サイト売買の相場やコツは?売り手と買い手のメリット、注意点、税金も解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

サイト売買とは、ウェブサイトを商品として売買することです。一般的なM&Aと同じように、企業あるいは個人間でサイトの運営権を移転させることで取引が成立します。本記事では、サイト売買の相場やコツと売り手・買い手のメリットを解説します。

目次

  1. サイト売買とは
  2. サイト売買の相場
  3. サイト売買を成功させるコツ
  4. サイト売買の売り手と買い手のメリット
  5. サイト売買の流れ
  6. サイト売買の手続きと注意点
  7. サイト売買・M&Aの相談先
  8. サイト売買のまとめ
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1. サイト売買とは

近年、M&Aと呼ばれる言葉を見聞きする機会が増えており、経営者だけでなくサラリーマンや個人にとってもM&Aが身近な存在になりつつあります。

特に身近な例が、個人レベルでも行えるサイト売買です。サイト売買はウェブサイトを商品として売買することで、アフィリエイトサイトやECサイトなどの売買が頻繁に行われています。

個人運営のサイトでも売却チャンスがありますが、個人でサイト売買を検討する際は買い手を探したり価格交渉をしたりするのはハードルが高いのも事実です。

サイト売買の失敗リスクを抑えながら取引を成立させるためには、サイト売買の相場やコツを押さえておくことが大切です。

【関連】サイト売買(M&A)のサイトを徹底比較【オークション方式あり】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

サイトM&Aとは

サイト売買は、別名「サイトM&A」とも呼ばれています。

サイトM&Aでは、まず売却側がサイト売買を取り扱うサービスに登録し、買収側からオファーを待ちます。買い手側オファーがあれば、登録サイトの収益・アクセス数などをベースに買い手との交渉を進めていく流れです。

その後、交渉の結果として当事者の合意を得たら、売買が成立し譲渡契約書にサインをすると手続きが完了します。サイトM&Aの詳しい流れは後述しています。

2. サイト売買の相場

サイト売買の相場は、対象サイトの月々の収益×20〜30カ月分とされています。相場通りに取引が成立すれば、一度に2年相当の収益を獲得することが可能です。

これは大まかな目安であり、実際はさまざまな査定基準をもとに価値を算出します。場合によっては目安以上に高い評価を受けて売却できるチャンスもあります。

例えば、サイトが発展途上でPV数は伸びているものの直接的な収益に結びついていないサイトでも、将来的な収益価値を見込んだ評価を受けることも可能です。サイト売買の査定基準は以下のとおりです。

  1. システム資産:システム自体の価値
  2. 情報資産:サイトに掲載されているコンテンツの価値
  3. プロモーション価値:PV(ページビュー)やSEO的価値
  4. 収益力:サイトの収益性(月間売上など)
  5. 運営コスト:サイト運営にかかる費用
  6. 将来性・持続性:サイトやコンテンツの将来性
  7. インフラ(顧客・取引先):サイトの登録会員数や提携先

3. サイト売買を成功させるコツ

サイト売買は個人で実施できる取引ですが、広く普及しているとはいい難いため、相手が見つからなかったり交渉がうまくいかなかったりなどの理由で成立しないケースも少なくありません。

サイト売買で相手を見つけて取引を成立させるには、優良コンテンツ作りや適切な売買価格設定などが必要です。この章では、サイト売買のコツを解説します。

  • 需要のあるサイトであること・制作していること
  • 適切な売買価格を設定すること
  • SEO対策をしている・良質なコンテンツがあること
  • サイト売買・M&Aの専門家に相談すること

需要のあるサイトであること・制作していること

サイト売買は、サイトの収益力を基準に価格設定されることが多いため、収益につながりやすいサイト作りを心がける必要があります。

サイトの収益は、個人ブログやアフィリエイトサイトであればウェブ広告掲載による広告収入がほとんどです。個人から個人に対して直接訴求できるので、広告を出す企業側からも需要の高いメディアと認識されています。

アフィリエイト商材や広告出稿などのニーズがないウェブサイトでは収益をあげることが難しいため、売却できる可能性は低いでしょう。

適切な売買価格を設定すること

サイト売買では、サイトの価値に見合った売買価格設定が大切です。買い手側は高値づかみを避けたいので、売買価格の設定が高すぎるとそもそも交渉の場まで進まない可能性も高いでしょう。

