合併特例債とは?制度の仕組み・対象事業から延長後の期限、問題点までわかりやすく解説

取締役副社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

合併特例債は、市町村合併に必要な事業の財源となる地方債です。本記事では、制度の仕組みや対象事業、延長後の期限、活用するメリットや問題点まで、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

目次

  1. 合併特例債とは?制度の仕組みをわかりやすく解説
  2. 関連制度「合併算定替」とは?
  3. 合併特例債を利用するメリット
  4. 合併特例債に再延長の措置が用意された理由
  5. 注意すべき合併特例債の3つの問題点(デメリット)
  6. 合併特例債を有効活用するためのポイント
  7. 合併特例債を発行した実例
  8. 合併特例債のまとめ
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1. 合併特例債とは?制度の仕組みをわかりやすく解説

まずは、合併特例債とは具体的にどのようなものか概要を解説します。

市町村合併に際して必要となる事業のために借入できる地方債

合併特例債とは、市町村の合併で必要となる事業に対し、事業の財源として使用可能な地方債のことです。合併に伴って必要となる事業の経費を国が支援し、合併市町村の一体性の速やかな確立を図るという趣旨で設けられています。対象となる事業費の95%の金額を上限として借り入れできるため、地方創生のための資金として活用できます。

市町村の合併は多額な費用が必要となるため、地方自治体の単年度予算のみでは財政が困難となりやすいです。そこで、合併特例債を起債して対象事業費に用いることで、公共的施設の整備事業をスムーズに実施することができます。

日本では、地方分権を推進する目的で1995年(平成7年)に「市町村の合併の特例に関する法律(旧合併特例法)」が制定されました。その後、いわゆる「平成の大合併」を促進するため、2004年(平成16年)の法改正で合併特例債などの財政支援措置が大幅に拡充されました。

財政支援措置には、普通交付税による措置と特別交付税による措置があり、合併特例債は合併算定替と並ぶ普通交付税措置の柱となっています。

根拠法となる「市町村の合併の特例に関する法律(合併特例法)」

合併特例法は、合併が行われた時期によって旧法と新法が適用されます。平成17年3月末までの合併には旧法が、平成17年4月以降の合併には新法が適用されます。当初、新法の期限は平成22年3月末まででしたが、度重なる改正を経て、現在は令和12年3月末までに行われる合併が対象です。

旧法では、合併後の事業を対象とする「合併特例債」と、合併前の事業を対象とする「合併推進債」がありました。新法では、これらのうち合併後の事業に関する有利な財政措置が「合併特例債」として引き継がれ、制度が拡充されています。

旧法と新法における合併特例債の主な違いは以下の通りです。
 

  旧法(〜H17.3.31合併)  新法(H17.4.1〜R12.3.31合併)
対象事業 合併**後**の事業 合併**後**の事業
発行可能期間 合併後10年間 合併後20年間(※)
充当率 95% 95%
交付税算入率 70% 70%

※東日本大震災の被災市町村は25年間。また、能登半島地震の被災団体についてはさらに5年間の延長措置が講じられています。
 

合併特例債の対象となる事業

公共施設などの整備

合併特例債の対象事業は、総務省で定められています。どのような対象事業が定められているのか、詳しく見ていきましょう。

総務省で定められた公共施設などの対象整備は、以下のとおりです。

  • 合併市町村同士をつなぐ道路、橋、トンネルなど
  • 住民が集まる運動公園など
  • 合併する市町村間の格差を埋める公共施設
  • 合併市町村にある公共施設の統合

地域振興のための基金の造成

総務省で定められた地域振興のための基金の造成における対象は、以下になります。

  • 合併市町村が一体感を得られるイベントや事業など
  • 合併前における市町村単位での伝統文化や地域行事、商店街の活性化対策など

地方公営企業への出資・補助

総務省で定められた地方公営企業への出資・補助を対象としたものは、以下のとおりです。

  • 上下水道、病院などの地方公営事業

合併特例債の対象外事業

合併特例債の対象事業とならないものは、以下になります。

  • 利益を得ることを目的とした施設の整備
  • 特定の人だけ利益を得る施設整備
  • 民間と競合する施設の整備
  • 土地を取得する目的だけの事業
  • 建設費や整備費が高い施設の一定水準を超える部分

