人材派遣会社のM&A・買収・売却事例15選!業界動向を専門アドバイザーが解説【2021年最新】

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

人材派遣会社は大企業のM&Aによる業界再編が多く、特に中小企業にとって厳しい現状です。人材派遣会社が生き残るためには、積極的にM&Aを検討していくのがポイントとなります。買い手のつきやすい昨今、より自社を発展させる売却を行いましょう。

目次

  1. 人材派遣会社とは
  2. 人材派遣会社のM&A・買収・売却事例15選
  3. 人材派遣会社のM&A・買収・売却相場
  4. 人材派遣会社をM&Aで売却するメリット
  5. 人材派遣会社をM&Aで買収するメリット
  6. 人材派遣会社をM&Aで売却する際の注意点
  7. 人材派遣会社をM&Aで売却する際の流れ
  8. 人材派遣会社のM&A・買収・売却はご相談ください!
  9. 人材派遣会社のM&A・買収・売却まとめ
  • 人材派遣会社のM&A・事業承継

1. 人材派遣会社とは

まずは、人材派遣会社の定義や現状、M&A動向などについて見ていきましょう。

人材派遣会社の定義

人材派遣業界とは、派遣元の事業主が雇用する労働者を他社へ派遣して派遣先の指揮命令を受けて労働に従事する産業のことをいいます。

法律上の正式名称は、労働者派遣事業です。しかし、ここでは「人材派遣」の用語を使用します。

人材派遣会社を取り巻く現状

日本人材派遣協会の「1.派遣の現状」によると、リーマンショックにより2008年のピーク時は7兆7,892億円だった市場全体の売上高が、2013年に5兆1,042億円へと減っています。しかし、2018年には6兆3,816億円まで戻りました。

派遣元事業所数は、2016年〜2018年以降にかけて減っています。人材派遣事業所が2016年から減ったのは、2015年9月の派遣法改正で人材派遣事業の届出制が廃止され、許可制となったからです。

届出制の人材派遣事業所が減った分、全体数は少なくなりましたが、許可を得て事業を行う人材派遣事業所は増えています。

法改正で市場が大きく変化したことも、人材派遣業界の特徴です。2015年の法改正による派遣労働者に対するキャリアアップ支援の義務化、2020年の法改正による派遣労働者の同一労働同一賃金の適用、により人材派遣業界に新規参入するのは困難となっています。

人材派遣会社のM&A動向・実施件数が多い理由

人材派遣会社のM&Aがよく行われている理由は、以下の3つです。
 

  • 業界再編する大手人材派遣会社に対抗するため
  • 後継者がいないが廃業はしたくない経営者が多いため
  • 専門分野に特化した人材派遣会社の人気が出てきたため

人材派遣会社は、上記の理由でM&Aを選択するケースが増えています

まずは、どのような理由でM&Aが増えているのかを確認し、自社も実施するのかを検討しましょう。それぞれの理由について、順番に見ていきます。

業界再編する大手人材派遣会社に対抗するため

1つ目の理由は、業界再編としてM&Aを行っている大手人材派遣会社に対抗するためです。大手人材派遣会社は中小規模の人材派遣会社を中心に積極的に買収し、業界再編を行っています。大手人材派遣会社とは、例えば以下の会社です。
 

  • リクルートホールディングス
  • パーソルホールディングス
  • パソナグループ
  • アウトソーシング
  • ワールドホールディングス
  • テクノプロ・ホールディングス

人材派遣会社を売却するなら、上記に挙げた大手企業が買い手になれば高額売却が狙えるでしょう。このような大手の人材派遣会社に自社を売却できれば、事業は今まで以上に発展を続ける可能性も高いです。

人材派遣業界の市場では、リクルートホールディングスやパーソルホールディングス、パソナグループが多くのシェアを確保しています。したがって、中小規模の人材派遣会社は、残りのシェアを争うことになり、企業間の競争が激しい状況です。

人材派遣会社が今後生き残るためには、M&Aが非常に有効な手段と考えられます。

後継者がいないが廃業はしたくない経営者が多いため

2つ目の理由は、後継者がいないが廃業はしたくない経営者が多いことです。人材派遣会社に限らず、中小企業の廃業数は増えています。その理由のほとんどが後継者不足や将来の経営に対する不安です。

