サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡!事例や動向、価格相場を解説!

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、サイバーセキュリティーのM&A・事業承継による売却・譲渡事例や、近年のM&A動向について解説しています。また、M&A・事業承継による売却・譲渡を成功させるポイントや、サイバーセキュリティーのM&Aにおすすめの仲介会社も併せてご紹介します。

目次

  1. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡・事業承継
  2. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例
  3. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡動向
  4. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡価格の相場
  5. サイバーセキュリティーがM&A・買収される理由
  6. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡を行う際のポイント
  7. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡におすすめの仲介会社
  8. まとめ 
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1. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡・事業承継

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡・事業承継

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡について述べる前に、まずはサイバーセキュリティーの概要やM&A・事業承継の意味について解説します。

サイバーセキュリティーとは

サイバーセキュリティーとは、ハッカーのサイバー攻撃から公的機関・企業・個人を守る対策をさします。

近年IoTの普及やAIの進歩により、サイバー攻撃の技術は進化し多様化しています。サイバー攻撃の脅威に対抗するため、世界各国でサイバーセキュリティーの強化が進められ、それに伴いサイバーセキュリティー企業の需要は高まり続けています。

M&A・売却・譲渡とは

M&Aとは、事業を企業や個人間で売買する場合や、企業同士を合併する場合の手法をまとめた呼び方です。

M&Aによって、売却・譲渡側は、売却益の獲得や相手企業の経営リソース活用などのメリットが得られます。

事業承継とは

事業承継とは、事業を後継者へバトンタッチし、事業の継続を図ることをさします。

経営者の高齢化による廃業が深刻となるなかで、事業承継の重要性は高まっています。そのため、国の後押しによって各都道府県が主導し、各専門機関と連携することにより、中小企業の事業承継を推進しています。

2. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例

ここからは、以下のサイバーセキュリティー会社のM&A事例をご紹介します。

  1. ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携
  2. UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  3. ネクスグループとテリロジーの資本業務提携
  4. LINEとGrayHashによる資本業務提携
  5. インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  6. ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  7. 日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資
  8. デンソーによるDellFerへの出資
  9. アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  10. カイカによるテリロジーの株式取得

①ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例1件目は、ソリトンシステムズとPolyverse Corporation(米国、Polyverse社)の資本業務提携です。

2020年、ITセキュリティ、サイバー対策製品などを開発しているソリトンシステムズは、高いサイバーセキュリティー技術があるPolyverse Corporationの増資に応答して、資本関係を持つことになりました。

ソリトンシステムズは今回の提携によって、これからさらに増えていくサイバー攻撃を縮小させるソリューションの普及を図っています。

②UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例2件目は、UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2019年、サイバーセキュリティーのスタートアップ企業であるUnbotifyは、アドフラウド(ボットなどを使った不正広告)の防止などを行うAdjustへ株式譲渡を行いました。

Adjustは、Unbotifyの買収により、アドフラウド防止プラットフォームの強化を図っています。

③ネクスグループとテリロジーの資本業務提携

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例3件目は、ネクスグループとテリロジーの資本業務提携です。

介護ロボットや農業ICTの企画・開発・販売などを行うネクスグループは、2019年にネットワーク関連事業やセキュリティー関連事業などを行うテリロジーと、資本業務提携を結びました。

これにより、両社はIoT製品の共同開発や営業力の強化など、協業関係を深めています。

④LINEとGrayHashによる資本業務提携

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例4件目は、LINEとGrayHashによる資本業務提携です。

サイバーセキュリティー企業のGrayHashは、2018年に、LINEの子会社と資本業務提携を結び、完全子会社となりました。

これにより、GrayHashはGrayLabと商号を変え、LINEの各種サービスにおけるセキュリティー開発などを行っています。

⑤インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例5件目は、インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2018年に、ソフトハウスのインサイトは、サイバーセキュリティー企業のセキュアヴェイルへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

セキュアヴェイルは、インサイトのグループ入りによって、多様化するサイバー攻撃への対応をグループ内で完結できる体制を整えています。

⑥ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例6件目は、ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2018年、サイバーセキュリティー製品などを取り扱うネクスト・セキュリティは、ファイナンシャルアドバイザリー事業やサイバーセキュリティー事業などを営むGFAへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

GFAは、金融とITの融合によるシナジー効果が見込めるとして、ネクスト・セキュリティの買収に至っています。

⑦日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例7件目は、日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資です。

日商エレクトロニクスは2018年、サイバーセキュリティー企業のVectra Networks, inc.が行った第三者割当増資に出資しました。

日商エレクトロニクスは、サイバーセキュリティー分野をコア事業として注力していることから、Vectra Networks, inc.への出資によりサイバーセキュリティー事業のさらなる加速を図っています。