合併特例債の上限額と活用見込み額

合併特例債の発行可能額には上限があり、合併市町村の人口や面積などに基づいて算定される「標準事業費」の範囲内と定められています。

具体的な上限額は、合併する市町村の数や人口規模によって変動します。例えば、人口や面積が平均的な3つの町村が合併する場合、上限額は100億円を超える規模になることも珍しくありません。各自治体は、この上限額の範囲内で、策定した建設計画に基づいて実際に借り入れる額(活用見込み額)を決定します。
 

合併特例債の優遇措置と充当率

合併特例債は、95%の充当率で合併後の対象事業に使用できます。充当率とは、債券の起債額のうち市町村事業に使える金額のことです。

例えば、10億円の事業で充当率が50%の場合、5億円分は債券を発行できます。充当率の残り半分である5億円は、一般財源での支出です。合併特例債では、充当率以外の5%分は自治体の一般財源でまかないます。債券の償還額のうち、合併した市町村は3割だけ負担すればよく、残り7割は国が負担するという好条件の優遇措置となっています。

つまり、地方自治体は95%の充当率に70%を乗じた66.5%を地方交付税に算入し、残りの償還額と充当率外の5%を支払えばよいのです。

地方債との違い

合併特例債と地方債には相違点があり、合併特例債の対象事業は、地方債の対象事業と違って、合併の合理化・効率化を進める事業のみです。地方債の充当率は毎年度総務省が告示する、事業ごとの充当率で変動しますが、合併特例債は95%の充当率と決められています。

2. 関連制度「合併算定替」とは?

合併算定替とは、合併後の地方交付税が減少しないように設けられた特例措置のことです。通常、国からの地方交付税は年度ごとに算出して交付されます。

しかし、合併後に算出した地方交付税は合併前よりも少なくなり、合併後の対象事業に不足するかもしれません。そこで、国は特例として合併前の市町村ごとに必要なお金を算出し、合併前に対象の各市町村として交付される金額の合計と、合併後の新市町村として交付される金額を比較し、多い方を交付します。

合併後10年間は、合併前の旧市町村ごとに算定される額の合計を下回らないよう普通交付税を算定するよう定められています。

合併後に10年が経過したら

先述したように、合併算定替は、合併後10年間は合併前の市町村ごとの地方交付税を算出して交付されます。その後5年間で合併算定替は縮小され、15年たつと合併算定替は完全に終了する仕組みとなっています。

この期間で市町村合併にかかわる事業が完了していれば問題ありませんが、事業がうまく進んでいなかった場合は、優遇措置がない状態で進めなければなりません。

3. 合併特例債を利用するメリット

合併特例債を利用するメリットは、主に2つあります。

  • 通常はできない大規模な公共事業が行える
  • 自治体の財政を健全に維持できる

それぞれのメリットについて詳しくお伝えしますので、参考にしてみてください。

通常はできない大規模な公共事業が行える

一つ目のメリットは、通常では難しい大規模な公共事業が行えることです。合併特例債は、債券償還額(本来は返す必要があるお金)の70%を国が負担してくれます。そのため本来は予算が賄えずに滞っていた工事が行えるようになり、公共施設の整備も可能です。

例えば、

  • トンネル工事
  • 橋りょう工事
  • 道路や総合公園の建設 など

のような大規模な工事を実施できます。

地域ごとに公共施設を調整し、市区町村全体のバランスをとることもできるでしょう。

自治体の財政を健全に維持できる

合併によって多額の債務を避けられないケースがあります。多額の債務は自治体の財政にとっては由々しき事態ですが、合併特例債を活用することにより、債務の再編集ができます。

つまり、債務の実質的な負担額を減らし、財政の健全性を維持することが可能です。

得られた資金は自治体の持続的な発展や、安定した財政を保つためにも活用できるでしょう。

4. 合併特例債に再延長の措置が用意された理由

合併特例債の発行可能期間は、当初「合併が行われた年度およびこれに続く10年度」とされていました。

しかし、東日本大震災(2011年)や熊本地震(2016年)などの大規模災害からの復旧・復興事業が長期化していることや、全国的な建設需要の増大で事業が遅延している市町村が多いことを背景に、発行期間の延長が繰り返されています。

2020年(令和2年)の法改正により、発行可能期間は原則「20年間」、東日本大震災の被災市町村については「25年間」へと延長されました。

さらに、2024年(令和6年)1月に発生した能登半島地震を受け、政府は被災団体を対象に発行期間をさらに5年間延長する特例措置を講じています。


このように、東日本大震災の被災市町村における人口動態の変化、全国的な建設需要の増大、合併市町村の計画に盛り込まれた事業の実施に支障が生じている状況などが背景にあります。

