家具・オフィス業界のM&A・買収・売却!業界動向・相場・手法を解説!【成功事例あり】

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M&Aシニアマネージャー
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年の家具・オフィス業界は、異業種からの新規参入により業界内の競争が激化しています。また、異業種へ参入するケースも増えており、M&A・買収・売却が活性化している業界でもあります。当記事では、家具・オフィス業界の動向やM&A相場・手法・事例を解説します。

目次

  1. 家具・オフィス業界とは
  2. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却動向
  3. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却相場
  4. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却手法
  5. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の成功事例
  6. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却のメリット
  7. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却におすすめの相談先
  8. まとめ
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1. 家具・オフィス業界とは

家具・オフィス業界とは

家具・オフィス業界は、家庭用・事務用家具の製造・販売を行う事業者が分類されます。1990年代をピークに高級家具の売上は大きく下がっていますが、近年はニトリを筆頭に低価格帯の家具・オフィスが需要を増しています。

また、小売店も変化をみせており、従来は百貨店が中心でしたが、ホームセンターや家具店などの充実のほか、EC市場も大きく発展しています。

家具・オフィス業界は、製品以外にも販路開拓やオンライン戦略を活用することが求められている業界です。

2. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却動向

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却動向

近年の家具・オフィス業界はM&A市場に激しい動きがみられます。この章では、家具・オフィス業界のM&A動向を解説します。

【家具・オフィス業界のM&A・買収・売却動向】

  1. 異業種からの参入が目立つ
  2. 後継者・引き継ぎ問題に悩む経営者の増加
  3. 家具・オフィス業界から異業種への参入も進む

1.異業種からの参入が目立つ

異業種からの家具・オフィス業界への参入で特に目立つのは、家電量販トップのヤマダ電機です。

ヤマダ電機は2017年に家具・オフィス業界への参入意向を示し、2019年には大塚家具を子会社化したことで大きな話題を呼びました。

大手寡占化が進む家電業界から、最大手ニトリが30期連続で一人勝ちを続ける家具・オフィス業界に参入して、新たな市場を開拓しようとする狙いです。

他業種大手の参入は、事業規模を効率的に拡大するために業界内の企業を複数買収することが想定されるので、今後も中小企業のM&A・買収が続くとみられています。

2.後継者・引き継ぎ問題に悩む経営者の増加

日本全国で後継者問題が深刻化していますが、家具・オフィス業界も同様です。後継者問題は、経営を引き継いでくれる後継者が不在なために現経営者が引退できないという問題です。

親族に引き継ぎする親族内承継が一般的ですが、少子高齢化による影響で親族内に後継者がいないケースが多くなっています。また、業種の多様化で選択肢が増えたことで家業を継ぎたくないというケースも多いようです。

少子高齢化は国全体の問題でもあり、自然に解消される望みは高いとはいえません。経営者の努力で改善することも極めて難しいとされており、M&Aを活用した経営戦略に活路を見出そうとする動きも強まっています。

【関連】後継者・跡継ぎがいない会社の選択肢まとめ!廃業・M&A・事業承継を比較!

3.家具・オフィス業界から異業種への参入も進む

家具・オフィス業界からの異業種への参入も増えています。2017年、家具・オフィス業界最大手のニトリがアパレル事業に参入することを発表しました。

アパレル市場は緩やかな縮小傾向ということもあり、当時は大きな波紋を呼びました。ニトリはアパレル事業に関するノウハウを持ち合わせていないため、今後は複数の衣料品チェーンを買収することで店舗とノウハウの取得を目指していくことを明かしています。

ニトリの戦略が成功して、ライフスタイルの「衣・住」を確立することができれば、ニトリの立ち位置はますます強固なものとなるでしょう。

3. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却相場

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却相場

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の相場は企業価値評価によって算出します。交渉の土台となる価値を算出したうえで、売り手と買い手の交渉によって最終的な価格を決定するのが一般的な流れです。

中小規模の企業価値評価では、主に「時価純資産法」が用いられます。時価評価した資産から負債を差し引いた値を企業価値とする方法で、会社を清算したらどのくらいの価値が残るかという考え方です。

また、家具・オフィス業界はブランドも大きく影響しますが、ブランドは帳簿上で評価できないため、時価純資産法で算出される価値には含まれていません。

そのようなケースでは、超過収益還元法や年倍法と呼ばれる方法を併用することで、より適正な価値を算出することができます。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

4. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却手法

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却手法

M&Aは多くの手法が存在しており、目的に合わせた最適な手法を選択することが重要になります。この章では、家具・オフィス業界のM&Aで主に用いられている手法を解説します。

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手が保有する株式を譲渡することで経営権を移転するM&A手法です。譲渡先の株式保有率が1/2を超えることで経営権を移行することができます。

社内手続きが株主名簿の書き換えだけで済むため、M&Aをスピーディーに進められる特徴があります。ただし、売り手側が譲渡制限株式の場合は、事前に株主総会で承認を得る必要があります。

また、株式の売却益は株主に支払われます。中小企業の場合は経営者が100%の株式を保有していることが多いので、高額な売却益を獲得することも珍しくありません。

事業譲渡

事業譲渡とは、事業の全部あるいは一部を譲渡するM&A手法です。会社そのものではなく、譲渡する事業を個別に選択できる特徴があります。

事業譲渡が活用される目的は、売り手側は事業の選択と集中、買い手側は人材獲得や事業エリア拡大を通じた事業規模の拡大などです。

売却益は会社に支払われます。事業資金として運用できるので新規事業の立ち上げや残存事業に回すなど、さまざまな活用法が期待できます。

吸収・合併

吸収・合併とは、一方の会社が他の会社を取り込むことです。吸収される側の会社は全ての資産を引き継いだ後に消滅します。

支配関係のない会社同士が吸収・合併することや、親会社が子会社を吸収・合併して経営資源の統合や事業シナジーの最大化を図ることもあります。

また、取得対価を株式とすることも可能です。買い手側が買収費用を用意しなくてもよいため、資金調達が原因となってM&Aの進行が滞ることがありません。

【関連】【保存版】吸収合併とは?吸収合併・新設合併との違いやメリット・デメリットを解説!

5. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の成功事例

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の成功事例

家具・オフィス業界全体でM&Aが活性化しています。この章では、数あるM&A・買収・売却事例のなかから5つピックアップしてご紹介します。

【家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の成功事例】

  1. ヤマダ電機による大塚家具のM&A買収
  2. オカムラによる連結子会社2社の吸収合併
  3. フォーバルによるえすみのM&A買収
  4. イトーキによるダルトンのM&A買収
  5. ニトリによるタイネゴロのM&A買収

1.ヤマダ電機による大塚家具のM&A買収

2019年12月、ヤマダ電機は大塚家具の株式51.74%を第三者割当増資により取得することを公表しました。実施後のヤマダ電機の議決権比率は57.81%となり、大塚家具を子会社化したことになります。

大塚家具は家具・オフィス業界を代表する大企業ですが、近年は業績低迷が目立っています。一つの要因として考えられているのは、経営方針の違いから勃発した社長交代劇です。当時は経営者が何度も入れ替わるなどの混乱が続きました。

ヤマダ電機が赤字の大塚家具を子会社化した理由は多角化戦略です。ヤマダ電機の分野である家電とは全く異なる業界への進出になりましたが、既存事業の衰退とシナジー効果を重視したM&Aだとみられています。

2.オカムラによる連結子会社2社の吸収合併

2020年2月、オカムラは100%出資の連結子会社オカムラ物流とシーダーを吸収合併することを公表しました。実施予定日の7月1日に向けて準備を開始しています。

オカムラ物流はグループ製品の輸送・保管・荷役・流通など物流全般を担う会社です。オカムラ物流を取り込むことで、SCM全体の最適化と物流サービスの質向上を加速させることを狙いとしています。

シーダーは搬送装置の専業メーカーです。物流の人材不足が深刻化するなか、倉庫管理業務の一部を自動化させるため、シーダーの高い技術力を活用して総合力の強化を図ります。

3.フォーバルによるえすみのM&A買収

2020年4月、フォーバルはえすみの発行済全株式を取得することを公表しました。手法は公表されていませんが、これによりフォーバルはえすみを完全子会社化します。

えすみはオフィス家具の販売、オフィス設計・施工、オフィス機器の販売・保守などの幅広い業務を手掛けている会社です。子会社に物流機器、サプライ品の販売・保守を手掛けるテック販売山陰も抱えています。

