サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡!事例15選や動向、価格相場を解説!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、サイバーセキュリティーのM&A・事業承継による売却・譲渡事例や、近年のM&A動向について解説しています。また、M&A・事業承継による売却・譲渡を成功させるポイントや、サイバーセキュリティーのM&Aにおすすめの仲介会社も併せてご紹介します。

目次

  1. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡・事業承継
  2. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例
  3. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡動向
  4. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡価格の相場
  5. サイバーセキュリティーがM&A・買収される理由
  6. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡を行う際のポイント
  7. サイバーセキュリティーのM&Aにおける積極買収企業
  8. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡におすすめの仲介会社
  9. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡まとめ

1. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡・事業承継

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡について述べる前に、まずはサイバーセキュリティーの概要やM&A・事業承継の意味について解説します。

サイバーセキュリティーとは

サイバーセキュリティーとは、ハッカーのサイバー攻撃から公的機関・企業・個人を守る対策をさす言葉です。

近年IoTの普及やAIの進歩により、サイバー攻撃の技術は進化し多様化しています。サイバー攻撃の脅威に対抗するため、世界各国でサイバーセキュリティーの強化が進められ、それに伴いサイバーセキュリティー企業の需要は高まり続けています。

M&A・売却・譲渡とは

M&Aとは、事業を企業や個人間で売買する場合や企業同士を合併する場合の手法をまとめた呼び方です。

M&Aによって、売却・譲渡側は、売却益の獲得や相手企業の経営リソース活用などのメリットが得られます。

事業承継とは

事業承継とは、事業を後継者へバトンタッチして事業の継続を図ることです。

経営者の高齢化による廃業が深刻となるなかで、事業承継の重要性は高まっています。そのため、国の後押しによって各都道府県が主導し、各専門機関と連携して、中小企業の事業承継を推進しています。

2. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例

ここからは、以下のサイバーセキュリティー会社のM&A事例をご紹介します。

  1. ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携
  2. ネクスト・セキュリティからMSDホールディングスへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  3. WhiteHatからNTTセキュリティへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  4. UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  5. サイランス社からBlackBerryへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  6. インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  7. ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  8. LINEとGrayHashによる資本業務提携
  9. 日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資
  10. デンソーによるDellFerへの出資
  11. アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  12. カイカによるテリロジーの株式取得
  13. Accel Systems & Technologies Pte. Ltd.からCAC HoldingsへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  14. グローバルセキュリティエキスパートからビジネスブレイン太田昭和へのM&A・事業承継による売却・譲渡
  15. ネクスグループとテリロジーの資本業務提携

①ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携

ソリトンシステムズ

出典:https://www.soliton.co.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例1件目は、ソリトンシステムズとPolyverse Corporation(米国、Polyverse社)の資本業務提携です。

2020年3月、ITセキュリティ、サイバー対策製品などを開発しているソリトンシステムズは、高いサイバーセキュリティー技術があるPolyverse Corporationの増資に応答して、資本関係を持つ関係になりました。

ソリトンシステムズは今回の提携によって、これからさらに増えていくサイバー攻撃を縮小させるソリューションの普及を図っています。

②ネクスト・セキュリティからMSDホールディングスへのM&A・事業承継による売却・譲渡

ネクスト・セキュリティ

出典:https://next-security.jp/

2019年8月、GFAは連結子会社としてセキュリティ事業を営んでいるネクスト・セキュリティのRISK Management Information Center事業をMSDホールディングスへと事業譲渡しました。

この事業は、主にネクストセキュリティの販売したセキュリティソフトに対する顧客からの問い合わせをサポートするコールセンターとして、24時間体制でサービスを展開していた事業ですが、業績不振に喘いでいました。

業績不振を理由として、事業譲渡の事例です。

③WhiteHatからNTTセキュリティへのM&A・事業承継による売却・譲渡

NTTセキュリティ

出典:https://www.nttsecurity.com/ja-jp

2019年3月、NTTグループの傘下で、NTTグループのセキュリティ専門会社として事業を展開するNTTセキュリティ株式会社は、米国のサンノゼに本社を置くWhiteHat Securityを買収する契約を締結しました。