⑧デンソーによるDellFerへの出資

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例8件目は、デンソーによるDellFerへの出資です。

2018年、デンソーは、サイバーセキュリティーのスタートアップ企業であるDellFerへ出資を行いました。

自動車の車載システムをサイバー攻撃から保護するセキュリティー技術の開発を進めているデンソーは、DellFerの最新サイバーセキュリティー技術を応用することで、安全な自動運転やコネクティッドカーの実現を目指しています。

⑨アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例9件目は、アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

システムインテグレーション事業や、ITエンジニア派遣事業などを展開するアジアンリンクは、2018年にサイバーセキュリティー企業のラックへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

ラックは、アジアンリンクの買収によりサイバーセキュリティー人材を確保し、事業基盤の強化を図るとしています。

⑩カイカによるテリロジーの株式取得

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例10件目は、カイカによるテリロジーの株式取得です。

2018年、ブロックチェーン技術を応用したセキュリティー製品の開発を共同で行っているカイカとテリロジーは、業務提携強化のため、テリロジーの一部株式をカイカが取得しました。

これにより、カイカはセキュリティー対策を強化し、仮想通貨ビジネスのさらなる成長を図っています。

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3. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡動向

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡動向

サイバーセキュリティーに関するM&Aの動向は以下のように推移しています。

  1. サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される
  2. 大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる
  3. M&Aのシーンでも重要になる

①サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される

現在では、あらゆるモノがインターネットにつながり、IoT化が急速に進んでいます。しかし、IoTはサイバー攻撃に弱いという難点があります。

また、ハッカーによるサイバー攻撃は、AIを用いた高度な技術へと進化し続け、攻撃の精度も上がっています。

そのため、国ではサイバー攻撃対策を推進し、企業はサイバーセキュリティー対策費用を増加させるなど、サイバーセキュリティーに関する需要は今後さらに急拡大すると見られています。それに伴って、サイバーセキュリティー企業のM&Aも増加が予測されます。

②大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる

近年は、サイバー攻撃による公的機関や企業からの情報漏えいが大きな問題となっています。

サイバー攻撃が無差別攻撃から標的を定めた攻撃に進化していることから、大手企業は迅速・的確に対応するために、自社グループ内にサイバーセキュリティー会社を置くケースが見られます。

③M&Aのシーンでも重要になる

M&Aの際もサイバー攻撃に対するリスクチェックが重要視されるようになり、買収先企業に対して徹底したITデューデリジェンスを行う企業が増えています。

米国などのように、日本でもサイバー攻撃に対するリスクの度合いによってM&A価格が大きく変動することが当たり前になっていくと予測されます。

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4. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡価格の相場

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡価格の相場

サイバーセキュリティー企業のM&Aによる売却・譲渡価格は、会社規模に対して高めに設定される傾向にあります。

サイバーセキュリティー人材は大幅に不足しており、国でも人材育成を急いでいる現状だからです。また、サイバーセキュリティー分野は需要が高く、今後の大きな成長も見込めます。

これらの要因から、売り手優位であるサイバーセキュリティー企業の売却・譲渡価格相場は高くなっています。

サイバーセキュリティー企業の価格算出方法

サイバーセキュリティー企業の価格算定は、売却・譲渡企業の現在資産価値部分と、ブランド力や技術力、M&Aにおける数年分の収益力などの「のれん」部分に分けられます。

一般的に、のれん代は3年分から5年分の収益力で算出しますが、サイバーセキュリティー企業の場合はのれん代が高く評価されるケースが多く、その結果が売却・譲渡価格相場の高さにつながっています。

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5. サイバーセキュリティーがM&A・買収される理由

サイバーセキュリティーがM&A・買収される理由

サイバーセキュリティー企業は、主に以下の理由でM&Aによる買収が行われます。

  1. サイバー攻撃に対して自衛するため
  2. 顧客・取引相手の信頼を得るため
  3. 買収先の企業に対し交渉材料の一つになるため
  4. 助成金を得られるようになってきているため

①サイバー攻撃に対して自衛するため

以前まで、サイバーセキュリティーは専門企業に外注するケースがほとんどでしたが、最近では大手を中心に、自社グループ内で対策をとる企業が出てきています。

公的機関や大手企業をピンポイントで標的にするサイバー攻撃が増加していることから、M&Aによってサイバーセキュリティー企業を買収し、自社グループのセキュリティーに特化するケースが見られます。

②顧客・取引相手の信頼を得るため

公的機関や大手企業へのサイバー攻撃による大量の個人情報流出が問題となるなか、顧客や取引先などの信頼を得る目的で、サイバーセキュリティー企業を買収するケースも見られます。

