保育園・保育所のM&A・買収・事業譲渡・売却について解説【相場/成功事例あり】

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

当記事では、保育園・保育所のM&A・買収・売却・事業譲渡について、詳しく解説しています。保育園・保育所の売却・買収のメリットや事業譲渡の注意点だけでなく、相場・業界の動向・市場規模など、保育園・保育所の売買についてのM&Aの成功事例を交えて解説しています。

目次

  1. 保育園・保育所の事業定義
  2. 保育園・保育所業界の現状
  3. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向
  4. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット
  5. 保育園・保育所を事業譲渡する際の問題
  6. 保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場
  7. 保育園・保育所のM&A成功事例
  8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう
  9. 保育園・保育所のM&Aまとめ
  • 保育園・保育所のM&A・事業承継

1. 保育園・保育所の事業定義

保育園・保育所の事業定義

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/1883029?title=%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%9C%92%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%82%8A%E5%8F%B0%E3%81%A7%E9%81%8A%E3%81%B6%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%901

保育園・保育所とは、どのような施設のことを指しているのでしょうか。施設の定義や、幼稚園との違いを再確認して、施設の売却・買収、M&A・事業譲渡に活かしましょう。

ここでは、次のような内容を取り上げます。

  • 保育園・保育所の定義
  • 認可外保育園(保育所)の安全性
  • 保育園・保育所・幼稚園の違い

順番に確認していきましょう。

保育園・保育所の定義

保育園・保育所は、家庭の事情に応じて、小さな子どもを預かる施設を指しています。児童福祉法という法律によって定義されており、厚生労働省が設備などの基準を定めています。

預かる子どもは、小学校入学前の児童が対象であり、預かる時間は1日8時間程度です。

保育園・保育所には、認可保育園(保育所)と、認可外保育園(保育所)があります。認可保育園(保育所)は、都道府県知事などから申請の認可を受けた施設のことです。

一方、認可外保育園(保育所)は、都道府県知事などから認可を得ていない施設を指しています。

認可外保育園(保育所)の安全性は?

認可を受けていない認可外保育園(保育所)であっても、子どもを預かるための管理体制は整えられています。施設の大きさや、保育士の人数、給食の有無などが、定められた基準に達していないだけです。

認可外保育園(保育所)であっても、立ち入り検査も実施されるので、安全性は保たれているといえます。

また東京都では、認証保育所として認可外保育園(保育所)の基準を定めており、名古屋市などでは認可外保育園(保育所)の開設について、市長への届け出を義務化しています。

このように施設への立ち入りを行うことで、基準に沿った運営体制が維持されています。

保育園・保育所・幼稚園の違いは?

保育園と保育所は同じ施設を指しており、呼び名が違うだけで、保育士の人数・管理体制・施設の規模などに変わりはありません。では、幼稚園とはどこが違うのでしょうか。

幼稚園は、満3歳から小学校入学までの子どもを預かる施設のことです。保育園・保育所とは異なり、0歳児などの乳幼児は、預けられません。幼稚園の保育時間は4時間程度で、午前9時ごろから午後の1時あたりまでとされています。

また、幼稚園の定義は学校教育法によって決められ、幼稚園を管轄するのは文部科学省です。定義には、保育のほかに、発育を促すことが明記され、運動や教育・集団生活など、生姜港から始まる義務教育の基礎を盛り込んでいます。

保育園・保育所と幼稚園はここが違う

保育園・保育所と幼稚園の違いには以下のような違いがあります。このように、先ほど取り上げた項目のほかにも、保育園・保育所と幼稚園にはさまざまな違いがあることがわかります。
 

  保育園・保育所 幼稚園
法律 児童福祉法 学校教育法
管轄 厚生労働省 文部科学省
定義 保護者の事情に応じて、
子ども保育する施設
子どもを保育し、
成長を促す環境を提供する施設
保育時間 10時間(原則) 4時間(原則)
食事の提供 義務 規程なし

2. 保育園・保育所業界の現状

保育園・保育所業界の現状

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/423592?title=%E5%85%83%E6%B0%97%E3%81%AA%E5%AD%90%E4%BE%9B

