2023年05月22日更新
【2022年】調剤報酬改定の変更点やポイントをわかりやすく解説
調剤報酬改定は、調剤薬局経営に大きな影響を及ぼすため、経営者は、調剤報酬改定の変更点やポイントを把握しておく必要があります。この記事では、調剤報酬改定の変更点やポイント、注意点などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
1. 調剤報酬とは
調剤報酬とは、医科報酬や歯科報酬と同様、健康保険法に基づく診療報酬の一部です。病院や診療所で処方箋が発行された場合は保険(調剤)薬局で薬剤師が調剤業務を行いますが、調剤報酬はこれら一連の業務に対する報酬です。
調剤報酬等診療報酬は公定価格制度が採用されており、国が医療に関する詳細な価格を決定しているため、全国民が公平に同様のサービスが受けられます。
2. 調剤報酬改定の基本方針
調剤報酬改定は、医療費の透明性確保および患者負担額の軽減を目的として、社会情勢に合致するよう、2年に一度定期的に実施されています。調剤報酬改定の内容からは、国民が求めている医療の方向性を読み取ることが可能です。
2022年度の調剤報酬改定は、2022年4月1日より施行されました。対物業務から対人業務へのシフトにあわせ、報酬体系の刷新、地域支援体制加算の細分化、リフィル処方箋の導入など、大きな変化が見られます。
調剤報酬改定は、調剤薬局の運営へ影響を及ぼします。薬局薬剤師は、算定要件を確認しながら業務を実施しましょう。
3. 調剤報酬改定のポイント【2022年最新版】
この章では、2022年度における調剤報酬改定のポイントを見ましょう。ポイントは下記です。
- 薬局の機能や効率性に応じた評価の見直し
- 在宅業務の促進
- ICT(情報通信技術)の活用
- 薬局薬剤師業務の対物中心から対人中心への転換の推進
④は、「患者のための薬局ビジョン(2015年)」からきており、評価体系の見直しや対人業務における評価を広げることが表示されています。
4. 調剤報酬改定による主な変更点
この章では、調剤報酬改定による主な変更点を見ましょう。
調剤報酬改定による変更点は、日本薬剤師会が提供している「令和4年度調剤報酬改定等に関する資料」にて明確に記載されています。
リフィル処方箋の導入
医師の処方により、医師や薬剤師における適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復して利用できるリフィル処方箋の仕組みが導入されました。医師が、リフィルでの処方が可能と判断した際は、上限を3回として処方箋の反復利用ができます。
薬剤師は継続する薬学管理における指導のため、同一薬局で調剤を受けるべきことを患者へ伝えなければなりません。患者の服薬状況などからリフィル処方箋は不適切と判断したら、医療機関への受診を勧め、医師へ迅速に情報を提供します。
また、総使用回数の調剤が終わった場合には、リフィル処方箋を「調剤済み処方箋」として保管することも定められています。
この導入により、患者は少量の薬を複数回に分けて受け取るため、薬局の来局数が増加する見込みです。薬剤師は治療経過中における患者の体調変化や服薬状況などを観察し、必要に応じて医師へフィードバックしなければなりません。今までよりも、薬学的な判断や医療機関との連携が必要でしょう。
調剤料の廃止と薬剤調製料の新設
調剤料は、調剤報酬改定により廃止となりました。「薬剤調製料」が新しく設置され、薬剤師業務を対物評価、対人評価に細分化した評価システムとなっています。
対物業務(薬剤の取りそろえ・監査業務など)は、「薬剤調整料」として価値を判断されます。
また、他にも下記のような項目で加算点数の見直しがされています。
- 後発医薬品調剤体制加算
- 調剤基本料
- 特別調剤基本料
- 地域支援体制加算
さらには「連携強化加算」が新設され、災害や感染症が発生した際に役割を果たせる体制を整えることで、2点が加算されるようになっています。
薬剤服用歴管理指導料から調剤管理料・服薬管理指導料へ変更
薬剤服用歴管理指導料も、調剤報酬改定により廃止となり、調剤管理料・服薬管理指導料へ変更となりました。患者における情報などの分析や評価、調剤設計、調剤録などの対人業務は「調剤管理料」として評価されます。
服薬管理指導料は、「患者における薬剤使用の状況などを継続的かつ的確に把握し必要な指導などを実施する」といった算定要件がプラスされました。服薬期間中のフォローアップがより重要となり、今までの薬局業務に加えて次回診察までの患者のフォロー、医師への情報提供などのサポートが必要になります。
また、薬学管理料の中では、他にも下記のような評価の見直しがされました。
- 外来服薬支援料
- 調剤後薬剤管理指導加算
- 服薬情報等提供料
- 服薬情報等提供料
- 服用薬剤調整支援料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急時等共同指導料
さらには、下記のような評価の新設もされています。
- 調剤管理加算
- 小児特定加算
- 服薬管理指導料の特例
詳細点数はいづれも「令和4年度調剤報酬改定等に関する資料」にて確認可能となります。
5. 調剤報酬改定がもたらす薬局への影響・注意点
この章では、調剤報酬改定がもたらす薬局への影響・注意点を見ましょう。社会の変化や国の方針に基づき、薬局の役割、薬局薬剤師の業務が2022年度の調剤報酬改定で再検討されました。今までの改定を掘り下げた内容で、押さえるポイントも多いです。
特にリフィル処方箋の導入は、薬剤師の業務を大幅に変えるきっかけとなるでしょう。今後、薬剤師の対人業務を充実させるためにも、電子薬歴、全自動分包機などの調剤システム、積極的なICTの活用などで薬剤師の業務を効率化させなければなりません。
これからの薬局のあり方も示されているので、改めて日々の業務を見直してみましょう。自身のキャリアを考えるためにも、見直しは重要といえます。
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6. 調剤報酬改定の変更点とポイントまとめ
この記事では、調剤報酬改定の変更点や対策、薬局経営への影響などを解説しました。調剤報酬改定は定期的に行われているので、まずは内容をしっかりと理解して、どのような影響を受けるのかを知っておく必要があります。
調剤報酬改定による影響が大きい場合は、M&Aを活用する方法も有効です。
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