保育園・保育所のM&A動向!買収・売却事例、事業譲渡、相場も徹底解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

現在、M&Aは最盛期を迎えており、それは保育園・保育所の売買でも同様です。幼稚園との違いも踏まえつつ、保育園・保育所について、業界動向や市場規模、買収・売却・事業譲渡のメリット、買収・売却・事業譲渡の相場、M&A事例などを解説します。

目次

  1. 保育園・保育所の概要と現状
  2. 保育園・保育所のM&A動向
  3. 社会福祉法人による保育園・保育所のM&Aに関する注意点
  4. 保育園・保育所をM&Aにより事業譲渡する際の問題
  5. 保育園・保育所のM&A相場
  6. 保育園・保育所のM&Aにおけるメリット
  7. 保育園・保育所のM&A成功事例
  8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう
  9. 保育園・保育所のM&A動向まとめ
  • 保育園・保育所のM&A・事業承継

1. 保育園・保育所の概要と現状

保育園・保育所とは、どのような施設のことをさしているのでしょうか。施設の定義や幼稚園との違いを再確認して、施設の売却、買収M&A事業譲渡に生かしましょう。

ここでは、次のような内容を取り上げます。
 

  1. 保育園・保育所の定義
  2. 保育園の運営者
  3. 保育園・保育所業界の現状

①保育園・保育所の定義

保育園・保育所は、家庭の事情に応じて、小さな子どもを預かる施設です。児童福祉法によって定義されており、厚生労働省が設備などの基準を定めています。

預かる子どもは、小学校入学前の児童が対象であり、預かる時間は1日8時間程度です。

保育園・保育所には、認可保育園(保育所)と、認可外保育園(保育所)があります。認可保育園(保育所)は、都道府県知事などから申請の認可を受けた施設です。

その一方で認可外保育園(保育所)は、都道府県知事などから認可を得ていない施設をさしています。

認可保育園

保育所や小規模保育事業の施設、家庭的保育事業の施設の中で、児童福祉法で定められた認可基準を満たしている施設を認可保育園と呼びます。保育園される人数に対し、保育士の人数や、施設の面積、設備が決まっているのです。

認可保育園の運営費は国・自治体から支給される公費と利用者が負担する保育料から成り立っています。認可保育園は、園児数や施設数を安定的に増やし、経営規模を生かして業務を効率化するのが、基本的な事業成長戦略となるでしょう。

認可外保育園

認可外保育園は、認可保育園以外の保育園をいいます。国からの認可は不要です。しかし、施設・サービス・保育料などに関する各都道府県の基準を満たしている必要があり、知事に届けを出さなければなりません

各自治体は、厚生労働省が策定した指導監督指針・基準を基に実施要綱を定めており、認可外保育施設への指導監督や立入調査を実施が必要です。

自治体によって、一定基準を満たす認可外保育園に対して、助成を行っているケースもあります。認可外保育園は認可保育園に比べて保育料が割高になるのが多いです。

自治体からの補助が手薄となってしまうため経営難に陥りやすく、経営に関する安定性や保育の質、信頼を得るのが難しい面もあるでしょう。その一方で、独自の取り組みや保育園独自の事業を展開できるため、付加価値を追求するのが経営成長の鍵となります。

企業主導型保育園

企業主導型保育事業は、企業が従業員向けに設置した施設です。子ども・子育て支援新制度の一つとして設けられたもので、働き方改革の実現と待機児童問題の解消を目的としています。

企業主導型保育園では、従業員に対して柔軟な保育サービスを提供しつつ、定員の半数までであれば地域の一般児童の受け入れ枠として設定するのも可能です。一定の基準を満たすと、保育所と同程度の公費助成を受けられるでしょう。

幼稚園・認定こども園

幼稚園では、小学校入学前までの子どもの基礎をつくるために幼稚園教育要領に基づく教育が行われ、保育園とは趣旨が異なります。

子ども・子育て支援新制度では、保育園と幼稚園の機能の良さを併せ持ち、教育・保育を一体的に行う「認定こども園」の制度が2006年に創設されました。

認定こども園は、0歳から就学前の子どもまで、保護者が就労している・いないにかかわらず利用が可能です。既存施設の有効活用と効率的な運営が行え、待機児童の問題の解消を目指せるとしています。

認可外保育園(保育所)の安全性は?

認可を受けていない認可外保育園(保育所)であっても、子どもを預かるための管理体制は整えられています。施設の大きさや保育士の人数、給食の有無などが定められた基準に達していないだけです。

認可外保育園(保育所)であっても、立ち入り検査も実施されるので、安全性は保たれているといえます。

東京都では、認証保育所として認可外保育園(保育所)の基準を定めており、名古屋市などでは認可外保育園(保育所)の開設に関して、市長への届け出は義務です。

このように施設への立ち入り検査や基準・規則を定めることで、一定レベルの運営体制は維持されています。

保育園・保育所・幼稚園の違いは?

