2024年11月09日公開
リサイクルショップ業界のM&A動向!売却・買収事例5選と成功のポイントを解説!【2024年最新】
この記事では、リサイクルショップ業界のM&A動向について解説します。リサイクルショップ業界において近年行われたM&A・売却・買収事例についても紹介したうえで、M&A・売却・買収の成功ポイントを解説するので、是非参考にしてください。
目次
1. リサイクルショップ業界の概要と動向
まずは、リサイクルショップ業界の概要と動向について解説していきます。
リサイクルショップ業界とは
リサイクルショップ業界は、中古品や古物を中心に、その再利用を促進するための産業を指します。
この業界で取り扱われる古物は、いわゆる「中古品」を指し、これには一度消費者の手に渡ったものが含まれます。興味深い点として、商品が「未開封」や「未使用」の状態であったとしても、一度取引が行われたものは「古物」として認識される点です。具体的な定義については古物営業法にて示されています。
この業界では、事業者が古物を所有者から買取り、それを適切にメンテナンスやクリーニングを施した後、再度中古品として販売することが一般的です。
このような取り組みにより、家庭の押し入れに眠っていた物品や、使用しなくなった物品が新たな価値を持ち、再利用のサイクルが生まれています。実際に、このリユース業の存在によって、多くの物品が資産としての価値を持つように変わりました。
さらに、近年の技術進化として、フリマアプリの普及が挙げられます。これにより、一般の消費者も手間なく個人間での所有品の売買が可能となり、さらなる中古品の流通が促進されています。
この流れに乗って、消費者は中古品の売買を通じて、お得に商品を購入するだけでなく、不要な品を販売して収益を上げることもでき、経済的な利益を享受することが可能となっています。
リサイクルショップ業界の市場規模と動向
環境省が公開している令和3年度『リユース市場規模調査報告書』によれば、リサイクルショップ業界は、その市場規模として年間商品販売額で7,133億円という大きな数字を持っています。ただし、このデータには、中古車販売は含まれていません。
中古品小売業がこの中で最も大きなシェアを占めており、62.9%に当たる4,490億円を売上げています。次いで、古本小売業が17.9%の1,274億円、中古電気製品小売業が10.6%の756億円、そして骨董品小売業が8.6%となる613億円という構成になっています。
リサイクルショップ業界は一般的に経済の動向に強く影響されにくい傾向があり、不景気でも安定している業界です。
景気が落ち込むと、多くの企業は新製品の導入を控えたり、製造量を縮小したりするのが一般的です。一方でリユース産業は中古品を取得し、それを再度市場に出すというビジネススタイルのため、そのような影響を受けにくいのです。
むしろ「余分な品を手放してお金にしたい」とか「経済的な理由でお得にアイテムを手に入れたい」という消費者のニーズが高まるので、不景気の際もリサイクルショップ業界の商機は広がります。
2020年の新型コロナウイルスのパンデミック時には、家での過ごし方が中心となり、多くの業界が苦境に立たされました。その一方で、リサイクルショップ業界はその市場をさらに広げています。
さらに、オンラインフリーマーケットやネットオークション、宅配での買取サービスなど、利用者の利便性を追求したサービスが増加しており、この業界の成長は今後も続くと考えられます。
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2. リサイクルショップ業界のM&A動向
リサイクルショップ業界は、実店舗を持つお店からインターネット上のプラットフォームまで、中古品の販売を手がける多様な事業者で構成されています。
近年、インターネット販売の普及やフリマアプリの台頭により、この業界は急速に拡大しています。その中で、市場のリーダーたちはM&Aを活用し、その市場シェアをさらに拡大させる動きを見せています。
特に、リサイクル業界では店舗拡大のためのM&A、事業規模拡大のためのM&A、そしてノウハウ獲得のためのM&Aといった、同業者間のM&Aが非常に活発に行われているのが特徴となっています。
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3. リサイクルショップをM&Aで売却するメリット
