譲渡企業
SES事業 L社
代表取締役社長 O.S.様 インタビュー
業歴50年の歴史
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
当社は創業会長が米国IBMに勤務した経験を原点とし、企業の基幹業務システムなどに用いられる大型コンピュータの取り扱いから始まりました。時代の変遷とともに、現在は受託開発事業やSES事業を展開しております。他社に負けない当社の強みは、顧客対応における圧倒的なスピードです。
技術者を迎え入れ規模を拡大
―どのように事業を展開・拡大されてきたのでしょうか。
一歩一歩新たな人材を迎え入れながら、技術者集団として組織を堅実に大きくしてまいりました。当社の強みでもある、クライアントや協力企業に対して迅速に対応する「レスポンスの速さ」を徹底したことが事業拡大の背景にあります。相手をお待たせしないことこそが信頼獲得の原点であり、最大の誠意であると考え、全員でこの姿勢を貫いてまいりました。
創業者との世代間ギャップを解消
―譲渡をお考えになったきっかけや背景、経緯を教えてください。
創業以来、半世紀にわたり会社を牽引してきた創業会長が高齢になり、若手従業員の活躍の場を新たに創出する必要があると考えておりました。伝統ある企業だからこそ、これまで培ってきた当社の強みを守りつつ、より柔軟で活気のある新体制へバトンをつなぐため、M&Aによる譲渡という決断に至りました。
従業員の継続雇用と組織の変革

―ご検討を進められる上で、大事にされていた希望条件を教えてください。
金銭的な希望は一切ありませんでした。それよりも、これまで会社を支えてくれた従業員たちが新体制のもとで活躍し、成功を収めることだけを願っておりました。これまでの創業会長を中心とした経営体質から、組織化された体制へ移行させ、従業員がより一層の誇りと意欲を持って働ける健全な環境を整えること。それこそが、私にとって唯一の条件でした。
株式集約を待ち続けた誠実な姿勢
―最終的にD社様へのご譲渡を決断されましたが、印象や譲渡を決められた理由を教えてください。
代表者であるK.T.様とお会いした際、非常に穏やかで丁寧な方だと感じました。「これまでの歴史を尊重し、共にさらなる成長を目指しましょう」と言っていただき、事業に対する並々ならぬ熱意を感じました。同業としての高い理解に加え、当社の複雑な状況にも深く寄り添い、合意形成プロセスを誠実に辛抱強く待ち続けてくださった姿勢が、最終的な決定打となりました。
譲り受け側を目指す成長戦略
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
D社様の優れた経営ノウハウを吸収することで、当社の事業をさらに力強く拡大させてまいります。そして私の大きな野望として、今回のM&Aをゴールとせず、今度は私たちが新たな企業を迎え入れる立場へと成長していきたいと考えております。代表である私自身が「やってやる」と野心を燃やし、挑戦し続ける姿を示すことで、従業員たちも自発的に挑戦していけるような、活気に満ちた強い組織を築いてまいります。
お互いのすべてをさらけ出す誠実さ
―譲渡を検討されている経営者様へアドバイスをお願いいたします。
これまでの自社の強みを活かしながら、新たな風を社内に吹かせることが大切です。人口減少が進む現代において、中小企業が単独で競合と戦うには限界があります。強みを持つ企業同士が手を取り合い、共に発展を目指す形こそが最善の選択肢です。また、速やかな意思決定を下せるよう、社内の合意形成を進めておくことをお勧めいたします。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
担当アドバイザーが社内の合意形成という難解な調整業務にも、当事者として共に立ち向かってくれました。常に迅速なレスポンスをくださり、真摯に伴走してくれた安心感は本当に大きかったです。
譲受企業
システム開発業 D社
代表取締役 K.T.様 インタビュー
先駆的な挑戦を続けるシステム開発
―御社の創業の経緯、事業内容と強みを教えてください。
当社は学生ベンチャーとして創業し、国内外のPCソフト開発を経て、システム開発・SES事業へ変遷してまいりました。「世の中にない新しいことを先取りして挑戦する」という進取の精神が当社の最大の強みであり、常に時代に先駆けた実績を誇っております。
