ビルメンテナンス会社のM&A!業界動向、相場、成功事例も解説【買収・売買の完全マニュアル】

企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

ビルメンテナンス会社のM&Aが活発化しています。ビルメンテナンス会社の売却や買収には、どういった特徴があるのでしょうか。この記事では、ビルメンテナンス業界に触れながら、ビルメンテナンス会社の業界動向や相場、成功事例などを解説します。

目次

  1. ビルメンテナンス会社とは
  2. ビルメンテナンス会社のM&A動向
  3. ビルメンテナンス会社のM&A成功事例13選
  4. ビルメンテナンス会社がM&Aするメリット
  5. ビルメンテナンス会社がM&Aするデメリット
  6. ビルメンテナンス会社のM&Aを行う流れ
  7. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント
  8. ビルメンテナンス会社のM&A動向まとめ
  • ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継

1. ビルメンテナンス会社とは

ビルメンテナンス会社とは

ビルメンテナンス会社では、M&Aによる事業集約の流れが見られます。ビルメンテナンス会社が置かれている業界動向などが大きく影響しているからです。まずは、ビルメンテナンス会社の業界動向を詳しく確認しましょう。

ビルメンテナンス業界の定義

ビルメンテナンス会社とは、ビルなどの建物における保守・清掃・警備・機器管理などの維持管理サービスを総合的に行う会社です。以下の事業を展開しています。

  • 清掃、廃棄物処理などの環境衛生管理業務
  • 電気・通信・空調設備、エレベーターなどの設備管理業務
  • 警備、防火・防災などの保安警備業務
  • 建物の維持管理を行う建物設備保全業務

大手のビルメンテナンス会社であれば、上で挙げた全ての業務を提供しているケースもあります。中小企業は、いずれかに特化して地域密着型の事業を展開しているケースが多いです。

矢野経済研究所の「ビル管理市場に関する調査を実施(2021年)」を見ると、ビルメンテナンス会社における業界の市場規模は、2019年度は約4兆2,763億円、2020年度は約4兆2,337億円の見込み、2021年度は約4兆2,724億円の予測で、横ばいとなっています。

ビルメンテナンス会社の顧客

ビルメンテナンス会社の顧客は、主にビルのオーナーなどです。ビルを管理している管理会社などから清掃などの業務委託などを請け負っています。ビルのオーナー、ビル管理会社、マンション経営者などが顧客の主軸となるでしょう。

ビルメンテナンス業界に見られる特徴

2019年度までビルメンテナンス業界全体は、比較的堅調に成長を遂げていました。しかし、2020年のコロナ禍以降、その動向は全く違うものとなっています。

2021年12月時点では、ビルメンテナンス業界全体を通じて、業績見通しの悪化や契約改定率の下落が鮮明です。各事業者の経営環境には重大な懸念が生じています。

ビルメンテナンス業界は、恒常的な人手不足問題、および人件費負担の増大に悩まされ、これらの問題は、ビルメンテナンス業界の重大な課題として認識されています。従業員の募集環境は改善の兆しが見られるなど、環境改善に向かっている業界です。

ビルメンテナンス業界の市場規模

「ビルメンテナンス情報年鑑(2021)」によると、以下のとおり、2019年度の市場規模は約4.4兆円で、2018年度の約4.2兆円からほぼ横ばいで推移しています。

公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑 第51回実態調査報告書」

出典:https://www.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2021/02/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B9%B4%E9%91%912021.pdf

ビルメンテナンス業界の課題と展望

ビルメンテナンス業界の動向は、売り上げは堅調に動いているものの、中小のビルメンテナンス会社は経営がひっ迫しています。他の業界と同様に、人手不足は深刻な問題です。

動向として見られるのは、価格競争の激化で、東京オリンピック後の需要も大きな課題が見られます。業界内での生き残りを懸けて、各種サービスに力を入れている企業が多く見受けられるでしょう。

コロナ禍により、ビルメンテナンス業界に属する多くの企業が業務の減少や消失に見舞われ、大きな影響を受けました。一方で、コロナ禍をきっかけに消毒・防疫業務を開始した企業、つまり、顧客や社会需要の変化に柔軟に対応し、事業化を図るのに成功した企業は売上を伸ばしています。