保育園と保育所は同じ施設です。呼び名が違うだけで、保育士の人数・管理体制・施設の規模などに変わりはありません。では、幼稚園とは、どこが違うのでしょうか。

幼稚園は満3歳から小学校入学までの子どもを預かる施設です。保育園・保育所とは異なり、0歳児などの乳幼児は預けられません。幼稚園の保育時間は4時間程度で、午前9時ごろから午後1時あたりまでとされています。

幼稚園の定義は学校教育法によって決められ、幼稚園を管轄するのは文部科学省です。定義には、保育のほかに、発育を促すことが明記され、運動や教育・集団生活など、小学校から始まる義務教育の基礎を盛り込んでいます。

保育園・保育所と幼稚園との違いは下表のとおりです。先ほど取り上げた内容のほかにも、保育園・保育所と幼稚園には、さまざまな違いのあることがわかります。
 

  保育園・保育所 幼稚園
法律 児童福祉法 学校教育法
管轄 厚生労働省 文部科学省
定義 保護者の事情に応じて
子どもを保育する施設
子どもを保育し、成長を
促す環境を提供する施設
保育時間 10時間(原則) 4時間(原則)
食事の提供 義務 規程なし

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②保育園の運営者

保育園の運営者は、自治体か社会福祉法人により設置・運営されているのが一般的です。関東では、会社により運営されている保育所も多く存在します。

小規模保育事業は、株式会社による運営が多いでしょう。他にも社会福祉法人や個人事業主、学校法人、医療法人など、さまざまな運営者によって行われています。

家庭的保育事業は、個人事業主の運営がほとんどです。認可外保育施設は、株式会社や個人事業主が運営しているケースが多く、社会福祉法人による運営は少ないでしょう。

③保育園・保育所業界の現状

現在の保育園・保育所業界では、どのような動きがあるのでしょうか。

保育園・保育所の売却や、M&Aによる買収・事業譲渡など、事業所の売買を検討する場合は、業界の現状を知っておくことも大切です。この項では、保育園・保育所業界の動向を紹介します。

保育園・保育所の市場規模

2019(令和元)年9月に矢野経済研究所が発表した資料によると、2018(平成30)年度の保育園・保育所の市場規模は約3兆3,500億円とされています。

2019年度も政府による待機児童解消の施策から、保育所や託児所の新規開設、利用児童数の増加が見込まれ、3兆5,500億円です。

厚生労働省発表の「保育所等関連状況取りまとめ」によると、保育所等の数は、2021年で38,666カ所であり、年々増加傾向です。

参照:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月)」

保育園・保育所業界の主要企業

保育園・保育所業界では、売上高上位企業は下表のようになっています。

順位 企業名 売上高(円) 決算期 保育施設数
1 JPホールディングス 317億1,944万 2020年3月 297
2 ライクキッズ 263億 2021年5月 372
3 ポピンズホールディングス 248億 2021年12月 320
4 グローバルキッズCOMPANY 221億6,000万 2020年9月 176
5 こどもの森 220億 2020年9月 220
6 アイグラン 181億 2021年12月 426
7 テノ.ホールディングス 114億5,400万 2021年12月 287
8 アートチャイルドケア 84億 2021年9月 63
9 タスク・フォース 59億1,500万 2020年3月 69
10 ピジョンハーツ 35億 2021年12月 54

※売上高は端数切捨て
※施設数は認証保育園、院内・企業内・事業所内保育所、学童クラブ、児童館、幼稚園などを含む

子育て安心プランによる待機児童の解消

市場規模の拡大が予想される1つ目の理由には、政府による子育て安心プランの実施が挙げられます。

子育て安心プランとは、待機児童を解消するために、国が打ち出した政策です。確保された予算により、保育園・保育所の賃貸料が補助されたり、保育士の働く環境が整えられたりなど、保育園・保育所の増加が促されます。

2013(平成25)~2017(平成29)年度までは、待機児童解消加速化プランとして、待機児童の解消に取り組んでおり、約53.5万人分の保育環境を整えることが実現しました。

子育て安心プランは、待機児童解消加速化プランに続き待機児童を解消するため、2018~2019年度では約22万人の保育園・保育所などの確保を計画したものです。

そして、令和3年度からスタートした「新子育て安心プラン」に基づき、各自治体に向けて4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備するとしています。このような政府の動向から、保育園・保育所の市場規模は、さらに大きくなることが予想されます。

参照:厚生労働省「新子育て安心プラン」(令和2年12月)

高まる女性の就業率

市場規模が拡大する理由の2つ目は、女性の就業率が高まっていることです。

政府は、2018~2022(令和4)年末までに女性の就業率を80%に引き上げることを計画しており、計画実現のために、保育できる児童の数をおよそ32万人にまで増やし、子どものいる女性が働きやすい環境作りを進めています。

この計画も子育て安心プランの一環です。2018~2019年の短期間で約22万人を達成し、2022年までの5年間で約32万人に増やすことが目標です。

このような動向からも、自宅の傍や最寄りの駅、会社の近くに保育園・保育所が増えることが予想され、待機児童が解消されるまでは、市場規模の拡大が見込めます。

参照:厚生労働省「新子育て安心プラン」(令和2年12月)