中小規模の人材派遣会社も、経営者の高齢化や後継者不足が影響して廃業を余儀なくされているケースが珍しくありません。この状況を打破するために、M&Aによる事業承継が増えているのです。

後継者がいなくてもM&Aで会社は存続させられます。M&Aにより、既存顧客に対するサービスの継続や、従業員の雇用確保も可能です。

M&A後に会社が大きく発展するケースもあり、特に人材派遣業界では、買い手側がM&Aを行ってから人材育成の方針を変えたことで売上が伸びることもよくあります。

専門分野に特化した人材派遣会社の人気が出てきたため

最後に紹介する3つ目の理由は、専門分野に特化した人材派遣会社の人気が出てきたことです。近年、人材派遣会社の業界内における競争は非常に激しくなっています。その中で経営者たちが生き残りのために有効と捉えているのが、事業の専門性を高めることです。

例えば、IT分野に強い優秀な派遣社員や、それを理解できる社員を多く抱えていれば、派遣先となる会社からは非常に重宝されます。

しかし、優秀な人材を手に入れるのは簡単ではありません。そこで効率良く人材を確保するために、M&Aを活用するのです。そのため、小規模ではあるものの優秀な人材を多く雇用している人材派遣会社が、大手の人材派遣会社に求められることが増えています。

人材派遣会社における人材の専門性が高ければ、M&A市場で人気となり買い手も見つかりやすいでしょう。

【関連】人材派遣会社は会社譲渡(株式譲渡)すべき!成功事例と仲介会社も紹介

2. 人材派遣会社のM&A・買収・売却事例15選

人材派遣会社がM&Aを成功させるために役立つ事例を紹介します。これらの事例を確認して、自社がM&Aを行う際に役立ててください。

それぞれの事例を順番に見ていきましょう。

①プログレスグループがUTグループに株式を譲渡した事例

まずは、2021年5月に、製造業向けの人材派遣事業を手掛ける子会社のプログレスを持つプログレスグループが、製造や建設分野などの企業に人材派遣や製造業の業務請負などを行うUTグループに、全ての株式を譲渡した事例です。

これにより、買収側のUTグループは、製造業の人材派遣事業市場でシェアを広げることを狙っています。取得価額は、30億9,500万円でした。

②More-Selectionsがパソナグループへ株式を譲渡した事例

次は、2021年4月に、企業法務に重点を置いた人材派遣や就職支援などの運営・研修などを実施するMore-Selectionsが、人材関連サービス事業を手掛けるパソナグループに株式を譲渡して子会社となった事例です。

パソナグループは、企業のコンプライアンス順守が求められる時世であることから、法務部門への人材派遣需要が高まると判断してこのM&Aを行いました。

③エヌティとNeoが廣済堂へ株式を譲渡した事例

次は、2021年4月に、人材派遣事業を手掛けるエヌティとNeoが、情報ソリューション事業や人材サービス事業などを行う廣済堂へすべての株式を譲渡して完全子会社となった事例です。エヌティの取得価額は3億6,900万円、Neoの取得価額は5,000万円でした。

廣済堂はこれにより、同分野でのシェアやサービス内容を広げることを狙っています。

④ビーズワンが日輪へ株式を譲渡した事例

次は、2021年3月に、システム構築やCADなどを用いた図面作成などの事業を手掛けるビーズワンが、人材派遣や紹介予定派遣などの人材サービス事業を行う日輪に、株式譲渡を行った事例です。

これにより、日輪は、DXの進展で需要の高いIT分野での対応力を強めます。ビーズワンは、後継者不在を解消し、営業力を強めるために売却を実施しました。

⑤エス・エス産業がアウトソーシングへ株式を譲渡した事例

次は、2021年2月に、労働者派遣事業や有料職業紹介事業などを手掛けるエス・エス産業が、国内ではサービス系アウトソーシング事業などを行い海外では技術系やサービス系事業などを手掛けるアウトソーシングへすべての株式を譲渡した事例です。

エス・エス産業は愛知県や鹿児島に事業所があります。アウトソーシングは、業界内でのシェアを拡大し、愛知県や鹿児島県で新規顧客を獲得し業容を広げることを狙っています。

