2024年07月25日更新
大阪の調剤薬局のM&Aの最新動向は?事例から活況の理由も解説!
本記事では、大阪における調剤薬局のM&A事例について確認しながら、大阪での調剤薬局の売り案件情報、相談先を紹介します。事業承継や譲渡など調剤薬局のM&A成約件数は全国的に増加中であり、それは大阪でも同様の動向です。調剤薬局のM&Aを検討中の方は必見です。
目次
1. 大阪の調剤薬局のM&A最新動向
全国的に調剤薬局のM&Aや事業承継の成約件数は増加傾向にあり、大阪の調剤薬局についても例外ではありません。
この記事では、大阪の調剤薬局の現状やM&A動向について解説しますが、まずは大阪の調剤薬局事情について説明します。
M&Aを利用した事業規模拡大の活性化
近年、調剤報酬額は減少傾向にあり、調剤薬局の収益は全国的に圧迫されている状態です。そのような背景により、M&Aを利用した事業規模拡大の動きが活発になっています。
都市部である大阪は調剤薬局の利用者が多く、比較的収益力があるため、M&Aを利用して事業規模を拡大し、増収・増益を図ろうとする調剤薬局が増えているのが現状です。
薬剤師不足の慢性化
近年では、全国的に薬剤師の数が不足しており、特に地方では薬剤師不足が慢性化しています。
全国的に見れば、大阪の薬剤師数は充足傾向にあるものの、調剤薬局数が多いため1店舗あたりの薬剤師数は十分とはいえません。
都市部特有の競合の増加
都市部にはさまざまな種類の調剤薬局があり、例えば、病院の前にある門前薬局や駅に近い調剤薬局、ドラッグストアに併設されている調剤薬局などがあります。
調剤業務は医師の処方箋に従って行うため、地方では門前薬局の方が患者にとってメリットがあり、調剤薬局同士の競合はあまり見られません。
しかし、都市部では買い物ついでに利用したり、かかりつけ調剤薬局を利用したりなど選択肢が多く、患者にとっては門前薬局である必要がないため、調剤薬局同士の競合が激しくなっています。
調剤薬局については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
2. 大阪の調剤薬局のM&A事例4選
この項では、大阪の調剤薬局のM&A事例について、4例を取り上げます。
①ファーマライズホールディングスによるヘルシーワークの子会社化
1つ目の大阪の調剤薬局のM&A事例は、2020(令和2)年3月に行われたファーマライズホールディングスによる、大阪のヘルシーワークの全株式取得による完全子会社化です。
ヘルシーワークは、大阪24店舗を含めて近畿地方に31店舗の調剤薬局を運営しています。
ファーマライズホールディングスとしては、同グループの近畿圏における事業強化を図るため、そのシナジー効果を体現できる対象としてヘルシーワークを選択した模様です。
②ソフィアホールディングスによる泉州薬局の子会社化
2つ目の事例は、2019(令和元)年2月にソフィアホールディングスが実施した、泉州薬局の全株式取得による子会社化です。
泉州薬局は大阪泉州エリアを中心に7店舗の調剤薬局を運営しており、直近の売上高は約11.5億円でした。
ソフィアホールディングスは、経営多角化の一環として調剤薬局事業を経営しており、今回の子会社化はその強化を図る目的です。
③ココカラファインヘルスケアによるイズミヤの調剤薬局事業譲受
3つ目の大阪の調剤薬局のM&A事例は、2017(平成29)年10月のココカラファインヘルスケアによるイズミヤの調剤薬局事業譲受です。
ココカラファインの子会社であるココカラファインヘルスケアは、大阪にあるイズミヤより調剤薬局6店舗を譲受しました。
ココカラファイングループとしては、関西地方での優位性を強化し、ヘルスケアネットワークの構築を進めることが目的のM&Aです。
④ツルハによるウエダ薬局の吸収合併
4つ目の事例は、ツルハホールディングスの子会社ツルハによるウエダ薬局の吸収合併です。
2013(平成25)年8月、ツルハは、和歌山・大阪でドラッグストア14店舗を運営するウエダ薬局の全株式を取得し子会社としました。そして、同年11月、ツルハはウエダ薬局を吸収合併したのです。