現在は、主に大手企業のセキュリティー対策が注目されていますが、今後は中堅企業や中小企業でもセキュリティー対策の有無が信頼性を左右するようになっていくと予測されます。

③買収企業に対し交渉材料の一つになるため

現在、サイバーセキュリティー業界は売り手優位の状況にあり、サイバーセキュリティー企業はM&Aや資金調達の交渉が行いやすい状況です。

そのため、大手企業などの経営リソースを活用するために、サイバーセキュリティー企業からアプローチするケースも見られます。

④助成金を得られるようになってきているため

サイバーセキュリティー対策が講じられたIoT機器などへの設備投資促進を目的として、国は2018年6月から2020年3月31日まで、コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税制)を制度化していました。

国がIoTの促進とサイバーセキュリティーの強化を今後も推進していく可能性が高いことから、サイバーセキュリティー企業の買収目的の1つとなっています。

【関連】システム開発会社の売却・M&A事例30選!計算方法や相場は?高値で売る方法を解説

6. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡を行う際のポイント

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡を行う際のポイント

サイバーセキュリティー企業がM&Aによる売却・譲渡を行う際は、以下のポイントを意識して行うことが大切です。

  1. 自社の実績・強みを明確にする
  2. 譲渡・売却の目的をはっきりさせる
  3. 譲れない条件を決める
  4. 最適なM&Aの相手を選定する
  5. M&Aの専門家に相談する

①自社の実績・強みを明確にする

サイバー攻撃の脅威が増していることから、企業はとりあえずサイバーセキュリティーをしておけば良いという段階から、確実にサイバー攻撃を防げる方法を求める段階に移り始めています。

そのため、自社のセキュリティー実績や強みを明確にすることで、M&Aの交渉もスムーズに進みます。

②譲渡・売却の目的をはっきりさせる

譲渡・売却などにおいて、M&Aを行う目的が明確でないために、交渉が難航するケースがあります。

買収企業の傘下に入って事業を続ける場合は、どのようなシナジー効果を得たいのか、事業を売却・譲渡して経営から退く場合は、売却・譲渡相手に会社をどう育てて欲しいのかなど、目的を明確にすると交渉が進めやすくなります。

③譲れない条件を決める

売却・譲渡側が失敗するケースとしてよくあるのが、理想の条件を譲らず交渉が長引くパターンと、売却・譲渡を急ぐあまり条件を妥協しすぎて後悔するパターンです。

どちらの場合も、譲れない条件や妥協できる最低ラインを決めておくと、スムーズに交渉が進みやすくなります。

④最適なM&Aの相手を選定する

サイバーセキュリティー会社の場合、複数の相手からM&Aの打診がくる可能性があります。

M&Aの相手を選ぶ際は金額などの条件だけで選ばず、経営者同士の理念や価値観が合うか、会社や従業員をしっかりと育ててくれるかなど、さまざまな観点から最適な相手を選定することが重要です。

⑤M&Aの専門家に相談する

M&Aの専門家の中には、IT分野に強い会社もあります。M&AとITに精通した専門家に相談することで、成功させるポイントを押さえた売却・譲渡戦略を立てられます。

7. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡におすすめの仲介会社

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡におすすめの仲介会社

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8. まとめ 

まとめ

本記事では、サイバーセキュリティー会社のM&A動向やM&A事例、価格相場などについて解説してきました。

今回は以下のM&A事例をご紹介しました。

  1. ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携
  2. UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  3. ネクスグループとテリロジーの資本業務提携
  4. LINEとGrayHashによる資本業務提携
  5. インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  6. ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  7. 日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資
  8. デンソーによるDellFerへの出資
  9. アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  10. カイカによるテリロジーの株式取得

サイバーセキュリティーのM&A動向は以下のように推移しています。
  1. サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される
  2. 大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる
  3. M&Aのシーンでも重要になる

サイバーセキュリティー企業は、主に以下の理由でM&Aによる買収が行われます。
  1. サイバー攻撃に対して自衛するため
  2. 顧客・取引相手の信頼を得るため
  3. 買収先の企業に対し交渉材料の一つになるため
  4. 助成金を得られるようになってきているため

サイバーセキュリティー企業がM&Aによる売却・譲渡を行う際は、以下のポイントを押さえる必要があります。
  1. 自社の実績・強みを明確にする
  2. 譲渡・売却の目的をはっきりさせる
  3. 譲れない条件を決める
  4. 最適なM&Aの相手を選定する
  5. M&Aの専門家に相談する

サイバーセキュリティー会社をM&Aにより売却・譲渡を成功させるためには、M&AとITに精通した専門家に相談することが有効な方法です。

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