保育園・保育所のM&A・買収・事業譲渡・売却について解説【相場/成功事例あり】

Medium
企業情報第一部 部長代理
山口 大樹

神戸大学経営学部卒業後、大学受験予備校運営事業の立ち上げに従事。その後事業譲渡に関わった経験から、事業承継や発展的M&Aを専業とするM&A総合研究所に入社。物流業・福祉業・サービス業など幅広い業種の事業承継に携わる。

現在、M&Aは最盛期を迎えており、それは保育園・保育所の売買でも同様です。幼稚園との違いも踏まえつつ、保育園・保育所について、業界動向や市場規模、買収・売却・事業譲渡のメリット、買収・売却・事業譲渡の相場、M&A事例などを解説します。

目次

  1. 保育園・保育所の事業定義
  2. 保育園・保育所業界の現状
  3. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向
  4. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット
  5. 保育園・保育所を事業譲渡する際の問題
  6. 保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場
  7. 保育園・保育所のM&A成功事例
  8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう
  9. まとめ
  • 保育園・保育所のM&A・事業承継
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. 保育園・保育所の事業定義

保育園・保育所の事業定義

保育園・保育所とは、どのような施設のことを指しているのでしょうか。施設の定義や、幼稚園との違いを再確認して、施設の売却・買収M&A事業譲渡に生かしましょう。

ここでは、次のような内容を取り上げます。
 

  1. 保育園・保育所の定義
  2. 認可外保育園(保育所)の安全性
  3. 保育園・保育所・幼稚園の違い

順番に確認していきましょう。

①保育園・保育所の定義

保育園・保育所は、家庭の事情に応じて、小さな子どもを預かる施設のことです。児童福祉法という法律によって定義されており、厚生労働省が設備などの基準を定めています。

預かる子どもは、小学校入学前の児童が対象であり、預かる時間は1日8時間程度です。

保育園・保育所には、認可保育園(保育所)と、認可外保育園(保育所)があります。認可保育園(保育所)は、都道府県知事などから申請の認可を受けた施設のことです。

一方、認可外保育園(保育所)は、都道府県知事などから認可を得ていない施設を指しています。

②認可外保育園(保育所)の安全性は?

認可を受けていない認可外保育園(保育所)であっても、子どもを預かるための管理体制は整えられています。施設の大きさや、保育士の人数、給食の有無などが、定められた基準に達していないだけです。

認可外保育園(保育所)であっても、立ち入り検査も実施されるので、安全性は保たれているといえます。

また、東京都では、認証保育所として認可外保育園(保育所)の基準を定めており、名古屋市などでは認可外保育園(保育所)の開設について、市長への届け出は義務です。

このように施設への立ち入り検査や基準・規則を定めることで、一定レベルの運営体制は維持されています。

③保育園・保育所・幼稚園の違いは?

保育園と保育所は同じ施設を指しており、呼び名が違うだけで、保育士の人数・管理体制・施設の規模などに変わりはありません。では、幼稚園とは、どこが違うのでしょうか。

幼稚園は、満3歳から小学校入学までの子どもを預かる施設のことです。保育園・保育所とは異なり、0歳児などの乳幼児は、預けられません。幼稚園の保育時間は4時間程度で、午前9時ごろから午後1時あたりまでとされています。

また、幼稚園の定義は学校教育法によって決められ、幼稚園を管轄するのは文部科学省です。定義には、保育のほかに、発育を促すことが明記され、運動や教育・集団生活など、小学校から始まる義務教育の基礎を盛り込んでいます。

保育園・保育所と幼稚園はここが違う

保育園・保育所と幼稚園との違いは、下表のとおりです。このように、先ほど取り上げた内容のほかにも、保育園・保育所と幼稚園には、さまざまな違いのあることがわかります。
 

  保育園・保育所 幼稚園
法律 児童福祉法 学校教育法
管轄 厚生労働省 文部科学省
定義 保護者の事情に応じて
子どもを保育する施設
子どもを保育し、成長を
促す環境を提供する施設
保育時間 10時間(原則) 4時間(原則)
食事の提供 義務 規程なし

