太陽光発電の買取価格は?売電できなくなった後の対策も解説【2022年最新】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

太陽光発電の買取価格は年々下がりつつあります。太陽光発電の買取が制度化されて10年がたち、2019年は開始当初の半額程度の買取価格まで下がりました。この記事では、売電できなくなった後の対策や、最新の買取価格を紹介しましょう。

目次

  1. 太陽光発電の買取価格【2022年最新】
  2. 太陽光発電の買取価格の推移
  3. 太陽光発電の買取期間終了問題への対策
  4. ZEHの普及も太陽光発電のカギ
  5. 太陽光発電の2029年問題
  6. 太陽光発電の買取価格まとめ

1. 太陽光発電の買取価格【2022年最新】

太陽光発電の買取制度は2009年度から経済産業省によって制度化されました。2009年の買取価格は、1kWhあたり住宅用で約48円、産業用で約24円でした。

2012年には産業用太陽光発電の買取価格は、40円+税の20年間固定となっています。2020年の買取価格は、当初の半額ほどの21円です。経産省は、将来的には卸市場並みの1kWhあたり11円まで太陽光発電の買取価格を下げることを方針として示しています。

2022年度最新の買取価格は以下のとおりです。

  • 10kW未満:17円/kWh(税込み)
  • 10~50kW未満:11円/kWh(税抜き)
  • 50~250kW未満:10円/kWh(税抜き)

太陽光発電の買取価格は、FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)で定められています。2020年度から、産業用を対象としてFIT制度の内容は変更されました。

従来の制度では、10kWh以上の場合、全量買取制度が適用されていました。しかし、2020年度以降は、10kWh以上の場合、10kWhと同様の買取価格が適用となります。それ以外にも、30%以上の発電電力を自家消費に充てるように変更されました。

【関連】メガソーラーの売却・M&Aの注意点!事業譲渡や買取方法を解説!

2. 太陽光発電の買取価格の推移

日本では2009年に太陽光発電の買取が制度化されています。制度化以前、電力会社はそれぞれの発電所から電気を買取してきました。

太陽光発電の買取を制度化する以前の価格は、住宅用・産業用ともに約24円でした。経済産業省が2009年11月に買取制度化を定めたことで、住宅用の買取価格が48円となっていたのです。

しかし、当時の買取制度化では、産業用の買取価格は約24円と住宅用の半額ほどでした。この制度を施行した結果、住宅における太陽光発電の普及は飛躍的に進むこととなったのです。

住宅用・産業用

太陽光発電の買取価格は住宅用・産業用ともに値下がりを辿っています。ここで、経済産業庁・資源エネルギー庁のホームページから各年度の太陽光発電の売買価格の推移を見てみましょう。

住宅用は、太陽光買取制度が施行された2009・2010年度の価格は1kWhあたり48円でした。11~12年度は40円~42円、13年度は38円、14年度は37円と推移しました。

15年度は出力抑制なしで33円、出力抑制ありで35円、16年度は同様に31円と33円、17年度は28円と30円、18年度は26円と28円、19年度は24円と26円と推移しています。価格の固定期間は10年です。

一方の産業用の太陽光買取制度は施行されたのが2012年度からでした。価格は1kWhあたり40円、13年度は36円、14年度は32円、15年度は27円~29円と徐々に下がり、19年度には14円と推移しています。

産業用の買取価格は、これに加えて税金が付与されます。価格の固定期間は20年です。

10年後の期待売電収益予測

ここで、家庭用の太陽光発電売電における収益予想数値を見てみます。太陽光発電の比較サイトを運営している株式会社ネットリーチによると、2012~2014年度に6kw相当の太陽光発電を設置した場合は、10年間で57万円前後の収益が見込まれていました。

2015年度からは出力制限による価格差があり、出力制限なしで約40万円から約70万円、出力制限ありでは約30万円から約60万円の収益予想となっていました。2019年度は、6kw相当の太陽光発電を設置した場合、10年間で約55万円~66万円の収益が見込まれます。

今後の売電単価

経済産業庁・資源エネルギー庁のホームページによると、2019年度の太陽光発電の買取価格は、住宅用・出力抑制なしが24円、出力制限ありが26円と公表されています。買取が制度化された2009年から見ると、約半額の買取価格となります。

一方で、産業用の太陽光発電買取価格は公表がありません。例年通りであれば、3円ぐらいの価格低下と見込まれます。

こういった推移を鑑みると、2020年度以降の太陽光発電の買取価格は、おおむね2円から3円ぐらいの価格下落が見込まれ、最終目標の2025年度には、家庭用の買取価格を現在の半額ほどの11円まで値下げすると見込まれています。

太陽光発電のM&Aをご検討の際は、M&A総合研究所までご相談ください。知識・支援実績豊富なM&Aアドバイザーが担当につき、フルサポートいたします

当社は完全成功報酬制(※譲渡企業のみ)となっております。無料相談はお電話・Webより随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

