2024年03月30日更新
経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由18選!売却側、買収側それぞれの理由を紹介
経営者が行う会社売却の理由をまとめました。株式譲渡や事業譲渡などのM&Aを用いた事業承継をはじめ、会社売却の実例と理由を取り上げています。「後継者がいない」「不採算事業を切り離したい」など、問題を抱えている経営者に向けた内容です。
目次
1. M&A・会社売却する理由とは
経営者がM&Aを通じて会社売却を行う理由は、大きく2つに分けられます。1つは、経営者自身の問題です。高齢による体力の衰え、病気、リタイア後の生活を望む、遠隔地への移住などの理由です。
2つ目の理由は、会社の存続と雇用の継続を望むことです。利益の得られる会社であり続けるために、後継者を第三者に譲る・グループ企業の傘下に入る・出資を受けるなどを通じて、業績を保ちながら会社と働く社員の職が守られる対策を講じる経営者は少なくありません。
株式譲渡・事業譲渡による事業承継を実行する
会社売却の手法には、会社そのものを売却する株式譲渡や一部の事業を切り離す事業譲渡などがあります。株式譲渡の大きな特徴は、手続きが簡単で株式の売却益を得られる点です。
これに対して、事業譲渡では、一部の事業のみを売却するため、法人格は残せます。事業譲渡は、不採算部門を切り離して経営の立て直しを図る「事業の選択と集中」を目的に活用するケースが多いでしょう。
会社売却の具体的な理由は?
ここでは、会社売却を行う具体的な理由を紹介します。これから事業承継を考えている方は、自分の境遇と当てはまる理由を探してみてください。取り上げた理由を参考に、実行に移すかどうかの判断材料に加えてみましょう。
2. 経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由(売却側)
本章では、経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する代表的な理由を、売却側の立場からピックアップし順番に解説します。
①後継者の不在
M&A・会社売却・事業譲渡を行う理由の1つに、後継者の不在が挙げられます。後任の人物が親族や役員・社員に見当たらないケースも少なくありません。その場合、株式譲渡や事業譲渡などのM&Aを行って、会社・事業の経営権を譲り渡します。
近年の傾向は社外の第三者に事業承継
中小企業庁の「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第1回)」によれば、経営を引き継いだ人物のうち、約4割が社外の者でした(経営が譲渡されてから0〜5年未満の経営者を対象)。
「親族の自由を尊重する」「経営者としての能力が不十分」などの理由から、経営権を社外の第三者へ譲っています。
参考:中小企業庁「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第1回)」
②引退後の生活費に充てる
M&Aによる事業承継を行う理由には、引退後の生活費を工面することも挙げられます。後継者が見当たらない場合、事業の継続には倒産などの危険が高まるためです。そこで、株式譲渡などの事業承継により、会社売却を実行し第三者へと会社を譲り渡します。
経営者は、売却した利益を得て引退後の生活に備えます。
中核事業のみの事業承継もある
経営負担を減らすために実施されるのが、ノンコア事業を残した事業承継です。適切な後継者が見つからなければ、M&Aの事業譲渡を利用した中核事業の売却を実行します。
収益が見込めるうちに中核事業を売却し、高齢でも続けられる事業だけを継続することで、身体的・精神的な負担を減らしつつ事業承継後の生活を維持できます。
③高齢による健康の問題
M&A・会社売却・事業譲渡による事業承継では、年齢や健康を理由とするケースも少なくありません。経営に目を光らせるだけの体力・気力が減退すると、経営を維持することが難しくなります。
高齢と健康を理由に、株式譲渡・事業譲渡などのM&Aで会社売却を行い、後継者に事業承継しています。
事業承継は買い手にとっては魅力的
