2020年10月08日更新
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収!事例や動向、価格相場を解説

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
当記事では、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収の業界動向や価格相場について、事例を交えて解説しています。そのほか、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収にふさわしいスキーム、M&Aのメリットや成功のポイントも解説しています。
目次
1. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収・事業承継
ガラス製造・土石製品製造業を手放したり、他社から買い取ったりする場合には、どのような手法が用いられているのでしょうか。
ここでは、ガラス製造・土石製品製造業の概要を踏まえて、会社・事業の譲渡・承継を行うスキームを紹介します。
ガラス製造・土石製品製造とは
ガラス製造・土石製品製造とは、ガラス・セメント・陶磁器・建築用の粘土・炭素・黒鉛などの製品を造る事業者のことです。
ガラス製造を行う事業者は、製造物の種類によって板ガラス製造、加工・ガラス容器製造、理化・医療用ガラス器具製造、卓上・厨房用ガラス製造、ガラス繊維製造などに分けられます。
土石製品の製造を行う事業者では、セメント・生コンクリート製造、瓦やレンガの建設用粘土製品製造、食卓・厨房用の陶磁器製造、便器・浴槽などの衛生陶器製造、陶器の置物を造る陶磁器製置物製造などに分けられます。
そのほかにも、電気用セラミック製品などを造る電気用陶磁器製造や陶磁器製タイル製造、耐火れんが製造、炭素・黒鉛製品製造などが含まれます。
ガラス製造業では、板ガラスの製造が中心とされ、製造品は電機メーカーやスマホメーカー、建設業者、自動車メーカーなどへ卸されています。
土石製品製造業においては、売上高の上位を占める生コンクリート・陶磁器製造・電気用陶磁器製造を営む事業者が業界をけん引しているのが現状です。
M&A・売却・買収とは
M&A・売却・買収とは、ガラス製造・土石製品製造の会社や事業を売り買いすることです。
株式譲渡・事業譲渡を行う買収や複数の会社をひとつにまとめる合併、会社の権利義務を承継する分割、協力関係の締結・資本の取得を通じて両社のつながりを強める業務・資本提携などがあります。
ガラス製造・土石製品製造では、事業の拡大・経営資源の共有・シナジーの獲得・海外展開などの目的を果たすため、M&A・売却・買収が行われています。
事業承継とは
事業承継とは、ガラス製造・土石製品製造など自社が営む事業を後継者へ引き継ぐことをさし、事業承継の引継ぎ先となるのは親族・従業員・M&Aによる第三者です。
親族・従業員への事業承継では、事業承継に対する社内からの反発を抑えられるため、承継の前後で従業員の労働意欲を低下させないなどのメリットがあります。
しかし、現在では子どもに引継ぐ意思がないことや子どもの意思を尊重する傾向が強く、親族への事業承継が減少しています。また、従業員への事業承継では自社株式の取得にかかる負担を懸念して、オーナーが株式を所有したまま事業承継を行うケースも少なくありません。
また、後継者となるべき人物自体がいないケースも多く、近年ではM&Aによる事業承継を選択する割合が増えています。
2. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向
ガラス製造・土石製品製造業では、どのような背景・事情により、会社や事業の譲渡・承継を行っているのでしょうか。ここでは、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向についてみていきましょう。
- 国内需要の低迷によりアジア圏への進出が増加
- 国内では業界再編の動きが活況
- 2021年以降は市場環境が悪化する
- 経営者の高齢化によるM&Aも増加
①国内需要の低迷によりアジア圏への進出が増加
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向の1つ目は、国内需要の低迷によるアジア圏への進出増加です。
ガラス製造・土石製品製造業の市場は、成熟から衰退期へと移行したため大幅な成長は期待できません。そこで、M&A・買収を経て成長が見込まれるアジア圏などの海外市場へ進出し、事業の拡大・企業価値の向上などを図っています。
②国内では業界再編の動きが活況
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向の2つ目は、国内で活況を迎える業界再編の動きです。
2015年に経済産業省が公表した報告書および板ガラス協会の「板ガラスの出荷実績推移表」によると、国内におけるガラスの出荷額は、ピークを迎えた1990年度から減少に傾き、2014年度にはピーク時から約4割も減って、2019年までは横ばいに推移しています。
そのため、ガラス製造業界では需要が見込める新興国などの企業に目を向けたM&Aに注力するほか、国内においては高機能・高付加価値を付けたガラス製造品を供給する企業を買収して、必要な技術・人材の確保を図っています。
③2021年以降は市場環境が悪化する
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向の3つ目は、2021年以降に考えられる市場環境の悪化です。
土石製品製造業界では、人口の減少・労働者の不足・建築工法の変更などの要因により、国内での需要が減っています。
東京オリンピック・パラリンピックによる建設需要、災害対策や老朽化による道路・橋などの補修工事によって2021年度までは需要の回復が予想されるものの、一時的な復調だと、みなされています。