3. 太陽光発電の買取期間終了問題への対策

急速に普及されていった太陽光発電の買取制度で問題となってくるのは、制度化初年度の2009年度に太陽光発電を導入し売電し始めたユーザーです。こうした問題を通称で2019年問題とされています。

買取義務の廃止

太陽光発電の買取制度では、10年間の固定価格での買取を電力会社に義務づけています。しかし2019年度を迎えると、固定価格の義務化が廃止されます。

それと同時に電力会社の買取義務が廃止されることが検討されるため、大げさにいうと売電できなくなる可能性もあるのです。これが2019年問題の大きなデメリットといえるでしょう。

売電できなくなる?

2019年問題を考えるにあたり、電力買取は大きなウェイトを占めている問題です。電力会社や経産省は初年度の固定価格義務が撤廃される2019年度以降の方針を示していません。

ただし、電力会社における買取義務がなくなったからといって、全ての電力の売電ができなくなるわけではありません。10年間を過ぎると、FITは適用されなくなりますが、買い取ってくれる会社は存在します

ただし、10年間と同じような一律の価格で買い取ってもらえるわけではないので注意が必要です。経産省は、市場買取価格である1kWhあたり11円の価格を目標としています。2009年度の固定価格48円よりも大きく下回ることが予想されるでしょう。

いつまで売電可能かはわかりませんが、2025年までに11円という目標数値を示しているため、当面は買取制度は続くでしょう。最低でも2025年までは、買取制度は価格が半減したとしても継続されると考えられます。

産業用の太陽光発電の買取価格固定期間は20年間です。買取自体は、2039年まで廃止されないものと現時点ではいえるでしょう。

そもそもFIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)とは

太陽光発電の買取制度は経産省が推進しているFIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)で定められています。もともとは再生可能エネルギーの普及を目的に始められました。

FITには「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5つがあります。一般家庭などでも売電できるとあって、太陽光発電には注目が集まりました。

2022年度のFIT制度申請期限

FIT制度を活用するには、電力会社と経済産業省への申請が必要となります。まず先に、電力会社に接続契約申請を行い、契約完了後に、経済産業省に設備認定を申請します。

2022年度の経済産業省への設備認定申請期限は、以下のとおりです。

  • 設置容量10kW未満は2023年1月6日
  • 設置容量10kW以上は2022年12月16日

現時点で判明している主な電力会社への電力申請提出期限は、下記のとおりです。
  • 北海道電力:10kW未満(2022年10月28日)、10~50kW未満(2022年9月16日)
  • 東北電力:10kW未満(2022年10月21日)、10~50kW未満(2022年10月7日)
  • 東京電力:10kW未満(2022年11月11日)、10~50kW未満(2022年10月14日)
  • 中部電力:10kW未満(2022年11月11日)、10~50kW未満(2022年10月21日)
  • 関西電力:10kW未満(2022年11月24日)、10~50kW未満(2022年11月1日)
  • 九州電力:10kW未満(2022年11月11日)、10~50kW未満(2022年10月14日)

それ以外の電力会社の提出期限や、詳細は、各電力会社にお問い合わせください。

買取期間終了問題への対処策

経産省や電力会社から具体的な施策が提示されていない状況です。しかし買取価格が半額以下になるなど太陽光発電の魅力は半減してしまうものの、太陽光発電設備を設置しているのであれば、2019年問題への対応を考えるほかありません。

①余剰電力売却の継続

2019年問題の対処策として考える方法の一つは売電の継続です。買取義務がなくなるものの、売電できなくなるわけではありません。

買取が廃止されないのであれば、売電価格が半額以下になっても売電していく方法があります。設備投資の代金は10年間でペイできていますので、デメリットも少なくなるでしょう。

②無償で電力網に流す

そもそもFITは環境対策の側面もあります。したがって、売電できなくなる・ならないにかかわらず、2019年問題の対策としては、無償で電力を提供する方法もあります。買取価格などを気にすることがなくなり、精神的なデメリットから解放されるでしょう。

③蓄電池の導入

金銭的なデメリットをより解消するために、蓄電池を導入して電力を自己消費する方法があります。将来的に売電制度が廃止され、売電できなくなる可能性がゼロではありません。

そうしたデメリットにも対応できるのが蓄電池の導入です。経済的魅力は半減しますが、いつまでも太陽光発電を有効に使用できます。

④エネルギー源の切り替え

初期投資のデメリットが発生しますが、いつまでも売電の利益を望むのであれば、太陽光を廃止して他のエネルギー源を導入する方法があります。FIT制度には、電力発電のほかに風力や地熱などの固定買取価格制度が整備されています。

そこで、太陽光を廃止する変わりとして、風力発電を導入して、固定買取制度を再度活用するわけです。

経済産業省の対策

こうした2019年問題に対して、経産省は具体的な施策を示していません。しかしながら、家庭用蓄電や蓄熱導入事業を検討しているようで、FIT制度は引き続き推進していく傾向です。

売電できなくなるデメリットばかりをクローズアップしがちですが、太陽光発電は環境保護の側面があることを理解しておく必要があります。2019年以降も、こうした問題に対処していく必要があることを認識しておくとよいでしょう。

後に記述しますが、産業用の太陽光発電は20年後もさらに大きな問題となってくることが予想されます。

【関連】太陽光発電の売電・売買は廃止?今後の売電価格の推移は?