全国で災害が相次いだ点や、東京オリンピックなどの影響で公共事業の入札が不調だったため、多くの地方自治体が合併特例債の対象事業を完了できない事態に陥りました。

これらの状況を受け、「合併特例債の再延長を求める首長会」に参加する全国の市町村長から国に対して延長の要望がなされ、複数回にわたる制度改正が実現し、現在に至っています。

5. 注意すべき合併特例債の3つの問題点(デメリット)

合併特例債は、通常の地方財源では実施が難しい大規模な事業が行える一方、地方自治体が大きな借金を抱えることもあります。合併特例債の使途や、自治体間の格差問題などが指摘されていることも事実です。ここでは、合併特例債の問題点を解説します。

合併特例債による自治体財政の圧迫

合併した多くの市町村が、合併後の自治体財政のシミュレーションを公表していますが、その試算が楽観的すぎると指摘され始めています。

合併特例債は、国による地方交付税措置の1つです。ほかの地方債と比較しても有利な条件で借入ができるものの、あくまでも30%は自己負担となる借入金です。また、合併特例債の使途は、あくまでも新しい街づくりに必要な事業に限定されており、自由に使えるわけではありません。

合併特例債の発行が認められた当初から、バブル崩壊後の景気対策の終了によって普通建設事業費が縮小する中で、地方交付税の削減に直面した自治体にとって、合併特例債が大規模な公共投資を行うチャンスとなり、市町村の合併に拍車をかけたことは否めません。

しかし、合併特例債の発行が本来必要ないにもかかわらず、合併特例債の恩恵を受けたいがために合併が進んだり、建設事業の促進に使われたりしている状況です。公共事業の奨励策に使われたり、地方自治体の財政補てんのために使われたりと、本来の目的にそぐわない使われ方をしているケースも少なからずあります。

実際の用途が不明瞭

合併特例債の対象事業の大枠は総務省が定めていますが、具体的な事業内容の決定は各自治体の判断に委ねられています。そのため、合併後のまちづくりに真に必要かどうかの精査が不十分なまま、いわゆる「ハコモノ」建設などに安易に利用されるケースがあるとの指摘も少なくありません。
 

自治体間の格差

合併市町村と非合併市町村の格差も問題です。合併特例債の期限が延長されるほど、合併特例債を活用できる市町村と合併特例債を使えない非合併市町村の間に不平等感が増します。総務省は、これ以上、合併特例債の期限が延長しないよう対処する見込みです。

6. 合併特例債を有効活用するためのポイント

合併特例債は、将来の世代に過度な負担を残さないよう、計画的に活用することが極めて重要です。ここでは、有効活用するための3つのポイントを解説します。
 

1. 長期的な視点に立った事業計画の策定

合併特例債を活用する際は、目先の必要性だけでなく、長期的な視点に立ってまちづくり全体の将来像を描き、その実現に資する事業を厳選することが重要です。施設の維持管理費や運営コストといった、将来にわたって発生する費用も考慮に入れた、持続可能な事業計画を策定する必要があります。
 

2. 住民への十分な説明と合意形成

合併特例債は、元をたどれば住民が将来にわたって負担する借金です。そのため、どのような事業に、なぜ合併特例債を活用するのか、その事業が将来のまちづくりにどう貢献するのかについて、住民に対して丁寧に説明し、十分な理解と合意を得るプロセスが不可欠です。透明性の高い情報公開が、住民との信頼関係を築く上で重要となります。
 

3. 将来の財政負担を見据えた資金計画

合併特例債は、元利償還金の7割が地方交付税措置されるとはいえ、残りの3割は自治体の自己負担となります。安易な活用は、将来の財政を硬直化させるリスクを伴います。プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化など、財政健全化の目標を掲げ、将来の財政負担を正確に見積もった上で、無理のない返済計画を立てることが求められます。
 

7. 合併特例債を発行した実例

合併特例債を実際に活用している地方自治体に関して、合併特例債の使途や費用、地方自治体ごとの成功、失敗例などを見ていきましょう。

事業名と事業費の事例一覧

ここでは、合併特例債発行の事例を一部抜粋して掲示します。下記の事例は、2003(平成15)年に合併推進事業を行った市町村と対象事業内容の事例です。

全国市民オンブズマン連絡会議による調査事例では、1999年度から2003年度の間に、全国地方自治体の総事業費のうち6割以上が道路建設に使われました。次に事例として多かったのが、庁舎や文化施設の建設です。