ビルメンテナンス業界の今後における課題として、消費者の細かい要望に対して柔軟に対応できるレジリエンスを身につける必要があるでしょう。

2. ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社は集約傾向にある業界ですが、M&Aによる事業売買や事業譲渡はどういった動向が見られるのでしょうか。

昨今のビルメンテナンス業界における、M&Aによる会社売買や事業譲渡の動向は、国内における大手企業の集約をはじめ、海外への事業展開、清掃や保守などにおける総合サービスの提供、そして選択と集中といった特徴があります。

ビルメンテナンス会社のM&Aが注目される背景

近年、ビルメンテナンス業界のM&Aが注目されているのは、深刻な人手不足の影響を受けているためです。増大するサービスに対する消費者からの需要に対して、企業側のサービスが追いついていません。

ビルメンテナンス業界は、人的資本に依存した労働集約型の産業であるため、人手不足はビジネスに大きな影響を与えます。企業ごとのサービス内容では差別化が図りにくいので、価格競争が始まれば収益の低下につながり、安定的な業績を見込めなくなるでしょう。

ビルメンテナンス業界でよく使われるM&Aの手法

ビルメンテナンス会社のM&Aによる、事業譲渡や会社売買には、どういった手法が使われているのでしょうか。ビルメンテナンス業界では、以下のM&A手法が活用されています。


2つの手法にどのような違いがあるのか、確認しましょう。

事業譲渡

事業譲渡とは、事業の一部または全部を買い手企業に譲渡するM&A手法の一つです。事業譲渡における最大のメリットは、売りたい資産・負債だけを切り出してM&Aを実践できる点といえます。

ビルメンテナンス会社の中でも「環境衛生管理業務」だけを売却したい場合は、事業譲渡を選ぶべきです。ほとんどの資産・負債は売却したいが、一部残したい資産などがある場合も事業譲渡が選ばれます。

ただし、事業譲渡を行うと手続きが煩雑になりやすいので注意が必要です。譲渡範囲を明確にしなければ、買い手との交渉に難航する場合もあります。

事業譲渡後も、権利の取り直しや従業員との労働契約、取引先との取引契約を全て改めて契約し直さなければなりません。利点が多く見える事業譲渡ですが、どうしても残したい事業や資産があるとき以外は株式譲渡を選ぶとよいでしょう。

株式譲渡

株式譲渡とは、会社の資産・負債を全て買い手企業に譲渡するM&A手法の一つです。ビルメンテナンス会社の全てを売却したい場合は、株式譲渡を選びましょう。

株式譲渡における最大のメリットは、株主の書き換えだけで経営権が買い手企業に移行する点です。経営者が変わるだけなので、会社名はそのまま残ります。事業譲渡と違い、雇用契約や取引契約における巻き直しの必要もありません。

会社における全ての資産・負債が買い手企業の手にわたるため、負債が手元に残らないメリットもあります。譲渡する手続きがわかりやすいので、買い手企業にも好まれるM&Aの手法といえるでしょう。

ビルメンテナンス会社のM&AならM&A総合研究所へ

ビルメンテナンス会社のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A仲介会社であるM&A総合研究所では、専門的な知識や経験が豊富なM&Aアドバイザーが培ったノウハウを生かして案件をフルサポートします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を随時受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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3. ビルメンテナンス会社のM&A成功事例13選

ビルメンテナンス会社のM&A成功事例13選

ビルメンテナンス会社におけるM&Aの成功事例を紹介します。成功事例を参考に、取り入れられる部分を探しましょう。

三菱電機がMotum社を買収した事例

2022年4月、三菱電機はMotum(モートム)社におけるすべての株式を得る株式譲渡契約を結びました。三菱電機は海外昇降機事業の拡大に取り組み、欧州で需要拡大が見込まれる保守・リニューアル事業の強化を急務としています。Motum社は、主にスウェーデンで、昇降機事業を手掛ける会社です。

これにより、三菱電機は、スウェーデンをはじめとした欧州の昇降機保守・リニューアルを軸に事業経営の基盤を強め、Motum社が持つ運営ノウハウを昇降機事業でも生かす見込みです。そして、昇降機とビル関連製品・サービスとの連携を進め、欧州におけるビルソリューション事業を強めることを狙います。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスが関東エレベーターシステムを買収した事例