保育園・保育所業界では、どのような動きを見せているのでしょうか。

保育園・保育所の売却や、M&Aによる買収・事業譲渡など、事業所の売買を検討する方は、業界の現状を知っておくことも大切です。

この章では、保育園・保育所業界の動向について、以下の2点に着目して解説していきます。

  • 保育園・保育所の市場規模
  • 保育園・保育所の必要性

順番に確認し、業界の動きを確認しましょう。

保育園・保育所の市場規模

保育園・保育所の市場規模は、約2兆円と報告されています(みずほ銀行産業調査部より)。

これは認可保育園(保育所)のみの数字で、認可外保育園(保育所)を含めると、約2.13兆円の市場規模にまで達します。

厚生労働省の調べでは、保育園・保育所の数は、2018年の時点で33,730カ所(保育所と地域型保育事業)とされ、2017年度と比べると1,970カ所も増えています。

保育園・保育所業界の主要企業

保育園・保育所業界では、次のような企業がトップを走っています。
 

順位 企業名 売上高の年度 売上高(百万円) 認可・認可外保育園
(認証保育園・院内企業内保育所を含む)
1 JPホールディングス 2018年3月期 26,779 183
2 ライクキッズネクスト 2018年4月期 17,776 248
3 こどもの森 2017年9月期 16,000 150
4 グローバルグループ 2017年9月期 13,155 121
5 アイグラン 2017年12月期 12,100 360
6 ポピンズ 2017年12月期 11,754 155
7 アートチャイルドケア 2017年9月期 7,011 56
8 テノ.ホールディングス 2017年12月期 6,679 62
9 タスク・フォース 2018年3月期 4,529 69
10 ピジョンハーツ 2018年1月期 3,600 54
※売上高と施設数は、2017・2018年度の期末決算より引用

保育園・保育所の市場規模は拡大する


保育園・保育所の市場規模は、今後さらに拡大する見込みです。それでは、どのような理由から市場規模が大きくなると予想されるのでしょうか。

保育園・保育所の市場規模が拡大する理由には、主に次の2点が挙げられます。
 

  1. 子育て安心プランによる待機児童の解消
  2. 女性の就業率を高める

保育園・保育所の市場規模が拡大する理由を押さえていきましょう。

市場規模が拡大する理由① 子育て安心プランによる待機児童の解消

市場規模の拡大が予想される1つ目の理由には、政府による子育て安心プランの実施が挙げられます。

子育て安心プランとは、待機児童を解消するために、国が打ち出した政策です。確保された予算により、保育園・保育所の賃貸料が補助されたり、保育士の働く環境が整えられたりなど、保育園・保育所の増加が促されます。

2013~2017年度までは、待機児童解消加速化プランとして待機児童の解消に取り組んでおり、約53.5万人分の保育環境を整えることが実現しました。

子育て安心プランは、待機児童解消加速化プランに続き待機児童を解消するため、2018~2019年度において約22万人の保育園・保育所などの確保を計画したものです。

このような業界の動向から、保育園・保育所の市場規模は、さらに大きくなることが予想されます。

市場規模が拡大する理由② 女性の就業率を高める

市場規模が拡大する理由の2つ目は、女性の就業率が高まることです。

政府は、2018~2022年の末までに、女性の就業率を80%に引き上げることを計画しており、計画実現のために、保育できる児童の数をおよそ32万人にまで増やし、子供のいる女性が働きやすい環境作りを進めています。

この計画も子育て安心プランの一環であり、2018~2019年の短期間で約22万人を達成させ、2022年までの5年間で、約32万人に増やすことを目標としています。

このような動向からも、自宅の傍や最寄りの駅、会社の近くに保育園・保育所が増えることが予想され、待機児童が解消されるまでは、市場規模の拡大が見込めます。

保育園・保育所の必要性

男女共同参画白書の平成29年版によれば、2016年度の女性就業率(25~44歳)は、72.7%となっており、子育て世代の女性は出産後も働く割合が多く、認可保育園(保育所)の利用は欠かせません。

