レストラン業界のM&A動向!売却・買収事例5選と成功のポイントを解説!【2023年最新】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

この記事では、2023年最新版のレストラン業界のM&A動向について解説します。実際にレストラン業界において行われたM&A・売却・買収事例を5つ紹介した上で、成功のポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. レストラン業界の概要と動向
  2. レストラン業界のM&A動向
  3. レストランをM&Aで売却するメリット
  4. レストランのM&A・買収・売却事例5選
  5. レストラン業界のM&Aの成功のポイント
  6. レストラン業界のM&A・事業譲渡まとめ
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1. レストラン業界の概要と動向

まずは、レストラン業界の概要とその動向について解説していきます。
 

レストラン業界とは

レストラン業界とは、大手チェーンから個人オーナーが経営する小規模な店舗まで幅広く存在し、ハンバーガーから麺類まで、さまざまな食事の内容を提供している業界です。また、対象となる顧客層も多岐にわたっており、家族を対象としたファミリーレストランから成人を対象とした居酒屋なども存在します。

フランチャイズ制も広く採用されており、本部は加盟者に対して店舗経営の権利を提供し、加盟者は既存のノウハウやブランドを使ったビジネス展開が可能です。この業界は、消費者のライフスタイルやニーズに応じて、多岐にわたるサービスを提供しており、食文化の多様化と業界全体の活性化に寄与している業界です。

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レストラン業界の市場規模と動向

日本のレストラン業界は、過去数年間で顕著な変動が見られる分野となっています。2019年までの8年間で市場は着実に拡大していましたが、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大により状況は急変しました。レストランの売上は2020年に前年比で大幅に減少し、2021年も減少が続いています。

この大幅な減少は、人々が外食を控えるようになり、着席型飲食店の客足が遠のいたことが要因です。新型コロナウイルスの感染を避けるための人々の行動変化が、レストラン業界全体に大きな打撃を与えており、市場縮小による競争の激化が予想されています。少子化により外食をする人々が減少し、レストラン業界も縮小する見通しです。

2016年の経済センサスによれば、専門料理店などの飲食店は数十万店舗を数え、年間売上高は3兆円を超えるなど、依然として巨大な市場規模を有しています。しかし、市場環境の変化により、各企業は柔軟に対応しなければならない時期を迎えています。

総合的にみると、レストラン業界は新型コロナウイルスの影響を大いに受けており、一般的な飲食店の売上は落ち込んでいます。今後の戦略と市場への適応が業界の成長と成功の鍵となるでしょう。

2. レストラン業界のM&A動向

レストラン業界は市場の縮小、人材確保の難しさ、仕入れや物流の高騰などの問題を抱えており、これらを解決する策としてM&Aが多く活用されています。

レストラン業界におけるM&Aでは、後継者問題だけでなく、仕入れ・配送コストを抑える目的のM&A、成長中の企業がさらに成長を加速するために大手の傘下に入るM&A、国内にとどまらないための海外展開のM&Aなど、多岐にわたる戦略が展開されていることが特徴です。

特に、消費者のニーズやトレンド変化に対応するために業態を超えたM&Aが増加しており、大手企業が様々な業態の企業を取得して多数の業態を所有し、エリア展開を進めている最中です。この戦略により、市場の変化に迅速に対応することが実現されています。

また、商流の統一化や共同購入などにより、コスト削減および品質統一化を図り、利益確保に繋がっている側面もあります。このような経営効率化の取り組みは、業界全体の競争力向上に寄与しています。

このように、市場で生き残るため、今後も活発な動向が見込まれると言えるでしょう。

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3. レストランをM&Aで売却するメリット

M&Aによりレストランを売却するにあたって、いくつかのメリットが見込めます。M&Aを実施する目的のひとつに挙げられるのが、業界の変動や競争の激化などの不確実な環境下で安定した経営を望める点です。

経営の安定化と事業の成長

レストランを他の企業と合併や買収することによって、経営の安定化を図ることが可能です。大手企業との提携により、資本基盤が強化されることで、経営のリスクが軽減される傾向にあります。このように、経営を安定化させられることも、レストラン業界における重要なM&Aのメリットのひとつです。