2022年1月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは群馬県館林市に拠点を置く関東エレベーターシステムの株式を取得し、子会社化しました。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、独立系エレベーターのメンテナンスなどを行っている企業です。顧客基盤の強化・生産性の向上を目指し、保守契約台数の増大を通じた事業基盤構築・拡大に注力しています。同業の関東エレベーターシステムは、群馬県を中心にエレベーターの保守管理を行う企業です。

このM&Aにより、北関東の事業基盤を一層強化し、経営資源の共有、事業連携の強化を通じてシナジー効果を発揮し、さらなる企業価値向上を目指します。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスがUNIECO社を買収した事例

2021年11月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスはベトナムでエレベーター設置・メンテナンス事業を展開するUNIECOを子会社化しました。

UNIECOは、ベトナムのハノイを中心に、エレベーターの販売・設置やエレベーターの保守管理などを行っている企業です。ベトナムは、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも高い経済成長を続けています。

このM&Aにより、今後もさらなる発展が期待される東南アジア圏への事業拡大を図り、より一層の企業価値向上を目指します。

ジーネクストがBPMと資本業務提携した事例

建物・設備メンテナンス業務のDXを推進するクラウド型CMMS(設備保全管理システム)を開発しているBPM社は、2021年7月にジーネクスト社と資本業務提携を結ぶのに成功しました。業務提携といった単なる契約関係より強固な関係性を構築した事例です。

資本業務提携によって、BPM社のサービスである『Discoveriez』とジーネクスト社のサービスである『Qosmos』のデータを連携可能にしました。Qosmos側で現場の設備点検や修繕履歴データ、従事者データ取得が可能となります。

一方、Discoveriezで収集したデータを一元管理して、管理者による現場管理の強化に成功しました。

建衛工業が穴吹ハウジングサービスへ株式譲渡した事例

マンション管理業を営む穴吹ハウジングサービスは建衛工業の株式を取得して、同社を子会社化する契約を2020年11月に結びました。穴吹ハウジングサービスは、全国で分譲・賃貸マンション・企業社宅などの不動産管理を行う企業です。建衛工業は、北海道で事業を展開しており、特に札幌の地で分譲マンション管理業・ビルメンテナンス業などを行っています。

将来にわたる顧客へのサービス提供力向上や、後継者問題による事業を継続させるため、株式譲渡契約へと至りました。

イノウエテクニカがTOKAIホールディングスへ株式譲渡した事例

TOKAIホールディングスは、静岡県東部を中心としてビルメンテナンス事業を展開しているイノウエテクニカを2020年11月に完全子会社化するのに成功しました。事業強化のために同業の会社から株式を取得した事例です。

同業の会社を取得した目的は業容の拡大です。イノウエテクニカが培った技術ノウハウを承継するとともに、TOKAIの営業力を合わせて活用します。静岡県全域でビルメンテ事業を展開するほか、県外への事業拡大を目指した完全子会社化(M&A)です。

TOKAIホールディングスは、さらに既存事業のサービスを強化することに成功しました。

メイセイが日本ハウズイングへ株式譲渡した事例

日本ハウズイングは、2020年8月にメイセイの株式を全て取得し、子会社化しました。日本ハウズイングは、マンションやビルの管理事業、不動産管理事業、営繕工事業を展開しています。

メイセイは、給排水関連の設備や制御機器の保守・点検、調査・診断、清掃・洗浄、修理・工事業務を行っている企業です。

近年は、マンション・ビルの大規模修繕による給排水設備に関する工事および保守点検の要望が高まっています。今回のM&Aにより、日本ハウズイングは、給排水設備関連工事のニーズに応えるため、技術者の確保や技術力の向上を目指します。

富士ファシリティサービスがファーストブラザーズへ株式譲渡した事例

2020年7月、商業施設、事務所ビルを中心とする不動産投資を主力とするファーストブラザーズは、ビル運営管理や設備点検・清掃などを手掛ける富士ファシリティサービスの株式取得を成功させ、子会社化しました。

富士ファシリティサービスは、半世紀以上にわたりファシリティマネジメントやBusiness Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを提供してきた会社です。大阪を本拠として複数の都市に営業所を有し、品質の高いサービスの提供を通じて、地域に根差して信頼と実績を積み重ねてきました。