WhiteHatは、アプリケーションセキュリティサービスを提供する会社で、このM&Aによって、ビジネスアプリケーションを対象とした包括的なソリューションサービスを提供できるようになりました。

④UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡

Adjust

出典:https://www.adjust.com/ja/product/unbotify/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例4件目は、UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2019年1月、サイバーセキュリティーのスタートアップ企業であるUnbotifyは、アドフラウド(ボットなどを使った不正広告)の防止などを行うAdjustへ株式譲渡を行いました。

AdjustはUnbotifyの買収により、アドフラウド防止プラットフォームの強化を図っています。

⑤サイランス社からBlackBerryへのM&A・事業承継による売却・譲渡

BlackBerry

出典:https://www.blackberry.com/ja/jp

カナダのオンタリオ州に本社を置き、ソフトウェア事業を中核事業として展開するBlackBerryは、2018年11月に人工知能とサイバーセキュリティーの業界を牽引するサイランスの全株式を取得して経営権を取得しました。

サイランスは、2012年に設立されたばかりの新興企業で、AIを活用したリアルタイムのサイバー攻撃を阻止するソリューションを提供している企業です。

BlackBerryによるM&Aの事例ではありますが、買収完了後も実際のサイバーセキュリティー事業そのものはサイランスが独立して行っています。

⑥インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡

インサイト

出典:https://insite-corp.co.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例6件目は、インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2018年10月に、ソフトハウスのインサイトは、サイバーセキュリティー企業のセキュアヴェイルへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

セキュアヴェイルはインサイトのグループ入りによって、多様化するサイバー攻撃への対応をグループ内で完結できる体制を整えています。

⑦ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡

GFA

出典:https://www.gfa.co.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例7件目は、ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

2018年9月、サイバーセキュリティー製品などを取り扱うネクスト・セキュリティは、ファイナンシャルアドバイザリー事業やサイバーセキュリティー事業などを営むGFAへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

GFAは、金融とITの融合によるシナジー効果が見込めるとして、ネクスト・セキュリティの買収に至っています。

⑧LINEとGrayHashによる資本業務提携

LINE

出典:https://line.me/ja/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例8件目は、LINEとGrayHashによる資本業務提携です。

サイバーセキュリティー企業のGrayHashは2018年2月に、LINEの子会社と資本業務提携を結び、完全子会社となりました。

これによりGrayHashはGrayLabと商号を変え、LINEの各種サービスにおけるセキュリティー開発などを行っています。

⑨日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資

日商エレクトロニクス

出典:https://www.nissho-ele.co.jp/index.html

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例9件目は、日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資です。

日商エレクトロニクスは2018年2月、サイバーセキュリティー企業のVectra Networks, inc.が行った第三者割当増資に出資しました。

日商エレクトロニクスは、サイバーセキュリティー分野をコア事業として注力しており、Vectra Networks, inc.への出資によりサイバーセキュリティー事業のさらなる加速を図っています。

⑩デンソーによるDellFerへの出資

デンソー

出典:https://www.denso.com/jp/ja/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例10件目は、デンソーによるDellFerへの出資です。

2018年2月、デンソーは、サイバーセキュリティーのスタートアップ企業であるDellFerへ出資を行いました。

自動車の車載システムをサイバー攻撃から保護するセキュリティー技術の開発を進めているデンソーは、DellFerの最新サイバーセキュリティー技術を応用して安全な自動運転やコネクティッドカーの実現を目指しています。

⑪アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡

ラック

出典:https://www.lac.co.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例11件目は、アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡です。

システムインテグレーション事業や、ITエンジニア派遣事業などを展開するアジアンリンクは、2018年2月にサイバーセキュリティー企業のラックへ株式譲渡を行い、子会社となりました。

ラックはアジアンリンクの買収により、サイバーセキュリティー人材を確保し、事業基盤の強化を図るとしています。

⑫カイカによるテリロジーの株式取得

カイカ

出典:https://www.caica.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例12件目は、カイカによるテリロジーの株式取得です。

