2022年06月23日更新
金属製品・材料卸売のM&A・事業承継!【売却相場/譲渡事例あり】
金属製品卸売・金属材料卸売業界における譲渡・売却などのM&A・事業承継事情について調査しました。この記事では、鉄鋼や金属製品卸売・金属材料卸売業界のM&A・事業承継動向や、売却・譲渡事例、売却・譲渡の相場などを説明します。
目次
1. 金属製品・材料卸売のM&A・事業承継・譲渡・売却
金属製品・材料卸売とは
金属製品卸売・金属材料卸売とは、文字どおり、金属製品や金属材料の卸売業です。
金属製品卸売・金属材料卸売業界は、ブリキや亜鉛鉄板などを扱う鉄鋼一時製品卸売業、鍛鋼・鋳鋼製品を取り扱う鉄鋼粗製品卸売業、その他の鉄鋼製品卸売業に分類できます。
鉄鋼業とは
金属製品卸売・金属材料卸売業界は、「鉄鋼業界」と一括りに表現できます。鉄鋼業とは、鉄を加工して作った製品を、建築・家電・自動車などの業界に提供するのを主な仕事とする業界です。
鉄鋼業界では、商社や各原料メーカー(高炉メーカー、鋳鍛鋼メーカーなど)から材料を仕入れ、自動車メーカーや建設業界などの要望に適した鉄鋼を作り、販売しています。
金属製品・材料卸売業の現状
金属製品・材料卸売業の市場規模は拡大しているものの、海外企業保有している技術や費用面での優位性が高まっている理由から取り巻く経営環境は厳しい状況が増えています。
IT化により、企業の生産性や競争力を高める動きが活発となっています。今後、海外企業との競争により、国内の金属製品・材料卸売業が生き残っていくためには、IT化を重要視されるでしょう。メインの取引先である自動車・電機業界でも海外進出を図っている企業も多く、費用面を理由に現地での材料調達を行う動きも活発です。
金属製品・材料卸売業は、取引き終了や取引量の減少などにより、経営状況が大きく悪化する可能性も高いでしょう。したがって、先にも述べたIT化の他にも取引先の要望に沿った幅広い対応が必要となります。
短納期納品や多品種小ロット生産などの対応、技術やノウハウの確立など、付加価値のある製品やサービスを提供するのが有効な戦略となっていくでしょう。
M&Aとは
M&Aとは「Mergers & Acquisitions」の略で、企業の合併(Mergers)・買収(Acquisitions)を意味しています。事業譲渡や株式譲渡、会社分割や吸収合併などが主たるM&Aの手法とされていますが、企業同士の資本提携なども広義のM&Aといえるでしょう。
買収側・売却側それぞれの企業は、以下のようなメリットを獲得するためにM&Aを実施します。
【M&Aによる買収側のメリット】
- 事業規模を拡大できる
- 新規事業に参入しやすくなる
- 優秀な人材を確保できる
- 経営をより効率化できる
【M&Aによる売却・譲渡側のメリット】
- 後継者問題を解消できる
- 創業者利益を獲得できる
- 従業員の雇用を確保できる
事業譲渡・売却とは
事業譲渡・事業売却とは、運営している事業を第三者に譲渡・売却する取引です。会社組織は売却対象ではなく、事業およびそれに付随する資産や権利などを選別して譲渡・売却契約を締結します。
事業譲渡・売却は、ノンコア事業を売却してコア事業に経営資源を集中させるといった経営の効率化(事業の選択と集中)を主な目的として実施されるケースが多いです。
株式譲渡(会社売却)とは
株式譲渡とは、会社の株式を売却して、その経営権を相手に譲渡する取引をさします。つまり、会社を丸ごと買い手に売却する取引です。会社の株主が変わるだけともいえるため、外から見れば会社そのものは従来と全く変わらず運営できます。
事業承継とは
事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐ取引です。高齢による経営者の引退の際に、事業承継が実施されます。
事業承継は「誰が後継者になるのか」の違いによって分類があり、それは、親族内事業承継・社内事業承継・M&Aによる事業承継の3種類です。
親族内事業承継
親族内事業承継は、会社経営者の親族に当たる人物を後継者として行われる事業承継を意味します。例えば、高齢となった経営者が自分の息子に会社の事業を引き継ぐ場合は、親族内事業承継です。