首都圏での体制再構築と規模拡大
―M&Aを検討されたきっかけを教えてください。
当社では、業務プロセスの統一や管理体制の強化を図るため、一時期リソースの集中を行ってまいりました。しかし、持続的な成長を遂げるためには、やはり国内最大の市場である首都圏エリアにおける事業基盤の再構築が不可欠でした。そこで、東京エリアで確固たる事業実績を持ち、若手技術者の育成現場としても信頼性の高いIT企業をグループへ迎え入れたいと考え、M&Aを検討し始めました。
長い歴史と経営者の強固な信頼感
―最終的にL社様を譲り受けられましたが、印象や譲り受けを決められた理由を教えてください。
半世紀にわたり、地道に誠実に事業を継続されてきた高い信用が一番のポイントです。また、代表のO.S.様とお会いした際、単なる企業の存続に留まらず「グループに参画して新しいことに挑戦したい」という、強い熱意を抱いておられた点に共感いたしました。O.S.様が今後も代表として現場に残り共に並走していただけることもあり、確かな未来を切り拓いていけると確信し、譲り受けを決断いたしました。
技術者の成長とグループシナジーの創出
―今回のM&Aで期待することや今後のビジョンを教えてください。
優れた技術力を有するL社様に対し、上場グループの採用力を提供することで、技術者の人員拡大を強力に支援してまいります。また、営業や管理体制における当社の経営ノウハウを共有・サポートすることで、さらに高い収益性を発揮できる強固な体質を目指します。同社を首都圏における強固な事業拠点として確立させ、若手技術者が生き生きと成長できる環境を築きます。

九州と首都圏における持続的な成長
―今後、事業展開の1つとしてM&Aを活用されることは視野に入れていますか。その際の方針も併せて教えてください。
積極的な経営戦略の手段として、M&Aを推進してまいります。主力であるSES事業の拡大に加え、グループに不足しているネットワーク技術に特化した企業様との協業を模索する予定です。地理的には、当社が強固な事業基盤を持つ既存エリアのさらなる深耕、または今回のM&Aに代表される首都圏エリアでの展開に軸足を置き、持続的な成長エンジンとして機能させてまいります。
未来へのコミットメントと仕組み作り
―M&Aを考えていらっしゃる経営者様にアドバイスをお願いいたします。
M&A後も会社に残り、新たなパートナーと共にさらなる成長を一緒に目指していきたいと考えている経営者様にとっては、お互いの未来に寄り添う関係性が大切だと思います。譲渡時の金額のみにとらわれず、将来に向けて「本当にこの相手と一緒に進んでいけるか」というビジョンの共有を重視してください。両社が手を取り合い、長期的な価値向上を目指す姿勢こそが、成功の鍵です。
最後に、M&A総合研究所にお任せいただいた理由をお聞かせください
担当アドバイザーには、丁寧で密な進捗共有と、関係各所との合意形成をはじめとする各種の難解な調整業務を的確にこなしていただき、終始安心して進行できました。さまざまな課題があり、成約に至るまで時間を要しましたが、無事に佳き日を迎えられたことを嬉しく思います。
50年以上にわたり築き上げられた確かな実績と事業基盤を持つL株式会社と、創業以来、進取の精神で業界を牽引してきた株式会社D。双方が成し遂げたいと願う「さらなる事業の規模拡大」への想いが合致した素晴らしいM&Aとなりました。本件がIT市場に確かなシナジーをもたらし、両社が未来に向けてさらなる飛躍を遂げる大きな一歩となることを祈念しております。
担当者からのコメント
譲渡企業様は、従業員様の更なる成長機会を第一にM&Aを検討されていました。株式集約や社内の合意形成が複雑で時間を要しましたが、難題に対して諦めずに向き合っている社長自身の姿が印象的でした。社長の「従業員の成長のために」という想いが最後まであったからこそ、M&Aを進めるにあたっての壁を乗り越えることができました。また、譲受企業様には各フェーズで状況を気遣いながら寄り添っていただき、譲渡企業様としても心強く、安心して進めることができたのではないかと感じております。譲受企業様の上場グループとしての基盤と譲渡企業様の伝統が融合することで、首都圏での更なる事業拡大、そして双方の新たな挑戦への飛躍を心より祈念しております。
(金融提携本部 部長 鯉沼 佑)