⑥DLXホールディングスがディア・ライフへ株式を譲渡した事例

次は、2021年1月に、DLXホールディングスが株式51.22%を、不動産事業や人材サービス事業などを手掛けるディア・ライフへ譲渡した事例です。

DLXホールディングスの子会社N-STAFFは、コールセンターによる保険契約の取次業務人員の派遣事業などを手掛けており、ディア・ライフは、コールセンターの保険取次人員派遣事業へ進出することを狙っていました。

DLXホールディングスは不動産部門の派遣事業進出を見込んでいたので、両社ともにリソースを生かして業績を広げる目的が一致したのです。

⑦パートナーがウイルテックへ株式を譲渡した事例

次は、2020年12月に、IT技術者の人材派遣を手掛けるパートナーが、主にメーカーなどに技術者の人材派遣サービスを提供しているウイルテックへ株式譲渡を行った事例です。

パートナーは、IT技術者派遣事業を新設分割のスキームで分社化します。その分社化した会社の全株式を、ウイルテックが買収しました。

ウイルテックは、システム開発へのニーズに対応するために、高度な技能・経験のあるシステムエンジニアを持つパートナーを子会社化しています。売却側の目的は、定かではありません。しかし、他事業への集中・企業経営からのリタイアが目的でしょう。

⑧グロップがアミーゴへ事業を譲渡した事例

次は、2020年11月に、人材派遣やラインソーシングなどの事業を手掛けるグロップが、アレンザホールディングスの連結子会社でペット事業を行うアミーゴへ、岡山市内のペットショップ1店舗を譲渡した事例です。

アミーゴは、日本一のペットショップを目指すために犬猫愛護の取り組みを強めており、グロップのペットショップが持つ里親探しのノウハウを獲得するために事業を買収しています。

グロップは、これにより、ペットショップ事業の経営資源を本業の人材派遣事業や他の事業に投入できます。売却目的は非公開ですが、主力事業への集中も目的の1つでしょう。

⑨サポート・システムがUTグループに株式を譲渡した事例

次は、2020年1月にサポート・システムがUTグループに株式を譲渡した事例です。UTグループは、サポート・システムの自己株式を除いた全ての株式を取得し、子会社化しました。

UTグループは、技術者派遣事業などの人材サービスをとおして、スキルアップやキャリア形成の機会を提供しています。国内大手製造業をはじめとした多くの顧客基盤を有し、高条件で就業可能な企業を確保しているのです。

サポート・システムは、主に関西地区を基盤として製造業などの人材派遣事業を行っています。ISO9001(品質保証)やISO22000(食品安全)も取得し、食品加工業界からの厚い信頼を得ている企業です。

今回のM&Aにより、自社グループの採用と人材育成の基盤を生かし、顧客に質の高いサービスの提供を図るとともに企業価値の向上を目指します。

⑩クロノスがクイックに株式を譲渡した事例

次は、2019年10月に、システム開発事業と教育事業を主に手掛けるクロノスが、人材紹介が中心の人材サービス事業やリクルーティング事業などを行うクイックに株式を譲渡して完全子会社となった事例です。

クロノスは、AI関連のシステム開発や導入支援を前向きに行っており、AI分野におけるエンジニアの育成研修にも力を注いでいる会社です。

これにより、クイックにおける人材サービスのノウハウとクロノスにおけるIT・AI分野のテクノロジーを生かし、顧客企業の人手不足を解消しIT化を推進することを狙います。

⑪ライフ・コーポレーションが日輪に株式を譲渡した事例

次は、2019年7月に、施設常駐警備事業を手掛けるライフ・コーポレーションが、人材派遣や紹介予定派遣などの人材サービス事業を行う日輪に、株式譲渡を行った事例です。

ライフ・コーポレーションの経営者は高齢で、後継者不在などの理由で事業の運営を不安に感じていましたが、この売却により事業承継を実現しました。人材がなかなか集まらない警備業界で安定した人材も確保できます。