2003年度 合併推進事業(単位:千円)

都道府県名 合併市町村名 事業名 事業費 合併推進債・特例債
青森県   国道4号線 30,000 27,000
    国道340号線ほか4路線 1,190,000 516,000
    八戸環状線ほか13路線 3,236,973 1,987,000
    合計 4,456,973 2,530,000
岩手県 大船渡市 ふるさと林道緊急整備 470,000 423,000
    普通林道整備 280,000 69,000
    農免林道整備 90,000 40,000
    県単道路改良 200,600 161,000
    合計 1,040,600 693,000
茨城県 つくば市 緊急地方道路整備事業
谷田部藤代線
100,000 40,000
    県単道路改良事業
谷田部藤代線
30,000 27,000
    小計 130,000 67,000
  潮来市 道路橋梁改修事業
国道355線
272,500 121,000
    小計 272,500 121,000
  常陸太田市・金砂郷町・
水府村・里美村
緊急地方道路整備事業
常陸那珂港山方線
140,000 56,000
    県単道路改良事業
常陸那珂港山方線
13,100 11,000
    街路改良事業(都)木崎
稲木線
10,000 4,000
    小計 163,100 71,000
    合計 565,600 259,000
栃木県 佐野市・田沼町・
葛生町
県道佐野環状線新設① 200,000 90,000
    県道佐野環状線新設② 160,000 64,000
    県道黒袴迫間線
バイパス 整備①
12,000 5,000
    県道黒袴迫間線
バイパス 整備②
146,000 59,000
    県道田沼インター線新設 340,000 137,000
    県道山形寺岡線バイパス 整備 100,000 40,000
    県道多田吉水線拡幅 76,000 68,000
    合計 1,034,000 463,000
群馬県 神流町 市町村合併支援道路等
整備事業
144,600 59,000
    合計 144,600 59,000
埼玉県 さいたま市 直轄国道負担金 2,612,051 2,350,000
    道場三室線 795,515 379,000
    中山道(北部) 282,380 254,000
    中山道(南部) 66,809 60,000
    赤山東線 958,428 502,000
    田島大牧線 443,482 256,000
    赤山東線 138,000 55,000
    八幡通り線 517,176 237,000
    合計 5,813,841 4,093,000
千葉県 野田市 我孫子関宿線ほか道路
整備事業
160,599 143,000
    合計 160,599 143,000
出典:全国市民オンブズマン連絡会議「合併特例債等の使途に関する実態調査結果」より抜粋

今後の計画実施事例

2000(平成12)年度から2005(平成17)年度に合併を実施した各市町村では、合併特例債の期限が切れた自治体も出始めています。こうした情勢の中、まだ合併特例債の期限を残す市町村は残る時間を生かして、できるだけ有効に合併特例債を活用したいところです。

2020(令和2)年7月で、合併特例債の期限を有する市町村が計画、または実施中の事業について、日経BP総合研究所の調査資料をもとに全国各地方から抜粋して以下に掲示します。

市町村名 合併日 合併特例債
発行期限
事業名 事業年度 事業費(円)
北海道茅部郡森町 2005年4月 2021年3月 し尿処理施設整備事業(仮) 2016~2021 7億2,500万
岩手県花巻市 2006年1月 2026年3月 花巻中央図書館整備事業 2022~2024 24億4,328万
茨城県石岡市 2005年10月 2025年10月 広域ごみ処理施設建設 2016~2025 33億4,920万
岐阜県可児市 2005年5月 2021年3月 文化創造センター改修事業 2016~2020 19億3,610万
和歌山県海南市 2005年4月 2021年3月 駅東土地区画整理事業 1999~2021 6億5,290万
山口県萩市 2005年3月 2020年3月 新防災行政無線整備事業 2015~2023 14億9,300万
高知県幡多郡黒潮町 2006年3月 2021年3月 道路・橋梁改良事業 2016~2021 18億3,830万
長崎県南島原市 2006年3月 2021年3月 清掃運搬施設等整備事業 2016~2023 60億8,700万
(出典:「日経BPイノベーションICT研究所 合併特例債実態調査(2)――今後の活用事業」より抜粋)