保育園・保育所の必要性

「男女共同参画白書」の令和3年版によれば、2020年度の女性就業率(25~44歳)は77.4%となっており、子育て世代の女性は出産後も働く割合が多く、認可保育園(保育所)の利用は欠かせません。

しかし、幼児の年齢や地域によっては、認可保育園(保育所)を利用できない場合があり、待機児童の約7割が1・2歳児のグループでした。

そのほかにも、東京23区内では地方に比べて大型マンションの多さや土地代の高さが原因で、待機児童の割合が高くなっています。

このような現状から、働く女性にとって幼児を預かってくれる保育園・保育所は生活に欠かせない施設です。

定員がいっぱいで認可保育園(保育所)が利用できなければ、認可外保育園(保育所)に子どもを預けるしかありません。しかし、認可外保育園(保育所)は月々の保育料が高く、低所得者やシングルマザーなどの世帯には大きな負担です。

このような状態では、生活のために働いても、保育料の支払いで生活費が圧迫されてしまうでしょう。そこで、非課税世帯の保険料を補助し、予算を確保して保育数を増やしています。

市場規模の拡大が見込めるとなれば、企業は施設の運営に乗り出し、保育園・保育所が増加するので、結果として低額の保育料で子どもを預けられる環境が整えられることになります。

参照:内閣府「男女共同参画白書 令和3年版

子どもの人口減少と保育ニーズの低下

保育園市場の昨今は、待機児童解消に向けた保育士など人材の獲得、処遇改善など国の公的資金投資が投入されていますが、国の施策は成功しているとはいえないでしょう。

待機児童問題の解消はなかなか進まず、保育士の有効求人倍率は増加傾向です。労働力不足が懸念される中、待機児童問題はなかなか解決されていないため、大きな保育ニーズがあることを示しているでしょう。

一方、将来的にみると子どもの人口減少によって保育ニーズは低下していくと予想されているため、保育園の開設は慎重にならざるを得ないといった状況もあるでしょう。

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2. 保育園・保育所のM&A動向

保育園・保育所のM&A(買収)と売買では、どのような動向が見られるのでしょうか。

これからM&A(買収)によって保育園・保育所を譲り受けたり売却したりする可能性のある場合は、保育園・保育所のM&A(買収)と売買の動向を把握しましょう。

譲渡と譲受、それぞれの動向を知っていれば、売買のタイミングや自社の強み、売買に不足している点などを明らかにできます。

保育園・保育所の買収動向

まずは、保育園・保育所のM&A(買収)動向です。保育園・保育所のM&A(買収)は増えていくと想定されます。

都市部では保育園・保育所の数は十分とはいえません。待機児童の多い中心部は、M&Aによる買収の需要が高まっています。

同業者の動向を見てみると、都市部にある保育園・保育所のM&A(買収)が目立ちました。店舗を増やす拠点とする、新設する費用・労力・人材の確保を最小限に留めるなどの目的から、既存の施設を買収しています。

異業種によるM&A(買収)の動向では、まとめて複数の店舗を譲り受ける例が見られました。業界の流れに乗ることを目的としていたり、自社のノウハウと組み合わせることで事業強化を図ったりと、市場規模の拡大に合わせた動きが目立っています。

このように、M&A(買収)の動向は、拡大する保育園・保育所市場を見越して、対象企業を譲り受けている状況です。

保育園・保育所の売却動向

保育園・保育所の売却動向では、大きく分けて以下の4種類の売却が見られます。
 

  • 社会福祉法人による売却
  • 高齢化・後継者不足による売却
  • シナジー効果を狙った売却
  • 戦略の見直しによる売却

保育園・保育所ではM&A(買収)の増加に伴い、売却を考える事業者も増えてきました。ここでは、さらに詳しく売却動向を解説します。

社会福祉法人による売却

1つ目の売却動向は、社会福祉法人による売却です。社会福祉法人は、社会福祉法に従って事業を行う組織ですから、国から補助金を得て事業を行っています。

公益性が高く小規模の事業体が多いことから、株式会社のようにたくさんの利益を得られません。

したがって、職員の労働環境や処遇にまで資金を回せず、保育士が離職してしまいがちです。その結果、経営を続けられずに、保育園・保育所の売却に踏み切るケースもみられます。

保育園・保育所の運営は、ほぼ市区町村と社会福祉法人で占められています。厚生労働省の「令和元年社会福祉施設等調査」では、保育園・保育所の53.4%が社会福祉法人、2番目は市区町村で32.1%の結果でした。

このような状況から、社会福祉法人による売却や事業譲渡が今後も増えていくと予想されます。

参照:厚生労働省「平成29年社会福祉施設等調査

高齢化・後継者不足による売却

2つ目の売却動向は、経営者の高齢化と後継者不足による売却の動きです。保育園・保育所の約半分は、社会福祉法人によって占められています。

社会福祉法人は地域のニーズに応えるため、長い間経営を続けているケースも少なくありません。しかしながら、経営者が高齢を迎えれば法人の指揮を執ることが難しくなります。