今回の子会社化により、ファーストブラザーズにおける事業のさらなる強化に乗り出しています。

セイコーエレベーターがジャパンエレベーターサービスホールディングスへ株式譲渡した事例

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、2020年4月にセイコーエレベーターの株式を取得して、子会社化に成功しました。ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、独立系のエレベーターメンテナンス企業です。

サービス品質・技術力の強化、顧客満足度の向上に継続的に努めてきました。さらなる顧客基盤の強化・生産性の向上を目指し、エレベーターの保守契約台数における増大による事業基盤の構築・拡大に注力しています。

同業のセイコーエレベーターは、東京都千代田区が拠点です。東京・神奈川・ 埼玉・千葉などの首都圏を中心に、エレベーターの保守管理などを行っています。セイコーエレベーターの株式を引き受け、保守契約台数の増加を通じた首都圏における事業基盤のさらなる強化を図るのが目的です。

今回のM&Aによって、人的資源の相互活用により効率的なメンテナンスサービスを行うとともに、技術ノウハウの提供によるサービス品質の向上など、同業の優位性を生かした事業連携が可能となりました。これにより、相互にシナジーを発揮して、 より一層の企業価値向上を目指します。

新栄ビルサービスが東洋テックへ株式譲渡した事例

警備事業、ビル管理事業を展開している東洋テックは2020年4月に、新栄ビルサービスの株式を取得して連結子会社化しました。新栄ビルサービスは兵庫県姫路市に本社を置き、神戸や大阪にも展開しています。

これにより、新栄ビルサービスが得意としているマンション、ビル管理業務のノウハウやリソースを活用できます。東洋テックの警備業務およびビル管理業務との一体運営や人的資源の相互活用が目的です。

ふきのとうがホクタテへ株式譲渡した事例

2020年3月に、ホクタテはビルの管理および清掃請負にかかわる業務を行っている有限会社ふきのとうの株式を取得し、完全子会社化しました。

ホクタテは、北陸地区を中心にビルメンテナンス事業・通信システム事業・商社事業の3本柱で事業を展開しています。長年蓄積してきたノウハウと技術で、消費者に役立つサービスを提供してきました。

同じ富山県内を事業の営業エリアとしていたふきのとうを完全子会社化して、グループ内での連携を強化し、人手不足の軽減・事業の拡大・営業基盤の強化を図ります。今後はさらに付加価値の高い安全安心のサービス提供を目指しています。

C+H Associates Pte Ltd.が大成へ株式譲渡した事例

大成は、2019年10月にシンガポールのC+H Associates Pte Ltd.における株式の75%を取得することを決め、株式譲渡契約を締結しました。

大成は、不動産の管理・ビルメンテナンス事業で、今後の発展が見込める東南アジアを戦略的な市場と見て、積極的な事業進出を行っている企業です。C+H Associates Pte Ltd.は、設備管理および建築業務をメインとした事業展開をしています。

今回のM&Aにより、大成は、出資しているベトナムFM会社と連携しながら、東南アジアのさらなる事業拡大を目指し、大成グループの企業価値向上を図ります。

都市総合サービスが三幸へ株式譲渡した事例

三幸は、2019年6月に都市総合サービスの全株式を取得して子会社化することに成功しました。三幸は、2019年のM&A以前から、都市総合サービスの株式を8.87%保有しています。株式の持ち合いを通し、清掃・設備管理面を中心として協力関係を築いてきました。

このM&Aをきっかけとして、都市総合サービスとの協力体制をさらに強化し、業務内容の効率化、業務内容の拡大を図り、企業価値向上を目指しています。

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  • ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継

4. ビルメンテナンス会社がM&Aするメリット

ビルメンテナンス会社がM&Aするメリット

ビルメンテナンス会社がM&Aを行うメリットはどこにあるのでしょうか。ここでは、売却・譲渡した側と買収した側、それぞれのメリットを解説します。

売却・譲渡側のメリット

ビルメンテナンス会社を売却するときのメリットは以下のとおりです。

  • 大手資本で経営の安定化
  • 従業員の雇用を確保
  • 後継者問題の解決
  • 創業者利益の獲得

順番に確認しましょう。

大手資本で経営の安定化

ビルメンテナンス会社をM&Aで売却すると、大手の資本力により自社の発展が期待できます。豊富な資金が投入されるので新規事業の開始や、安定した基盤の確保にもつながるでしょう。