高齢を理由にした会社売却では、早期の引退と同じく、会社の業績が保たれていることを条件とします。経営が順調に行われていれば、買い手は喜んで株式譲渡・事業譲渡で会社を買収することが想定されます。設備・人材・許認可などをそのまま引き継いでもらえるでしょう。高齢を理由とする会社売却は、新しい分野へ参入を考える企業にとって魅力的なM&Aです。
④早期リタイア
早期リタイア(アーリーリタイア)も、M&Aで会社売却・事業譲渡、後継者に事業承継を行う理由の1つです。会社を引っ張ってきた経営者の中には、先行きに不安を感じたり、気力が受けたりといった、モチベーションの低下が見られる場合もあります。40代・50代の若さで会社売却や事業譲渡を実施し、経営から退くケースもあるでしょう。
第二の人生を送るために、会社売却に踏み切る
リタイア生活を強く望むことも、会社売却に踏み切る理由に挙げられます。早い時期に引退をして第二の人生を満喫するために、M&Aを利用した事業承継を行います。もちろん、この場合のM&Aでは会社の業績が維持されていることが条件です。
業績が安定していれば、買い手が現れて会社売却が望めるため、成長途中に売却を決める経営者も少なくありません。
⑤転居
M&Aによる会社売却では、転居を理由とするケースがあります。海外への移住を希望する場合、経営のすべてを把握することが難しくなるのは明らかです。したがって、経営を任せられる同業者などへ会社売却による事業承継を実行しています。
買収先には、事業譲渡後も社員の雇用を継続してもらえる会社が選ばれるのが通例です。
⑥取引先との関係継続・雇用の維持
M&Aを利用した事業承継を選ぶことは、取引先との関係や社員の雇用が継続されることが理由です。経営権が移る株式譲渡を行った場合、取引先との契約は継続されます。社員の雇用に関わる変化は少ないため、株式譲渡を行っても社員が解雇される事態を避けられるでしょう。
株式譲渡を選ぶ理由には、個人保証からの解放もある
「新しい事業を始めたい」「債務の返済による資産の減少を避けたい」などの理由で、株式譲渡による事業承継を選ぶケースも見られます。株式譲渡を用いると会社の債務は買い手に引き継がれるため、経営者個人に課せられた債務の連帯保証を外すことが可能です。
株式譲渡後に、保証人を書き換える手続きを踏めば、先代の経営者は返済の心配から解放されます。
⑦新ビジネスのための会社売却
M&Aで会社売却を行うのは、資金の調達も大きな理由です。業績が良好なタイミングで会社を売りに出せば、高い売却益が得られます。経営者の中には会社が大きくなる前に手放して資金獲得を狙い、得られた売却益を元手に新ビジネスを始める人もいます。
会社の立ち上げに魅力を感じるシリアルアントレプレナーの存在
経営者の中には、会社の立ち上げから利益を上げるまでの期間にわたり会社経営に携わる場合があります。これは、シリアルアントレプレナー(serial entrepreneur)と呼ばれる人たちです。
シリアル「連続する」、アントレプレナーは「起業家」を意味する言葉であり、このような経営者は、市場を開拓し安定した業績を出すと会社を売却・譲渡します。得られた売却益を元手に、次のビジネスを始めるスタイルを取っています。
⑧別事業へのシフト
M&Aで事業譲渡を行う理由には、別事業への路線変更も挙げられます。第三者へ事業承継を行い、自社で新しい分野・事業に取り組むためです。別事業へシフトをする理由は、競争の激化や業界の先行きが読めないこと、働き手の不足、後継者不在などが背景にあります。
シリアルアントレプレナーとの違い
別事業へのシフトをもくろむ経営者は、会社に留まって新事業を立ち上げます。これは、会社売却を行い別の会社を立ち上げて新規事業に取り組む、シリアルアントレプレナーとは一線を画すものです。
ただし、事業譲渡や会社売却により新事業のための利益を得る点に変わりはありません。どちらも売却益をもとに、新しい事業を始めます。
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⑨会社を存続させるため
M&Aによる事業承継を選ぶ理由の1つは、経営者が引退した後も会社を存続させるためです。業界の先行きが不透明であると、経営維持には不安が募ります。
そこで、資本力のある大企業や、成長が見込めるベンチャーなどに会社売却を提案して事業承継が成立すれば、買い手企業の力を借りられるため会社の存続が期待できます。