4. ZEHの普及も太陽光発電のカギ

現在、国ではZEH(ネットゼロエネルギーハウス)の普及を進めています。新築住宅などでZEHとして認められると、補助金を受けられる制度です。ZEHには、太陽光発電や蓄電池、そしてオール電化などの電力発電設備が不可欠です。

おそらく今後も太陽光発電で売電できなくなることは考えにくいでしょう。しかしながら、売電価格のデメリットばかりではなく、ZEHなどの補助金を受けられることが太陽光発電のメリットでもあるのです。売電の魅力は半減しますが、補助金のメリットがあるというわけです。

5. 太陽光発電の2029年問題

住宅用の太陽光発電の買取制度には2019年問題があることがわかりました。しかし、産業用売電には2029年問題があるといわれています。

太陽光発電の20年後

2009年当初から、太陽光発電20年後の問題は問題視される部分がありました。2009年の電力買取開始から、太陽光発電20年後となる2029年には、2019年に設置された住宅用の太陽光発電の固定義務期限も重なり、大変重要な年となるでしょう。

太陽光発電の今後の展望

2020年10月に経済産業省から「太陽光発電の状況」が発表になりました。太陽光発電協会の調べによる住宅用(10kW未満)太陽光発電導入件数は、2012年度から2014年度は年平均で約31万件あったものの、2019年度は約15万件と半減しています。

太陽光発電の今後の展望

経済産業省「太陽光発電の状況」

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/062_01_00.pdf

上記グラフの「住宅用太陽光発電普及率」は、平成30年の統計で9%と依然として低調です。国の目標普及率に達しているとはとてもいえない状況といえます。

国は自家消費・家庭用蓄電池・V2Hを普及させるために、補助金を交付しています。これらのことから、売電を目的とした太陽光発電ではなく、自家消費や家庭用蓄電池目的の太陽光発電が主流になっていくのではないかと見込まれるでしょう。

売電価格の下落予測

経産省が掲げている2025年の目標が1kWhあたり11円という数値です。現状の半額以下となっている買取価格を実行していくには、年々売電価格が下落していくことになるでしょう。

先にも上げましたが、年に3円程度買取価格を下げていくことが予想されます。太陽光発電20年後となる2029年には、さらに値下げしている可能性もあります。

技術進歩による設備コスト削減

平成28年11月に発刊された資源エネルギー庁の「電源種別(太陽光・風力) のコスト動向等について」の資料によると、太陽光発電に対するシステム費用が、日本は欧州の約2倍の水準であることが示されています。そのコスト低減が課題です。

通年の全体平均で見ると、太陽光発電(10kW未満)のシステム費用が、37.9万円から36.7万円へと約1.2万円/ kW低下しています。全体として引き続き低下傾向にあることがわかります。

このことから、太陽光発電の20年後はさらに技術が進み、半額になっている可能性も否定できません。技術進歩によりシステム費用がローコストになれば、売電によるデメリットも軽減されるでしょう。

買取価格が半減してしまったとしても、太陽光発電20年後を考えると、デメリットは軽減してくるかもしれません。太陽光発電以外のFITが主流となる事も考えられます。

【関連】太陽光発電の買取価格が半額に!いつから売電できなくなる?

6. 太陽光発電の買取価格まとめ

太陽光発電の売電価格について調べてきました。2019年問題だけではなく、太陽光発電20年後問題など課題を抱えていることがわかりました。改めて要点を以下にまとめます。
 

  1. 住宅用太陽光発電は2019年度に固定価格の義務化が廃止
  2. 住宅用太陽光発電の2022年の買取価格は、10kW未満で17円/kWh(税込み)
  3. 2025年までには市場価格同等の1kWhあたり11円まで価格を下げる
  4. 産業用の太陽光発電20年後もさらに大きな問題
  5. 将来的に売電できなくなることは考えにくい

これらの要点を念頭に、今後発表されるであろうさまざまな方針に対処していくことが重要だといえるでしょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>完全成功報酬制のM&A仲介サービスはこちら(※譲渡企業様のみ)

関連する記事

新着一覧

最近公開された記事