【関連】放課後等デイサービス・児童発達支援のM&A・売却・譲渡!業界動向・相場・流れを解説【事例あり】

2. 保育園・保育所業界の現状

保育園・保育所業界の現状

現在の保育園・保育所業界では、どのような動きがあるのでしょうか。

保育園・保育所の売却や、M&Aによる買収・事業譲渡など、事業所の売買を検討する場合は、業界の現状を知っておくことも大切です。

この項では、保育園・保育所業界の動向について、以下の2点に着目して解説します。
 

  1. 保育園・保育所の市場規模
  2. 保育園・保育所の市場規模は拡大する
  3. 保育園・保育所の必要性

①保育園・保育所の市場規模

2019(令和元)年9月に矢野経済研究所が発表した資料によると、2018(平成30)年度の保育園・保育所の市場規模は、約3兆3,500億円(見込み)、2019年度予測は3兆5,500億円となっています。

また、厚生労働省発表の「保育所等関連状況取りまとめ(平成31年4月1日)」によると、保育所等の数は、2019年で36,345カ所です。これは2018年と比べて1,582カ所も増えています。

保育園・保育所業界の主要企業

保育園・保育所業界では、売上高上位企業は下表のようになっています。

順位 企業名 売上高(円) 決算期 保育施設数
1 JPホールディングス 317億1,944万 2020年3月 297
2 ライクキッズ 229億6,669万 2020年4月 372
3 こどもの森 200億 2019年9月 220
4 グローバルキッズCOMPANY 196億9,400万 2019年9月 166
5 ポピンズ 170億 2019年12月 320
6 アイグラン 150億 2019年12月 426
7 テノ.ホールディングス 100億5,077万 2019年12月 262
8 アートチャイルドケア 83億 2019年9月 63
9 タスク・フォース 58億2,900万 2019年3月 69
10 ピジョンハーツ 34億 2019年12月 54

※売上高は端数切捨て
※施設数は認証保育園、院内・企業内・事業所内保育所、学童クラブ、児童館、幼稚園などを含む

②保育園・保育所の市場規模は拡大する


保育園・保育所の市場規模は、今後さらに拡大する見込みです。それでは、どのような理由から、市場規模が大きくなると予想されるのでしょうか。

保育園・保育所の市場規模が拡大する理由には、主に次の2点が挙げられます。
 

  • 子育て安心プランによる待機児童の解消
  • 高まる女性の就業率

子育て安心プランによる待機児童の解消

市場規模の拡大が予想される1つ目の理由には、政府による子育て安心プランの実施が挙げられます。

子育て安心プランとは、待機児童を解消するために、国が打ち出した政策です。確保された予算により、保育園・保育所の賃貸料が補助されたり、保育士の働く環境が整えられたりなど、保育園・保育所の増加が促されます。

2013(平成25)~2017(平成29)年度までは、待機児童解消加速化プランとして、待機児童の解消に取り組んでおり、約53.5万人分の保育環境を整えることが実現しました。

子育て安心プランは、待機児童解消加速化プランに続き待機児童を解消するため、2018~2019年度において約22万人の保育園・保育所などの確保を計画したものです。

このような業界の動向から、保育園・保育所の市場規模は、さらに大きくなることが予想されます。

高まる女性の就業率

市場規模が拡大する理由の2つ目は、女性の就業率が高まっていることです。

政府は、2018~2022(令和4)年末までに、女性の就業率を80%に引き上げることを計画しており、計画実現のために、保育できる児童の数をおよそ32万人にまで増やし、子どものいる女性が働きやすい環境作りを進めています。

この計画も子育て安心プランの一環です。2018~2019年の短期間で約22万人を達成し、2022年までの5年間で約32万人に増やすことが目標となっています。

このような動向からも、自宅の傍や最寄りの駅、会社の近くに保育園・保育所が増えることが予想され、待機児童が解消されるまでは、市場規模の拡大が見込めます。

③保育園・保育所の必要性

男女共同参画白書の平成29年版によれば、2016(平成28)年度の女性就業率(25~44歳)は、72.7%となっており、子育て世代の女性は出産後も働く割合が多く、認可保育園(保育所)の利用は欠かせません。

