名古屋の調剤薬局のM&A事例を解説!売り案件もご紹介!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

事業承継や譲渡など調剤薬局のM&A成約件数は全国的に増加中であり、それは名古屋でも同様の動向です。この記事では、名古屋における調剤薬局のM&A事例について確認しながら、名古屋における調剤薬局の売り案件情報などを紹介します。

目次

  1. 名古屋の調剤薬局事情
  2. 名古屋の調剤薬局のM&A・譲渡の事例
  3. 調剤薬局のM&A・譲渡が全国的に活況の理由
  4. 名古屋で調剤薬局のM&Aを行う際の相談先
  5. まとめ
  6. 調剤薬局業界のM&A案件一覧
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1. 名古屋の調剤薬局事情

近年、全国的に調剤薬局のM&A成約件数は増加しており、名古屋エリアも例外ではありません。この記事では、名古屋のM&A事例や案件を紹介しますが、まずは名古屋の調剤薬局事情について解説します。

大手チェーン店によるM&A・新規出店が目立つ

名古屋エリアでは、近年大手チェーンによるM&Aや新規出店が目立っています。調剤薬局は、調剤報酬の減少により収益が減少しているため、大手チェーンの調剤薬局は顧客数を増やすことで自社の売り上げを維持しようとしているからです。

具体的な方策としては、中小の調剤薬局の買収や新エリアへの新規出店などがあり、名古屋エリアで展開している大手チェーン調剤薬局の多くは、このような戦略を取っています。

調剤薬局は慢性的な薬剤師不足に悩んでいる

調剤薬局では、全国的に薬剤師が慢性的に不足している状況ですが、名古屋エリアで薬剤師が不足している理由には、都市部特有の事情もあります。

東海エリアには薬学部のある大学が多くあり、毎年ある程度の数の薬剤師が増加しているのは事実です。しかし、名古屋エリアには調剤薬局が多く出店されています。

毎年、新卒の薬剤師は加わるのですが、調剤薬局の数よりもかなり少ないため、薬剤師をまかないきれていません。したがって、名古屋エリアでも慢性的な薬剤師不足に陥っています。

中小の調剤薬局は地元の医療施設との関係を強化

中小の調剤薬局は、地元医療施設との関係を強化する傾向があります。大手の調剤薬局は事業規模を大きくしてシナジー効果を得ようとしていますが、中小の調剤薬局は資金面からそのような戦略を取れまません。

そこで、地元の医療施設の医師などと関係を強化することにより、調剤業務を増やそうとしています。

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2. 名古屋の調剤薬局のM&A・譲渡の事例

次に、名古屋近隣エリアの調剤薬局のM&A・譲渡の事例を紹介します。4事例について見ていきましょう。

シップヘルスケアファーマシー東日本によるなごみ薬局の子会社化および組織再編

シップヘルスケアファーマシー東日本によるなごみ薬局の子会社化および組織再編

シップヘルスケアファーマシー東日本

出典:https://www.shpe.co.jp

1つ目の事例は、2018(平成30)年3月に行われたシップヘルスケアファーマシー東日本による、有限会社なごみ薬局の全株式取得による子会社化です。なごみ薬局は名古屋市で3店舗の調剤薬局を運営しています。

そして、同年10月、シップヘルスケアファーマシー東日本は、なごみ薬局を吸収合併し、完全に経営統合しました。
 

買収企業 シップヘルスケアファーマシー東日本
売却企業 なごみ薬局(名古屋市)
取引額 未公表
買収の目的 ・シナジー効果の獲得
・経営の効率化

ツルハホールディングスによるビー・アンド・ディーホールディングスの子会社化

ツルハホールディングスによるビー・アンド・ディーホールディングスの子会社化

ツルハホールディングス

出典:https://www.tsuruha-hd.co.jp

2つ目の事例は、2018年5月に行われたツルハホールディングスによるビー・アンド・ディーホールディングスの全株式取得による子会社化です。ビー・アンド・ディーホールディングスは愛知県内に65店舗のドラッグストアと調剤薬局を展開している企業で、2017(平成29)年度の売上高は約265億7,000万円でした。

ツルハホールディングスは、ビー・アンド・ディーホールディングスの買収により、中部地区におけるドミナント強化およびスケールメリットによるコスト削減が実現できるとしています。
 

買収企業 ツルハホールディングス
売却企業 ビー・アンド・ディーホールディングス(愛知県春日井市)
取引額 未公表
買収の目的 ・中部地区におけるドミナントの強化
・スケールメリットによるコスト削減