しかし、幼児の年齢や地域によっては、認可保育園(保育所)を利用できない場合があります。2016年度では、待機児童の約7割が1・2歳児のグループでした。

そのほかにも、東京23区内では地方に比べて大型マンションの多さや土地代の高さが原因で、待機児童の割合が高くなっています。

このような現状から、働く女性にとって幼児を預かってくれる保育園・保育所は、生活に欠かせない施設といえます。

市場規模の拡大は、低所得者の生活を助ける

定員がいっぱいで認可保育園(保育所)が利用できなければ、認可外保育園(保育所)に子どもを預けるしかありません。

しかし、認可外保育園(保育所)は、月々の保育料が高く、低所得者やシングルマザーなどの世帯には大きな負担となっているのです。

このような状態では生活のために働いても、保育料の支払いで生活費が圧迫されてしまいます。そこで、非課税世帯の保険料を補助し、予算を確保して保育数を増やしているのです。

市場規模の拡大が見込めるとなれば、企業は施設の運営に乗り出すため保育園・保育所が増加するので、結果として低額の保育料で子どもを預けられる環境が整えられるのです。

3. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向

保育園・保育所のM&A(買収)・売却動向

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/55897?title=%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%81%AE%E9%81%8A%E5%85%B7

保育園・保育所のM&A(買収)と売買では、どのような動向が見られるのでしょうか。

これからM&A(買収)によって保育園・保育所を譲り受けたり売却したりする方は、保育園・保育所のM&A(買収)と売買の動向を把握しておきましょう。

譲渡と譲受、それぞれの動向を知っていれば、売買のタイミングや自社の強み、売買に不足している点などを明らかすることができます。

保育園・保育所のM&A(買収)動向

まずは、保育園・保育所のM&A(買収)動向です。保育園・保育所のM&A(買収)は、増えていくことと想定されます。

都市部では保育園・保育所の数は十分とはいえません。待機児童の多い中心部は、M&Aによる買収の需要が高まっているのです。

同業者の動向を見てみると、都市部にある保育園・保育所のM&A(買収)が目立ちました。店舗を増やす基点とする、新設する費用・労力・人材の確保を最小限に留めるなどの目的から、既存の施設を買収しています。

異業種によるM&A(買収)の動向では、まとめて複数の店舗を譲り受ける例が見られました。業界の流れに乗ることを目的としていたり、自社のノウハウと組み合わせることで事業強化を図ったりと、市場規模の拡大に合わせた動きが目立っています。

このように、M&A(買収)の動向は、拡大する保育園・保育所市場を見越して、対象企業を譲り受けていることがわかります。

保育園・保育所の売却動向

保育園・保育所の売却動向では、大きく分けて以下の4種類の売却がみられます。
 

  1. 社会福祉法人による売却
  2. 高齢化・後継者不足による売却
  3. シナジー効果を狙った売却
  4. 戦略の見直しによる売却

保育園・保育所ではM&A(買収)の増加に伴い、売却を考える事業者も増えています。ここでは、さらに詳しく売却動向を解説します。

保育園・保育所の売却動向① 社会福祉法人による売却

ひとつ目の売却動向は、社会福祉法人による売却です。社会福祉法人は、社会福祉法に従って事業を行う組織で、国からの補助金を得て、事業を行っています。

公益性が高く、小規模の事業体が多いことから、株式会社のようにたくさんの利益を得ることはできません。

そのため、職員の労働環境や処遇にまで資金を回せず、保育士が離職。経営を続けられずに、保育園・保育所の売却に踏み切っているのです。

ちなみに、保育園・保育所の運営は、ほぼ市区町村と、社会福祉法人で占められています。2017年に行った厚生労働省の「平成29年社会福祉施設等調査」では、保育園・保育所の53.4%が社会福祉法人、2番目は市区町村で、32.1%という結果でした。

このような状況から、社会福祉法人による売却や事業譲渡が、今後も増えていくと予想されます。

保育園・保育所の売却動向② 高齢化・後継者不足による売却

2つ目の売却動向は、高齢化と後継者不足による売却の動きです。保育園・保育所の約半分は、社会福祉法人によって占められています。

社会福祉法人は、地域のニーズに応えるため、長い間経営を続けているケースも少なくありません。しかしながら、経営者が高齢を迎えれば法人の指揮を執ることが難しくなります。

