすくなりました。なぜなら、日本では中小企業の後継者問題が深刻化しているためです。

    金融機関では、職員に事業承継アドバイザーの資格を取得させてアドバイスを提供するほか、外部の専門家を紹介するなどサービス体制を強化しています。

    各都道府県には中小企業庁からの委託事業として事業承継・引継ぎ支援センターが設置されており、各地域の中小企業の事業承継を支援しており、無料相談が可能です。

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    10. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&A相場・費用

    中食(お弁当・惣菜屋)業界でM&Aを実施するにあたっては、相場や費用が気になるものです。しかし、M&Aの場合、個々のケースで売上高・利益額・事業規模・所有資産・設備などが異なるため、不動産のような体系的な相場が存在しません。

    自社(お弁当・惣菜屋)がどの程度の売却額になるかは、M&A仲介会社などに評価を依頼すると算定が可能です。気になるものとして、M&A仲介会社の手数料がありますが、これも各社各様となります。相談時に確認するとよいでしょう。

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    11. 中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aまとめ

    中食(お弁当・惣菜屋)業界のM&Aによる売却・買収は、戦略の策定・価額の算定・法務や税務面の手続き・取引相手との交渉など、さまざまな手順を踏まなくてはなりません。

    お弁当・惣菜屋の買収によるメリットを享受するには、M&A後の統合マネジメントも非常に重要です。スムーズかつ確実に手続きを進めるためにも、M&A仲介会社のサポートを得るとよいでしょう。

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