安定的な収益を確保するまでに莫大な投資が必要となるビルメンテナンス業界では、手元の資金力は極めて重要な意味を持ちます。新しい投資先を見つけたときや労働力強化のためにも、手元資金は潤沢にしなければなりません。

従業員の雇用を確保

ビルメンテナンス会社をM&Aで売却すると、従業員の雇用先を確保できます。人材不足や経営者の高齢化により、廃業の道を選んでしまうと従業員は行き場を失うでしょう。

M&Aを実施すれば経営者は変わるものの、従業員の雇用を引き継いでもらえます。今まで自社を支えてくれた従業員たちを路頭に迷わせる心配もありません。

ビルメンテナンス業界は競争の激しい業界です。新規参入が比較的しやすい一方で、収益基盤を安定させるまでに時間がかかります。安定的な関係を取引先と結ぶまでに時間がかかるからです。

従業員の雇用を確保し、持続可能なビジネスを展開するのは、ビルメンテナンス業界でも非常に重要といえるでしょう。

後継者問題の解決

後継者問題は、ビルメンテナンス会社だけでなく、業種を問わずに深刻化している問題です。後継者となり得る人材を有する企業がM&Aによる買収に動いています。

買収先から後継者を選出してもらい、そのまま会社を続けられるため、後継者問題を解決できるでしょう。

創業者利益の獲得

ビルメンテナンス会社をM&Aで売却すると、創業者利益の獲得が期待できます。売却の際に、買い手企業から譲渡価格が支払われるので、現金で取引される手法を選ぶとまとまった現金を得ることが可能です。

手に入れた資金を老後に使う、他事業への投資に使う、新規事業開始の足掛かりにするなど、幅広く役立ちます。

買収のメリット

ビルメンテナンス会社を買収するメリットは以下のとおりです。

  • 人材不足の解消
  • 新しい技術やノウハウの獲得
  • 既存事業の拡大
  • 低コストで新規事業・周辺事業へ参入

詳しく確認しましょう。

人材不足の解消

ビルメンテナンス会社を買収するメリットの一つは、人材不足の解消です。ビルメンテナンス会社の買収によって、技術者や経験者を確保できます。自社で人材を集められない場合は、買収による人材の確保を検討しましょう。

新しい技術やノウハウの獲得

ビルメンテナンス会社をM&Aで買収すると、新しい技術やノウハウの獲得が期待できます。特別な方法でビルメンテナンスサービスを提供する会社や、最新のITを駆使したサービス提供を行っているビルメンテナンス会社もあるでしょう。

こういったビルメンテナンス会社を買収すると、技術者の確保を進められ、技術を確保できます。

既存事業の拡大

ビルメンテナンス会社をM&Aで買収すると、既存事業の拡大が期待できます。ビルメンテナンス会社の買収により、自社に開発部門を設け、多様な技術やノウハウを確保できるので、事業の拡大を図るなど目的を達成できるでしょう。

カバーしているエリアや顧客層の違うビルメンテナンス会社を買収した場合、もともと自社が持っていたサービスを提供する可能性が高くなります。サービスのラインアップが増えるなど、相乗効果によって売り上げの拡大も見込めます。

低コストで新規事業・周辺事業へ参入

低コストで参入できる点も、ビルメンテナンス会社をM&Aで買収するメリットです。ビルメンテナンス会社を買収すれば、自社で新しいビルメンテナンス事業を立ち上げるよりもコストを低く抑えられます

すでにビルメンテナンスの周辺事業を展開していれば、近接する部門との兼ね合いにより、コストの削減も望めるでしょう。

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5. ビルメンテナンス会社がM&Aするデメリット

ビルメンテナンス会社がM&Aするデメリット

ビルメンテナンス会社がM&Aをする際は、多くのメリットがあります。一方で、いくつかのデメリットもあるので注意が必要です。以下では、ビルメンテナンス会社がM&Aを行うデメリットについて、売却側と取得側に分けて説明します。

売却・譲渡側のデメリット

事業を売却・譲渡する側の主なデメリットは、競業避止義務がある点です。ビルメンテナンス業界は新規参入がしやすい業界ですが、一度事業譲渡をしたら、譲渡した会社と同地域で同じ事業を行えません。その点を踏まえ、事業を売却・譲渡する際は慎重に行ってください。