そのような背景から、体力の衰えや後継者の不在によって保育園・保育所を売却したり、M&A・事業譲渡などで、買収先に経営を引き継ぐケースが増えています。

保育園・保育所の売却動向③ シナジー効果を狙った売却

3つ目の売却動向は、シナジー効果を狙った売却の動きです。小規模の保育園・保育所は、業界での生き残りを目的に、買収先の傘下に入っています。

保育園・保育所の市場では、国が打ち出した政策や、異業種・近隣業種の参入により、競争の激化が予測されます。そこで、買収先とのシナジー効果を得る目的でM&Aによる売却を行う動きもみられます。

このようなM&Aにより、売却側は不動産業の利点を活かした新規の出店や、学習塾を組み合わせた卒園後のサポート体制などで、業界における地位の確立を狙っています。

保育園・保育所の売却動向④ 戦略の見直し

4つ目の売却動向は、戦略を見直す動きです。出店を計画すると、既存の施設から従業員を派遣して、事業を軌道に乗せようとします。

しかし、抱えている保育士の数には限りがあるため、出店を実行に移すと、残された保育士たちの負担が高まってしまいます。

そこで、M&A・事業譲渡による施設の売却を実行すれば、買収先に雇用を引き継いでもらえるため、既存の施設で働く保育士は負担がかけることなく、新しい保育園・保育所が立ち上げられることが可能になります。

4. 保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット

保育園・保育所のM&A(買収)・売却のメリット

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/1271581?title=%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88

保育園・保育所をM&A(買収)・売却する場合、売り手と買い手にはどのようなメリットがあるでしょうか。

この章では、保育園・保育所のM&A(買収)・売却する場合のメリットを、売却側・買収側それぞれの立場から解説します。

売却側のメリット

保育園・保育所を売却するメリットには、主に以下の5つが挙げられます。
 

  1. 従業員の雇用・施設の運営が継続される
  2. 売却益を得られる
  3. 個人保証・担保を外せる
  4. 大手の傘下に入ることで、事業を強化できる
  5. 後継者を見つけられる

売却側の5つのメリットには、それぞれ以下のような特徴があります。保育園・保育所のM&Aを検討する際は、あらかじめメリットを把握していきましょう。

売却側のメリット メリットの詳細
従業員の雇用・施設運営の継続 買い手が会社・事業を引き継ぐため、保育士を解雇したり、子どもたちを転園させたりせずに済みます。
売却益の獲得 まとまった資金が手に入れば、新しい形態の保育園・保育所を始められたり、別の業種へ事業を変えたりと、これまでとは違った経営に挑めます。
個人保証・担保を外せる M&Aの売買契約に、個人保証・担保を外すことを盛り込めば、個人の負担を減らすことができます。
大手の傘下に入ることで、事業を強化できる 買収先の資本により、経営の改善と安定化が見込めます。
後継者を見つけられる M&Aを利用することで、社外の第三者から後継者を探し出せます。

M&A(買収)側のメリット

M&A(買収)を行う側には、主に以下4つのメリットがあります。
 

  1. 許認可を引き継げる
  2. 人材・建物・土地の確保
  3. 開業のリスクを減らせる
  4. スケールメリット

買収側の4つのメリットには、それぞれ以下のような特徴があります。

M&A(買収)側のメリット メリットの詳細
許認可の引き継ぎ M&A(買収)を株式譲渡で行えば、許認可を引き継げるため、効率よく事業を始められます。
人材・建物・土地の確保 保育士・施設・土地がまとめて手に入るため、店舗の拡大・新規の参入が楽に行えます。
開業リスクの回避 子どもたちの保育を引き継ぐため、一定の保育料が確保できます。
スケールメリット 店舗を増やすことで、状況に応じた人材配置とコストの削減が可能です。

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5. 保育園・保育所を事業譲渡する際の問題

保育園・保育所を事業譲渡する際の問題

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/423168?title=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E6%82%A9%E3%82%80

保育園・保育所のM&Aで事業譲渡を選ぶと、いくつかの問題に直面します。というのは、一般的なM&Aの手法・株式譲渡とは違い、気をつけなければいけないポイントが存在するからです。