そのため、2021年度を境に需要が減少して市場環境が悪化すると予想されているため、アジアやオセアニアなど海外への進出を図り、需要の確保に取り組んでいます。
④経営者の高齢化によるM&Aも増加
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向の4つ目は、経営者の高齢化によるM&Aの増加です。
生コン・コンクリート製品製造業者の多くは中小企業であることから、経営者の高齢化問題に直面している企業も少なくありません。
このような現状から、高齢化の問題を抱える企業は好調を維持できる2021年度までに、自社や事業のM&A(事業承継を含む)を行うケースが増加しています。
3. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収では、どのような企業・事業が譲渡の対象とされているのでしょうか。ここでは、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例を5つ紹介します。
- 東海カーボンによるドイツ・COBEX HoldCo GmbHの買収
- 日本電気硝子によるPPG Industries, Inc.の米国・ガラス繊維事業の買収
- 石塚硝子による鳴海製陶の買収
- 旭硝子による連結子会社AGCフラットガラス・ノースアメリカの建築加工ガラス事業の売却
- セントラル硝子による米国・Guardian Industries Corp.の子会社2社の買収
①東海カーボンによるドイツ・COBEX HoldCo GmbHの買収
1つ目に紹介するガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例は、東海カーボンによるドイツ・COBEX HoldCo GmbHの買収です。
カーボン素材の開発を手掛ける東海カーボンは、2019年7月にアルミ精錬⽤カソードや高炉⽤ブロックの開発・製造・販売事業などを行うドイツ・COBEX HoldCo GmbHの株式を取得し、子会社としています。
東海カーボンは、既存事業とのシナジーを獲得することや柱となる事業を確保するなどの目的のために、収益性とコスト競争力に優れたCOBEX HoldCo GmbHを買収しています。
②日本電気硝子によるPPG Industries, Inc.の米国・ガラス繊維事業の買収
2つ目に紹介するガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例は、日本電気硝子によるPPG Industries, Inc.の米国・ガラス繊維事業の買収です。
特殊ガラス製品の製造・販売やガラスを製造する機械の製作と販売を手掛ける日本電気硝子は、2017年9月に米国の子会社を通じて、PPG Industries, Inc.の米国におけるガラス繊維事業を取得しています。
日本電気硝子は、中期経営計画(2016~2018年度)でガラス繊維事業が含まれる事業分野の拡大と積極的な投資を掲げ、2016年の10月にはPPG Industries, Inc.の欧州におけるガラス繊維事業を取得していました。
日本電気硝子は今回の買収によって生産体制を世界4カ所に増やせることから、対象事業のM&Aに踏み切っており、海外市場でのガラス繊維事業の価値を高めてシナジーの獲得を図るとしています。
③石塚硝子による鳴海製陶の買収
3つ目に紹介するガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例は、石塚硝子による鳴海製陶の買収です。
ガラス製品や紙・プラスチック容器、セラミック製品の製造と販売を営む石塚硝子は、2015年2月に洋食器のボーンチャイナなどを製造する食器事業・IH調理機器などの産業器材事業を手掛ける鳴海製陶を買収しています。
石塚硝子は対象会社の株式をすべて取得して子会社とし、経営資源の共有およびシナジーの獲得・企業価値の向上を図るとしています。
④旭硝子による連結子会社AGCフラットガラス・ノースアメリカの建築加工ガラス事業の売却
4つ目に紹介するガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例は、旭硝子(現・AGC)による連結子会社AGCフラットガラス・ノースアメリカの建築加工ガラス事業の売却です。
国内をはじめ、アジア・欧州・アメリカなどでガラス・電子部材・化学品事業を展開する旭硝子は、2014年12月に連結子会社AGCフラットガラス・ノースアメリカが手掛ける米国での商業ビル向けの建築加工ガラス事業を売却しています。
旭硝子は、当該事業の構造改革などを試みて収益の改善に努めていたもののプラスへの転換が見られず、対象事業の譲渡を実施しました。
旭硝子は、連結子会社・AGCフラットガラス・ノースアメリカの運営について、主力事業のフロートガラス製造・コーティング技術に集中することで黒字化を目指すとしています。
⑤セントラル硝子による米国・Guardian Industries Corp.の子会社2社の買収
5つ目に紹介するガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収事例は、セントラル硝子による米国・Guardian Industries Corp.の子会社2社の買収です。
2014年11月、ガラス・化成品事業を展開するセントラル硝子は、ガラス製品の製造と販売を手掛ける米国・Guardian Industries Corp.の子会社2社について、すべての株式を取得しています。
セントラル硝子は、海外での自動車ガラス事業を推し進めるために対象企業を買収しており、2つの会社が保有する自動車ガラス製造の生産・販売・問題解決力をはじめ、幅広い客層や有能な人材を海外展開に活かすとしています。
4. ガラス製造・土石製品製造におすすめのスキームは?