そのような体力の衰えや後継者の不在を背景として、M&Aによる事業譲渡を実施するために保育園・保育所を売却し、買収先に経営を引き継ぐケースが増えています。

シナジー効果を狙った売却

3つ目の売却動向は、シナジー効果を狙った売却の動きです。小規模の保育園・保育所は業界での生き残りを目的に買収先の傘下に入っています。

保育園・保育所の市場では、国が打ち出した政策や、異業種・近隣業種の参入により、競争の激化は必至です。そこで、買収先とのシナジー効果を得る目的で、M&Aによる売却を行う動きも見られます。

そのようなM&A後、売却側は不動産業の利点を生かした新規の出店や、学習塾を組み合わせた卒園後のサポート体制など、業界における地位の確立や事業領域の拡大を狙うのが目的です。

戦略の見直しによる売却

4つ目の売却動向は、戦略を見直す動きです。出店を計画すると、既存施設から従業員を派遣して、事業を軌道に乗せようとします。

しかし、抱えている保育士の数には限りがあるため、出店を実行に移すと、残された保育士たちの負担が高まることが問題です。

そこで、M&A・事業譲渡による施設の売却を実行すれば、買収先に雇用を引き継いでもらえるため、既存施設で働く保育士に負担をかけずに新しい保育園・保育所が立ち上げられます。

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3. 社会福祉法人による保育園・保育所のM&Aに関する注意点

M&Aは、保育所を運営する株式会社、あるいは大半を占める社会福祉法人によっても実施されています。社会福祉法人は一般の営利企業とは異なるため、M&Aを行う際は注意しましょう。

ここでは、社会福祉法人による保育園・保育所のM&Aに関する注意点を解説します。

社会福祉法人とは

社会福祉法人とは、社会福祉事業を行う目的として設立された法人です。社会福祉法人は社会福祉を目的とする事業や公益事業、収益事業を行えます。

高齢者福祉事業や保育園のような介護・保育に関する事業、更生施設やデイサービスなどの支援施設などです。公共性を重視した非営利団体であるため、無料あるいは低額でサービスを積極的に提供します。

所轄は原則として法人の事務所がある都道府県です。

特徴(公益性・非営利性)

社会福祉法人は、公益性・非営利性が求められます。支援を必要とする人に対して無料または低額な料金でサービスを提供するように努めなければなりません

解散する際に残った財産は、社会福祉事業運営者や国庫にしか帰属できない、といった非営利性も求められるでしょう。

設置される機関

社会福祉法人の経営は、評議員会や理事会、理事・理事長、監事、会計監査人といった機関・役職により行われます。それぞれの権限や役割は以下です。
 

機関・役職 役割
評議員会 定款変更、理事・監事・会計監査人の選任・解任、理事・監事の報酬の決定などを決議
理事会 業務執行の意思決定、理事の職務執行の監督、理事長の選定・解職
理事長 業務を執行しつつ法人を代表する
理事 理事会を構成
監事 理事の職務執行の監査、監査報告の作成、監査などを行う
会計監査人 公認会計士あるいは監査法人が選任され監査などを行う

社会福祉法人のM&A手法に関する注意点

社会福祉法人のM&A手法に関する注意点をこの章でご紹介します。M&Aの中の経営権取得の場合、利益供与の問題が生じやすいため、社会福祉法人のM&Aは限られています。
 

M&A時に採用される手法の種類

M&Aの際に採用される手法の種類は以下です。
 

手法 概要
経営権取得 評議員・理事・理事長を交代し、法人の経営権を取得する
合併 社会福祉法で規定された手続きに従って、社会福祉法人同士が合併する
事業譲渡 社会福祉事業の実施できる法人事業の一部を譲渡する

社会福祉法人M&Aに関する注意点まとめ

社会福祉法人のM&Aに関する注意点を紹介します。まず経営権を取得する際に理事長などに対する利益供与は、公益性・非営利性の点から問題視されており、指導監督の対象です。社会福祉法人の関係者に対して特別な利益を与えるのは法律で禁止されているため、注意が必要です。

次に、事業から得られた剰余金は、運営経費や社会福祉事業以外の公益事業などにあてられますが、法人外へ利益を流出させる行為は禁止されています。

したがって、M&Aの際に相手法人に金銭を支払ったり、相場より低い価格で譲渡して経済的利益を与えたりするなどは認められません。

社会福祉法人が事業を譲渡する場合は、法人の事業価値を正しく見積もり、価値以上の対価で譲渡するのが求められます。このように算定された価値よりも低価格で事業譲渡を行った場合は、法人外への資金流出とみなされてしまうでしょう。

社会福祉法人が国庫補助金を受けて財産を処分する際は厚生労働大臣の承認が必要です。一定のケースを除き、補助金に相当する額の返還も求められるでしょう。

  • 保育園・保育所のM&A・事業承継

4. 保育園・保育所をM&Aにより事業譲渡する際の問題

保育園・保育所のM&Aで事業譲渡を選ぶと、いくつかの問題に直面します。事業譲渡では、会社を丸ごと引き渡す株式譲渡とは違って、気をつけなければいけないポイントが存在するからです。