保育園・保育所の売買で事業譲渡を選択する場合は、譲り受けるときに発生する4つの問題をあらかじめ把握しておくことが大切です。
 

  1. 契約・取引の結び直し
  2. 許認可の申請
  3. 創業者利益を得られない
  4. 債権者・従業員の同意が得られない

4つのポイントを確認していきましょう。

保育園・保育所の事業譲渡問題① 契約・取引の結び直し

事業譲渡で直面する問題のひとつ目は、契約・取引の結び直しです。保育士の雇用契約や、建物の賃貸契約、備品・食材の卸会社などとの取引契約は、買収に合わせて結び直さなくてはいけません。

事業譲渡は、売り手の資産を買い手に移転させる手法です。株式譲渡のように、売り手の会社を丸ごと買い取るわけではありません。

引き継ぐ資産を選んで移転が行われるため、事業譲渡に合わせて契約・取引を結び直すことが求められるのです。

そのため、事業譲渡に合わせて「保育士が辞めた」「賃貸契約を結べない」「仕入れ先が取引を中止した」などの問題に直面することがあります。

保育園・保育所の事業譲渡問題② 許認可の申請

事業譲渡で見られる問題の2つ目は、許認可の申請です。認可保育園(保育所)などは、都道府県知事の認可を受けて保育事業を行っています。

M&Aの手法に事業譲渡を選んだ場合、契約・取引と同じように、再度許認可の申請をして、許可を得なければなりません。

事業譲渡を行って保育事業を譲り受けたものの、許認可が下りず、保育園・保育所を始められないこともあるため注意しておきましょう。

保育園・保育所の事業譲渡問題③ 創業者利益を得られない

事業譲渡で起こりうる問題の3つ目は、創業者利益を得られないことです。M&Aによる事業譲渡では、対価の受け取りに、法人を定めています。そのため、創業者は譲渡益を得ることができません。

保育園・保育所の事業譲渡問題④ 債権者・従業員の同意が得られない

事業譲渡で起こりうる問題の4つ目は、債権者と従業員の同意を得られないケースです。M&Aによる事業譲渡は、選ばれた資産を譲り渡します。

売買によっては、企業の価値が下がってしまうかもしれません。そのため、債権者に事業譲渡が了承されない場合があります。

事業譲渡については、従業員へも同意を得ることが求められます。労働環境・待遇が変わってしまうため、保育士・管理栄養士などが事業譲渡に反発して同意を得られなければ、事業譲渡を進められない事態も考えられるのです。

6. 保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場

保育園・保育所におけるM&A(買収)・売却の相場

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/650705?title=%E3%81%8A%E9%87%91%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%881

保育園・保育所の売買では、価格の相場をいくらに設定しているのでしょうか。M&Aによる買収相場では、数億~数十億円の価格帯がよく見られました。

売却相場の平均は、2,500万円前後です。低い価格帯では500万程度が相場、規模の大きな取引では6千万円前後が、相場といえるでしょう。

保育園・保育所の売買価格が決まるポイントは、次の3つです。
 

  1. 保育園・保育所の規模
  2. 保育園・保育所の立地
  3. 保育園・保育所の敷地面積

相場よりも低かったり高かったりする場合は、上記のポイントを照らし合わせてみましょう。売買価格か妥当であるかを測れます。

①保育園・保育所の規模

保育園・保育所には、事業所の種類によって子どもの定員数に違いが見られます。認可保育園(保育所)では20人以上、小規模保育(A・B・C型)では6人以上~19人以下という基準になります。

そのため、保育園・保育所のM&A(買収)・売却価格には、施設の規模が影響します。保育する人数が多ければ、たくさんの保育料を得られることから、小規模保育と比べた場合、認定保育園(保育所)の方に、高い売買価格がつけられるといえます。

②保育園・保育所の立地

保育園・保育所の売買では、立地も重要なポイントです。住宅・マンションが密集する都市部や、送り迎えに便利な駅の周辺、待機児童の多い地域は、買い手がつきやすい立地といえます。