2018年2月、ブロックチェーン技術を応用したセキュリティー製品の開発を共同で行っているカイカとテリロジーは、業務提携強化のためにテリロジーの一部株式をカイカが取得しました。

これによりカイカはセキュリティー対策を強化し、仮想通貨ビジネスのさらなる成長を図っています。

⑬Accel Systems & Technologies Pte. Ltd.からCAC HoldingsへのM&A・事業承継による売却・譲渡

StarHub

出典:https://www.starhub.com/personal.html

2017年7月、CAC Holidingsの連結子会社であるAccel Frontlineは、Accel Systems & Technologies Pte.の全株式をStarHubへと譲渡しました。

Accel Systems & Technologies Pte.は、サイバー・セキュリティシステムの構築を手掛ける企業で、主にシンガポール政府機関に対してシステム提供していました。

発行済株式数の51.0%を保有していたAccel Frontlineですが、このタイミングですべての株式について、シンガポールの企業であるStarHubへと15億6千万円で譲渡しています。

⑭グローバルセキュリティエキスパートからビジネスブレイン太田昭和へのM&A・事業承継による売却・譲渡

グローバルセキュリティエキスパート

出典:https://www.gsx.co.jp/

2017年2月、戦略構築に基づく経営資源の最適化とビジネスのシステム化を実現し、顧客の発展・成長をトータルでサポートしているビジネスブレイン太田昭和は、グローバルセキュリティエキスパートの株式を取得して子会社化するのに成功しました。発行済株式総数の100%を取得して完全子会社化しています。

もともと、ビジネスブレイン太田昭和はグローバルセキュリティエキスパートは合弁企業として活動を行っていました。そのため、グローバルセキュリティエキスパートの株式をM&A以前に51%保有していたものの、今回のM&Aによって100%の株式を保有するに致っています。

このM&Aによって、ビジネスブレイン太田昭和は、脆弱性診断やセキュリティコンサルティングを中心としたサイバーセキュリティー対策サービスを強化し、経営およびシステムコンサルティング、ビジネスシステム開発などの一層の強化に乗り出しました。

⑮ネクスグループとテリロジーの資本業務提携

ネクスグループ

出典:https://www.ncxxgroup.co.jp/

サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡事例3件目は、ネクスグループとテリロジーの資本業務提携です。

介護ロボットや農業ICTの企画・開発・販売などを行うネクスグループは、2017年1月にネットワーク関連事業やセキュリティー関連事業などを行うテリロジーと、資本業務提携を結びました。

これにより両社は、IoT製品の共同開発や営業力の強化など、協業関係を深めています。

【関連】不動産テック(不動産×IT)のM&A・売却・買収を解説!事例やカオスマップも公開

3. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡動向

サイバーセキュリティーに関するM&Aの動向は以下のように推移しています。

  1. サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される
  2. 大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる
  3. M&Aのシーンでも重要になる

①サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される

現在では、あらゆるモノがインターネットにつながり、IoT化が急速に進んでいます。しかし、IoTはサイバー攻撃に弱いという難点があるので注意が必要です。

また、ハッカーによるサイバー攻撃は、AIを用いた高度な技術へと進化し続け、攻撃の精度も上がっており、今後も対策が必要です。

そのため、国ではサイバー攻撃対策を推進し、企業はサイバーセキュリティー対策費用を増加させるなど、サイバーセキュリティーに関する需要は今後さらに急拡大すると見られています。それに伴って、サイバーセキュリティー企業のM&Aも増加が予測されます。

②大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる

近年は、サイバー攻撃による公的機関や企業からの情報漏えいが大きな問題となっています。

サイバー攻撃が無差別攻撃から標的を定めた攻撃に進化しており、大手企業は迅速・的確に対応するために自社グループ内にサイバーセキュリティー会社を置くケースが見られます。