地方自治体の成功・失敗事例

合併後に合併特例債を使った結果、成功している自治体や財政的に追い込まれた自治体、問題を抱える自治体があります

  • 沖縄県宮古島市
  • 兵庫県篠山市
  • 鳥取県鳥取市
  • 香川県三豊市
  • 大分県中津市

上記の事例を具体的に見ていきましょう。

沖縄県宮古島市

宮古島市は、合併特例債を活用し、ごみ処理施設や教育施設、葬祭場、し尿処理施設、保育所整備のほか、未来創造センターや総合庁舎建設などの大型事業を行ってきました。総合庁舎建設では58億3,700万円、未来創造センターでは43億円を借り入れています。

宮古島市が使える合併特例債はすでに限度額になっているので、再延長の恩恵は得られません。しかし、これまでに合併の優遇措置を最大限活用しています。

兵庫県篠山市

篠山市は、平成の大合併を行った最初の地方自治体となりました。その頃、国の合併優遇策が始まったことから、篠山市は合併特例債を活用します。20億円で葬祭場を建設したり、80億円でごみ処理施設を建設したりしました。市民センター、温泉施設、図書館、温水プール、博物館などを次々と建設し、合併特例債の上限まで達します。

しかし、合併後、税収が思ったほど増えず、地方交付税の減額も重なって財政危機に陥りました。

鳥取県鳥取市

鳥取市は合併特例債を活用して新庁舎を建設する計画を公表しましたが、新庁舎が豪華すぎるのではないかと市民から疑問の声が上がり、建設の是非を問う住民投票が行われました

新庁舎の建設は一度否決されたものの、最高裁まで争った結果、住民側は敗訴し、新庁舎は建設されました。新庁舎の総工費は約97億1,000万円でした。

市民からはいまだに、財源の使い方として正しいのか疑問の声が上がっています。

香川県三豊市

香川県三豊市は、地方交付税の減額に備えて行政サービスの改革に着手しました。定年退職した市民を中心に「まちづくり推進隊」を結成し、有償ボランティアとして業務依頼などを行っています。

有償ボランティアを活用することで職員を削減し、人件費の節約に成功しました。三豊市では、ほかにも財源を確保するためにさまざまな見直しを行っています。

大分県中津市

中津市と下毛郡4ヵ町村が合併した場合、合併特例債は、標準事業費と標準基金規模上限の目安のトータル約327億円に対し約310.6億円が借り入れ限度額で、16.4億円の一般財源の持ち出しとなり、償還金のトータルは364.9億円に達するとしています。償還期間などを考慮すると、163.8億円の一般財源が必要です。

また、中津市と4ヵ町村の2000年度末地方債現在高のトータルは372.9億円で、これから増える償還金の財源の捻出に苦しむ中、地方債を合併後10年間で発行する事業計画により、その借金返済が自治体財政を圧迫するとの結論に至りました。

これにより、大分県中津市は、合併特例債はあくまで借金とみなしています。

山形県酒田市

前述のとおり、従来は合併特例債の活用が合併初年度を含む10か年度に限られていましたが、東日本大震災の影響に鑑み二度の法改正を経て20か年度まで延長されています。山形県酒田市でも、令和7年度まで活用期間を延長しています。

合併特例債は事業費の95%まで借入れることが可能で、毎年度返済する元利償還金の70%が普通交付税の基準財政需要額に算入されます。山形県酒田市では、総額329億2,910万円が発行可能となっています。

山形県酒田市における代表的な合併特例債活用事業は、以下のとおりです。

  • 新庁舎整備事業:6,416,000円
  • 企画運営事業(地域づくり基金造成):2,865,800円
  • 酒田市斎場改築事業:1,238,700円

【関連】地方のM&A動向!地域ごとの中小企業のM&Aの特徴や成功のポイントを解説!

8. 合併特例債のまとめ

本記事では、合併特例債の再延長について、事例とともに紹介しました。合併特例債とは、総務省が推し進める市町村合併を地方自治体へ促すために導入されたものです。充当率の多くを国が負担するので、地方自治体は積極的に合併に関する事業を行えます。

しかし、結果的に地方自治体が大きな借金を抱える問題が起こりました。「合併特例債が適切に使われているのか」といった疑問の声もあり、総務省も適切に対処するとしています。

今後、多くの地方自治体が合併特例債の償還に追われるのは確実です。合併特例債の再延長によって、さらに借入を行う地方自治体も増えます。今後、国や地方自治体は、合併特例債も含めた市町村合併の課題に対処しなければなりません。

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