日本では、以前は親族内事業承継が主流でしたが、近年ではその割合は減少しています。
社内事業承継
社内事業承継とは、会社の役員または従業員を後継者とする事業承継です。
以前から会社で働いている人物に事業を引き継ぐため、「後継者としての素質を判断しやすい」「引継ぎがしやすい」「事業承継後もスムーズな会社経営が期待できる」といったメリットがあります。
ただし、後継者は親族ではないため、経営者の地位を得るには株式を買い取る必要があり、その資金は誰でも有するものではないため、人物としては適任であっても後継者となるのを断念するケースも少なくありません。
M&Aによる事業承継
M&Aによる事業承継とは、会社と関わりのない外部の人間、つまり第三者にM&Aで会社を売却する取引で後継者とする事業承継をいい、近年はM&Aによる事業承継の需要が高まっています。
その理由としては、中小企業経営者の高齢化と少子化による後継者不足が相まって、事業承継したくてもできない企業が増えているのが主たる原因です。
そこで、M&Aで会社・事業を譲渡・売却し、その買い手が新たな経営者となって事業承継を実現する事例が増えています。
2. 金属製品・材料卸売のM&A・事業承継の際に仲介会社を選ぶポイント
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継を成功させるためには、M&A仲介会社の利用がおすすめです。
この項では、金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継時に利用する仲介会社を選ぶポイントを解説します。
【金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継時に利用する仲介会社を選ぶポイント】
- 過去に同規模の案件を経験した実績がある
- 金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A実績を持っている
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応・相性
①過去に同規模の案件を経験した実績がある
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継を任せる仲介会社を選ぶ際には、「過去に同規模の案件を経験した実績があるか」をしっかり確認するようにしましょう。
M&A仲介会社は非常にたくさん存在しますが、会社ごとに得意とする案件規模が異なるものです。
上場企業などの大手企業を対象としたM&A・譲渡・売却を得意とするところがあれば、中小企業を対象とした仲介会社もあります。
したがって、あらかじめ仲介会社のホームページなどを確認して、自社と同等規模のM&A・譲渡・売却実績があるかを確認しましょう。
②金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A実績を持っている
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・譲渡・売却を成功させるためには、「金属製品卸売・金属材料卸売(鉄鋼業界)会社のM&A実績を持っている」仲介会社を選ぶのが大切です。
仲介会社のM&A・譲渡・売却実績を確認して、過去に金属製品卸売・金属材料卸売会社の案件を扱っているか確かめてみましょう。同じ鉄鋼業界のM&A・売却・譲渡の仲介業務を成約させている仲介会社であれば、安心して任せられるといえます。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
利用を検討している仲介会社が、「M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている」のも非常に大切です。
M&A・事業承継・会社売却・事業譲渡をスムーズに進めるためには、M&Aに関する幅広い知識や経験が求められます。