リサイクルショップ業界において、M&Aを活用して事業を売却するという選択は、多くのメリットをもたらすことが期待されます。中小のリサイクルショップオーナーにとって、これからの業界の動向や自身の事業継承を考えた際の選択肢としてM&Aは非常に有効です。
以下では、リサイクルショップをM&Aで売却するメリットについて具体的に解説します。
売却利益の獲得
事業の売却を通じて得られる売却利益は、経営者にとって大きなメリットのひとつです。長年に渡って築き上げてきた事業の価値を、一時的な資金として手にすることで、新たなビジネスチャンスへの投資や、私的な資産運用、さらには退職後の生活設計に役立てることができます。
このような売却利益は、特に経営環境が厳しい中での新たな資金調達手段として、多くの経営者から注目されています。
後継者不足の解消
後継者不足は、多くの中小企業にとっての悩みの種となっています。特に、家族経営のリサイクルショップにおいては、次世代が事業を引き継ぐ意欲を持たないケースが増えています。
M&Aを利用することで、事業を継承する適切なパートナーを見つけることができ、経営の安定性を保ちつつ、長年築き上げてきた事業のブランドやノウハウを次の世代にしっかりと継承することが可能となります。
従業員の雇用維持
従業員は企業の最も貴重な資源であり、その雇用を維持することは経営者にとっても大きな責任です。
事業売却の際、M&Aの相手先が事業を継続し、従業員の雇用を維持することを重視するケースが増えています。これは、従業員のスキルや経験、そして顧客との関係を保ちながら、事業のスムーズな移行を実現するための重要な要素となっています。
事業の継続
リサイクルショップを売却しても、その事業が地域で継続されることは多くの顧客にとっても喜ばしいことです。M&Aを通じて事業を継続することで、顧客はこれまで通りのサービスを受けられる保証を得ることができます。
また、新しい経営者や大手企業がリソースを投入することで、事業のさらなる拡大やサービスの向上が期待され、地域におけるリサイクルショップの価値が一段と高まる可能性があります。
4. リサイクルショップ会社のM&A・買収・売却事例5選
ここからは、リサイクルショップ会社のM&A・買収・売却事例について解説していきます。
環境のミカタがシーピーセンターを子会社化した事例
2023年5月、環境のミカタがシーピーセンターを子会社化することに成功しました。シーピーセンターは、不要なパソコンやオフィス機器の回収・データの消去、そしてその後の解体やリサイクル販売を手がけている会社です。データ消去の需要が増している中、同社は着実な成長を遂げてきました。
一方、環境のミカタは、主に産業や一般の廃棄物の処理を行っています。シーピーセンターの株式を全て取得することで、環境の味方は、パソコンやオフィス機器の再利用やリサイクル分野でのビジネスを強化するとしています。
参考: 環境のミカタによるシーピーセンターの子会社化
トレジャー・ファクトリーがピックアップジャパンを子会社化した事例
2020年10月、トレジャー・ファクトリーは、ピックアップジャパンを子会社化することに成功しました。子会社化されたピックアップジャパンは地域での評価が高く、多彩な店舗形態やサービスを展開しており、質の高い品揃えが魅力の企業です。
今回の子会社化によって、トレジャー・ファクトリーは、ピックアップジャパンの強みを活かし、経営戦略やITのサポートなど、さまざまな面での協力を行い、静岡エリアでのビジネス展開をさらに進める計画です。
参考: トレジャー・ファクトリーによるピックアップジャパンの子会社化
ハードオフコーポレーションがエコプラスを子会社化した事例
2020年5月、ハードオフコーポレーションは、株式交換を通じてエコプラスを子会社化することに成功しました。
今回子会社化したエコプラスは、もともと、ハードオフコーポレーションとの提携のもと、東北の6県と北海道で、合わせて60の店舗(「ハードオフ」24店舗、 「オフハウス」25店舗、 「ガレージオフ」2店舗、 「ホビーオフ」9店舗)を展開していたフランチャイズ企業です。
今回、エコプラスの全株式を取得することで、東北や北海道のビジネス基盤を充実させ、リユースビジネスをさらに伸ばす方針であるとハードオフコーポレーションは説明しています。
参考: ハードオフコーポレーションによるエコプラスの子会社化
バリュエンスホールディングスがNEO-STANDARDを孫会社化した事例