日輪は、高齢な人材の新しい働き先として警備事業を得ました。

⑫JapanWorkがエンジャパンに株式を譲渡した事例

次は、2019年7月にJapanWorkがエンジャパンに株式を譲渡した事例です。エンジャパンはJapanWorkの発行済株式51%を取得し、子会社化しました。2022年までに株式交換の手法によって、残りの株式を取得する見込みです。

JapanWorkは、外国人向け求人一括サイトの「JapanWork」を運営し、外国人向けにAIによる仕事の情報提供や、チャットを利用して相談できる「チャットコンシェルジュサービス」を提供している会社です。

エンジャパンは求職サービスサイトの運営や人材紹介事業を行っています。これにより、外国人労働者事業を通じたさらなる企業価値の向上を目指します。

⑬u&uがウィルグループに株式を譲渡した事例

次は、u&uがウィルグループに株式を譲渡した2019年4月の事例です。

人材派遣会社大手のウィルグループは、シンガポールの連結子会社であるWILL GROUP Asia Pacific Pte.Ltd.により、オーストラリアのu&u Holdings Pty Ltdの株式60%を取得しました。u&uの連結子会社u&u NSW Pty Ltdの株式も19%取得しています。

株式を取得した価格はu&uの株式が約16億円で、u&u NSWの株式は9,000万円程度です。

ウィルグループがオーストラリアのu&u株式を買った目的は、海外事業を強化するためです。特に、オセアニア地域の人材派遣事業を強めるためだといえます。u&uは大手企業や政府機関にも人材派遣をしており、そのノウハウを手に入れることも狙いでしょう。

このように、人材派遣業界では国内企業だけでなく、国外企業もM&Aの相手となり得ます。中小規模の人材派遣会社は国内企業が買い手候補となるケースがほとんどですが、幅広い視野で買い手探しを行うことを忘れないでください。

会社の実績やノウハウを生かしてくれる買い手に譲渡すれば、お互いに納得できるM&Aができるでしょう。

⑭ブレイブがマイナビに株式を譲渡した事例

次は、2019年2月にブレイブがマイナビに株式を譲渡した事例です。ブレイブは、介護士や看護師、保育士の人材派遣業を全国に展開している会社で、介護・医療・保育業界における人手不足の解決に向けて2011年に設立されました。

マイナビへ株式を譲渡し、マイナビグループとなることで、今後さらなる成長を続ける介護派遣市場に参入し、採用力の強化および拠点拡大などで事業拡大を目指します。

⑮クリエアナブキがライクに事業を譲渡した事例

次は、クリエアナブキがライクに事業を譲渡した2018年1月の事例です。ライクはクリエアナブキにおける一部の人材派遣事業を譲り受けました。事業譲渡の価格は1,500万円とされています。

ライクは、人材派遣会社として携帯電話やスマートフォン販売の派遣を主に行っていました。クリエアナブキは四国エリアを中心に事業を行う人材派遣会社です。

今回譲渡されたのは、クリエアナブキ大阪支店に関する人材派遣事業です。この事業譲渡によって、ライクは近畿エリアでもさらに事業を拡大し、派遣労働者と派遣先会社のマッチング能力をより強くすることを図っています。

この事例のように、人材派遣会社がさらなる事業エリア拡大を狙ってM&Aで会社を買うケースは多いです。大手の人材派遣会社から中小の人材派遣会社まで、さまざまな会社が事業エリア拡大を狙っています。

事業エリアが拡大すれば派遣社員の人数や派遣先が増え、より会社が発展するからです。地域に密着した人材派遣事業を行っているなら、買い手がつく可能性は非常に高いでしょう。

3. 人材派遣会社のM&A・買収・売却相場

この章では、人材派遣会社のM&A・買収・売却相場を確認します。

大まかなM&A相場

大まかな人材派遣のM&A相場を前もって知れば、相場よりも低い値段で買収されるのを防げるでしょう。M&Aが最も適した選択肢かどうかを判断する場合も、相場を知っていると役立ちます。