また、新しい戦略やリソースの共有により、事業の拡大や成長が加速できるというメリットもあります。これによって、中長期的なビジョンの実現がより現実的になるでしょう。

従業員の雇用や取引先との関係の継続

M&Aを通じて、従業員の雇用安定や取引先との長期的な関係の継続が可能になることがあります。経営が厳しくなった際に他の企業との連携によって雇用を守り、既存の取引先との信頼関係を維持することが期待されます。

従業員や取引先との関係は、企業の信用力と持続可能性に直結する問題であるので、M&Aを通じてこれらが維持できることは大きなメリットです。これは、レストランのブランド価値や社会的信頼を保ちつつ、新しい方向性を追求する上で重要な要素となるでしょう。

4. レストランのM&A・買収・売却事例5選

ここでは、実際にレストラン業界において行われたM&A・買収・売却事例を5つ紹介していきます。

トリドールホールディングスがThe Fulham Shore Plcを子会社化した事例

2023年7月、トリドールホールディングスは、英国のThe Fulham Shore Plcを子会社化することに成功しました。

Fulham社は、英国を中心にピザのチェーン店Franco Manca(直営72店舗)とThe Real Greek(直営27店舗)の2つの有名なレストランブランドを運営している企業です。顧客に対して卓越した体験とコストパフォーマンスの高いサービスを提供することが同社の強みとなっています。

今回の子会社化を通じて、トリドールホールディングスは、今後は欧州地域でのビジネスパートナーであるCapdesia社とともに(この会社はロンドンとブリュッセルにオフィスを持ち、英国及び欧州の外食産業への成長投資を専門としています)、Fulham社の2つの外食ブランドの英国および欧州での展開を積極的に推進していく方針であると説明しています。

参考:トリドールホールディングスによるThe Fulham Shore Plcの子会社化

クリエイト・レストランツ・ホールディングスがサンジェルマンを子会社化した事例

2022年9月、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、株式会社サンジェルマンを子会社化することに成功しました。

クリエイト・レストランツHDは、そのグループ企業を通して、240以上の外食ブランドで1,000店舗以上を展開する大規模な事業持株会社です。これまでの経験から、外食分野に特化した店舗運営の専門知識と広範なネットワークを形成しています。

今後、同社はクリエイト・レストランツHDグループのメンバーとして、半世紀以上にわたり築いてきた店舗ブランドや従業員の専門技術と、グループ全体の強みを結びつけ、シナジー効果の創出を目指すとしています。

参考: クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるサンジェルマンの子会社化

WDIがエッグスンシングス横浜みなとみらい店の事業を譲渡した事例

2022年6月、株式会社WDIは、エッグスンシングス横浜みなとみらい店を飲食店運営のEGGS'N THINGS JAPANに事業譲渡することに成功しました。

EGGS 'N THINGS JAPANは、2010年3月に原宿に海外初の店舗を開設しました。その後、株式会社WDI がフランチャイザーとして、2012年6月に横浜山下公園店をオープンし、国内での展開を両社で進めてきました。

横浜みなとみらい店は、WDIが運営する7店舗目のEGG'N THINGSの店舗でしたが、今回の事業譲渡によって、直営の店舗となりました。

参考: WDIによるエッグスンシングス横浜みなとみらい店の事業譲渡

力の源ホールディングスがI&P RUNWAY JAPANの株式を譲渡した事例

2022年1月、力の源ホールディングスは、I&P RUNWAY JAPANの株式をPanda Restaurant Group, Inc.に譲渡しました。

もともと、力の源ホールディングスは、米国西海岸での「IPPUDO」運営のために、I&P RUNWAY社を2015年10月に設立し、日本での「PANDA EXPRESS」運営のための合弁会社I&P RUNWAY JAPAN社を2016年6月に立ち上げました。