仮に金属製品卸売・金属材料卸売業界の情報に精通していても、M&Aに関する知識が足りなければ、不利益な交渉が進められたり、M&A・事業承継・会社売却・事業譲渡が行われた後にトラブルが発生したりするリスクが高まってしまうからです。
利用を検討しているM&A仲介会社に専門的知識を有したスタッフが在籍しているのかどうかも、しっかりチェックしましょう。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継を行う際は、手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい仲介会社を選ぶのも重要なポイントです。
M&A仲介会社は、それぞれ設定している手数料・報酬体系が異なるため、手数料設定が高い仲介会社を利用してしまうと、想定以上のコストがかかることもあり得ます。
報酬体系がわかりづらい場合は、想定していなかった費用が発生するなどして、トラブルになるかもしれません。
⑤担当スタッフの対応・相性
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・事業承継・売却・譲渡をスムーズに進めるためには、担当スタッフの対応・相性も重要です。
M&A・事業承継・売却・譲渡では、自社の情報を開示する必要があり、経営者としての思いや意思を伝えたいと考える場面も少なくありません。
したがって、長いつき合いができる・信頼できるスタッフが在籍している仲介会社であれば、相談事や考えを伝えやすくなるので、結果としてスムーズにM&Aを進められます。
3. 金属製品・材料卸売のM&A・事業承継の業界動向
金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A・売却・譲渡を成功させるためには、金属製品卸売・金属材料卸売業界の動向をしっかりと理解しておくのが必要です。
この項では、金属製品卸売・金属材料卸売業界におけるM&A・事業承継動向を詳しく解説します。
【金属製品卸売・金属材料卸売業界の動向】
- 大手・中堅がグループを形成し効率化を図りつつある
- 需要を求めて新規地域への規模拡大も増加傾向
- 関連業種からの参入も増えている
①大手・中堅がグループを形成し効率化を図りつつある
金属製品卸売・金属材料卸売業界(鉄鋼業界)では、国内市場がやや縮小傾向にあり、大手企業・中堅企業はグループを形成し、事業の効率化を図ろうとする動きが見られます。
金属製品卸売・金属材料卸売業界自体の再編が進んでいるので、今後もM&A・売却・譲渡が活発に進められる予測です。
②需要を求めて新規地域への規模拡大も増加傾向
金属製品卸売・金属材料卸売業界(鉄鋼業界)の国内需要が縮小傾向にあるため、需要を求めて新規地域として海外への規模拡大が増加傾向です。
具体的には、M&Aによる海外の金属製品卸売・金属材料卸売会社の買収や合併が積極的に進められています。
③関連業種からの参入も増えている
近年、金属製品卸売・金属材料卸売業界(鉄鋼業界)では、関連業種から参入する企業が増えています。
特にシナジー効果の創出・新規事業開拓を目的に、関連業種が金属製品卸売・金属材料卸売会社を買収する事例が増加中です。
4. 金属製品・材料卸売のM&A・事業承継の売却相場
金属製品卸売・金属材料卸売業界のM&A・事業承継を検討されている場合には、金属製品卸売・金属材料卸売会社の譲渡・売却相場が気になっている方もいるのではないでしょうか。
実のところ、金属製品卸売・金属材料卸売業界に関わらず、M&Aにおける売却・譲渡の相場価格を把握するのは非常に難しいといわざるを得ません。
なぜならば、M&A・事業承継の対象会社の規模・保有資産・強みなどによって、売却・譲渡価格は大きく変動するからです。
それでも、「自分たちの金属製品卸売・金属材料卸売会社を売却・譲渡した際にどのくらいの価格になるか」気になるケースもあるかもしれません。
そのような場合は、自社と同等規模の金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A事例を確認するとよいでしょう。