人材派遣会社の大まかなM&A相場を出す計算式は、下記です。

  • 純資産+営業利益×2年~5年分=相場

最終的な売買価格の算出方法

人材派遣会社の売買価格は、売却側と買収側の交渉で決まります。交渉のときは、資産や負債の状況、将来の収益性、業種などを基に計算した企業価値が基準です。

企業価値を評価する方法は、下記の3つがあります。

  • インカムアプローチ
  • コストアプローチ
  • マーケットアプローチ

相場よりも高い価格で売却するコツ

人材派遣会社が相場よりも高い価格で売却するには、以下のコツがあります。
 

  • 経営状況を確認し磨き上げておく
  • 専門分野に強いなら積極的にアピールする
  • 派遣労働者の教育体制を整えておく
  • 社会保険の加入状況をチェックしておく
  • 人材派遣業界の現状に詳しい専門家のサポートを受ける

これらのコツを知れば、M&Aに成功する確率が高まるでしょう。それぞれのコツについて、順番に紹介します。

経営状況を確認し磨き上げておく

M&Aを行う前に、経営状況を確認して磨き上げることは重要です。すぐに解決できる経営課題があれば、解決してから買い手を探すほうが良い条件でM&Aが行えます。このときのポイントは、自社の取引先や各売上比率をしっかりと調査することです。

取引先の企業に関する情報や安定した受注があるかどうか、確認しましょう。それにより、買い手に自社の魅力をアピールしやすくなります。人材派遣会社は派遣先となる取引先の数が非常に重視されるので、増やせるなら増やしておくと良いです。

事前に営業費や施設管理費の改善ができれば、より一層買い手からの需要は高まるでしょう。

専門分野に強いなら積極的にアピールする

人材派遣会社をM&Aで売却するなら、専門性の高さを積極的にアピールするのが良いです。例えば、医療系の派遣やIT系の派遣といった専門分野における実績があれば、買い手探しの際にアピールしましょう。

近年、大手の人材派遣会社は業界再編のために専門分野に強い会社の買収に前向きです。自社の内部だけで事業の専門分野を高めるのは時間や費用がかかるので、M&Aで効率良く手に入れようとする経営者が多いです。

レベルの高い派遣労働者が数多く登録しているだけでも、買い手には魅力的でしょう。自社における専門性の高い分野について、M&A前に確認してください。

派遣労働者の教育体制を整えておく

派遣労働者の教育体制をより良いものに整えることも成功のためには有効です。教育体制が整っていなければ、取引先の満足度が低下しやすく安定した受注が見込めないでしょう。

買い手側は、将来の取引状況に不安がある人材派遣会社を買収するのは、できるだけ避けたいと考えます。教育体制をあまり考えていない場合は、派遣労働者の教育マニュアルを作って実施を徹底するなどの対策を行いましょう。

社会保険の加入状況をチェックしておく

人材派遣業界では、社会保険の加入状況も重要なポイントです。2カ月を超える雇用契約を結ぶなら、派遣労働者も通常の労働者と同じく社会保険に加入しなければなりません。M&Aを進める前に、あらためて社会保険の加入状況を確認しましょう。

社会保険に加入しなければならないのに未加入の派遣労働者がいれば、M&A成立後に買い手が労働者とトラブルになるかもしれません。そうなると、買い手から責任を追及されることもあります。

労働者派遣法も改正され、社会保険未加入の派遣労働者を派遣する場合は、派遣先に理由を伝えなければならなくなりました。そのような手間がかかる人材派遣会社を積極的に買収したがる買い手は少ないので、M&Aの前に対応してください。

人材派遣業界の現状に詳しい専門家のサポートを受ける

M&A仲介会社選びも、M&Aを成功させるために非常に大切なポイントです。M&A仲介会社は、さまざまな手続きをサポートしてくれます。

M&Aを行うと、成功するわけではありません。失敗するリスクを減らし安心して手続きを進めていくためにも、人材派遣業界の現状に詳しいM&A仲介会社を選びましょう

どのM&A仲介会社に相談すればよいのかお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。M&A総合研究所では、人材派遣業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが、案件をフルサポートいたします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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4. 人材派遣会社をM&Aで売却するメリット