これにより、米国西海岸では「IPPUDO」4店舗と「KURO-OBI」1店舗をI&P RUNWAY社が、日本では「PANDA EXPRESS」8店舗をI&P RUNWAY JAPAN社が運営しています。

PRG社が日本で「PANDA EXPRESS」を直接運営し、力の源ホールディングスグループが一風堂事業に経営資源を集中させ、米国内の全店舗を直営化して運営効率とサービス品質を最大化することが、双方にとって最善の策であると結論づけたために、今回の株式譲渡が実現しました。

参考: 力の源ホールディングスによるI&P RUNWAY JAPANの株式譲渡

イートアンドホールディングスが一品香と一品香フーズを子会社化した事例

2020年12月、イートアンドホールディングスは、株式会社一品香とその関連会社である一品香フーズを子会社化することに成功しました。

昭和30年に、横浜の中心地であった野毛地区でわずか3坪、カウンター9席の小さな店舗からスタートした横濱一品香は、「一品一品に真心を込めて最高の味を追求しよう」という創業の精神の下、絶えず革新を重ね、「絶品たんめん」や中国家庭料理を60年以上提供し続けてきた企業です。

横濱一品香の長い伝統と独特の味は、今後、イートアンドグループの発展に貢献し、両社の強みを活かすことで多大なシナジー効果が期待できるとして、今回の子会社化が実現しています。

参考: イートアンドホールディングスによる一品香と一品香フーズの子会社化

5. レストラン業界のM&Aの成功のポイント

レストラン業界におけるM&A(合併・買収)は競争力を強化する重要な戦略のひとつです。成功へと導くためのポイントは多岐にわたりますが、以下のポイントに焦点を当てることで成功しやすくなります。

店舗の強みを明確にし、売却先にアピールする

店舗の強みや特色を明確にすることは、M&Aの成功の鍵と言えます。具体的には、料理の品質、サービス、立地条件、顧客基盤などの独自の強みを分析し、それらを効果的に売却先にアピールすることです。これにより、買収先との交渉において自店舗の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。

内装やレイアウトに気を遣う

店舗の内装やレイアウトは、ブランドイメージと深く結びついています。デザインの一貫性や空間利用の効率、顧客の動線などに気を遣うことで、訪れるお客様に快適な体験を提供し、買収先に良い印象を与えることができます。美観と機能性の両立は、合併・買収の際の評価を高める要素となるでしょう。

店内や設備の手入れをしておく

店舗の清潔さと設備のメンテナンスは、業績だけでなく合併・買収時の評価にも影響します。日々の清掃はもちろん、設備の定期的な点検や必要に応じた修繕を欠かさず行うことで、長期的な運用を見据えた買収先に対して信頼を築くことが可能です。

交渉には柔軟な対応をする

交渉の過程は非常にデリケートで、柔軟性を欠いた態度では成功への道が閉ざされることもあります。そのため、相手方のニーズを尊重し、共通の利益を見出す柔軟な対応が不可欠です。場合によっては専門家の協力を得ながら、双方にとって有益な解決策を追求することが効果的でしょう。

専門家に相談する

M&Aは非常に複雑なプロセスであり、法的、財務的な側面が絡み合うため専門家の協力が欠かせません。弁護士、会計士、M&Aコンサルタントなどの専門家と連携し、その経験と知識を活用することで障害を乗り越え、成功へと導く道を確実に進めることができます。

専門家に相談することで、さまざまなリスクを回避しつつ効率的な進行の実現が可能です。

M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください

M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. レストラン業界のM&A・事業譲渡まとめ

レストラン業界のM&Aや事業譲渡は、企業間の競争力強化や市場拡大、業務の効率化などを目的として行われます。特に多様化する消費者のニーズに対応するため、新しいメニュー開発や店舗コンセプトの拡充、地域展開などを迅速に進めるために採用されることが多い傾向です。

フランチャイズ体系の拡大や、異業種との連携による新しい価値提供など、多岐にわたる戦略がM&Aや事業譲渡を通じて展開されています。レストラン業界は、競争の激しい業界であることから、今後も効率的な業界再編のためにM&Aが活用されるでしょう。

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