しかし、幼児の年齢や地域によっては、認可保育園(保育所)を利用できない場合があります。2016年度では、待機児童の約7割が1・2歳児のグループでした。

そのほかにも、東京23区内では地方に比べて大型マンションの多さや土地代の高さが原因で、待機児童の割合が高くなっています。

このような現状から、働く女性にとって幼児を預かってくれる保育園・保育所は、生活に欠かせない施設なのです。

市場規模の拡大は、低所得者の生活を助ける

定員がいっぱいで認可保育園(保育所)が利用できなければ、認可外保育園(保育所)に子どもを預けるしかありません。

しかし、認可外保育園(保育所)は、月々の保育料が高く、低所得者やシングルマザーなどの世帯には大きな負担となっているのです。

このような状態では、生活のために働いても、保育料の支払いで生活費が圧迫されてしまいます。そこで、非課税世帯の保険料を補助し、予算を確保して保育数を増やしているのです。

市場規模の拡大が見込めるとなれば、企業は施設の運営に乗り出し、保育園・保育所が増加するので、結果として、低額の保育料で子どもを預けられる環境が整えられるのです。

【関連】新型コロナで事業承継・譲渡が急増?買い手はいる?【失敗事例あり】

3. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向

保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向

保育園・保育所のM&A(買収)と売買では、どのような動向が見られるのでしょうか。

これからM&A(買収)によって保育園・保育所を譲り受けたり売却したりする可能性のある場合は、保育園・保育所のM&A(買収)と売買の動向を把握しておきましょう。

譲渡と譲受、それぞれの動向を知っていれば、売買のタイミングや自社の強み、売買に不足している点などを明らかにできます。

保育園・保育所のM&A(買収)動向

まずは、保育園・保育所のM&A(買収)動向です。保育園・保育所のM&A(買収)は、増えていくと想定されます。

都市部では保育園・保育所の数は十分とはいえません。待機児童の多い中心部は、M&Aによる買収の需要が高まっているのです。

同業者の動向を見てみると、都市部にある保育園・保育所のM&A(買収)が目立ちました。店舗を増やす拠点とする、新設する費用・労力・人材の確保を最小限に留めるなどの目的から、既存の施設を買収しています。

異業種によるM&A(買収)の動向では、まとめて複数の店舗を譲り受ける例が見られました。業界の流れに乗ることを目的としていたり、自社のノウハウと組み合わせることで事業強化を図ったりと、市場規模の拡大に合わせた動きが目立っています。

このように、M&A(買収)の動向は、拡大する保育園・保育所市場を見越して、対象企業を譲り受けている状況です。

保育園・保育所の売却動向

保育園・保育所の売却動向では、大きく分けて以下の4種類の売却が見られます。
 

  • 社会福祉法人による売却
  • 高齢化・後継者不足による売却
  • シナジー効果を狙った売却
  • 戦略の見直しによる売却

保育園・保育所ではM&A(買収)の増加に伴い、売却を考える事業者も増えてきました。ここでは、さらに詳しく売却動向を解説します。

社会福祉法人による売却

1つ目の売却動向は、社会福祉法人による売却です。社会福祉法人は、社会福祉法に従って事業を行う組織ですから、国から補助金を得て事業を行っています。

公益性が高く、小規模の事業体が多いことから、株式会社のようにたくさんの利益を得られません。

したがって、職員の労働環境や処遇にまで資金を回せず、保育士が離職してしまいがちです。その結果、経営を続けられずに、保育園・保育所の売却に踏み切っているのです。

保育園・保育所の運営は、ほぼ市区町村と、社会福祉法人で占められています。2017年に行った厚生労働省の「平成29年社会福祉施設等調査」では、保育園・保育所の53.4%が社会福祉法人、2番目は市区町村で、32.1%という結果でした。

このような状況から、社会福祉法人による売却や事業譲渡が、今後も増えていくと予想されます。

高齢化・後継者不足による売却

2つ目の売却動向は、高齢化と後継者不足による売却の動きです。保育園・保育所の約半分は、社会福祉法人によって占められています。

社会福祉法人は、地域のニーズに応えるため、長い間、経営を続けているケースも少なくありません。しかしながら、経営者が高齢を迎えれば法人の指揮を執ることが難しくなります。

そのような体力の衰えや後継者の不在を背景として、M&Aによる事業譲渡を実施するため、保育園・保育所を売却し、買収先に経営を引き継ぐケースが増えているのです。

シナジー効果を狙った売却

3つ目の売却動向は、シナジー効果を狙った売却の動きです。小規模の保育園・保育所は、業界での生き残りを目的に、買収先の傘下に入っています。

保育園・保育所の市場では、国が打ち出した政策や、異業種・近隣業種の参入により、競争の激化は必至です。そこで、買収先とのシナジー効果を得る目的で、M&Aによる売却を行う動きも見られます。