③M&Aのシーンでも重要になる

M&Aの際もサイバー攻撃に対するリスクチェックが重要視されるようになり、買収先企業に対して徹底したITデューデリジェンスを行う企業が増えています。

米国などのように、日本でもサイバー攻撃に対するリスクの度合いによってM&A価格が大きく変動するのが当たり前になっていくと予測されます。

【関連】IT・ソフトウェア業界のM&A事例25選!業界動向・M&Aの流れ・成功のポイントまで

4. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡価格の相場

サイバーセキュリティー企業のM&Aによる売却・譲渡価格は、会社規模に対して高めに設定される傾向にあります。

サイバーセキュリティー人材は大幅に不足しており、国でも人材育成を急いでいる現状だからです。また、サイバーセキュリティー分野は需要が高く、今後の大きな成長も見込める業界です。

これらの要因から、売り手優位であるサイバーセキュリティー企業の売却・譲渡価格相場は高くなっています。

サイバーセキュリティー企業の価格算出方法

サイバーセキュリティー企業の価格算定は、売却・譲渡企業の現在資産価値部分と、ブランド力や技術力、M&Aにおける数年分の収益力などの「のれん」部分に分けられます。

一般的に、のれん代は3年分から5年分の収益力で算出しますが、サイバーセキュリティー企業の場合はのれん代が高く評価されるケースが多く、その結果が売却・譲渡価格相場の高さにつながっています。

【関連】【2021年最新】IT企業のM&A・売却・買収事例60選〜アドバイザーによる業界動向の解説付き

5. サイバーセキュリティーがM&A・買収される理由

サイバーセキュリティー企業は、主に以下の理由でM&Aによる買収が行われます。

  1. サイバー攻撃に対して自衛するため
  2. 顧客・取引相手の信頼を得るため
  3. 買収先の企業に対し交渉材料の一つになるため
  4. 助成金を得られるようになってきているため

①サイバー攻撃に対して自衛するため

以前まで、サイバーセキュリティーは専門企業に外注するケースがほとんどでしたが、最近では大手を中心に自社グループ内で対策をとる企業が出てきています。

公的機関や大手企業をピンポイントで標的にするサイバー攻撃が増加しているために、M&Aによってサイバーセキュリティー企業を買収し、自社グループのセキュリティーに特化するケースが見られます。

②顧客・取引相手の信頼を得るため

公的機関や大手企業へのサイバー攻撃による大量の個人情報流出が問題となるなか、顧客や取引先などの信頼を得る目的で、サイバーセキュリティー企業を買収するケースも見られます。

現在は、主に大手企業のセキュリティー対策が注目されていますが、今後は中堅企業や中小企業でもセキュリティー対策の有無が信頼性を左右するようになっていくと予測されます。

③買収企業に対し交渉材料の一つになるため

現在、サイバーセキュリティー業界は売り手優位の状況にあり、サイバーセキュリティー企業はM&Aや資金調達の交渉が行いやすい状況です。

そのため、大手企業などの経営リソースを活用するために、サイバーセキュリティー企業からアプローチするケースも見られます。

④助成金を得られるようになってきているため

サイバーセキュリティー対策が講じられたIoT機器などへの設備投資促進を目的として、国は2018年6月から2020年3月31日まで、コネクテッド・インダストリーズ税制(IoT税制)を制度化していました。

国がIoTの促進とサイバーセキュリティーの強化を今後も推進していく可能性が高いために、サイバーセキュリティー企業の買収目的の1つとなっています。

【関連】システム開発会社のM&A事例37選!動向、売却相場の計算方法や相場も解説【2021年最新】

6. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡を行う際のポイント

サイバーセキュリティー企業がM&Aによる売却・譲渡を行う際は、以下のポイントを意識して行うのが大切です。

  1. 自社の実績・強みを明確にする
  2. 譲渡・売却の目的をはっきりさせる
  3. 譲れない条件を決める
  4. 最適なM&Aの相手を選定する
  5. M&Aの専門家に相談する

①自社の実績・強みを明確にする

サイバー攻撃の脅威が増しているので、企業はとりあえずサイバーセキュリティーをしておけば良いという段階から、確実にサイバー攻撃を防げる方法を求める段階に移り始めています。