保育園・保育所の売買で事業譲渡を選択する場合は、譲り受けるときに発生する以下の4つの問題を、あらかじめ把握しましょう。
 

  1. 契約・取引の結び直し
  2. 許認可の申請
  3. 創業者利益を得られない
  4. 債権者・従業員の同意が得られない

①契約・取引の結び直し

事業譲渡で直面する問題の1つ目は、契約・取引の結び直しです。保育士の雇用契約や、建物の賃貸契約、備品・食材の卸会社などとの取引契約は、買収に合わせて結び直さなくてはいけません。

事業譲渡は、売り手の事業・資産を個別に買い手に移転させる手法です。株式譲渡のように、売り手の会社を丸ごと買い取るわけではありません。

引き継ぐ資産を選んで移転が行われるため、事業譲渡に合わせて対外的な契約・取引は結び直すことが求められます。事業譲渡に合わせて「保育士が辞めた」「賃貸契約を結べない」「仕入れ先が取引を中止した」などの問題に直面する場合があります。

②許認可の申請

事業譲渡で見られる問題の2つ目は、許認可の申請です。認可保育園(保育所)などは、都道府県知事の認可を受けて保育事業を行っています。

M&Aの手法に事業譲渡を選んだ場合、契約・取引と同じように再び許認可の申請をして許可を得なければなりません

事業譲渡を行って保育事業を譲り受けたものの許認可が下りず、保育園・保育所を始められないこともあるため注意しましょう。

③創業者利益を得られない

事業譲渡で起こりうる問題の3つ目は、創業者利益を得られないことです。

M&Aによる事業譲渡では対価の受取者は法人になります。したがって、創業者個人は何も譲渡益を得られません。

④債権者・従業員の同意が得られない

事業譲渡で起こりうる問題の4つ目は、債権者と従業員の同意を得られないケースです。M&Aによる事業譲渡は選ばれた資産を譲り渡します。

売買によっては企業の価値が下がってしまうかもしれません。債権者に事業譲渡が了承されない可能性があるのです。

事業譲渡は、従業員へも同意を得ることが求められます。労働環境・待遇が変わってしまうため、保育士・管理栄養士などが事業譲渡に反発して同意を得られなければ、事業譲渡を進められない事態も考えられるでしょう。

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5. 保育園・保育所のM&A相場

保育園・保育所の売買では、価格の相場をいくらに設定しているのでしょうか。M&Aによる買収相場では、数億~数十億円の価格帯がよく見られました。

売却相場の平均は2,500万円前後です。低い価格帯では500万程度が相場、規模の大きな取引では6,000万円前後が相場といえるでしょう。

保育園・保育所の売買価格が決まるポイントは、次の4つです。
 

  1. 保育園・保育所の規模
  2. 保育園・保育所の立地
  3. 保育園・保育所の敷地面積
  4. 保育園・保育所の運営主体

相場よりも低かったり高かったりする場合は、上記のポイントを照らし合わせてみましょう。売買価格か妥当であるかを測れます。

①保育園・保育所の規模

保育園・保育所には事業所の種類によって子どもの定員数に違いが見られます。認可保育園(保育所)では20人以上、小規模保育(A・B・C型)では6人以上~19人以下が基準です。

したがって、保育園・保育所のM&A(買収)・売却価格には、施設の規模が影響します。保育する人数が多ければ、たくさんの保育料を得られることから、小規模保育と比べた場合、認定保育園(保育所)の方に高い売買価格がつけられる理屈です。

②保育園・保育所の立地

保育園・保育所の売買では立地も重要なポイントです。

住宅・マンションが密集する都市部や、送り迎えに便利な駅の周辺、待機児童の多い地域は、買い手がつきやすい立地といえます。

立地がよければ、相場よりも高い価格で売れるはずです。そこで売り手側は、立地の強みを生かした交渉を行ってみましょう。

買い手側は、好立地から得られる収益を見込むことも重要であり、相場より高い価格であったとしても妥当な値段かどうかを判断できます。

③保育園・保育所の敷地面積

保育園・保育所の敷地面識も売買には欠かせないポイントです。認定保育園(保育所)では敷地面積の定めがありません。ただし、子どもの年齢に応じた1人当たりの面積には基準を定めています。

認可保育園(保育所)は0歳・1歳に対して、乳児室の面積が1人当たり1.65平方メートル、保育室が1人当たり3.3平方メートルです。2歳以上の子どもは、保育室などの面積が1人当たり1.98平方メートルとしています。

小規模保育ではA型・B型・C型で面積の基準に違いがあり、A型・B型は、0歳・1歳で1人当たり3.3平方メートル、2歳の子どもに対して1.98平方メートルです。その一方でC型では、0~2歳の子どもに対して、1人当たり3.3平方メートルといった基準を定めています。

M&A(買収)を行う場合は、子ども1人当たりの面積を確かめましょう。既存の施設よりも、受け入れる子どもを増やす場合は、必要な面積が足りているかの確認が必要です

④保育園・保育所の運営主体

保育園・保育所の運営主体によっても相場が変わります。2000年に保育所設置に関する主体制限がなくなり、昨今では保育園の運営は自治体の市町村、社会福祉法人、株式会社、学校法人、NPOなどさまざまな組織によって運営されています。