そのようなM&A後、売却側は不動産業の利点を生かした新規の出店や、学習塾を組み合わせた卒園後のサポート体制などで、業界における地位の確立や事業領域の拡大を狙うのです。

戦略の見直しによる売却

4つ目の売却動向は、戦略を見直す動きです。出店を計画すると、既存の施設から従業員を派遣して、事業を軌道に乗せようとします。

しかし、抱えている保育士の数には限りがあるため、出店を実行に移すと、残された保育士たちの負担が高まることが問題です。

そこで、M&A・事業譲渡による施設の売却を実行すれば、買収先に雇用を引き継いでもらえるため、既存の施設で働く保育士に負担をかけることなく、新しい保育園・保育所が立ち上げられます。

【関連】保育園の事業承継マニュアル!相談先や成功事例を解説!
  • 保育園・保育所のM&A・事業承継

4. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット

保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット

保育園・保育所のM&Aを行う場合、売り手と買い手にはどのようなメリットがあるでしょうか。

この項では、保育園・保育所のM&Aを行う場合のメリットを、売却側・買収側それぞれの立場から解説します。

売却側のメリット

保育園・保育所を売却するメリットには、主に以下の5つが挙げられます。
 

  • 従業員の雇用・施設の運営が継続される
  • 売却益を得られる
  • 個人保証・担保を外せる
  • 大手の傘下に入ることで、事業を強化できる
  • 後継者を見つけられる

売却側の5つのメリットには、それぞれ以下のような特徴があります。保育園・保育所のM&Aを検討する際は、あらかじめメリットを把握しておきましょう。

売却側のメリット メリットの詳細
従業員の雇用・施設運営の継続 買い手が会社・事業を引き継ぐため、保育士を解雇したり、子どもたちを転園させたりせずに済みます。
売却益の獲得 まとまった資金が手に入れば、新しい形態の保育園・保育所を始められたり、別の業種へ事業を変えたりと、これまでとは違った経営に挑めます。
個人保証・担保を外せる M&Aの売買契約に、個人保証・担保を外すことを盛り込めば、個人の負担を減らせます。
大手の傘下に入ることで事業を強化できる 買収先の資本により、経営の改善と安定化が見込めます。
後継者を見つけられる M&Aを利用することで、社外の第三者に後継者を託せます。

M&A(買収)側のメリット

M&A(買収)を行う側には、主に以下4つのメリットがあります。
 

  • 許認可を引き継げる
  • 人材・建物・土地を確保できる
  • 新規開業のリスクを減らせる
  • スケールメリットを得る

買収側の4つのメリットには、それぞれ以下のような特徴があります。

M&A(買収)側のメリット メリットの詳細
許認可の引き継ぎ M&A(買収)を株式譲渡で行えば、許認可を引き継げるため、効率よく事業を始められます。
人材・建物・土地の確保 保育士・施設・土地がまとめて手に入るため、店舗の拡大・新規参入が楽に行えます。
新規開業リスクの回避 子どもたちの保育を引き継ぐため、一定の保育料が確保できます。
スケールメリット 店舗を増やすことで、状況に応じた人材配置とコストの削減が可能です。

【関連】買収のメリット20選!事例40選!

保育園・保育所のM&AならM&A総合研究所!

全国の中小企業のM&Aに数多く携わり、さまざまな業種を担当しているM&A総合研究所では、保育園・保育所のM&Aに豊富な知識・実績を持つM&Aアドバイザーが、ご相談から交渉・契約まで一括サポートいたします。

着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬制、成功報酬額は国内最安値水準となっており、無理な負担なくM&Aの実現が可能です。保育園・保育所のM&Aをご検討の際には、お気軽に無料相談をご利用ください。

【関連】保育園・保育所のM&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

5. 保育園・保育所を事業譲渡する際の問題

保育園・保育所を事業譲渡する際の問題

保育園・保育所のM&Aで事業譲渡を選ぶと、いくつかの問題に直面します。事業譲渡では、会社を丸ごと引き渡す株式譲渡とは違って、気をつけなければいけないポイントが存在するからです。