ガラス製造・土石製品製造の会社や事業を他社へ譲り渡す場合、どのようなスキームを選択すればよいのでしょうか。
ここでは、ガラス製造・土石製品製造の譲渡におすすめのスキームを3つ取り上げ、それぞれの特徴について解説します。
事業譲渡の特徴
事業譲渡では、自社のガラス製造・土石製品製造事業の一部や全部を他社に譲渡できます。譲渡の対象となるのは、資産や負債・特許権・営業権・契約などです。
譲渡対象を選べるので、ガラス製造・土石製品製造事業のみを譲渡したり、展開する事業のすべてを譲渡したりといった選択が可能です。
また、事業譲渡によるM&Aでは会社に譲渡益が入るため、ガラス製造・土石製品製造事業から撤退する・別事業を始める・経営負担の少ない事業に徹するなど、自社の法人格を残し別事業に注力・専念する場合に有効です。
しかし、事業譲渡では原則として競業避止義務を負う(会社法21条)ため、定められた期間・エリアでガラス製造・土石製品製造事業の営業が禁止されるので、事業譲渡の後も同事業を行う場合は不向きといえるでしょう。
したがって、事業譲渡を選択する場合は譲渡後の事業展開を考慮することも重要です。
株式譲渡の特徴
株式譲渡では、自社株式の譲渡によって会社の経営権を引き渡すことが可能です。会社のオーナーが変わるだけで会社の営業事態に変化はないため、会社が保有する資産・負債・営業権・契約などはそのまま引き継がれます。
譲渡に必要な手間が少なく、譲渡益はオーナーが得られるため引退後の生活費・新会社の立ち上げ費用など、必要な資金の一部に充てられます。
しかし、会社そのものを譲り渡すためガラス製造・土石製品製造事業のみの譲渡はできません。また、簿外債務や偶発債務があっても買い手は引き継ぐことになります。
そのため、株式譲渡を選択する場合には譲渡後の事業展開・計上漏れの有無を確認することが重要といえるでしょう。
事業承継の特徴
事業承継とは、後継者に自社の経営を引き継ぐことをいい、親族や従業員だけでなく第三者にガラス製造・土石製品製造事業そのものを引き継ぐこともできます。
廃業・倒産せずに事業承継を行えば、取引・雇用契約を維持でき、第三者への承継(M&A)も選択できるため親族や従業員のなかに会社を任せられる人物がいない場合にも有効なスキームといえます。
ただし、事業譲渡とは異なり事業のすべてが引き継がれるため、負債の承継・旧経営者の遺族が主張する遺留分に見合った金額の支払い・贈与税の支払いなどのリスクを後継者に負わせる可能性もあります。
そのため、ガラス製造・土石製品製造において事業承継を選択する場合には、後継者が負うリスクを考慮してからスキームを決定するようにしましょう。
5. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収価格相場
ガラス製造・土石製品製造会社・事業をM&A・売却・買収する場合、譲渡価格の基準を知るには、どのような手段が用意されているのでしょうか。
ここでは、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収における相場価格を知る方法について解説します。
自社の譲渡価格が相場に近いかを知る方法
買い手から提示された譲渡価格が相場に見合っているかを調べるときは、以下3つの算出法のいずれかを用いて求められます。
- 時価純資産法
- DCF法
- 類似会社比較法
①時価純資産法
時価純資産法とは、コストアプローチと呼ばれる手法で、時価に置き換えた資産と負債から企業の価値を評価する手法です。保有している資産から負債を引いて、評価額を算出します。
【時価純資産法】
- 資産の時価-負債の時価
なお、非上場企業は上場企業と会計処理の基準が異なるため、評価の対象となる資産・負債を時価に置き換えていないことがあります。
自社が非上場企業の場合には、時価を反映させた時価純資産法を選択して相場を算出するようにしましょう。
②DCF法
DCF法は、インカムアプローチと呼ばれる手法で、将来に得られるキャッシュフローを現在の価格に割り引いて企業価値を算出する手法です。
ガラス製造・土石製品製造事業で獲得するフリーキャッシュフローを加重平均コストで割り引き、現在の価格を導き出します。
【DCF法】
- フリーキャッシュフロー/(1+割引率)+フリーキャッシュフロー/(1+割引率)²+フリーキャッシュフロー/(1+割引率)³……
DCF法では営業権などを反映させることから、将来の利益を含めた評価が可能になりますが、自社が作成する事業計画によって企業価値が上下するため、事業計画に高い信ぴょう性と客観性が必要になります。
③類似会社比較法
類似会社比較法はマーケットアプローチと呼ばれる手法で、業種・規模が似ている上場企業の指標を用いて自社の価値を算出する方法です。類似する企業の数は、5社ほどを目安とします。