メディカルシステムネットワークによるミマツ薬品の子会社化

メディカルシステムネットワークによるミマツ薬品の子会社化

メディカルシステムネットワーク

出典:https://www.msnw.co.jp

3つ目の事例は、2016(平成28)年5月に行われたメディカルシステムネットワークの子会社ファーマホールディングによる、ミマツ薬品の完全子会社化です。

ミマツ薬品は、名古屋地区で調剤薬局を10店舗運営しており、本案件でファーマHDは東海地区での事業規模を拡大しています。

なお、2017(平成29)年5月、メディカルシステムネットワークは、ファーマホールディングを吸収合併しました。
 

買収企業 ファーマHD
売却企業 ミマツ薬品株式会社(名古屋市)
取引額 未公表
買収の目的 ・東海エリアにおける事業規模の拡大、コスト削減

メディカル一光による大豊薬品の子会社化

メディカル一光による大豊薬品の子会社化

メディカル一光

出典:https://www.m-ikkou.co.jp

4つ目の事例は、2016年4月に行われたメディカル一光による大豊薬品の完全子会社化になります。メディカル一光は、三重県・岐阜県・滋賀県を中心に、ジェネリック医薬品を販売している卸売企業です。

大豊薬品も愛知県を中心にジェネリック医薬品を卸売しており、同業種同士によるシナジー効果の獲得、および営業エリアの拡大を図るためのM&Aでした。
 

買収企業 メディカル一光
売却企業 大豊薬品株式会社(愛知県豊橋市)
取引額 未公表
買収の目的 ・ジェネリック医薬品の卸売業同士によるシナジー効果の獲得
・営業エリアの拡大

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3. 調剤薬局のM&A・譲渡が全国的に活況の理由

調剤薬局のM&A・譲渡が全国的に活況の理由

先述したように、調剤薬局のM&A・譲渡が全国的に活況になっています。この項では、調剤薬局のM&A・譲渡が活況になっている5つの理由について確認してみましょう。
 

  1. 調剤薬局の創業者が引退年齢になっている
  2. 大手チェーン店が全国的に規模拡大している
  3. 深刻な薬剤師不足を抱えている
  4. 後継者不足に直面している経営者は多い
  5. 診療報酬の改定の影響

①調剤薬局の創業者が引退年齢になっている

1つ目の理由には、調剤薬局の創業者が引退年齢になっていることがあげられます。一般的な中小企業と同様、調剤薬局でも創業者の高齢化は進行中です。

引退となれば事業承継を行う必要がでてきますが、身近に後継者がいないなどの問題により、なかなか事業を引き継げないケースもあります。

そのような理由により、調剤薬局のM&A・譲渡が行われる件数は全国的に増加しています。

②大手チェーン店が全国的に規模拡大している

2つ目の理由には、大手チェーン店が全国的に規模を拡大していることがあげられます。調剤薬局事業は、将来的に収益の減少が見込まれているため、大手チェーン店は安定的な業績を維持するため、顧客数を増やす戦略を取っているからです。

具体的には、中小規模の調剤薬局の買収や新店舗の出店などにより、事業規模の拡大を進めています。

大手チェーン店は全国的に事業規模を拡大させるため、全国の売却を希望している調剤薬局を積極的に買収しています

③深刻な薬剤師不足を抱えている

3つ目の理由には、深刻な薬剤師不足があげられます。中小規模の調剤薬局では薬剤師を確保できないために、自社を売却するケースが増加中です。

その一方で、大手チェーン店は薬剤師を確保するために買収するケースも見られます。いずれにしても、薬剤師不足が、調剤薬局のM&Aが増加している理由の1つであることは事実です。

④後継者不足に直面している経営者は多い

4つ目の理由は、後継者不足に直面している経営者が多いためです。調剤薬局の事業承継の方法には、親族内事業承継・社内事業承継・M&Aによる事業承継の3つの方法があります。

しかし、調剤薬局の将来的な収益減少を勘案し、親族に事業を引き継がせたくないと考える経営者が増えているのです。また、調剤薬局を引き継ぎたいと考える従業員もほとんどいません。

つまり、親族内・社内事業承継は困難なことが多く、後継者問題を抱えている経営者はM&Aによる事業承継という選択肢しかないため、調剤薬局のM&Aが活況になっていると考えられます。