同規模の会社の売却・譲渡事例をチェックして、ある程度の売却・譲渡相場価格を把握できるはずです。
5. 金属製品・材料卸売のM&A・事業承継の譲渡事例
ここでは、金属製品卸売・金属材料卸売会社のM&A事例を紹介します。どのような金属製品卸売・金属材料卸売会社が売却・譲渡されているのか、売却・譲渡にかかる詳細を見ていきましょう。
【金属製品卸売・金属材料卸売業界のM&A・事業承継事例】
- 古河機械金属による山石金属のM&A
- 古河電気工業とアイデミーによる資本業務提携
- きんでんによるフジクラのM&A
- アミタHDと大平洋金属による資本業務提携
- 三和HDの米国子会社によるWon-DoorのM&A
- 小野建による森田鋼材のM&A
- 新日鐵住金による山陽特殊製鋼のM&A
- 共英製鋼によるVietnam Italy Steel Joint Stock CompanyのM&A
- 新日鐵住金による日新製鋼のM&A
- 伊藤忠丸紅鉄鋼によるStrait-FlexのM&A
- 伊藤忠丸紅鉄鋼によるMSSステンレスセンター事業のM&A
①古河機械金属による山石金属のM&A
古河機械金属は、もともと宇部興産の子会社であった山石金属の全株式を2021年7月に取得して、子会社化するのに成功しました。
古河機械金属は、2025年のビジョン達成のための方針の1つを定めていて、機械事業の持続的拡大を掲げています。この方針に沿って、2015年からさまざまな取り組みを継続して行ってきました。
今回M&Aによって、古河機械金属は、山石金属の金属粉の取扱い技術・ノウハウを自社に取り込みます。それによって、古河機械金属で保有している成形技術、焼結技術、熱処理技術などを中心とした粉末冶金(やきん)技術の展開を強化して、優れた耐摺動性(たいしゅうどうせい)・耐衝撃性・高熱伝導性などをもった基幹部品・部材の創出を目指しています。
②古河電気工業とアイデミーによる資本業務提携
古河電気工業とアイデミーは、2021年6月に資本業務提携を締結するのに成功しました。アイデミーは、AIを中心としながらDX人材を育成するためのラーニングプラットフォームである「Aidemy Business Cloud」、これに加えて、プロジェクトの企画から運用までを一気通貫で支援する“プロジェクト伴走型”支援サービス「Modeloy」を提供するなど、企業のDX推進を支援している会社です。
この資本業務提携によって、古河電工はアイデミーが提供している「Aidemy Business Cloud」を全社で導入を進め、DX人材の育成を推進しながら、「Modeloy」によるAI/機械学習システムの共同開発および共創によって、新規事業探索を含むさらなる事業発展を目指しています。
③きんでんによるフジクラのM&A
きんでんは、2021年6月に、フジクラエンジニアリングの発行済株式の全てを取得しました。これによって、フジクラエンジニアリングはきんでんの子会社となっています。
もともと、フジクラエンジニアリングの発行済株式の全てを所有していたのは「フジクラ」でした。フジクラとの間で株式譲渡契約を締結してM&Aを行いました。つまり、株式譲渡によるM&Aの成功事例です。この契約によって、フジクラエンジニアリングはきんでん傘下の企業となっています。
今後成長が期待される再生可能エネルギー関連工事市場や、次世代 情報通信関連工事市場において、きんでんが保有する経営資源とフジクラエンジニアリングが保有する経営資源を活用して、さらなる成長を目指しています。
④アミタHDと大平洋金属による資本業務提携
2021年4月、アミタHDは大平洋金属と資本業務提携契約を結びました。
アミタHDと大平洋金属は、もともと似たような事業を展開していて、両社が有する経営資源やノウハウをお互いにも持ちよってシナジーを創出し、両者の企業価値を最大化するのを目的として、資本業務提携に至っています。
金属製品・材料卸売市場におけるお互いの企業の競争力を高めるために、資本業務提携契約を結んだ事例です。