保育園・保育所の売買で事業譲渡を選択する場合は、譲り受けるときに発生する以下の4つの問題を、あらかじめ把握しておきましょう。
 

  1. 契約・取引の結び直し
  2. 許認可の申請
  3. 創業者利益を得られない
  4. 債権者・従業員の同意が得られない

①契約・取引の結び直し

事業譲渡で直面する問題の1つ目は、契約・取引の結び直しです。保育士の雇用契約や、建物の賃貸契約、備品・食材の卸会社などとの取引契約は、買収に合わせて結び直さなくてはいけません。

事業譲渡は、売り手の事業・資産を個別に買い手に移転させる手法です。株式譲渡のように、売り手の会社を丸ごと買い取るわけではありません。

引き継ぐ資産を選んで移転が行われるため、事業譲渡に合わせて対外的な契約・取引は結び直すことが求められるのです。

そのため、事業譲渡に合わせて「保育士が辞めた」「賃貸契約を結べない」「仕入れ先が取引を中止した」などの問題に直面することがあります。

②許認可の申請

事業譲渡で見られる問題の2つ目は、許認可の申請です。認可保育園(保育所)などは、都道府県知事の認可を受けて保育事業を行っています。

M&Aの手法に事業譲渡を選んだ場合、契約・取引と同じように、再度、許認可の申請をして、許可を得なければなりません

事業譲渡を行って保育事業を譲り受けたものの、許認可が下りず、保育園・保育所を始められないこともあるため注意しておきましょう。

③創業者利益を得られない

事業譲渡で起こりうる問題の3つ目は、創業者利益を得られないことです。

M&Aによる事業譲渡では、対価の受け取り者は法人になります。したがって、創業者個人は何も譲渡益を得られません。

④債権者・従業員の同意が得られない

事業譲渡で起こりうる問題の4つ目は、債権者と従業員の同意を得られないケースです。M&Aによる事業譲渡は、選ばれた資産を譲り渡します。

売買によっては、企業の価値が下がってしまうかもしれません。そのため、債権者に事業譲渡が了承されない場合があります。

事業譲渡については、従業員へも同意を得ることが求められます。労働環境・待遇が変わってしまうため、保育士・管理栄養士などが事業譲渡に反発して同意を得られなければ、事業譲渡を進められない事態も考えられるのです。

【関連】事業譲渡のメリット・デメリット30選!手続き方法や税務リスクも解説!

6. 保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場

保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場

保育園・保育所の売買では、価格の相場をいくらに設定しているのでしょうか。M&Aによる買収相場では、数億~数十億円の価格帯がよく見られました。

売却相場の平均は、2,500万円前後です。低い価格帯では500万程度が相場、規模の大きな取引では6,000万円前後が相場といえるでしょう。

保育園・保育所の売買価格が決まるポイントは、次の3つです。
 

  1. 保育園・保育所の規模
  2. 保育園・保育所の立地
  3. 保育園・保育所の敷地面積

相場よりも低かったり高かったりする場合は、上記のポイントを照らし合わせてみましょう。売買価格か妥当であるかを測れます。

①保育園・保育所の規模

保育園・保育所には、事業所の種類によって子どもの定員数に違いが見られます。認可保育園(保育所)では20人以上、小規模保育(A・B・C型)では6人以上~19人以下が基準です。

したがって、保育園・保育所のM&A(買収)・売却価格には、施設の規模が影響します。保育する人数が多ければ、たくさんの保育料を得られることから、小規模保育と比べた場合、認定保育園(保育所)の方に、高い売買価格がつけられるという理屈です。

②保育園・保育所の立地

保育園・保育所の売買では、立地も重要なポイントです。

住宅・マンションが密集する都市部や、送り迎えに便利な駅の周辺、待機児童の多い地域は、買い手がつきやすい立地といえます。

立地がよければ、相場よりも高い価格で売れるはずです。そこで、売り手側は、立地の強みを生かした交渉を行ってみましょう。

買い手側は、好立地から得られる収益を見込むことも重要であり、もしも相場より高い価格であっても、妥当な値段かどうかを判断できます。

③保育園・保育所の敷地面積

保育園・保育所の敷地面識も、売買には欠かせないポイントです。認定保育園(保育所)では、敷地面積についての定めがありません。ただし、子どもの年齢に応じた1人あたりの面積には、基準を定めています。

認可保育園(保育所)は0歳・1歳に対して、乳児室の面積が1人あたり1.65平方メートル、保育室が1人あたり3.3平方メートルです。2歳以上の子どもについては、保育室などの面積が1人あたり1.98平方メートルとしています。