⑤診療報酬の改定の影響

5つ目の理由には、診療報酬改定の影響があげられます。診療報酬は国によって決められますが、現在は国の財政は厳しく、社会保険費が増加している状況です。

国は社会保険費を減らすためにさまざまな対策をしており、その1つに診療報酬や薬価などの削減があります。

このような背景により、将来的に調剤薬局の収益は減少すると見込まれるため、経営が厳しくなる前に調剤薬局を売却する経営者が増加しています

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  • 調剤薬局のM&A・事業承継

4. 名古屋で調剤薬局のM&Aを行う際の相談先

名古屋で調剤薬局のM&Aや譲渡を行う際の相談先には、以下の5つが考えられます。
 

  1. M&A仲介会社
  2. マッチングサイト
  3. 地元の金融機関
  4. 地元の弁護士・会計士・税理士などの士業事務所
  5. 愛知県事業引継ぎ支援センターなどの公的機関

①M&A仲介会社

M&A仲介会社はM&A先をマッチングし、成約するまでM&A専門家によるフルサポートを行う会社です。案件によっては成約後までサポートしてもらえる場合もあります。

M&A仲介会社以外にも金融機関や士業事務所などの相談先はありますが、最終的には提携しているM&A仲介会社に依頼するため、直接M&A仲介会社に相談するほうが効率的なケースも多いでしょう。

②マッチングサイト

マッチングサイトを利用して、M&A・売却の相手先を探せます。マッチングサイトとは、仲介会社や金融機関など企業による仲介ではなく、インターネット上で仲介を行うプラットフォームです。

交渉や手続きを自身で行えば、仲介会社に依頼するよりも費用を抑えてM&Aを行うことができます。また、各業界に特化したマッチングサイトもあるため、検索しやすいこともメリットです。

【関連】【M&Aマッチングサイト一覧】サイト売買(M&A)・M&Aマッチングサイト40選!

③地元の金融機関

地元の金融機関でも、調剤薬局のM&Aに関する相談ができます。金融機関は、地元の中小企業に融資しているため、財務状況などの相談を受ける機会も多く、各社の経営状態を把握している存在です。

中小規模の調剤薬局もその例外ではないため、地元の金融機関の仲介でM&Aを行うことがあります。

④地元の弁護士・会計士・税理士などの士業事務所

地元の弁護士・会計士・税理士などの各士業にも、調剤薬局のM&Aに関する相談を行えます。

経営法務や財務会計など、経営に関する専門家ですが、近年はM&A支援を行っている士業事務所も増えてきました

しかし、すべての士業事務所がM&Aに詳しいわけではないので、実績・経験のある士業に相談するとよいでしょう。

⑤愛知県事業引継ぎ支援センターなどの公的機関

愛知県事業引継ぎ支援センターなどの公的機関でも、調剤薬局のM&Aに関する相談ができます。

事業引継ぎセンターでは事業承継に関する相談や助言を行っており、データベース化したマッチングも可能です。公的機関であるため、無料で相談やデータベースへの登録を行えます。

一般的には、事業引継ぎセンターでマッチングした後は、M&A仲介会社など専門的な機関に委託されるため、成功報酬などの費用が別途必要とはなるでしょう。

また、事業引継ぎ支援センター以外には、商工会・商工会議所などの公的機関でも相談が可能です。

名古屋で調剤薬局のM&Aを行う際のおすすめの相談先

名古屋で調剤薬局のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、M&Aの経験や知識が豊富なM&Aアドバイザーが、案件を丁寧にフルサポートいたします。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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5. まとめ

調剤薬局のM&Aや譲渡を行う際は、M&Aに関する知識や経験だけでなく、調剤薬局業界に関して精通している必要があります。また、名古屋エリアという地域性についても理解が必要です。

そのため、調剤薬局業界に強く、地域性も把握しているM&A専門家に相談しながら進めていくことが成功のカギともいえるでしょう。

【名古屋の調剤薬局事情】

  1. 大手チェーン店によるM&A・新規出店が目立つ
  2. 調剤薬局は慢性的な薬剤師不足に悩んでいる
  3. 中小の調剤薬局は地元の医療施設との関係を強化

【調剤薬局のM&Aは全国的に活況の理由】
  1. 調剤薬局の創業者の引退年齢
  2. ドラッグストアなど大手チェーン店の増加
  3. 深刻な薬剤師不足
  4. 後継者問題
  5. 診療報酬改定の影響による収益減

6. 調剤薬局業界のM&A案件一覧

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