ここでは運営主体によって相場はどのようなっているかを解説しましょう。

社会福祉法人が運営する保育園・保育所の相場

株式会社や持分のある法人のケースでは、合併の手法を使う際は株主や持分所有者に対価が支払われます。しかし、社会福祉法人には株式や持分はありません。合併の場合は無対価で行われるのです。

その一方で事業譲渡の場合、事業の価値に相当する金額で譲渡や譲受が行われます。事業価値の評価では将来の収益性を加味する必要があります。収益性に基づく事業価値評価方法として、一般的にDCF法が使用されているのです。

DCF法は、詳細な事業計画を基に事業価値を算定します。

株式会社が運営する保育園・保育所の相場

株式会社が運営する場合、DCF法などによって算出された企業や事業の価値を基準にしながら交渉が行われ対価が決定されます。対価は、一般企業のように企業・事業の規模、経営状態やリスクの有無、M&A後に期待シナジー効果などによって算定されます。

M&Aを検討する際は、相手企業からの価格提示に対して、M&A仲介会社など専門家からのアドバイスを求めることが重要です。

保育園・保育所のM&AはM&A総合研究所へ

保育園・保育所のM&A・売買を効率よく進めて成功されるためには、専門家のサポートがおすすめです。M&A総合研究所では、中小・中堅規模のM&A仲介を主に取り扱う会社です。M&Aに精通したM&Aアドバイザーが保育園・保育所のM&Aクロージングまでフルサポートします。

M&A成約までは一般的に10カ月~1年以上かかるといわれていますが、M&A成約まで最短3カ月の実績もあり、スピード感をもって対応できるでしょう。

料金体系は成約するまで完全無料の完全成功報酬制です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談はお電話・Webより随時お受けしていますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。

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6. 保育園・保育所のM&Aにおけるメリット

保育園・保育所のM&Aを行う場合、売り手と買い手にはどのようなメリットがあるでしょうか。この項では、保育園・保育所のM&Aを行う場合のメリットを売却側・買収側それぞれの立場から解説します。

売却側のメリット

保育園・保育所を売却するメリットには主に以下の5つが挙げられます。
 

  • 従業員の雇用・施設の運営が継続される
  • 売却益を得られる
  • 個人保証・担保を外せる
  • 大手の傘下に入ることで事業を強化できる
  • 後継者を見つけられる

売却側の5つのメリットには、それぞれ以下のような特徴があります。保育園・保育所のM&Aを検討する際は、あらかじめメリットを把握しましょう。
 
売却側のメリット メリットの詳細
従業員の雇用・施設運営の継続 買い手が会社・事業を引き継ぐため、保育士を解雇したり子どもたちを転園させたりせずに済みます。
売却益の獲得 まとまった資金が手に入れば、新しい形態の保育園・保育所を始められたり、別の業種へ事業を変えたりと、これまでとは違った経営に挑めるのです。
個人保証・担保を外せる M&Aの売買契約に個人保証・担保を外すことを盛り込めば、個人の負担を減らせるでしょう。
大手の傘下に入ることで事業を強化できる 買収先の資本により経営の改善と安定化が見込めます。
後継者を見つけられる M&Aの利用で社外の第三者に後継者を託せます。

買収側のメリット

M&A(買収)を行う側には主に以下4つのメリットがあります。
 

  • 許認可を引き継げる
  • 人材・建物・土地を確保できる
  • 新規開業のリスクを減らせる
  • スケールメリットを得る

買収側の4つのメリットにはそれぞれ以下のような特徴があります。
 
買収側のメリット メリットの詳細
許認可の引き継ぎ M&A(買収)を株式譲渡で行えば許認可を引き継げるため、効率よく事業を始められるでしょう。
人材・建物・土地の確保 保育士・施設・土地がまとめて手に入るため、店舗の拡大・新規参入が楽に行えます。
新規開業リスクの回避 子どもたちの保育を引き継ぐため、一定の保育料が確保できます。
スケールメリット 店舗を増やすことで状況に応じた人材配置とコストの削減が可能です。

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保育園・保育所のM&AならM&A総合研究所へお任せください。中小企業のM&A支援実績豊富なM&A総合研究所では、案件ごとにM&Aアドバイザーがつきご相談から交渉・契約まで保育園・保育所のM&Aをフルサポートします。

M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の完全成功報酬制です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談はお電話・Webより随時お受けしていますので、M&Aをご検討の際はお気軽にご連絡ください。

7. 保育園・保育所のM&A成功事例

保育園・保育所のM&Aは、どのようなスキームと取引価格で、売買が成立しているのでしょうか。ここでは成功した保育園・保育所のM&A事例を紹介します。

①ソラストとなないろのM&A

ソラストは2022年3月、なないろの全ての株式を取得し、子会社化しました。

ソラストは、東京都を中心として認可保育所を運営しています。一方、対象会社のなないろは、東京都を中心に認可保育所などを19カ所運営する会社です。

今回のM&Aは、認可保育所などのシェアが拡大によって保育事業の成長が見込まれると判断し、買収を行いました。

ソラストの長年培ってきた保育所運営力に加え、なないろが保有する保育に関する知見を融合し、シナジー効果や保育所運営にとどまらない事業領域の拡大を目指します。

②ソラストとはぐはぐキッズのM&A

ソラストは2022年2月、はぐはぐキッズの全ての株式を取得し、子会社化しました。

ソラストは東京都を拠点として、認可保育所などを47カ所運営しています。対象会社のはぐはぐキッズは、保育園事業や教育事業、HUG メイト事業を展開。認可保育園や認定こども園などを10カ所運営していました。