小規模保育では、A型・B型とC型で面積の基準に違いがあり、A型・B型は、0歳・1歳で1人あたり3.3平方メートル、2歳の子どもに対して1.98平方メートルです。一方、C型では、0~2歳の子どもに対して、1人あたり3.3へいという基準を定めています。

M&A(買収)を行う場合は、子ども1人あたりの面積を確かめましょう。既存の施設よりも、受け入れる子どもを増やす場合は、必要な面積が足りているかを調べてください。

保育園・保育所のM&AはM&A総合研所へ

保育園・保育所のM&A・売買を効率よく進め成功されるためには、専門家のサポートが必要不可欠です。

まず、M&A総合研究所であれば、「できるだけ高い価格で売却したい!」という希望にお応えします。

そして、保育園・保育所のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが、クロージングまでフルサポートすることで、通常は10カ月~1年以上とされるM&Aを、最短3カ月でスピード成約することも可能です。

料金システムは国内最安値水準の完全成功報酬制となっており、M&Aが成約するまで一切の費用発生はなく、また、仮にM&Aが成約しなければ、手数料の請求はありません

無料相談を随時、受けつけておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【関連】保育園・保育所のM&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

7. 保育園・保育所のM&A成功事例

保育園・保育所のM&A成功事例

保育園・保育所のM&Aは、どのようなスキームと取引価格で、売買が成立しているのでしょうか。

この項では、成功した保育園・保育所のM&A事例を6件、掲示します。

M&Aの売却側 M&Aの買収側 M&Aのスキーム 売買価格
東昇商事 ミアヘルサ 株式譲渡 非公開
パートナーエージェント グローバルキッズ 事業譲渡 非公開
POP AXコーポレーション 株式譲渡 非公開
JBSナーサリー 城南進学研究社 株式譲渡 1億5千万円
PURE SOLUTIONS ライフサポート 株式譲渡 8千万円
小田急電鉄 木下ホールディングス 株式譲渡 非公開

①東昇商事とミアヘルサのM&A

2020(令和2)年7月、ミアヘルサが、東京都および神奈川県で認可保育園を運営する東昇商事の全株式を取得し完全子会社化しました。

ミアヘルサは、旧社名が日本生科学研究所(社名変更2019年4月)で、ブランド名「日生薬局」で調剤薬局を1984(昭和59)年から展開し、2020年3月にジャスダック上場を果たしています。

ミアヘルサとしては、保育および介護事業を第2、第3の柱とすべく、関東エリアで26園の保育園を運営しており、事業規模拡大とシナジー効果を得ることを目的に今回のM&Aを実行しました。

②パートナーエージェントとグローバルキッズのM&A

保育園・保育所を経営するグローバルキッズは、2018年6月に結婚相談サービスを提供するパートナーエージェントから、企業主導型の保育事業を譲り受けました。

買い手側の目的は、M&Aによって、職員の職場復帰を早めることです。グローバルキッズや親会社のグローバルエージェントには、保育事業に関わる保育士たちが所属しています。

子どもを預ける環境を会社が整えれば、出産をしても職場へ戻りやすくなり、出産による離職を減らせると見込んでいるのです。

なお、この事業譲渡と合わせて、パートナーエージェントとグローバルグループは、両者が1,000万円を目安に資本提携することでも合意しています。

③POPとAXコーポレーションのM&A

クレアシオン・キャピタルが管理・運営するファンドの投資先であるAXコーポレーションは、2018年4月に保育施設を営むPOPをM&Aで買収しました。M&Aの手法は株式譲渡で、取引によってPOPの株式を全て取得しています。

AXコーポレーションが所有する会社には、保育事業を営む会社・アルコバレーノがあり、おむつ・汚れた布団などの処分・洗濯を自社で行う会社です。

売り手のPOPも同様の取り組み(手ぶら保育)を行っていることから、買収によるシナジーを得られると判断し、M&Aが行われました。

④JBSナーサリーと城南進学研究社のM&A

進学塾や乳幼児向けの事業を展開する城南進学研究社は、2017年5月に保育事業を行うJBSナーサリーの全株式を、M&Aによって取得しました。取得額は1億5千万円であり、買収側の相場価格に収まる金額です。