⑩会社を成長させるため
M&Aで会社売却や事業譲渡を望む理由には、会社を発展させることも挙げられます。自社だけでは事業が行き詰まり、存続が危ぶまれるケースもゼロではありません。そこで、買い手企業の傘下に入ることで業績を維持し、会社のさらなる成長を期待します。
会社売却により価値のある技術力が生かせる
中小企業の中には、技術力があっても資本が不足している会社が存在します。そのような会社が大手企業グループの一員に加われれば、埋もれてしまう技術をいかんなく発揮できるでしょう。
上記を企図して経営者が会社売却を選択するケースも多く、株式譲渡などを行い自社の発展を目指します。
会社売却でシナジー効果を期待する
経営者は、会社売却によりシナジー効果が生まれることを望みます。業績を上げるには、提供する商品・サービスを求める企業・顧客へ届けなくてはいけません。これを実現するための経営戦略として、会社売却を行い自社の弱点補完を目指します。
これは売却先企業との相乗効果を期待しての経営戦略です。企業・顧客をつなぐパイプ役や商品・サービスの販売力などを手に入れれば、業績アップの実現も不可能ではありません。
⑪不採算事業の切り離し
M&Aによって事業譲渡をする理由には、採算の取れない事業を売却することも挙げられます。中小企業は大企業のような資本を持ち合わせていないため、不採算事業を抱えていれば倒産の危機に瀕してしまいます。
しかし、不採算部門の事業譲渡を行うことで、成長が見込めて利益を得られる事業に経営資源を集中させられるでしょう。
事業譲渡ではノンコア事業の切り離しも行われている
M&Aによる事業譲渡では、利益の少ないノンコア事業(非中核事業)を売却するケースも少なくありません。ノンコア事業に回していた資金・設備・人材をコア事業に集中させることで経営の立て直しを図ります。
コア事業に資本が集中されれば必然的に資本効率は上昇するため、業績改善が見込めるでしょう。
⑫資金の調達
M&Aを通じた事業承継では、資金繰りを理由とした事業譲渡も行われています。会社を存続させつつ事業の一部を売却するケースです。設備投資や事業の拡大などで資金が不足した場合、所有する事業を同業者などへ売却します。
資金繰りが間に合えば安定した経営に戻せるため、倒産を回避可能です。
出資による資金繰りの解消
経営危機に陥った会社では、第三者割当増資によって資金を得ることもあります。新株を発行して、買い手企業に株を買ってもらう同業者や取引先などから出資を得ます。同業者などは経営権取得により発言を強めることで、自社の利益を高められるでしょう。
大口の株主となれば関係強化も可能なため、売り手と買い手の双方に利益があるM&Aスキーム(手法)です。
⑬開発に必要な資金を得るため
M&Aを利用した第三者割当増資を行う理由には、開発資金の確保もあります。増資によって新たな資金を得られるため、開発に必要な費用が調達可能です。ただし、第三者割当増資の実施には、持ち株比率変動が伴います。
経営権が増資側企業に移ってしまっては元も子もないため、新株発行数には留意しましょう。
⑭企業再生
M&Aを通じた会社売却を行う理由は、企業の再生です。赤字が続いていて資金調達が困難になった場合、株式譲渡などを行って企業の再生を図ります。ただし、買収を行う企業は、業績の回復が見込めると判断を下してから会社売却に応じます。
したがって、会社売却が成立するには、事業のテコ入れをすれば収益を上げられる会社でなければなりません。
同業者に会社売却を行う
ライバル企業は、売り手企業のノウハウを欲しています。M&Aによる経営統合や買収を通じて、不足している技術・ノウハウ・経営手法などを取得・共有することで、事業の拡大や業績アップを目指します。
ただし、合併を行えば、売り手企業の法人格は消えてしまうでしょう。株式譲渡であれば、売り手企業は存続し、買い手企業の子会社となります。M&Aを利用した企業再生では、経営維持に加えて、合併・買収後の変化も含めて想定しておきましょう。
⑮代理の経営に限界を感じたため
経営者がM&A・会社売却を希望する理由には、代理による経営の行き詰まりも挙げられます。例えば、死別した夫の代理で、妻が経営者を務めているケースです。経営に疎い人物が代表を務めているため、業績が伸び悩んだり低下したりと不振が続いてしまいます。