今回のM&Aにより、認可保育所などシェアを拡大とともに保育事業の成長を目指します。

③JPホールディングスによる日本保育サービスとアメニティライフのM&A

JPホールディングスは2021年11月、連結子会社日本保育サービスとアメニティライフをM&Aによって合併しました。

JPホールディングスは、子会社の管理・統括および、子育て支援施設の開設などのコンサルティング事業を行う会社です。

日本保育サービスは、保育所・学童クラブ・児童館などの支援施設を運営しており、アメニティライフは、神奈川県横浜市にて保育所を運営しています。ともに、この2社はJPホールディングスの完全子会社です。

今回のM&Aにより、経営効率と子育て支援サービスの向上、子育て支援プログラムなどの強化・拡充を目指します。

④MIJとFunkitのM&A

MIJは2021年4月、MIJの企業主導型保育園であるダンデライオン保育園をFunkitへ事業譲渡を行いました。FunkitはITソリューション、企業主導型保育園運営、保育コンテンツ制作、保育支援システムの開発提供を行っている企業です。

MIJはマンションの売買・賃貸・保有を事業とする不動産会社です。Funkitグループでは、フェニックスキッズを設置、運営を行っており、Funkitが取り組みたいとしていた保育関連サービスをすでに展開していました。

今回のM&Aにより、保育園の統合でFunkitの保育サービスの質向上が実現できるとしています。

⑤JPホールディングスと学研ホールディングスのM&A

JPホールディングスは2021年1月、学研ホールディングスへ事業譲渡を行い、業務提携を開始しました。

対象会社であるJPホールディングスは保育園・学童クラブ・児童館などの運営とコンサルティング、給食請負、保育に関する研修・研究、保育関連用品物販の事業を幅広く行っている企業です。

学研ホールディングスは、学習塾運営、児童・生徒向け出版、園・学校向け書籍・用品の制作販売などの事業を展開している企業グループです。

幼児教育の充実は今後の保育業界にとって有効な成長戦略であり、今回のM&Aにより、両社の教育コンテンツの活用と保育・幼児教育事業における質的向上と量的成長を両立する枠組みの構築を目指します

⑥プロケアとセンコーグループホールディングスのM&A

プロケアは2020年9月、センコーグループホールディングスへ全ての株式を譲渡しました。

プロケアは、保育所の運営や放課後児童クラブの運営受託、放課後子供教室など、東京都を中心に全国で運営している企業です。

センコーグループホールディングスは、物流・商事・ビジネスサポート・ライフサポートなどの事業を行っている企業グループです。

今回のM&Aにより、センコーグループは子育て事業へ参入し、子どもから高齢者までのトータルな生活支援の実現を図ることを目指します。

⑦東昇商事とミアヘルサのM&A

ミアヘルサが2020(令和2)年7月に、東京都および神奈川県で認可保育園を運営する東昇商事の全株式を取得し完全子会社化しました。

ミアヘルサは、旧社名が日本生科学研究所(社名変更2019年4月)で、ブランド名「日生薬局」で調剤薬局を1984(昭和59)年から展開し、2020年3月にジャスダック上場を果たしています。

ミアヘルサとしては、保育および介護事業を第2、第3の柱とすべく、関東エリアで26園の保育園を運営しており、事業規模拡大とシナジー効果を得ることを目的に今回のM&Aを実行しました。

⑧ブリタニカ・ジャパンとパソナフォスターのM&A

ブリタニカ・ジャパンは2020年3月、パソナフォスターへ事業譲渡を実施しました。ブリタニカ・ジャパンは百科事典データベースの開発・提供、出版、書籍雑誌の輸入販売などを行っている企業です。

パソナフォスターは認可・認証保育園の運営、企業内保育・学童保育の運営受託、臨時託児施設運営などの事業を展開しています。

今回のM&Aにより、パソナフォスターは保育園・幼稚園・認定こども園の教育事業を展開していくことを目的としてブリタニカ・ジャパンの英語教育コンテンツを活用するなど、子育て支援分野での教育事業に力を入れます

⑨global bridge HOLDINGSとウェルクスのM&A

global bridge HOLDINGSは2020年2月、ウェルクスと資本提携を行いました。対象会社であるウェルクスは、インターネットを活用した保育士・栄養士・介護職向けの就職支援・人材派遣サービス、求人広告サービスなどを行っています。

global bridge HOLDINGSは、保育園の運営や保育支援システムの開発・提供、介護施設などの運営を行う企業です。

今回のM&Aにより、人材採用ネットワークの拡充と全国の保育園を対象とした保育支援システムの販売ネットワーク強化を目指します。

⑩グローバルキッズとライフケアパートナーズのM&A

グローバルキッズは2019年10月、日本生命保険傘下のライフケアパートナーズに事業譲渡を行いました。

グローバルキッズは、保育園・児童館の運営を行っている企業であり、企業主導型保育所と利用者・企業のマッチングを図るサービス「えんマッチ」の開発・提供を行っています。