⑤三和HDの米国子会社によるWon-DoorのM&A
三和HDは、米国の子会社であるオーバーヘッドドアが、米ドア製造大手のWon-Doorを買収したのを2021年4月に発表しました。買収金額は不明です。
もともと、オーバーヘッドドアは、住宅のガレージ用ドアや商業施設のドアなどを製造販売していて、全米に販売ネットワークを持っています。今回の買収によって、両社が持つ技術力と販売力を組み合わせ、シナジー効果を発揮するのが期待されています。
⑥小野建による森田鋼材のM&A
2019(令和元)年10月、鉄鋼・建材商社である小野建は、京阪神エリアで鉄筋コンクリート用異形棒鋼の加工・販売を行う森田鋼材の全株式を取得し、完全子会社化しました。取得額は公表されていません。
小野建としては、技術力・ノウハウ・京阪神方面の顧客基盤を得て事業拡大・競争力強化につながると判断し、M&Aを行っています。
⑦新日鐵住金による山陽特殊製鋼のM&A
2019年3月、鉄鋼メーカーの新日鐵住金は、山陽特殊製鋼を株式取得によって子会社化しました。株式取得価額は672億3,500万円です。
新日鐵住金は、効率的な生産・双方のネットワーク活用・シナジー効果の創出などを目的に、このM&Aを実施しました。
⑧共英製鋼によるVietnam Italy Steel Joint Stock CompanyのM&A
2018(平成30)年5月、金属製品卸売・金属材料卸売をはじめ、幅広く鉄鋼事業を展開する共英製鋼は、ベトナムで鉄鋼製造・販売事業を行うVietnam Italy Steel Joint Stock Companyを株式取得によって子会社化しました。取得価額は55億200万円と発表されています。
従来、共英製鋼は、2017(平成29)年11月に同社に資本参加していましたが、今回の株式取得で株式保有率を65%とさせ子会社化となったものです。そして、2018年8月には、同社の株式を7億800万円で追加取得し、株式保有率を71.7%まで高めました。
共英製鋼は、ベトナム拠点でのシナジー効果創出や、ベトナム市場でのシェア拡大を目的として、このM&Aを実施しています。
⑨新日鐵住金による日新製鋼のM&A
2017(平成29)年3月、新日鐵住金は、同じ鉄鋼メーカーである日新製鋼を普通株式の公開買付けによって子会社化しました。なお、買付代金は759億7,200万6千円と発表されています。
このM&Aは、両者が保有する経営資源を生かしたシナジー効果の創出を目的に実施されました。
⑩伊藤忠丸紅鉄鋼によるStrait-FlexのM&A
2017年2月、金属製品卸売・金属材料卸売や、鉄鋼関連業界への投資などを行う伊藤忠丸紅鉄鋼は、米国の関連会社を通じて、米国の建材会社Strait-Flexを買収しました。なお、買収価額は非公表です。
このM&Aにより、伊藤忠丸紅鉄鋼は製品ラインアップの拡充・収益基盤の拡大を図るとしています。
⑪伊藤忠丸紅鉄鋼によるMSSステンレスセンター事業のM&A
2017年1月、伊藤忠丸紅鉄鋼は、ステンレス鋼材の加工・販売を手掛けるMSSステンレスセンターの新潟支社の全事業を分割買収しました。なお、買収額は公表されていません。
このM&Aにおける伊藤忠丸紅鉄鋼の目的は、東日本地域における加工力の強化および新潟地区でのステンレス事業の拡大です。なお、該当の支社は、山文ステンレスの新会社になっています。
6. 金属製品・材料卸売のM&Aフロー
金属製品・材料卸売業界でM&Aを実施する場合、基本的に以下のフローで実施されます。業種・案件規模・地域など幅広い選択肢から自社に合ったM&Aの相手先を見つけるのが大切です。M&Aがスムーズに進められるよう、事前に一連の流れを理解しましょう。
事前準備
M&Aをしようとする場合、まずは事前準備をしましょう。まずは、M&Aの目標設定、戦略策定を実施します。事前準備は、M&Aのなかでも非常に重要となるプロセスの一つです。
M&Aの方向性や目標などが明確でないと、M&Aを実施してもシナジー効果が得られなかったり、費やしたコストや時間が無駄となったりする可能性があります。
M&A仲介会社への相談