立地がよければ、相場よりも高い価格で売れることが想定されます。そこで売り手側は、立地の強みを活かした交渉を行ってみましょう。

買い手側は、好立地から得られる収益を見込むことも重要であり、もし相場より高い価格であっても、妥当な値段かどうかを判断できます。
 

③保育園・保育所の敷地面積

保育園・保育所の敷地面識も、売買には欠かせないポイントです。認定保育園(保育所)では、敷地面積についての定めがありません。ただし、子どもの年齢に応じた一人あたりの面積には、基準を定めています。

認可保育園(保育所)は0・1歳に対して、乳児室の面積が一人あたり1.65㎡、ほふく室が一人あたり3.3㎡2歳以上の子どもについては、保育室などの面積が一人あたり1.98㎡としています。

小規模保育では、A型・B型とC型で面積の基準に違いが見られます。A型・B型は、0・1歳で一人あたり3.3㎡2歳の子どもに対して1.98㎡C型では、0~2歳の子どもに対して、一人あたり3.3㎡という基準を定めています。

M&A(買収)を行う場合は、子ども一人あたりの面積を確かめましょう。既存の施設よりも、受け入れる子どもを増やす場合は、必要な面積が足りているかを調べてください。

保育園・保育所のM&AはM&A総合研所へ

M&A総合研究所であれば、「できるだけ高い価格で売却したい!」という希望におこたえいたします。保育園・保育所のM&A・売買を効率よくすすめ成功されるためには、専門家のサポートが必要不可欠です。

M&A総合研究事務所では、保育園・保育所のM&Aに精通した公認会計士が、クロージングまでフルサポートいたします。仲介手数料は成功報酬なので、リスクなくM&Aを進めることが可能です。

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7. 保育園・保育所のM&A成功事例

保育園・保育所のM&A成功事例

出典: https://www.photo-ac.com/main/detail/949600?title=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E6%8F%A1%E6%89%8B

保育園・保育所のM&Aは、どのようなスキームと取引価格で、売買が成立しているのでしょうか。

この章では、成功した保育園・保育所のM&A事例を5選ご紹介します。

保育園・保育所のM&A成功事例
M&A成功事例 年度 M&Aの売却側 M&Aの買収側 M&Aのスキーム 売買価格
2018 パートナーエージェント グローバルキッズ 事業譲渡 非公開
2018 POP AXコーポレーション 株式譲渡 非公開
2017 JBSナーサリー 城南進学研究社 株式譲渡 150百万円
2017 PURE SOLUTIONS ライフサポート 株式譲渡 80百万円
2015 小田急電鉄 木下ホールディングス 株式譲渡 非公開

保育園・保育所のM&A成功事例① パートナーエージェントとグローバルキッズのM&A

保育園・保育所を経営するグローバルキッズは、2018年に結婚相談のサービスを提供するパートナーエージェントから、企業主導型の保育事業を譲り受けました。

買い手側の目的は、M&Aによって、職員の職場復帰を早めることです。グローバルキッズや親会社のグローバルエージェントには、保育事業に関わる保育士たちが所属しています。

子どもを預ける環境を会社が整えれば、出産をしても職場へ戻りやすくなり、出産による離職を減らせると見込んでいるのです。

 

保育園・保育所のM&A成功事例② POPとAXコーポレーションのM&A

持ち株会社のAXコーポレーションは、2018年に保育施設を営むPOP社をM&Aで買収しました。M&Aの手法は株式譲渡で、取引によってPOP社の株式をすべて取得しています。

AXコーポレーションが所有する会社には、保育事業を営む会社・アルコバレーノがあります。この会社の特徴は、おむつ・汚れた布団などの処分・洗濯を、自社で行う点です。

売り手のPOPも同様の取り組み(手ぶら保育)を行っていることから、買収によるシナジーを得られると判断し、M&Aが行われました。

保育園・保育所のM&A成功事例③ JBSナーサリーと城南進学研究社のM&A

進学塾や乳幼児向けの事業を展開する城南進学研究社は、2017年に保育事業を行うJBSナーサリーの全株式を、M&Aによって取得しました。取得額は150百万円であり、買収側の相場価格に収まる金額です。

城南進学研究社は、保育事業の拡大を目的に、M&Aを実行しました。JBSナーサリーは、利用者のニーズに応えるために、M&Aによる売却を決めています。

M&Aにより、城南進学研究社の学習塾事業と、認可保育園(保育所)へと移行したJBSナーサリーの保育事業を融合しました。これにより両社は、一貫した教育サービスの提供を目指しています。