ライフケアパートナーズは、健康・介護分野の情報サービス提供する企業です。今回のM&Aにより、ライフケアパートナーズが「えんマッチ」の事業を引き継ぎサービスの普及・発展を目指します

⑪パートナーエージェントとグローバルキッズのM&A

保育園・保育所を経営するグローバルキッズは、2018年6月に結婚相談サービスを提供するパートナーエージェントから、企業主導型の保育事業を譲り受けました。

買い手側の目的は、M&Aによって職員の職場復帰を早めることです。グローバルキッズや親会社のグローバルエージェントには、保育事業にかかわる保育士たちが所属しています。

子どもを預ける環境を会社が整えれば、出産をしても職場へ戻りやすくなり、出産による離職を減らせると見込んでいるのです。

なお、この事業譲渡と合わせてパートナーエージェントとグローバルグループは、両者が1,000万円を目安に資本提携でも合意しています。

⑫POPとAXコーポレーションのM&A

クレアシオン・キャピタルが管理・運営するファンドの投資先であるAXコーポレーションは、2018年4月に保育施設を営むPOPをM&Aで買収しました。M&Aの手法は株式譲渡で取引によってPOPの株式を全て取得しています。

AXコーポレーションが所有する会社には、保育事業を営む会社・アルコバレーノがあり、おむつ・汚れた布団などの処分・洗濯を自社で行う会社です。

売り手のPOPも同様の取り組み(手ぶら保育)を行っていることから、買収によるシナジーを得られると判断し、M&Aが行われました。

⑬JBSナーサリーと城南進学研究社のM&A

進学塾や乳幼児向けの事業を展開する城南進学研究社は、2017年5月に保育事業を行うJBSナーサリーの全株式を、M&Aによって取得しました。取得額は1億5,000万円であり、買収側の相場価格に収まる金額です。

城南進学研究社は、保育事業の拡大を目的にM&Aを実行しました。JBSナーサリーは、利用者のニーズに応えるために、M&Aによる売却を決めています。

M&Aにより、城南進学研究社の学習塾事業と、認可保育園(保育所)へと移行したJBSナーサリーの保育事業は融合されました。これにより両社は、一貫した教育サービスの提供を目指しています。

⑭PURE SOLUTIONSとライフサポートのM&A

桧屋ホールディングスの連結子会社で、福祉・保育事業を営むライフサポートは、2017年4月にPURE SOLUTIONSに対するM&Aにより、全ての株式を取得しました。

このM&Aで、ライフサポートはPURE SOLUTIONSを完全子会社としています。株式の取得価格は8,000万円、買取側の相場を下回る金額です。

買い手側のライフサポートは、補助金に頼った経営を改善するために、M&Aを選びました。売り手のPURE SOLUTIONSは、認可外保育園(保育所)を運営しており、外国人講師による英語教育を行うなど特徴のある保育サービスを提供してきました。

ライフサポートは、自社の経営ノウハウを融合させることで、シナジー効果を得られると判断し、M&Aを実行に移しています。

⑮小田急電鉄と木下ホールディングスのM&A

住宅や医療関連のサービスを提供する木下ホールディングスは2015年7月、小田急電鉄と株式譲渡契約ならびに業務提携契約を締結しています。

両社が事業の拡大を求めていたことからM&Aが成立しました。どちらの会社も保育施設を運営していました。M&Aを行うことにより、互いの強みを生かせると踏んだのです。

M&Aの後、木下ホールディングスは施設の運営に力を注ぎ、小田急電鉄は店舗の拡大を担っていく予定です。

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8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう

保育園・保育所のM&Aを行うのであれば、M&Aの専門家へ相談しましょう。

自社のみでM&A・売却を行うと、ふさわしい売却先を見つけられなかったり、交渉・契約段階で白紙に戻されたりと、M&A・売却を完了できない事態が想定されます。

自社の条件を満たす売却先を見つけて期間内にM&A・売却を終わらせるにはM&A仲介会社のアドバイスが不可欠です。M&A仲介会社に相談を持ちかけることで、M&Aの成功率はグッと上がります。

M&A仲介会社や地元の士業、金融機関、公的機関などの専門家を見つけましょう。

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保育園・保育所のM&A・売買を効率よく進め成功されるためには、専門家のサポートがおすすめです。M&A総合研究所では、M&Aアドバイザーが保育園・保育所のM&Aをクロージングまでフルサポートします。

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9. 保育園・保育所のM&A動向まとめ

保育園・保育所は市場拡大傾向にあるためM&Aも頻繁に行われています。保育園・保育所の買収が増えているため、保育園・保育所を売りたいと考えているのであれば、売り時といえるでしょう。

保育園・保育所のM&Aは通常の企業のM&Aと違って、許認可の引き継ぎや保育士などの雇用契約などでトラブルに発展するケースが多いので、M&A仲介会社など専門家のサポート下で進めることをおすすめします。

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