城南進学研究社は、保育事業の拡大を目的にM&Aを実行しました。JBSナーサリーは、利用者のニーズに応えるために、M&Aによる売却を決めています。

M&Aにより、城南進学研究社の学習塾事業と、認可保育園(保育所)へと移行したJBSナーサリーの保育事業は融合されました。これにより両社は、一貫した教育サービスの提供を目指しています。

⑤PURE SOLUTIONSとライフサポートのM&A

桧屋ホールディングスの連結子会社で、福祉・保育事業を営むライフサポートは、2017年4月にPURE SOLUTIONSに対するM&Aにより、全ての株式を取得しました。

このM&Aで、ライフサポートはPURE SOLUTIONSを完全子会社としています。株式の取得価格は8千万円、買取側の相場を下回る金額です。

買い手側のライフサポートは、補助金に頼った経営を改善するために、M&Aを選びました。売り手のPURE SOLUTIONSは、認可外保育園(保育所)を運営しており、外国人講師による英語教育を行うなど特徴のある保育サービスを提供してきました。

ライフサポートは、自社の経営ノウハウを融合させることで、シナジー効果を得られると判断し、M&Aを実行に移しています。

⑥小田急電鉄と木下ホールディングスのM&A

住宅や医療関連のサービスを提供する木下ホールディングスは、2015年7月、小田急電鉄と株式譲渡契約、ならびに業務提携契約を締結しています。

このM&Aの成立は、両社が事業の拡大を求めていたためで、どちらの会社も保育施設を運営していました。M&Aを行うことにより、互いの強みを生かせると踏んだのです。

M&Aの後、木下ホールディングスは施設の運営に力を注ぎ、小田急電鉄は店舗の拡大を担っていく予定です。

【関連】M&A成功事例25選!【2020年最新版】

8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう

保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう

保育園・保育所のM&Aを行うのであれば、M&Aの専門家へ相談しましょう。

自社のみでM&A・売却を行うと、ふさわしい売却先を見つけられなかったり、交渉・契約段階で白紙に戻されたりと、M&A・売却を完了できない事態が想定されます。

自社の条件を満たす売却先を見つけ、期間内にM&A・売却を終わらせるには、M&A仲介会社のアドバイスが不可欠です。M&A仲介会社に相談を持ちかけることで、M&Aの成功率はグッと上がります。

M&A仲介会社や、地元の士業、金融機関、公的機関などの専門家を見つけましょう。

おすすめのM&A相談先

上述のとおり、保育園・保育所のM&A・売買を効率よく進め成功されるためには、専門家のサポートが必要不可欠です。

M&A総合研究所では、保育園・保育所のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが、クロージングまでフルサポートします。

これまでの全国の中小企業のM&A実績で培ったネットワークにより、最適なM&Aの相手を見つけられるのがM&A総合研究所です。

国内最安値水準の完全成功報酬制により、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。

24時間年中無休で無料相談をお受けしていますので、保育園・保育所のM&Aを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

【関連】保育園・保育所のM&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

9. まとめ

まとめ

保育園・保育所は市場拡大傾向にあるため、M&Aも頻繁に行われています。とくに、保育園・保育所の買収が増えているため、「保育園・保育所を売りたい」と考えているのであれば、売り時といえるでしょう。

保育園・保育所の売却側のメリットは以下のとおりです。

  1. 従業員の雇用・施設の運営が継続される
  2. 売却益を得られる
  3. 個人保証・担保を外せる
  4. 大手の傘下に入ることで、事業を強化できる
  5. 後継者を見つけられる

また、保育園・保育所を買収するメリットは以下のとおりです。

  1. 許認可を引き継げる
  2. 人材・建物・土地を確保できる
  3. 新規開業のリスクを減らせる
  4. スケールメリットを得る

もし、保育園・保育所のM&Aを本格的に検討していきたいのであれば、必ずM&A仲介会社に相談しましょう。保育園・保育所のM&Aは通常の企業のM&Aと違って、許認可の引き継ぎや保育士などの雇用契約などでトラブルに発展することが多いです。

円滑にM&Aを進めるためにも、必ずM&A仲介会社に相談しましょう。M&A総合研究所では、保育園・保育所のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが、クロージングまでフルサポートいたします。「許認可が下りない」「債権者からの了承を得られない」などのトラブルを回避するためにも、M&A総合研究所へご相談ください。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

Documents
  • 02
  • 04
プレミアム案件・お役立ち情報

関連する記事

関連するキーワード

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事
保育園・保育所のM&A・事業承継