譲渡企業
土木工事業 E社
代表取締役 W.K.様 インタビュー
砂利採取から土木工事へ
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
1960年頃に、祖父が創業いたしました。当初は土木の知見がなく、砂利の採取や販売からスタートし、徐々に機材を整えて土木工事へと事業を広げてきた歴史がございます。現在では地元自治体の公共工事において高い評価をいただいており、道路改修や橋脚工事などを中心に手がけております。一級土木施工管理技士などの有資格者が多数在籍しており、自社施工率約65%を誇る高い技術力が強みです。
家族のような温かい企業風土
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
先代の頃から一貫して「従業員は家族」と考え、日々のちょっとした悩みや困りごとにも耳を傾け、決して一人で抱え込ませない、全員が同じ目線で支え合う心の距離の近さを大切にしてまいりました。そうした家族のような結びつきがあったからこそ、勤続30年を超える熟練の従業員たちが、長年にわたり当社を支えてくれました。
後継者不在と技術者不足
―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
一番の要因は後継者不在です。地域の深刻な少子高齢化も重なり、若い人材の確保は極めて困難でした。特に近年の厳しい気候環境下において、高齢となった従業員の安全と健康を最優先に守り、会社を次世代へ引き継ぐことが急務でした。多数の公共工事の引き合いをいただきながらも、現場管理技術者の不足から受注を制限せざるを得ない葛藤を抱えるなか、企業の永続と地域貢献のためにM&Aを決断いたしました。
歴史ある屋号を守る

―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
地域で長年親しまれ、行政にも深く浸透している屋号の継続を強く希望いたしました。また、これまで貢献してくれた従業員の雇用と待遇を維持し、温かな企業風土を守ることも重視しました。急激な環境変化によって従業員に戸惑いが生じないよう、配置転換をすぐには行わないことも譲れない条件として掲げておりました。
経営者の圧倒的な情熱
―最終的に平組様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
一番の決め手は、平峰代表のパッションです。初回の面談から、腹を割って本音で深く対話できたからこそ、強固な信頼関係を築くことができました。また、九州全域に志を同じくする仲間を増やすという壮大なビジョンにも感銘を受けました。当社の伝統や屋号を「変えずに守りましょう」と言ってくださったことも嬉しかったです。先進的な採用ノウハウまで惜しみなく共有してくださり、この方になら託せると確信いたしました。
ノウハウを活用し、さらなる受注を目指す
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
M&A後、平組様のご支援のもと、これまで参加できなかった地方自治体の公共入札案件に早速挑戦しております。施工実績を堅実に積み重ね、さらなる入札評価の向上を目指します。また、平組様の採用ノウハウやSNSの活用を通じて若い人材を迎え入れ、現場の管理体制をより強固に構築したいと考えております。財務や資金面を全面的に支援していただき、事業をさらに拡大できる未来に期待しております。
自ら情報を取りに行く姿勢
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
同業者には「M&Aを考えている」とは明かせず、人がいない、仕事が取れない、先行きが不安、という悩みを一人で抱え込みがちだと思います。しかし、まずは抱え込まずに信頼できる専門家などに相談し、自ら情報を取りに行く姿勢が大切です。そして面談では綺麗事を言わず、老舗ゆえの課題も含めてすべてをさらけ出してください。お互いに腹を割って本音でぶつかり合うことこそが、信頼できる最良のパートナーと巡り会う鍵だと思います。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
完全成功報酬制という安心感はもちろんですが、かつて暮らした地域の思い出など、仕事だけでなく、プライベートなことまで楽しくお話しできたことが深く心に残っています。本当に真摯に対応し、他社様の成約事例などを丁寧に説明して具体的な未来をイメージさせてくれたからこそ、大切な会社を安心してお任せできました。
譲受企業
有限会社平組
代表取締役 平峰 恒成 様 インタビュー
建設業界に変革を起こすべく独立
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
旧態依然とした建設業界に変革をもたらしたいという想いから、前職の社内ベンチャーとして独立・創業いたしました。現在は鹿児島県を拠点に、足場、土木、塗装、防水工事などを幅広く展開しております。当社の最大の強みは、前職の先鋭的なビジネスモデルを継承しながら「足元を徹底して固めること」を組織として実践している点です。常に新しい仕組みを柔軟に取り入れる一方で、施工体制の基盤を整え、確実な施工を積み重ねてまいりました。