類似会社比較法の利用では市場の動きを自社の評価に反映させられるため、非上場会社によく利用されています。
【類似会社比較法】
- 類似企業の株式時価総額÷類似企業の指標(売上高・営業利益など)=係数
- 対象企業の指標(類似企業と同じ指標)×係数=企業価値
企業評価価値の算出は専門家に任せた方が良い?
企業評価価値は、算出する方法によって異なります。自社にM&Aの専門家を置いていなかったりM&Aの知識が乏しかったりする場合、相場の価格を正確に計算できない事態も考えられます。
また、自社のみでM&Aを進めれば譲渡額に正確な企業価値が反映されずに、不満を残したまま譲渡が完了してしまうことにもつながりかねません。
ガラス製造・土石製品製造会社や事業のM&A・売却・買収で損をしないためには、M&Aの専門家に協力を依頼することをおすすめします。
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収の相談は、M&A総合研究所へ
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案件ごとに知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーがクロージングまでフルサポートいたします。
また、料金体系は着手金・中間金・月額報酬は無料の完全成果報酬型を採用し、さらに平均3カ月のクロージングや希望額を上回る譲渡額の提示(希望額より平均124%のアップ)など、求める期間と金額での譲渡を可能にしています。
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収を検討されている場合は、どうぞお気軽にM&A総合研究所へお問い合わせください。
6. ガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリット
ガラス製造・土石製品製造のM&Aでは、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ガラス製造・土石製品製造のM&Aのメリットには、主に以下6点が挙げられます。
- 後継者問題の解決
- 自社・事業の経営を継続できる
- 大手企業の傘下に入り安定経営
- 従業員の雇用先を確保する
- 単独では難しい海外進出もできる
- 譲渡・売却益の獲得
①後継者問題の解決
1つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、後継者問題が解決できることです。
他社へのM&A(事業承継を含む)を選択すれば親族・社内から後継者を探す必要がなく、株式譲渡や事業譲渡などのスキームを用いることで会社・事業の譲渡が可能です。
親族・従業員の中で後継者となる人物がいない場合や事情によりすぐに経営を引き継ぎたい場合でも、第三者を後継者に据えられるため後継者問題を解決できます。
また、中小規模の企業が多いガラス製造・土石製品製造では、個人保証や担保が後継者問題を解決できない要因となるケースも少なくありませんが、M&Aによって会社を譲渡すれば個人保証や担保についても引継いでもらえるようになります。
②自社・事業の経営を継続できる
2つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、自社・事業の経営を継続できる点です。
同業者や関連業者へガラス製造・土石製品製造会社または事業を譲渡すれば、これまで手掛けてきた会社・事業を後世に残せるため、会社・事業に思い入れのある経営者にとっては、メリットがあるといえるでしょう。
③大手企業の傘下に入り安定経営
3つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、大手の傘下入りによる経営の安定化です。ガラス製造・土石製品製造業では、市場の縮小に伴い限られた需要を取り合うことが予想されます。
自社の力だけでは市場での競争を勝ち抜けない場合、大手企業へ自社・事業を譲渡して、経営の安定化を図ることが可能です。大手企業の経営資源が共有できれば自社の付加価値を高められるため、市場での競争力を強化できます。
限られた需要を確保できるため、ガラス製造・土石製品製造会社または事業をM&Aで譲渡することで、安定した経営につなげられます。
④従業員の雇用先を確保する
4つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、従業員の雇用先を確保できる点です。
廃業や事業からの撤退を選ぶと従業員を解雇しなければなりませんが、M&Aによる譲渡を選択すれば買い手に従業員の雇用を引き継いでもらえます。
株式譲渡のスキームでは雇用契約がそのまま承継され、事業譲渡の場合は従業員の同意を得て買い手側が再契約を結べば雇用の引き継ぎが可能です。
⑤単独では難しい海外進出もできる
5つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、単独では困難といえる海外進出を可能とする点です。
ガラス製造・土石製品製造業では、国内市場の縮小から海外に目を向ける企業も少なくありません。とはいえ、海外に進出するにはコスト・時間・経験などを必要とするため、自社のみで行うと失敗に終わる事態も想定されるでしょう。
しかし、M&Aで海外企業を買収すれば譲渡契約の締結を済ませることで海外進出を行えます。一から事業を立ち上げる必要がなく、対象企業や事業が保有する営業基盤・販路・人材・技術・ノウハウも獲得できるため、海外進出が可能になります。
⑥譲渡・売却益の獲得
6つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリットは、譲渡・売却益の獲得です。ガラス製造・土石製品製造事業の廃業・撤退を選んでしまうと、後処理のために費用を支払う必要があります。
しかし、第三者へのM&Aを活用すれば譲渡した会社・事業の対価として、譲渡・売却益を獲得できます。
会社やオーナー(株主)に譲渡・売却益が入るため、借入金の返済や既存事業への注力、新会社立ち上げの費用、老後の生活費など必要な資金の一部を得られるため、買い手が見つかればまとまった資金を確保できるメリットがあるといえます。
7. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収を成功させるポイント
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収では、どのような点を押さえておけばよいのでしょうか。ここでは、ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収を行う際のポイントについて、売却側・買収側それぞれの立場から解説します。
売却側のポイント
ガラス製造・土石製品製造のM&Aで、売却側が押さえておくポイントには以下5点が挙げられます。
- 計画的に準備を行う
- 売却するうえでの希望条件を伝える
- M&Aの目的を明確にする
- 人材や収益性などの強みをまとめる
- M&Aの専門家に相談する
①計画的に準備を行う
1つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで売却側が押さえておく成功のポイントは、計画的に準備を行うことです。
M&Aでは、スキームや対象企業の選定・交渉や面談・デューデリジェンスの対応・契約手続きなどの過程を経なければならないため、スムーズにM&Aを進めるには計画的な準備が必要です。
リスクの洗い出しや財務状況の改善、在庫・株主の整理などを事前に行い、会社・事業を譲渡する体制を整えておけば自社が望む期間での売却を可能になり、売却の機会を逃すリスクも軽減できます。
②売却するうえでの希望条件を伝える
2つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで売却側が押さえておく成功のポイントは、売却の希望条件を伝えることです。
希望する条件は会社ごとに異なるため、交渉・面談ではっきりと買い手候補に伝えることが重要です。そのため、譲渡価格・取引や雇用契約の継続などの希望条件を事前に洗い出しておきましょう。
希望条件を伝えにくいと感じる場合には、M&A仲介会社などの専門家を通して条件を伝えるのもよいでしょう。
③M&Aの目的を明確にする
3つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで売却側が押さえておく成功のポイントは、M&Aの目的を明確にすることです。
M&Aを進める場合、目的によって選択するスキームや交渉の仕方などが異なるため、M&Aの目的を曖昧にしておくと、誤ったスキームを選んでしまった・交渉先が見つからない・交渉が長期間に渡るなど、望んだM&Aに至らない事態も想定されるでしょう。
後継者問題の解消や会社・事業の継続、取引・雇用契約の継続、他事業への集中など、自社の目的を明らかにしてからM&Aを進めることが望ましいです。
④人材や収益性などの強みをまとめる
4つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで売却側が押さえておく成功のポイントは、自社の強みをまとめておくことです。
買い手の目に留まり交渉の場へと進めるには、同業者よりも秀でている点をアピールすることが必要です。
そのため、自社の価値を見直して保有する人材や技術・ノウハウ・販路・事業エリアなど特徴といえる点を洗い出し、自社の収益・取引数・在庫などのデータをまとめておくようにしましょう。
データを提示することにより買い手は承継後の経営計画を立てやすくなるため、交渉がスムーズに進みやすくなります。