そこで、第三者に経営を任せる道を選択し、株式譲渡などの事業承継を用いて同業者などに会社売却を行います。
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会社売却・事業譲渡を経営者様個人のみで実施するのは非常に手間がかかります。専門的な知識を必要とするシーンも多く、望んでM&Aを行ったのにもかかわらず、満足いく結果を得られないケースもあるでしょう。
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3. 経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由(買収側)
続いて、経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由を、買収側の立場から3つピックアップし、順番に解説します。
①新規事業への参入
M&Aを通じた会社売却・事業譲渡における買収側でも、魅力的なメリットが期待できます。例えば、新規事業への参入を考えている企業では、M&Aにより買収することで、ゼロから新規事業を立ち上げるケースと比べてリスクやコストを抑えられます。すでに軌道に乗っている事業の技術・ノウハウ・販路・人材をまとめて吸収できるでしょう。
②既存事業の強化
自社事業とのシナジーが見込める会社・事業を買収することで、既存事業の強化につながります。自社サービスとの関連事業を獲得することで、生産性の向上・優秀な人材の獲得・新たな取引先の事業強化などにつなげることも可能です。
③スケールメリットの獲得
相手先企業の資産・社員などを自社に吸収することで、会社の規模拡大も期待できます。会社の規模が拡大すれば、交渉力・ブランド力の強化につながり、スケールメリットの獲得が見込めるでしょう。例えば、大量仕入れによる仕入れコストの削減、知名度向上に伴う広告費の削減・採用力の強化などが挙げられます。
4. M&A・会社売却・事業譲渡の実例10選!理由あり!
経営者が行ったM&A・会社売却・事業譲渡に関して、わかりやすい実例を集めました。事業承継を考えている経営者の方は、これらの事例をご参考ください。なお、⑧~⑩の3事例は、一般には公表されていない中小企業の事例であるため、匿名での掲示としています。
- コスミックダイニング
- シャープ産業
- 富士通エレクトロニクス
- パイオニア
- アットフリーク
- 森田工産
- 雅洞
- 中小企業A社(会社売却の理由:後継者不在)
- 中小企業B社(会社売却の理由:創業者利益の獲得)
- 中小企業C社(会社売却の理由:企業の成長・発展)
①コスミックダイニング
2020(令和2)年5月、とんかつ専門店「かつや」のチェーン展開事業などを行うアークランドサービスホールディングスは、冷凍食品製造・販売のコスミックダイニングと、コスミックダイニングが株式90%を保有する清和ヤマキフードの株式を取得し子会社化すると発表しました。
コスミックダイニングとしては、アークランドサービスホールディングスの事業基盤も含め、販路の新たな開拓により事業規模が拡大し業績向上につながると判断した模様です。
②シャープ産業
2020年4月、スポーツ用品の製造・販売を行う美津濃(ミズノ)は、スポーツ大会やスポーツチームなどの記念品、観戦グッズなどの製造・販売を行っているシャープ産業の株式を取得し、子会社化することを発表しました。
1957(昭和32)年創業のシャープ産業としては、一般のスポーツ観戦機運が高まりを見せる中で、美津濃の事業規模拡大・ブランド向上に一役買うことで、企業としての存在意義・価値を残すことに意味を見いだしました。
③富士通エレクトロニクス
2019(平成31)年1月、半導体や電子部品を取り扱う商社・加賀電子は、同じ業種の富士通エレクトロニクスを買収し子会社化しました。会社売却の手法は、株式譲渡によるM&Aです。
富士通エレクトロニクスが会社売却を行った理由は、業界の競争激化や環境の変化とされています。経営統合により、シェアの拡大や経営の効率化を図る方針です。
④パイオニア
2018(平成30)年9月、パイオニアは、連結子会社が所有する東北パイオニアEGの株式すべてをデンソーに譲渡すると発表しました。パイオニアが株式譲渡を決めた理由は、コア事業へ資本を集中させるためです。