人材派遣会社の売却で得られる利点は、以下が挙げられます。
 

  1. 他社との協力で生き残りを狙える
  2. 後継者不足を解消できる
  3. 派遣労働者の就業場所の選択肢を増やせる

このようなメリットが得られるように、M&Aの戦略を立てましょう。それぞれのメリットについて、順番に確認します。

①他社との協力で生き残りを狙える

他社との協力によって、業界内で生き残りを狙えるのはM&Aの大きな利点です。

人材派遣会社がM&Aを行って会社を手に入れれば、売り手企業のノウハウや取引先を自社に取り込めます。売却側の企業も買収側の経営資源を活用でき、今まで以上に事業が行いやすくなるでしょう。

大手の人材派遣会社が買い手につけば、グループ傘下に入って安定した経営が可能になります。人材派遣業界は大手企業のシェアが大きいので、嬉しいメリットです。大手人材派遣会社が持つ豊富な経営資源を活用し、自社の売り上げ増加を図れます。

自社にないノウハウや優秀な人材といった経営資源を新たに手に入れる場合、多くの時間や資金が必要です。M&Aを行えば、効率良くノウハウや人材を獲得できます。買い手と売り手のノウハウが組み合わさることで、シナジー効果(相乗効果)も期待できるのです。

②後継者不足を解消できる

M&Aで会社や事業を売ることによって、後継者不足を解消できる点もメリットといえます。中小規模の人材派遣会社における経営者が、高齢であるケースは少なくありません。それにもかかわらず、後継者不足の問題があるのです。

M&Aによって、他社に事業を引き継げれば、これまで成長させてきた大切な会社を廃業せずに存続できます。廃業にかかる事務所の原状回復費用や事務用品の廃棄費用もかかりません。

人材派遣業界に新規参入する企業も増加しています。M&Aを活用して人材派遣業界に新規参入を果たす企業も多いので、後継者がいなくて困っている人材派遣会社の需要は高い状態です。

「自社の需要が高い今のうちに売って引き継いでもらったほうが良い」との考えから、早めにM&Aを実施してリタイアする経営者もいます。後継者がいない場合でも会社の存続を諦めずに、M&Aを検討しましょう。

③派遣労働者の就業場所の選択肢を増やせる

M&Aを行えば買い手と協力して今後の事業が行えるので、派遣労働者の就業場所の選択肢を増やせます。人材派遣会社であれば、大手企業の傘下に入ることで派遣先の数が一気に増えます。登録している派遣労働者の数も増えるでしょう。

人材派遣会社の持つ派遣先の数や利用者数は、そのまま収益につながります。人材派遣会社の経営に不安があるなら、大手企業へのM&Aによる売却も検討してください。

中小規模の同業者に売却しても、派遣社員の就業場所は増やせます。自社の派遣先と重なっていない派遣先を多く持つ人材派遣会社を買い手に選べば、今までよりも派遣労働者の満足度を高められるでしょう。

5. 人材派遣会社をM&Aで買収するメリット

では次に、人材派遣会社をM&Aで買収するメリットを確認します。

  1. 優秀な人材の確保
  2. 事業規模の拡大

順番に見ていきましょう。

①優秀な人材の確保

人材派遣会社をM&Aで買収すると、その会社で働いている優秀で経験が豊富な人材をまとめて確保できるメリットがあります。

人材派遣業界では、人手不足が深刻な問題です。そのため、優秀な人材を獲得するのは難しい状況といえます。1人の優秀な人材を得ることも簡単ではありません。しかし、M&Aを活用すれば、まとめて多くの優秀な人材を確保できるのです。

②事業規模の拡大

買収側が人材派遣事業を手掛ける場合は、人材派遣会社をM&Aで買収することにより事業規模を拡大します。

人材派遣の事業規模が広がれば、さまざまなメリットが獲得できるでしょう。新しい取引先を得たり、優秀な人材を得ることでサービスの質が上がったり、知名度が上がったりするなどのメリットです。

上記のメリットを得れば、市場シェアが広がったり、売上高が増えたりすることにもつながります。

6. 人材派遣会社をM&Aで売却する際の注意点

人材派遣会社をM&Aで売却する際は、注意点に気を付けなければなりません。これらの注意点を知らないために、トラブルが起こっては大変です。スムーズに売却するためにも、注意点を知りましょう。

事業に必要な許可を引き継げない(事業譲渡)