保育園・保育所のM&A成功事例④ PURE SOLUTIONSとライフサポートのM&A

福祉・保育事業を営むライフサポートは、2017年にPURE SOLUTIONSに対するM&Aにより、すべての株式を取得しました。

このM&Aで、ライフサポートはPURE SOLUTIONSを完全子会社としています。株式の取得価格は80百万円、買取側の相場を下回る金額です。

買い手側のライフサポートは、補助金に頼った経営を改善するために、M&Aを選びました。売り手のPURE SOLUTIONSは、認可外保育園(保育所)を運営しており、外国人講師による英語教育が行うなど特徴のある保育サービスを提供してきました。

ライフサポートは、自社の経営ノウハウを融合させることで、シナジー効果を得られると判断し、M&Aを実行に移しています。

保育園・保育所のM&A成功事例⑤ 小田急電鉄と木下ホールディングスのM&A

住宅や医療関連のサービスを提供する木下ホールディングスは、2015年に行ったM&Aにより、小田急電鉄と株式譲渡の契約を結び、加えて業務提携も締結しています。

M&Aの成立は、両社が事業の拡大を求めていたためで、どちらの会社も保育施設を運営していました。M&Aを行うことにより互いの強みを活かせると踏んだのです。

M&Aの後、木下ホールディングスは施設の運営に力を注ぎ、小田急電鉄は店舗の拡大を担っていく予定です。

8. 保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう

保育園・保育所のM&AはM&A仲介会社に相談しよう

保育園・保育所をM&Aするのであれば、M&Aの専門家への相談しましょう。

自社のみでM&A・売却を行うと、ふさわしい売却先を見つけられなかったり、交渉・契約段階で白紙に戻されたりと、M&A・売却を完了できない事態が想定されます。

自社の条件を満たす売却先を見つけ、期間内にM&A・売却を終わらせるには、M&A仲介会社のアドバイスが不可欠です。M&A仲介会社に相談を持ちかけることでM&Aの成功率はグッと上がります。

M&A仲介会社や、地元の士業、金融機関、公的機関など、専門知識と経験を有する相談先を見つけて、協力を仰いでください。

このように、保育園・保育所のM&A・売買を効率よくすすめ成功されるためには、専門家のサポートが必要不可欠です。

M&A総合研究事務所では、保育園・保育所のM&Aに精通した公認会計士が、クロージングまでフルサポート!仲介手数料は成功報酬のみなので、余計な費用を抑えつつM&Aを進めることが可能です。

「許認可が下りない」「債権者からの了承を得られない」などのトラブルを回避するためにも、M&A総合研究所へご相談ください。

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9. 保育園・保育所のM&Aまとめ

保育園・保育所は市場拡大傾向にあるため、M&Aも頻繁に行われています。とくに、保育園・保育所の買収が増えているため、「保育園・保育所を売りたい」と考えているのであれば、売り時といえるでしょう。

保育園・保育所の売却側のメリットは以下の通りです。

  1. 従業員の雇用・施設の運営が継続される
  2. 売却益を得られる
  3. 個人保証・担保を外せる
  4. 大手の傘下に入ることで、事業を強化できる
  5. 後継者を見つけられる

また、保育園・保育所を買収するメリットは以下の通りです。

  1. 許認可を引き継げる
  2. 人材・建物・土地の確保
  3. 開業のリスクを減らせる
  4. スケールメリット

もし、保育園・保育所のM&Aを本格的に検討していきたいのであれば、かならずM&A仲介会社に相談しましょう。保育園・保育所のM&Aは通常の企業のM&Aと違って、許認可の引き継ぎや保育士などの雇用契約などでトラブルに発展することが多いです。

円滑にM&Aを進めるためにも、必ずM&A仲介会社に相談しましょう。M&A総合研究事務所では、保育園・保育所のM&Aに精通した公認会計士が、クロージングまでフルサポートいたします。「許認可が下りない」「債権者からの了承を得られない」などのトラブルを回避するためにも、M&A総合研究所へご相談ください

 

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