この吸収合併によって、店舗オペレーションを統一して経営の効率化を図り、ドミナント(優位性)戦略により関西地区での多店舗展開を加速させることが目的と発表されています。
調剤薬局については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
3. 調剤薬局のM&Aが全国的に活況である5つの理由
次に、調剤薬局のM&Aが全国的に活況である理由について、以下の5つの観点から解説します。
- 調剤薬局の創業者が引退年齢になっていること
- ドラッグストアなど大手チェーン店が増加していること
- 薬剤師不足が解決できないこと
- 後継者がいないこと
- 診療報酬改定の影響により収益が減少していること
①調剤薬局の創業者が引退年齢になっている
1つ目の理由は、調剤薬局の創業者の多くが引退年齢になっているためです。中小企業経営者の引退年齢は、約70歳といわれていますが、調剤薬局経営者の平均年齢は約60歳となっています。
つまり、調剤薬局の多くは引継ぎが必要、もしくは引継ぎを考えなければならない時期であるということになり、結果として調剤薬局のM&Aが活況となっているのです。
②ドラッグストアなど大手チェーン店が増加している
2つ目の理由は、ドラッグストアなど大手チェーン店が増加しているためです。大手チェーン店は資金力があるため、M&Aによる事業拡大戦略を比較的容易に実行できます。
また、資金力を背景に薬剤師などの人材も確保しやすく、ドラッグストアでは調剤業務も併設させることも可能です。
大手ドラッグストアは、持続的な成長を図るために調剤薬局のM&Aを積極的に行っており、調剤薬局も大手チェーン店に対抗することが難しくなってきているため、調剤薬局の売却案件は増加しています。
③薬剤師不足が解決できない
3つ目の理由は、薬剤師不足が解決できていないためです。近年、地方の調剤薬局を中心として、慢性的な薬剤師不足が続いています。
そのため、薬剤師が確保できない調剤薬局の経営者が自局を売却するケースが増えており、それを大手のドラッグストアや調剤薬局が買収を行う構図です。
④後継者がいない
4つ目の理由は、調剤薬局の後継者がいないためです。国内の中小企業経営者の多くは後継者不在の悩みを抱えています。
調剤薬局業界は、将来的に収益が圧迫されることや、薬剤師を雇用する必要があるため、親族内事業承継が難しいケースが多いのが現状です。
そのような理由により、M&Aによる第三者への事業承継を選択するケースが全国的に増えています。
⑤診療報酬改定の影響により収益が減っている
5つ目の理由は、診療報酬改定の影響により収益が減少しているためです。調剤薬局の収益は、薬剤師が調剤した内容に応じて報酬が決まる調剤報酬制度に左右されます。
この報酬制度は厚生労働省によって決められていますが、昨今、社会保険制度は高齢化に伴う社会保険費の増加を抑えるため、医療に関する報酬を引き下げる動きが顕著です。
調剤薬局の調剤報酬制度もその例外ではないため、さらに収益が減少する前に調剤薬局を売却しようと考える経営者が増加しています。
4. 大阪で調剤薬局のM&Aを行う際の相談先
この項では、大阪で調剤薬局のM&Aを行う際の相談先について紹介します。考えられる相談先は以下の5つです。
- M&A仲介会社
- マッチングサイト
- 地元の金融機関
- 士業事務所(地元の弁護士・会計士・税理士など)
- 公的機関(大阪事業引継ぎ支援センターなど)
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aを専業として取り扱っていますから、専門的な知識や実績が豊富で、相談からクロージングまでトータルサポートを受けられます。以下に紹介するのは、大阪での調剤薬局の案件を扱う、おすすめのM&A仲介会社3社です。
- M&A総合研究所
- Medical Research
- DMD
M&A総合研究所
中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、調剤薬局のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となってクロージングまでをフルサポートします。