現状、力を入れている事業はカーエレクトロニクス事業であり、その影響を考慮して株式譲渡を決めました。
⑤アットフリーク
2017(平成29)年9月、Webサイトの制作・Webマーケティング業を営むアットフリークは、求人広告業を営むクリエイトへ株式譲渡を行いました。これは、企業の成長を見据えた株式譲渡の事例です。
アットフリークが株式譲渡を行った理由は、人材と経験不足を補い、クリエイトが求めるWebサービスを補完できると判断したことにあります。営業面の強化とシナジー効果を期待し、株式譲渡に踏み切りました。
⑥森田工産
2015(平成27)年4月、建設用の資材・器材を製造・販売するエスイーは、有限会社の森田工産から全株式を取得し子会社としました。同じ年に森田工産は、エスイーの子会社であるエスイー鉄建に吸収合併されています。
森田工産が第三者に事業承継を行った理由は、株の相続による高い税負担を回避するためです。経営者は親族内での事業承継を諦め、M&Aによる会社売却を図りました。
⑦雅洞
2011(平成23)年9月、和菓子の製造販売を行う雅洞は、和食レストランを展開する坂東太郎へ経営の引継ぎを行いました。現在はグループ企業として、「ばんどう太郎」の各店舗に和菓子の販売コーナーを設置し順調に売り上げを伸ばしています。
雅洞が会社売却を行った理由は、個人保証の解除です。高齢になっても後継者が見つからず、経営者は個人保証の負担を感じていました。そこで、M&Aを通じた売却を行い、重荷だった個人保証の解除を実現しています。
⑧中小企業A社(会社売却の理由:後継者不在)
四国にあるA社は、創業40年になる年商5億円の住宅リフォーム会社です。70代を迎えた社長の悩みは後継者がいないことでした。そこでM&Aによる事業承継を決断し、M&A仲介会社に相談しました。
そんな中、買い手候補として近畿地方で同業を営む年商75億円のX社が現れます。X社は近畿地方以外のエリア進出を考えており、A社はまたとない売り手候補です。A社としても同業としてX社は信頼がおけると判断し、M&Aによる事業承継が実現しました。
⑨中小企業B社(会社売却の理由:創業者利益の獲得)
創業15年のB社は、年商3億円の北海道のグラフィック制作会社です。50代の社長は、自身の経営に一区切りついたと考え、会社売却による創業者利益の獲得を決意し、買い手が多いことが考えられる東京都のM&A仲介会社に相談しました。
早速、M&A仲介会社が買い手候補を探したところ、上場企業の子会社であり東京でゲーム開発を行っている年商10億円のY社が名乗り出ます。Y社は、B社の実績とともに「北海道は東京よりも人件費が割安である」点にも着目しました。
B社の社長としては、会社売却後の従業員の行く末が一番の懸念でしたが、上場企業グループ入りで安定した雇用が保たれると判断し、M&Aが成立したのです。
⑩中小企業C社(会社売却の理由:企業の成長・発展)
創業10年のC社は、東京で電気工事業を行う年商5億円の会社です。当時50代であったC社の社長は、今後の会社の成長戦略として、会社売却をして管理体制が整っている同業者と経営統合する決断を下し、M&A仲介会社に相談しました。
M&A仲介会社のソーシングの結果、相手候補として浮かんだのが、創業60年の神奈川でさまざまな規模の電気工事を行うZ社でした。年商15億円のZ社としては、事業エリア拡大を図っていたタイミングであり、C社は格好のM&A相手だったのです。
交渉の結果、話はすぐにまとまりM&Aが成立しました。
5. M&A・会社売却・事業譲渡を行う理由まとめ
経営者が会社を売却する理由は、経営者個人の問題や後継者が見つからないこと、会社の存続と成長、雇用の継続などがあります。多くの経営者は、高齢や体調不良をきっかけに、あるいは業界の将来性に不安を感じたときに事業承継を検討しているようです。
しかしながら、M&Aによる事業承継では、買い手が見つからなければ会社売却を成立させられません。会社を任せられる後継者がいない場合、早い時期からM&A仲介会社などに相談を持ちかけることが肝要といえます。
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