取得・譲受側のデメリット

ビルメンテナンス会社の事業を取得・譲受する側のデメリットは、獲得した事業が期待したシナジー効果を発揮できない可能性がある点です。獲得した人材が、統合プロセスにおいて流出してしまう懸念もあります。

株式譲渡などの手法を用いたM&Aでは、包括的に事業あるいは会社を承継するので、簿外債務などを引き受けてしまうリスクにも注意が必要です。

6. ビルメンテナンス会社のM&Aを行う流れ

ビルメンテナンス会社のM&Aを行う流れ

ビルメンテナンス会社をM&Aにより売買する場合、どういった流れや手続きが必要となるのでしょうか。ここでM&Aの流れを簡単に解説します。

譲渡の流れ

M&Aにおける売買において、譲渡の流れを説明します。譲渡には以下の2種類があるので、それぞれ見ていきましょう。

  • 株式譲渡の場合
  • 業務譲渡の場合

株式譲渡の場合

株式譲渡を行う場合、まずは譲渡側と譲渡を受ける側の合意が必要です。その後、株主の同意を得た後に、株式譲渡となります。株式の譲渡に対して、譲渡された側は、対価として現金または株式などを売却側に支払います

業務譲渡の場合

業務譲渡の場合は、譲渡を行う事業の一部または全てについて、双方での同意が必要です。業務だけであれば、譲渡に対する登記などの変更は基本的に必要ありません。ただし、従業員や資産など、どの部分まで譲渡するかを細かく決める必要があります。

業務譲渡を行った場合、譲渡された側の企業は、譲渡した側の企業に現金などで対価を支払います。

買収の流れ

買収の場合はどういった流れになるのでしょうか。ここでは、売却側と買収側に分けて解説します。

売却側

買収によるM&Aの場合、売却側はまず買収先となる企業を選定します。買収先となる企業が決まった後に、条件の交渉を行い、売買契約の締結を行います。売買が行われた後は、引継ぎなどを行う必要があるでしょう。

買取側

買収によるM&Aの場合、買取側は買収を行う目的を明確化し企業を選定します。対象の企業が決定した後に、条件交渉を行い契約の締結を行います。その後、企業買収が終了すると売却側に対価を支払うことになるでしょう。

7. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aにおいて、成功となるポイントはどういった事柄があるのでしょうか。ポイントは以下のとおりです。

  1. 相場を調べる
  2. タイミングを考慮する
  3. スキームを選択する
  4. M&Aの専門家に相談・依頼する

4つのポイントを確認しましょう。

①相場を調べる

M&Aを行う場合は、企業価値の相場を知る必要があります。企業価格は、売却側企業のノウハウや商品、資産によって大きく変わるので、まずは、相場を知ることが重要です。

②タイミングを考慮する

M&Aでは、時代背景などを考慮する必要があり、タイミングが重要です。これから伸びることが期待される産業であれば、M&Aのチャンスといえるでしょう。

③スキームを選択する

自社に合ったM&Aの手法を選択しましょう。手法によっては現金を調達しなくても良いケースがあり、M&Aのスキームはさまざまです。相場、タイミング、スキームなどは、自分で判断するのは難しいです。専門家の力を借りることをおすすめします。

④M&Aの専門家に相談・依頼する

どういったM&Aでも、専門家の力を得るのはおすすめです。会計士・税理士などの士業をはじめ、銀行や公的機関なども活用しましょう。無料で相談できる機関もあるので、気軽に相談できる環境を整えることが大切です。

8. ビルメンテナンス会社のM&A動向まとめ

ビルメンテナンス会社のM&A動向まとめ

ビルメンテナンス業界は、M&Aによって集約化されています。人材不足・後継者問題によって、中小企業のM&Aも増加傾向です。一方で、中小のビルメンテナンス会社は、事業譲渡などの動きが見られ、集約の時期がきているといえます。

M&Aを実施する際は、取引相手との相性やシナジー効果を事前に把握しましょう。売り手の場合は、経営理念や技術者のスキルを考慮して、承継先を選んでください。

ビルメンテナンス会社をM&Aで売買する場合は、さまざまな手続きが必要なため、自社だけで行うのは困難です。専門家のアドバイス・サポートを受けられる仲介会社を利用しましょう。できるだけ良い条件でM&Aを成立させられます。

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