また、通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを最短3ヶ月で成約した実績も持っており、その機動力も特徴です。
料金体系は、完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)となっており、着手金は譲渡企業様・譲受企業様ともに完全無料です。
随時、無料相談を受けつけておりますので、調剤薬局のM&Aをお考えの際には、お気軽にお問い合わせください。
Medical Research
Medical Researchは、大阪府大阪市に本社を構えるM&A仲介会社です。調剤薬局のM&Aにも対応しています。
DMD
DMDは有限会社ですが本社が大阪府堺市にあり、薬局のM&Aに特化したM&A仲介会社です。DMD最大の特徴は、小規模調剤薬局のM&Aを中心に担当し、調剤薬局のM&Aのエキスパートがサポートを行うこととなっています。
調剤薬局のM&Aを専門としているため高いサポート力に期待ができ、小規模調剤薬局ならではの悩みや困りごとにも対応できるでしょう。
マッチングサイト
マッチングサイトとは、インターネット上でM&Aの相手先を探したり直接交渉できたりするサイトです。
時間や場所に限定されることなく気軽に利用でき、仲介会社などの専門家に依頼するより安い料金で使用できる点がメリットになります。
しかし、自社に合ったM&A先であるかどうか判断できなかったり、交渉には専門的な知識が必要だったりと、よほどM&Aに精通していなければ自身で成約まで至るのは困難である点がデメリットといえるでしょう。
マッチングサイトによっては、交渉の段階でM&A仲介会社に依頼できるので、専門家のサポートを受けたほうが安心・スムーズに進められます。
地元の金融機関
地元の金融機関でも、調剤薬局のM&Aに関する相談ができます。多くの調剤薬局は金融機関から融資を受けているため、資金面や経営面に関して頻繁に相談するケースが多いでしょう。
そのため、地元の金融機関は地元企業のM&Aや事業承継に関する情報を持っており、仲介をしてもらえる場合があります。
ただし、M&Aや事業承継に関する相談業務を専門で行う窓口がない場合や、M&A仲介会社に業務委託するケースも多いため、相談する際はどの程度のサポートが可能かを確認しておきましょう。
士業事務所(地元の弁護士・会計士・税理士など)
地元の弁護士・会計士・税理士などの士業事務所でも、調剤薬局のM&Aに関して相談できます。
最近では、M&Aや事業承継のサポートを行う士業事務所も増えているため、以前より相談しやすさは向上しました。
ただし、各専門分野では適切なサポートに期待できますが、実際の仲介業務は提携しているM&A仲介会社に業務委託することがほとんどです。
公的機関(大阪事業承継・引継ぎ支援センターなど)
地元の事業承継・引継ぎ支援センターなど、公的機関でも調剤薬局のM&A・事業承継に関する支援を行っています。
公的機関であるため安心感があり、M&Aや事業承継に関する相談料も無料であるため、利用しやすい点がメリットです。
しかし、実際の仲介業務までは行わないため、交渉などのサポートを受けたい場合は、あらためてM&A仲介会社などに依頼する必要があります。
5. 大阪の調剤薬局のM&A事例のまとめ
調剤薬局のM&Aや譲渡を行う際は、M&Aに関する知識や経験だけでなく、調剤薬局業界に関して精通している必要があるため、M&Aの専門家に相談しながら進めていくことが成功のカギといえるでしょう。
以下は本記事の概要となります。
【大阪の調剤薬局事情】
- M&Aを利用した事業規模拡大の動きが活発
- 薬剤師不足が慢性化している
- 都市部特有の競合の増加
【調剤薬局のM&Aが全国的に活況の理由】
- 調剤薬局の創業者が引退年齢になっている
- ドラッグストアなど大手チェーン店の増加
- 薬剤師不足が解決できない
- 後継者がいない
- 診療報酬改定の影響による収益減
6. 調剤薬局業界の成約事例一覧
7. 調剤薬局業界のM&A案件一覧
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