バリュエンスホールディングスは、高級品や美術品、宝石や骨董品などのリユース事業を展開している企業です。これには、一般の方からのアイテム買取りと、業者向けの自社オークションを通じた卸売りが含まれ、このC to B to Bの取り組みが特徴となっています。
主な買取店舗として「なんぼや」があり、2020年5月の段階で全国に83の店舗を構えるなど、近年売上規模を拡大しています。一方、子会社化したNEO-STANDARDは都市部を中心に54の中古買取店を持ってる企業です。
この度の株式取得により、バリュエンスホールディングスの買取ネットワークをさらに拡大し、売上規模の拡大を図るとしています。
参考: バリュエンスホールディングスによるNEO-STANDARDの孫会社化
オリックスがネットジャパンを孫会社化した事例
2014年4月、オリックスが連結子会社を通じて、ネットジャパンをとその関連会社を子会社化(孫会社化)することに成功しました。ネットジャパンとその関連企業は、リサイクル業界、特に貴金属部門の大手プレイヤーとして知られている企業です。
一般的な宝飾品店や質店が市場から取得した金、プラチナ、ダイヤモンドなどをネットジャパングループが集め、精錬所や取引企業に供給しています。さらに、香港でのオークションを通じて、中国やインド向けに販売も実施している企業です。
これまで、ネットジャパングループは、迅速な買取や高度な鑑定能力でパートナー企業を支え、リサイクル業界の成長に貢献してきました。現在、国内で2万を超える取引先との関係を持ち、リサイクル市場のトップシェアを誇っています。
近年、都市鉱山としての貴金属の注目度が高まっており、10年間で貴金属の買取店が増加し、業界が急激に成長しています。アジアの中間所得者の増加に伴い、市場はさらなる拡大が予想されています。
オリックスは、オリックスの事業基盤を活用し、海外市場の拡張や国内での新しい事業戦略のサポートを行い、企業のさらなる成長を促進していくと説明しています。
参考: オリックスによるネットジャパンの孫会社化
5. リサイクルショップ業界のM&Aの成功のポイント
リサイクルショップ業界におけるM&Aは、市場競争を勝ち抜くため、また新しい地域や顧客層にアクセスするための有効な手段となるでしょう。しかし、業界特有の特性や市場動向を正確に捉え、適切な戦略を立てることがM&Aの成功の鍵となります。
その中でも特に注目すべきポイントが、従業員や取引先への説明および専門家への相談です。これらを適切に行うことで、M&Aが成功へと導かれる可能性が高まります。
従業員や取引先への説明
M&Aを実施する際には、その動向や意図を従業員や取引先にしっかりと伝えることが非常に重要です。突然の経営判断や戦略変更は、関係者たちに不安や疑念を抱かせる原因となるため、オープンで透明性のあるコミュニケーションが求められます。
従業員には、新しい方針や役割、将来的なビジョンについて具体的に説明し、安心感を持たせる必要があります。一方、取引先に対しては、ビジネスの継続性や新たな提携の意義を伝え、信頼関係を維持・深化させる努力が必要です。
専門家への相談
M&Aは高度な専門知識や経験を必要とする複雑なプロジェクトです。特にリサイクルショップ業界のような特定の業界においては、その特性や動向、市場状況を理解した上でのアドバイスが求められます。
専門家やコンサルタント、法律家や会計士などの意見や知見を活用することで、戦略の策定やリスクの回避、正確な評価などが可能となります。適切なタイミングや評価額、また合併後の組織統合など、数多くの課題が存在する中、専門家のサポートはM&Aの成功を大きく後押しする要因となるでしょう。
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6. リサイクルショップ業界のM&A・事業譲渡まとめ
リサイクルショップ業界のM&Aは、成熟市場となりつつある中で競争が激化している背景があります。サステナビリティの重要性が高まる中、リユース商品への需要も増加していることも要因のひとつです。
大手企業は市場シェアの拡大や業務効率化、新たな価値提供を目的にM&Aを進めており、一方で経営資源の集中や業界再編の動きから事業譲渡が行われています。
特に、中小事業者も多いリサイクルショップ業界では、消費者からの需要に押されるかたちで、大手企業に対する事業譲渡や同業他社による地域への出店を目的としたM&A・事業譲渡が進むと考えられます。
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