そのため、自社のセキュリティー実績や強みを明確にして、M&Aの交渉もスムーズに進みます。

②譲渡・売却の目的をはっきりさせる

譲渡・売却などにおいて、M&Aを行う目的が明確でないために、交渉が難航するケースがあります。

買収企業の傘下に入って事業を続ける場合は、どのようなシナジー効果を得たいのか、事業を売却・譲渡して経営から退く場合は、売却・譲渡相手に会社をどう育てて欲しいのかなど、目的を明確にすると交渉が進めやすくなります。

③譲れない条件を決める

売却・譲渡側が失敗するケースとしてよくあるのが、理想の条件を譲らず交渉が長引くパターンと、売却・譲渡を急ぐあまり条件を妥協しすぎて後悔するパターンです。

どちらの場合も、譲れない条件や妥協できる最低ラインを決めておくと、スムーズに交渉が進みやすくなります。

④最適なM&Aの相手を選定する

サイバーセキュリティー会社の場合、複数の相手からM&Aの打診がくる可能性があります。

M&Aの相手を選ぶ際は金額などの条件だけで選ばず、経営者同士の理念や価値観が合うか会社や従業員をしっかりと育ててくれるかなど、さまざまな観点から最適な相手を選定するのが重要です。

⑤M&Aの専門家に相談する

M&Aの専門家の中には、IT分野に強い会社もあります。M&AとITに精通した専門家に相談すれば成功ポイントを押さえた売却・譲渡戦略を立てられます。

7. サイバーセキュリティーのM&Aにおける積極買収企業

サイバーセキュリティー分野は今後も成長が見込まれる分野の一つであるため、今後も積極的なM&Aが行われるのが予想されます。

ここでは、サイバーセキュリティー分野で積極買収を行っている企業を7つ紹介していきます。

BlackBerry

BlackBerry

出典:https://www.blackberry.com/ja/jp

BlackBerryは、かつて携帯電話端末の販売事業を中核事業としており、業績も好調でしたが、アップルのIOSやGoogleのAndroidなどに押されて、現在はソフトウェア事業を中核事業として展開する企業となりました。

サイバーセキュリティー分野は、厳しい競争市場となっており、M&Aが積極的に行われています。直近の事例として、2018年11月にBlackBerryはサイランスを買収しました。

LINE

LINE

出典:https://line.me/ja/

日本ではすでにお馴染みのコミュニケーションサービスであるLINEを展開するLINE社は、韓国のサイバーセキュリティー会社であるGrayHash社を2018年12月に買収するなど、積極的にM&Aを進めています。

もともと韓国においてGrayHashは、攻撃的研究とハッキング対抗法に特化したオンラインセキュリティ研究を行っている企業でした。このM&Aの狙いは、LINE社のサービスのセキュリティ強化です。より強固なサイバーセキュリティーシステム構築のためのM&Aです。

このM&Aによって、LINEの各種サービス向けのセキュリティソリューションを開発・最適化を目指すなど、より一層の利用者にとって安心・安全なサービスの展開を考えています。

ビジネスブレイン太田昭和

ビジネスブレイン太田昭和

出典:https://www.bbs.co.jp/

ビジネスブレイン太田昭和は、グローバルセキュリティエキスパートの全株式を取得して完全子会社するなど、積極的にM&Aを進めている企業の一つです。

グローバルセキュリティエキスパートの取得によって、もともと経営会計情報システムを提供していたビジネスブレイン太田昭和のセキュリティ面の強化を狙っています。

NTTセキュリティ

NTTセキュリティ

出典:https://www.nttsecurity.com/ja-jp

NTTセキュリティは、米国のアプリケーションセキュリティサービスを展開する企業であるWhiteHatの買収に成功するなど、積極的にM&Aを進めています。この買収によって、NTTセキュリティは事業の幅を広げるなど、M&Aによって事業拡大を目指しています。

GFA

GFA

出典:https://www.gfa.co.jp/

GFAは、ネクスト・セキュリティの全株式を取得し、子会社化するなど、積極的にM&Aを進めている企業の一つです。

IoTや仮想通貨の普及、FinTechという新しい技術が普及していくなかで、ネクストセキュリティが提供しているサイバーセキュリティー対策や情報漏洩対策のノウハウとソリューションを組み入れて、金融とITの融合というシナジーの創出を目指しています。