サイト売買の価格設定の目安は「月々の収益×20~30カ月分-サイト運営費」です。月々50万円の収益と月々10万円の費用があるサイトの場合、1カ月の営業利益は40万円となり適切な売買価格は800万〜1,200万円となります。

収益性以外にも付加価値がある場合は、事前に資料としてそろえておくと相手との価格交渉を円滑に進められます。

SEO対策をしている・良質なコンテンツがあること

サイト売買のコツとして、SEO対策をしていることも大切です。ウェブサイトの流入チャネルは大半が検索エンジンからなので、SEO対策済みでPV数を稼げるサイトは多くのユーザーに対する訴求力があると評価されます。

コンテンツは、オリジナリティの高いサイトが評価されやすい傾向にあります。オリジナリティの低いサイトは検索順位が落ちてPV数も伸び悩んでしまうためです。

アフィリエイト商材を主な収入源としている場合は、トレンドに左右されることが多いでしょう。常にトレンドを把握して需要の高いサイトを維持できる仕組みを構築できていると、良質なコンテンツとして高い評価を受けやすくなります。

サイト売買・M&Aの専門家に相談すること

サイト売買は相手探しや価格交渉が必要なので、サイト売買・M&Aの専門家に相談することをおすすめします。専門家のネットワークであれば、広範囲からの選定で好条件の取引相手を見つけやすくなり、取引価格を高める効果も期待できます。

サイト売買の相談先で特におすすめなのはM&A仲介会社です。中堅・中小規模の案件を取り扱っているので、個人運営のサイト売買も相談に乗ってもらえる可能性が高いでしょう。

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4. サイト売買の売り手と買い手のメリット

サイト売買は売り手・買い手の双方にメリットがあります。この章では、サイト売買の売り手・買い手のメリットを解説します。

サイト売買の売り手側のメリット

まずは、サイト売買の売り手側におけるメリットの解説です。サイト売買で売却すると、主に以下のようなメリットが得られます。

  • 売却益の獲得
  • サイト運営からの解放
  • ネット事業の選択と集中
  • 運用コストの削減

売却益の獲得

個人でサイトを運営していると、収益的な限界を感じることがあります。収益を伸ばすために大きく方針を転換すると、既存のユーザーが離れてしまう恐れがあるので、行動を起こしにくい問題もあります。

サイト売買であればサイトの運営権限を第三者に売却することで、サイトの価値に応じた売却益を一度に獲得することが可能です。その資金を元手に新たなサイトを作成することで、需要の高い新たな分野で勝負できます。

サイト運営からの解放

サイト運営は、かけた労力が成果として出るものではなく、運営がつらいと感じてしまうこともあります。収益が出てからも維持するためには、管理・運営を続けなくてはなりません。

サイト売買であればサイト運営者の立場から解放され、自由な時間を増やせます。獲得した資金や空いた時間を使って、新たな事業を起こすことも可能です。

ネット事業の選択と集中

サイト運営者は、複数のサイトを管理・運営しているケースも多いでしょう。複数のサイト運営は収益増大のチャンスが大きい反面、かかる手間や負担の大きさも計り知れません。

サイト売買であれば、必要なサイトだけを残して売却することで、ネット事業の選択と集中を行えます。将来性・持続性がないサイトや得意ではないジャンルを扱うサイトを売却してしまえば、本当に有用なサイトの管理・運営に集中することが可能です。

運用コストの削減

ウェブサイトの運用には、サーバー費用やドメイン費用などのコストが継続的に発生するので、積み上がってくると結構な金額です。複数のサイトを運営している場合は、運用コストの捻出に頭を悩ませることも少なくありません。

サイト売買でサイトを売却すると、その分の運用コストを削減できます。収益性が悪いサイトであれば、思い切って売却してコスト負担を軽くする方法も有効です。

サイト売買の買い手側のメリット

続いて、サイト売買の買い手側のメリットです。買い手側にとって、特に恩恵が大きいメリットは以下の3点です。

  • 事業を始めやすい
  • 既存事業とのシナジー効果の創出
  • サイト作成の手間・費用の削減

事業を始めやすい

新規にウェブサイトを立ち上げようとすると、マーケティングからドメイン取得やサイト構築などの手順が必要です。サイト売買で既存のウェブサイトを購入すると、サイト構築までに必要な手順を省略できます。