人材派遣事業を売却する際に事業譲渡を用いる場合は、労働者派遣事業の許可を引き継げません。買収側が許可を持っていなければ、新たに許可を得る必要があるのです。許可の取得には、時間と労力がかかります。

許可を取得している同業他社とM&Aを実施すれば、人材派遣会社の売却がスムーズに進むでしょう。買収側が許可を持っていれば、新しく許可を申請する必要はないのですが、法人の名称など変更にかかわる届出は必要です。

競業避止義務を負う(事業譲渡)

事業譲渡を実施した会社は、競業避止義務を負わなければなりません。これは、同一市町村および隣接市町村の区域内で、譲渡した日から20年間同一事業を行えない義務です。

ただし、買収側との交渉で競業避止義務期間を短くしたり、エリアを狭めたりできます。将来、人材派遣事業を手掛ける可能性があれば、買収側と交渉しましょう。

派遣登録者の個人情報が流出するおそれ

人材派遣会社をM&Aで売却する際は、登録者の住所やマイナンバーなどの個人情報を開示することも少なくありません。その際、派遣登録者の個人情報が外部に流出するおそれがあります。そのため、十分な注意と対策を行ってください

7. 人材派遣会社をM&Aで売却する際の流れ

人材派遣会社がM&Aを行う際の流れは、会社譲渡の場合は以下です。
 

  1. 人材派遣業界に強いM&A仲介会社を選定する
  2. 買い手を探す
  3. 買い手と条件について話し合う
  4. 基本合意契約を結ぶ
  5. 買い手からデューデリジェンスを受ける
  6. 取締役会か株主総会で譲渡の承認を受ける
  7. 株式譲渡契約を結んで株主名義を書き換える

事業の一部のみを売却する事業譲渡はやや手続きが異なりますが、まずは業界内でもよく使われる会社譲渡の流れを見ておきましょう。

事業譲渡の場合も最初の手続きであるM&A仲介会社に相談するところから始まるので、専門家のサポートを受けながら実施すれば問題ありません。

それでは、それぞれの手続きを順番に確認しましょう。

①人材派遣業界に強いM&A仲介会社を選定する

まずは、人材派遣業界に強いM&A仲介会社を選定します。M&Aを自力ですべて行うのは非常に困難です。M&A仲介会社に依頼すれば、買い手探しや条件交渉、契約書の作成といった多くのことを手伝ってもらえます。

中小規模の人材派遣会社は、社内にM&A経験者がいないところも珍しくありません。そのような場合も、M&A仲介会社のサポートがあれば問題なくM&Aを成約まで進められます。

M&A仲介会社を選ぶポイントは、人材派遣業界に関する知識や経験が豊富かどうかと報酬体系が明確かどうかです。M&A仲介会社によっては、人材派遣業界におけるM&Aの経験がない場合もあるので、事前に過去の実績を確認しましょう。

人材派遣業界のM&Aをご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。人材派遣業界におけるM&Aの経験が豊富なM&Aアドバイザーが、クロージングまで案件をフルサポートいたします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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②買い手を探す

M&A仲介会社を選定したら、買い手探しの手続きに移ります。

買い手候補が複数出てくることも多いので、どの買い手を選ぶのか慎重に検討しなければなりません。まずは買い手をうまく選ぶために、自社にとってどのような条件の買い手ならM&A後も事業が発展するか考えましょう

人材派遣業界のM&Aは、同業他社が買い手候補となる事例がよくあります。同業他社なら、事業内容や事業規模、事業エリア、強み・弱みを冷静に分析し、自社の成長に役立つかを考えてください。

異業種の買い手候補なら、人材派遣業界と組み合わせて収益性が高まるか考えましょう。M&Aが成約したからといって、必ずしも自社の関係者が喜ぶ結末を迎えられるとは限りません。M&A仲介会社の意見も聞きながら、自社に最も良い買い手を選びましょう。

③買い手と条件について話し合う

自社と合いそうな買い手が見つかったら、M&Aの具体的な条件を決めていきます。

売却価格や成約日のめど、従業員の今後における処遇など、さまざまな観点から条件を決めなければなりません。買い手も売り手も自社のことを考えて条件を決めようとするあまり、もめて破談になることもあります。