M&Aは、専門的な知識が求められます。相手企業探しや交渉など複雑な手続きをこなす必要があり、間違った進め方をしてしまうと、適切な相手が見つからず時間が無駄になってしまうおそれがあるでしょう。したがって、M&Aを行う際にはM&A仲介会社など、第三者の専門家の協力を得ながら進めるのがおすすめです。
M&Aの目的や予算に応じて、M&A仲介会社を選びましょう。
マッチング
M&A仲介会社と契約後、協力を得ながらマッチングを行います。M&A仲介会社が売り手と買い手を仲介し、希望や条件に合った企業をマッチングします。
具体的な流れとして、M&Aを検討している企業は、希望する条件を添えてM&A仲介会社に登録を行うでしょう。そして、M&Aの目的や想定されるシナジー効果などを基に、選定を実施します。M&A仲介会社は、買い手・売り手の条件を照らし合わせてマッチングを行い、候補先を紹介するのです。
マッチングサイトを利用するケースでは、掲載されている案件からM&Aを実施したい相手企業を探し、交渉の打診を行うのが一般的です。
秘密保持契約書の締結
M&Aでは、はじめに匿名の情報を基にM&Aの交渉を進めるかを検討します。M&A仲介会社が、売り手の情報が記載されたノンネームシートを買い手に提示するのです。買い手が具体的に進行する決意を固めた場合、秘密保持契約書を締結します。
M&Aの実行自体が秘密情報となります。一般的に秘密保持契約書は相互に締結しますが、M&Aの場合は売り手側が秘密保持契約を買い手側に科す必要性が高いでしょう。秘密保持契約書を締結後は、売り手の具体的な情報が記載された資料が買い手側に渡されます。
トップ面談
情報開示を終えたら、M&Aのプロセスにおけるトップ面談が行われます。
トップ面談では、売り手と買い手の経営者同士が顔を合わせて、企業文化や価値観、経営理念を確認します。相互のビジネスへの理解を深め、疑問点を解消するのが目的です。企業価値算定やM&Aスキームの検討なども行い、買い手は意向表明書を提示し、売り手と具体的な条件交渉を進めます。
基本合意書の締結
基本的に売り手と買い手の間で交渉がまとまったら、合意してきた内容の整理を行い、基本合意書を締結します。基本合意書は、事前にM&A仲介会社などの専門家を交えて決定した内容・取引条件が記載されます。
基本的な条件などの部分は、後々変更できるように法的拘束力を持たせないのが一般的でしょう。買い手の要望次第では、独占交渉権を付与する旨の項目が加えられるケースもあります。
デューデリジェンス
基本合意書を締結後、買い手は売り手に対しデューデリジェンスを実施します。買い手は売り手の調査を行い、問題点の有無や自社との違い、事業の状況などを把握し、適切に評価していくのです。デューデリジェンスによって、売り手が抱えるリスクや買収金額の修正、最終的なM&A実行可否の判断が可能です。
デューデリジェンスは法務や税務、法務などを調査するため、公認会計士や税理士、弁護士などの専門家にサポートを依頼するのがベストです。
最終交渉・M&A契約の締結
デューデリジェンスの完了後、最終的な条件の交渉を実施します。
条件交渉で売り手と買い手双方の合意が完了したら、最終契約書を締結するのです。最終契約書は、合意した内容を盛り込む契約書であり、取引対象物、表明保証、契約事項、補償条項、クロージングの前提条件などが記載されます。最終契約書は、基本合意書と異なり、法的拘束力を持たせるのが通常です。
クロージング・PMI
最終契約書を締結したら、M&Aスキームと契約内容に応じて、クロージングを実施します。具体的には、株式の引き渡し、対価の支払い、株主名簿の名義書換などが実行されるのです。
クロージングが完了したら、PMI(経営統合作業) を行います。短期的見直しを遂行しつつ、中長期的な統合計画が策定され、経営統合へ進むでしょう。つまり、買収後のPMIの作業こそが、M&Aの本番といえるでしょう。これで金属製品・材料卸売のM&Aフローは完了です。
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