⑤M&Aの専門家に相談する
5つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで売却側が押さえておく成功のポイントは、M&Aの専門家に相談することです。
M&Aを成功させるためには、業界やM&Aに関する知識だけでなく高い交渉力も必要になります。自社のみで進めると、交渉先が見つからない・交渉が決裂した・不当な条件を呑んでしまったなど、希望のM&Aからかけ離れてしまう可能性もあります。
M&Aの専門家に相談すれば、各専門家が持つネットワークから交渉先を探し、ふさわしい譲渡額・スキームのアドバイスや交渉・契約手続きなどのサポートを受けられます。
相談先にはM&A仲介会社・地元の士業・金融機関・公的機関などがあるので、自社に合ったところにサポートを依頼するとよいでしょう。
買収側のポイント
ガラス製造・土石製品製造のM&Aで、買収側は以下3つのポイントを意識して行うことが大切です。
- デューデリジェンスをきちんと行う
- 買収先の従業員が離職しないようにする
- M&Aの専門家に相談する
①デューデリジェンスをきちんと行う
1つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで買収側が押さえておくポイントは、デューデリジェンスの徹底です。デューデリジェンスでは、売却側企業の財務などの状態を調査します。
調査を怠ると、簿外債務や偶発債務を抱えるなどのリスクも考えられるため、専門家に依頼してしっかりと調査することが重要です。
ただし、デューデリジェンスには財務・法務・税務・ITなどの調査があるので、その中で必要なものを選んで調査するのが一般的です。
②買収先の従業員が離職しないようにする
2つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで買収側が押さえておくポイントは、買収先の従業員が離職する事態を避けることです。
買収後、従業員が会社を離れてしまうと承継した事業の運営に支障をきたし、新たに人材を確保するとなればそれなりの時間を要します。
従業員の離職を避けるためには待遇を改善したり労働環境を整えたりするなど、対策を講じておくことも必要です。
③M&Aの専門家に相談する
3つ目に挙げるガラス製造・土石製品製造のM&Aで買収側が押さえておくポイントは、M&Aの専門家に相談することです。
自社にM&Aの専門家を置いていない・M&Aの経験がない場合には、M&Aの専門家に協力を仰ぐようにしましょう。
専門家へ依頼すれば、交渉先の探索・スキームの選定・買収価格の提示・交渉や契約手続き、デューデリジェンス・PMIの実施といった専門性の高い行程でサポートが受けられます。
8. ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収時におすすめの相談先
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、多様な業種を取り扱う中堅・中小企業向けのM&A仲介会社です。
案件ごとに知識と経験が豊富なM&Aアドバイザーが交渉からクロージングまでフルサポートいたします。
料金体系は着手金・中間報酬が無料の完全成功報酬を採用しており、成約にいたらなければ費用は一切かかりません。
また、通常は6か月程度を要するM&Aを平均3カ月でクロージングしており、M&Aの成約率は約70%を誇っています。
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収をご検討の際は、どうぞお気軽にM&A総合研究所へお問い合わせください。
9. まとめ
ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収について、事業の概要や業界の動向、売却・買収の事例などを紹介しました。
ガラス製造・土石製品製造業は、国内需要の減少や業界の再編、東京オリンピック・パラリンピック以降に起こる市場環境の悪化などで、国内外の企業に対してM&Aを実施する企業が増えています。
ガラス製造・土石製品製造のM&Aを検討されている企業は、市場環境が変化する前に売却・買収を実施するとよいでしょう。
【ガラス製造・土石製品製造のM&A・売却・買収動向】
- 国内需要の低迷によりアジア圏への進出が増加
- 国内では業界再編の動きが活況
- 2021年以降は市場環境が悪化する
- 経営者の高齢化によるM&Aも増加
【ガラス製造・土石製品製造のM&Aによるメリット】
- 後継者問題の解決
- 自社・事業の経営を継続できる
- 大手企業の傘下に入り安定経営
- 従業員の雇用先を確保する
- 単独では難しい海外進出もできる
- 譲渡・売却益の獲得
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