できるだけ冷静に話し合いを進めていくために、M&A仲介会社に同席してもらうのがおすすめです。第三者の客観的なアドバイスを参考に話し合えば、お互いに良い落としどころが見つかりやすくなります。

単に高く売ろうと考えるのではなく、従業員や取引先などの関係者も笑顔になれる条件を決めるよう心がけましょう。

④基本合意契約を結ぶ

条件について決定後、基本合意契約を結びます。

基本合意契約は、M&Aを行う際の条件について現段階で決まっている内容を明確にした仮契約です。基本合意契約はM&Aで行わなければならない手続きではありません。基本合意契約をしてからも、会社譲渡が不成立となるケースはゼロではないです。

しかし、基本合意契約で買い手と話し合った条件を書面に残して明確にすると、買い手も売り手もM&Aに対して積極的な気持ちになります。条件の勘違いやお互いのすれ違いを防ぐためにも、基本合意契約を結ぶと良いでしょう。

ただし、基本合意契約で書面に残した条件は、今後の手続き次第で変更になる可能性があることを覚えておいてください。

⑤買い手からデューデリジェンスを受ける

基本合意契約の締結後は、買い手がデューデリジェンスを行います。デューデリジェンスは売り手側企業を調査する方法です。M&A成立後に買い手側が予想外のリスクを抱えないよう、事前にリスクを洗い出します。

このとき、経営状況や法的リスクの有無、会計処理、従業員の人数、派遣労働者の人数、事務所の賃貸契約の状況などを詳細にチェックされるでしょう。

「デューデリジェンスは買い手が頑張るもの」と、他人事にするのは良くありません。デューデリジェンスで自社の状況を把握してもらわなければ、後に大きなトラブルに発展する可能性もあります。場合によっては損害賠償を請求されるケースもあるのです。

したがって、買い手のデューデリジェンスには積極的に協力してください。デューデリジェンスで問題点が発見されたら、条件の変更を視野に入れて買い手と対応に関して丁寧に話し合いましょう。

⑥取締役会か株主総会で譲渡の承認を受ける

M&Aで会社を譲るためには、取締役会か株主総会において承認を受ける必要があります。

経営者1人の判断で会社を売ってしまうと、関係者の不利益になるかもしれないからです。取締役会があれば取締役会で、取締役会が設置されていなければ株主総会で会社譲渡によるM&Aを承認してもらいます。

承認を受けたら、会社譲渡の最終契約に向けて最後の話し合いを買い手と行いましょう。会社譲渡の前に気になる件が出てきたら、M&A仲介会社に相談してください。

⑦株式譲渡契約を結んで株主名義を書き換える

最後に、会社譲渡を成立させるために株式譲渡契約である最終契約を行います。契約を結ぶ際は、内容を細部まで確認して不安をゼロにしましょう。少しでも不安があれば、買い手やM&A仲介会社に相談したほうが後悔がありません。

株式譲渡契約を結んだら、買い手から代金を受け取って売り手は株券を渡します。その際に、株式名簿も書き換えてください。株主名簿の書き換え方は、ほとんどの場合、定款に書かれています。

株主名簿の書き換えを行ったらM&Aは完了です。会社のホームページで第三者に向けて発表しましょう。

以上、人材派遣会社の譲渡に必要な手続きを見てきました。会社譲渡の手続きは、M&A仲介会社がサポートしてくれるので、あまり心配する必要はありません。わからないことは積極的に質問し、指示されたことは迅速に行う姿勢が大切です。

【関連】会社売却の手続きってどうするの?M&Aの流れを解説!

8. 人材派遣会社のM&A・買収・売却はご相談ください!

人材派遣会社のM&Aを成功させるには、法的な知識や業界事情を知っておく必要があります。人材派遣会社のM&Aを検討している経営者の方は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所は、中堅・中小企業向けの案件を取り扱う仲介会社です。

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9. 人材派遣会社のM&A・買収・売却まとめ

人材派遣会社は業界再編が多く、M&Aも盛んです。経営を安定させるためのM&Aや、事業承継目的のM&Aは頻繁に行われています。

後継者がいないために廃業を考えている場合は、M&Aによる事業承継によって解決可能です。専門家に相談して、良い解決方法を見つけましょう。

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