完成度の高いサイトを個人で制作するのは難しいですが、土台が完成したサイトの運営であれば個人でも継続的な運用しやすいでしょう。

既存事業とのシナジー効果の創出

サイト売買は単純な足し算ではなく、相乗効果を期待することも可能です。シナジー効果と呼ばれており、新しい価値を生み出して、サイトの収益力を大きく高められます。

サイト売買であれば、顧客の共有でより多くのユーザーに対してアプローチしやすくなるなどの効果が期待できます。ただし、シナジー効果はマイナス面に働くこともあるため、注意が必要です。

サイト作成の手間・費用の削減

ウェブサイト作成は、多数の手順を踏む必要があるので手間がかかります。ユーザーを集めようとすると、SEO対策や広告配信などの施策のために多くの費用がかかります。

サイト売買で完成したウェブサイトを購入すれば、サイト作成の手間・費用を削減することが可能です。サイト購入のためのまとまった資金は必要ですが、自分好みのサイトを即座に運営できます。

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5. サイト売買の流れ

サイト売買の方法には「M&A仲介会社への相談」と「マッチングサイトの利用」の2パターンがあります。この章では、サイト売買でマッチングサイトを利用した場合の流れを売り手・買い手の視点別に解説します。

サイト売買の売り手側の流れ

まずは、サイト売買の売り手側の流れから解説します。売却が成立するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. マッチングサイトへ登録
  2. サイト査定・審査
  3. 秘密保持契約の締結
  4. サイト売買の交渉開始
  5. サイト売買の取引成立

①マッチングサイトへ登録

まずは、サイト売買の専用サイトやM&Aマッチングサイトに登録します。これらのサイトには、サイト売買に関心の高い個人・企業が集まっていて、多数の売却・購入案件が掲載されています。

マッチングサイトに登録する情報は「売却したいウェブサイトのURL」「PV数」「月々の収益」などです。できる限り詳細な情報を登録しておくと、買い手にアピールしやすくなります。

②サイト査定・審査

自分のウェブサイトの客観的な評価が欲しい場合は、マッチングサイトにサイト査定・審査を依頼できます。

M&Aマッチングサイトの場合、査定・審査が厳格になる傾向があります。少しハードルが高くなる分、信用力が増すので、真剣にサイト購入を検討している買い手が見つかりやすいでしょう。

③秘密保持契約の締結

秘密保持契約は、業務や取引で知り得た営業秘密や個人情報を目的外で使用しないことを制約する契約書です。

電子契約サービスが発達しているので、ウェブ上で締結できます。サイト売買ではサイトの内情を買い手に対して公開するので、サイト購入の検討以外の目的に使用しないことを約束してもらいます。

④サイト売買の交渉開始

前準備が完了したら、買い手との交渉を開始します。主に価格や運営権譲渡日などに関して、双方の意見を出して話し合いを重ねる流れです。

買い手側からの質問に対してレスポンスが早いほど、成約に結びつきやすくなります。可能な限りスピーディーな対応を心がけましょう。

⑤サイト売買の取引成立

買い手との交渉がまとまったら、最終契約書を締結してサイト売買の成立です。契約書は必須ではありませんが、後々のトラブルを回避するためにも締結しておくほうが安心です。

サイトの運営権と引き換えに売却益を獲得します。サイト売買専用のサービスは各自に利用手数料を設けているので、売却益の一部から支払うことが一般的です。

サイト売買の買い手側の流れ

続いて、サイト売買の買い手側の流れを解説します。サイトを購入するまでの一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. マッチングサイトへ登録
  2. サイトの売却案件の検討
  3. サイト売買の交渉開始
  4. サイト売買の取引成立

①マッチングサイトへ登録

まずは、サイト売買の専用サイトやM&Aマッチングサイトに登録します。複数のサイトに登録すると、多数の売却案件を比較検討できます。

買い手側は簡単な個人・法人情報を登録するだけですが、購入案件を掲載したい場合は求めているサイトのジャンルやPV数などの情報が必要です。

②サイトの売却案件の検討

掲載されている売却案件の中から、気になる案件をピックアップします。一般公開情報よりも詳しい情報が欲しい場合は、売り手にコンタクトを取ると対応してもらえることもあります。