志を同じくする仲間を増やす
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
私にとって、会社経営は仲間作りそのものです。同じ志や想いを持つ仲間を増やし、個の限界を超えて未来を広げることが経営の本質だと考えております。当社は「九州全域に志を持つ企業群を形成し、持ち株会社体制のもと100億円規模へ到達。」というビジョンを掲げております。このビジョンを具現化する手段として、これまでの採用活動に加え、M&Aを重要なアプローチとして位置づけております。
真摯に再建を志す姿勢に共感
―最終的にE社様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。
E社様は長年地域のインフラを支えてこられた、歴史のある企業様です。老舗ゆえに旧態依然の体制が残るからこそ、当社が持つ採用活動などのノウハウを共有し力を合わせることで、さらに発展していけると考え、譲り受けを決断いたしました。同社が直面されている人材不足という課題は、まさに私たちがサポートできる領域です。何よりE社様の「まだまだ事業を発展させたい」という姿勢に触れ、共に成長していきたいと強く感じたことが最大の決め手となりました。
パートナーとして選ばれるために
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
E社様が長年築いてこられた屋号や企業風土を守りながら、当社のノウハウを共有し、持続的な成長を実現してまいります。M&Aによって大切な歴史や文化が失われてしまうことを当社は決して望みません。親・子会社という関係ではなく、どこまでも対等に歩むパートナーでありたい。さまざまな経営課題に悩みながらも事業の永続を願う経営者様に、心強い並走者として選んでいただけるよう、まずはE社様との事例を成功モデルとして広く発信してまいります。

信念が合致する企業とのM&A
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
今後も持株会社体制のもとで100億円規模の到達を目指し、九州全域で志を同じくする企業群を構築すべく、M&Aを積極的に活用してまいります。私たちの方針は、単なる規模の拡大ではなく、熱意や誠実さといった、中核となる価値観が合致する企業を仲間に迎え入れることです。お互いの歴史や培ってきた企業文化を深く尊重しながら、共に良い組織を磨き上げていくためのパートナーシップを、今後も追求してまいります。
お互いのすべてをさらけ出す誠実さ
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
アドバイスというと大変おこがましい限りですが、譲渡企業様、譲受企業様ともに最も重要なのは、お互い徹底して正直であることです。課題や弱みを隠してご縁をつないだとしても、のちに会社が衰退してしまえば誰も幸せにはなれませんし、目先の利益だけを追うご縁は長続きしません。関わる全員が物心両面で幸福になる未来を想像し、誠実に向き合うことがM&Aを成功させる唯一の方法だと思います。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
担当アドバイザー様が大変誠実で、熱意に感銘を受けました。遠方にもかかわらず、移動や時間のコストをいとわずに何度も真摯に足を運んで寄り添ってくださいました。常に一生懸命に向き合ってくださり、何より、仕事をする上での価値観が同じだったからこそ、心から信頼してお任せできました。誠実に伴走いただいたことに深く感謝しております。
企業風土を守りながら九州地方で60年以上にわたり公共土木を支えてきたE株式会社と、足場工事や各種工事を多角的に手掛け、強い仲間作りとビジョンを推進する有限会社平組。双方が求める成長への志が深く合致したM&Aとなりました。両社が手を取り合うことで、九州エリアのさらなる飛躍と地域経済の発展が期待されます。
担当者からのコメント
譲渡企業様は業歴が長く地元でも高い認知を誇る一族経営の建設業の企業様でしたが、業界全体としても課題である人材不足により厳しい経営環境の中、奮闘されておられました。その中でM&Aによって今まで培ってきた実績やノウハウを生かし、リソースのある会社と提携することで、会社を再び成長させることを目指し伴走させて頂きました。譲受企業様は革新的な取り組みを推進され、若手人材の確保や業務効率化を得意としており、更なる成長のためにM&Aも検討されておられました。今回はまさにお互いの足りない部分を埋める良いご縁だと感じております。両社ともに現状を十分理解しあい思いに共感し寄り添ってきたからこそ、この度無事にクロージングを迎えられました。今回のご成約を機に両社ともに更に発展されることを担当として心から願っております。
(金融提携本部 金融提携部 マネージャー 白石 幸太郎)