セグエグループ

セグエグループ

出典:https://segue-g.jp/

セグエグループは、ファルコンシステムコンサルティングが会社分割によって新設する会社の全株式を取得して子会社化するなど、積極的なM&Aを進めている企業の一つです。

ファルコンシステムコンサルティングは、独自の技術としてセキュリティソフト(認証システム)の開発・販売を主な事業として展開しており、今回の経営権の取得によって、セグエグループの事業とのシナジー効果を期待しています。

ラック

ラック

出典:https://www.lac.co.jp/

セキュリティソリューションやシステムインテグレーションを手がける情報通信企業であるラックは、KDDIデジタルセキュリティをKDDIと合弁で設立するなど、サイバーセキュリティー分野を牽引する企業として注目されています。

情報通信企業として、携帯電話事業を展開する企業と協力関係にあり、今後の成長も見込める企業です。

イー・ガーディアン

イー・ガーディアン

出典:https://www.e-guardian.co.jp/

掲示板や投稿のウェブ監視などを営む会社であるイー・ガーディアンも積極的にサーバーセキュリティ企業の買収を行っている企業の一つです。

直近では、セキュリティ製品の開発などを行っているグレイスアベイルを子会社化しています。

8. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡におすすめの仲介会社

サイバーセキュリティー会社をM&Aにより売却・譲渡を行う際は、M&AとITに精通した専門家に相談すると成功率が上がります。

M&A総合研究所では、実績豊富なM&A専門のM&Aアドバイザーが専任で案件をフルサポートいたします。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります。)

サイバーセキュリティー会社をM&Aにより売却・譲渡を行う際は、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

9. サイバーセキュリティーのM&A・売却・譲渡まとめ

本記事では、サイバーセキュリティー会社のM&A動向やM&A事例、価格相場などについて解説し、以下のM&A事例をご紹介しました。

  1. ソリトンシステムズとPolyverse Corporationによる資本業務提携
  2. ネクスト・セキュリティからMSDホールディングスへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  3. WhiteHatからNTTセキュリティへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  4. UnbotifyからAdjustへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  5. サイランス社からBlackBerryへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  6. インサイトからセキュアヴェイルへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  7. ネクスト・セキュリティからGFAへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  8. LINEとGrayHashによる資本業務提携
  9. 日商エレクトロニクスによるVectra Networks, inc.への出資
  10. デンソーによるDellFerへの出資
  11. アジアンリンクからラックへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  12. カイカによるテリロジーの株式取得
  13. Accel Systems & Technologies Pte. Ltd.からCAC HoldingsへのM&A・事業承継による売却・譲渡
  14. グローバルセキュリティエキスパートからビジネスブレイン太田昭和へのM&A・事業承継による売却・譲渡
  15. ネクスグループとテリロジーの資本業務提携

サイバーセキュリティーのM&A動向は以下のように推移しています。
  1. サイバーセキュリティーは需要が拡大すると予測される
  2. 大手企業は自社グループ内に設立する動きが見られる
  3. M&Aのシーンでも重要になる

サイバーセキュリティー企業は、主に以下の理由でM&Aによる買収が行われます。
  1. サイバー攻撃に対して自衛するため
  2. 顧客・取引相手の信頼を得るため
  3. 買収先の企業に対し交渉材料の一つになるため
  4. 助成金を得られるようになってきているため

サイバーセキュリティー企業がM&Aによる売却・譲渡を行う際は、以下のポイントを押さえる必要があります。
  1. 自社の実績・強みを明確にする
  2. 譲渡・売却の目的をはっきりさせる
  3. 譲れない条件を決める
  4. 最適なM&Aの相手を選定する
  5. M&Aの専門家に相談する

サイバーセキュリティー会社をM&Aにより売却・譲渡を成功させるためには、M&AとITに精通した専門家に相談するのが有効な方法といえるでしょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>完全成功報酬制のM&A仲介サービスはこちら(※譲渡企業様のみ)

関連する記事

新着一覧

最近公開された記事