③サイト売買の交渉開始

気になる案件が見つかったら、売り手にサイト売買の交渉を申し込みます。秘密保持契約を締結した後にURLの開示などが行われ、本格的に検討できるようになります。

④サイト売買の取引成立

売り手との交渉が終わったら、サイト売買の取引成立です。取引価格や運営権譲渡日などの条件を記載した契約書を締結します。

取引価格を支払うと、サイトの運営権を獲得できます。支払う利用手数料は、サイト購入資金以外で用意しておかなければなりません。

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6. サイト売買の手続きと注意点

サイト売買の手続きには、注意するポイントがあります。注意ポイントはサイトのジャンルや規模次第で変わりますが、共通するものは次の5点です。

  • ドメインの移管手続き
  • サーバーの移管手続き
  • 権利問題に注意
  • デューデリジェンスの徹底
  • 競業禁止条項の記載

ドメインの移管手続き

ドメインとは、コンピューターやネットワークを識別するための名前です。ウェブサイトに関してはサイトの住所の役割を持ちます。

サイト売買で管理者が変わる場合は、売り手側からドメイン管理会社に移管申請を出して手続きを行う必要があります。ドメイン移管にかかる日数は基本的に1週間程度です。

詳細な手続きは、ドメイン管理会社や契約内容によって変わります。譲渡日に間に合わなくなる可能性もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

サーバーの移管手続き

ウェブサイトのデータを置いているサーバーは、そのまま引き継ぐか別のサーバーに移管するかを決めておく必要があります。買い手がすでにほかにウェブサイトを運営していない場合は、そのまま引き継ぐ形が多くなります。その場合はサーバー管理会社に名義変更を申請して完了です。

買い手がすでにウェブサイトを運営している場合は、管理の負担を軽くするためにもサーバー管理会社を統一しておくほうが良いでしょう。早期に話し合いを進めておき、余裕を持って移管手続きを済ませておくと安心です。

権利問題に注意

サイト売買では、ウェブサイトの運営権限とともに、サイトに掲載されている画像や記事などすべてのコンテンツを譲渡します。コンテンツの著作権は、サイトの所有者が持っているとは限りません。外部のイラストレーターやライターなどが関わっている場合、契約内容次第では所有権・著作権が放棄されていないこともあります。

サイト売買の前には、サイトのコンテンツの所有権・著作権の確認が大切です。もしも放棄されていない場合は、引き続き掲載できるように許可取りを行う必要があります。

デューデリジェンスの徹底

サイト売買で取引対象とされるウェブサイトの価値は、売上高・アクセス数・月間営業利益などで変動します。サイト売買にあたってこれらの数値に誤りがあると、将来的にトラブルに発展するおそれがあるため注意しましょう。トラブルを避けて取引をスムーズに進行させるには、デューデリジェンスの徹底が必要不可欠です。

競業禁止条項の記載

現在、ウェブサイトの制作を規制する法律は存在せず、サイト売買の直後に売却側が新たなサイトを立ち上げたとしても法的な問題はありません。とはいえ、これではサイトを購入したメリットが減少してしまい、無駄な資金を投入してしまいかねません。

こうしたトラブルを避けるためには、売却側が同じようなサイトの制作を禁止する内容を盛り込んだ契約(競業禁止条項)を交わすことが大切です。この契約を売却側が破った場合、損害賠償請求や運営の差し止めを請求できます。

7. サイト売買・M&Aの相談先

サイト売買はマッチングサイトでも行えますが、交渉や移管手続きは当事者が進めなければなりません。不要なトラブルを避けて円滑に進めるためには、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所は、中堅・中小規模のM&A仲介を専門業務とする会社です。特にIT分野に精通しており、関連ノウハウを生かしてサイト売買をサポートします。

M&Aの料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、サイト売買をご検討の際はお気軽にお問い合わせください。

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8. サイト売買のまとめ

インターネットの情報発信の価値が高まり続けているので、個人運営のウェブサイトでも高額売却の可能性が十分にあります。

「まとまった資金を獲得したい」「サイト運営に疲れた」といった場合は専門家へ相談すると、サイト売買の必要な流れやコツなどのアドバイスを受けられます。

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