フォーバルは今回のM&Aの目的について、山陰地域の顧客基盤獲得と中核事業のアイコンサービスの事業拡大としています。

4.イトーキによるダルトンのM&A買収

2016年8月、イトーキは連結子会社ダルトンの完全子会社化を目的とするTOBを実施することを公表しました。

TOBは2016年8月4日から同年10月5日まで42営業日をかけて行われ、イトーキはダルトンを完全子会社化しました。

ダルトンは研究施設事業を主たる事業とする会社です。研究所計画からメンテナンスまでのトータルサポートを手掛けており、これまで数多くのプロジェクトに携わっています。

イトーキは、木製家具の内製化によるグループの収益拡大と、インフラや人材等の経営資源をダルトンに投下することで、研究施設事業の基盤を強化する見通しです。

5.ニトリによるタイネゴロのM&A買収

2019年1月、ニトリホールディングスはタイネゴロの発行済全株式を取得することを公表しました。グループのニトリとホーム・デコの3社共同で行われ、タイネゴロの全株式172万4千株を取得しました。

タイネゴロは、タイに本拠地を構えるカーペットメーカーです。ペットボトルから製造するリサイクル繊維を活用したカーペットが特徴になっており、国内の簡易敷物においてトップシェアを有しています。

ニトリは、リサイクル繊維の利用率を拡大させ、環境に優しいエコを重視した商品開発にも着手していくとしています。

さらに、2020年8月にはベトナムに織布工場等を開設して、カーテンや寝装品の製造・開発に乗り出す見通しです。

6. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却のメリット

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却のメリット

家具・オフィス業界のM&Aが活性化する背景には、M&Aで得られるさまざまなメリットがあります。ここでは、家具・オフィス業界のM&A・買収・売却の具体的なメリットを解説します。

【家具・オフィス業界のM&A・買収・売却のメリット】

  1. 後継者問題の解決ができる
  2. 従業員の雇用先を確保できる
  3. 個人保証・担保などを解消できる
  4. 倒産・廃業を回避できる
  5. 譲渡・売却益を獲得できる

1.後継者問題の解決ができる

日本国内の少子高齢化によって、経営を引き継ぎできる世代が圧倒的に不足しています。中小企業の廃業理由で最も多いのも後継者不足とされており、家具・オフィス業界でも後継者問題が深刻化しています。

後継者不在のまま進めばいずれは廃業せざるを得なくなりますが、M&Aで買い手に会社を託すことで後継者問題を解決することが可能です。

2.従業員の雇用先を確保できる

後継者問題や経営状態の悪化で廃業を視野に入れることも多いですが、会社の廃業は従業員が失業することも意味します。

再就職先の斡旋などで対応することも可能ですが、雇用条件が維持される保証もなく勤続年数も途切れてしまうため、従業員に対して辛い現実を押し付けてしまうことになります。

その点、M&Aであれば従業員の雇用先の確保と同時に雇用条件と勤続年数の引き継ぎが可能です。職場環境は変わることもありますが、廃業よりも遥かによい条件であることは確かであるといえるでしょう。

【関連】M&A・会社売却後の従業員・社員・経営者の処遇を徹底解説!

3.個人保証・担保などを解消できる

中小企業が銀行より借入を受ける際、経営者の個人保証・担保を提供することが一般的です。

事業に失敗した場合は経営者の個人資産で弁済することを誓約するというものであり、経営者のストレス要因の一つになっています。

M&Aで権利義務の引き継ぎを行えば、個人保証・担保からも解放されます。株式譲渡や吸収・合併は権利義務に関して包括的な承継が行われるので、特別な交渉を進める必要もありません。

4.倒産・廃業を回避できる

M&Aで倒産・廃業を回避するメリットの1つに節税効果が挙げられます。M&Aせずに倒産・廃業すると、会社の資産を清算する際、利益に対して30~40%前後の法人税が課せられます。

しかし、M&Aによる株式の譲渡所得であれば、課せられる税金は20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)のみなので、倒産・廃業と比較すると大幅な節税効果に期待できます。

また、会社のノウハウが存続できる点も大きなメリットです。コツコツと積み重ねてきた技術・ノウハウを有効活用できる第三者に引き継ぐことができれば、社会的な損失を生むこともなくなります。

5.譲渡・売却益を獲得できる

M&Aによる売却は、多くの場合は譲渡・売却益を獲得することが可能です。買い手による高評価や交渉を上手く進めれば増額も見込めるので、大きなメリットの1つといえるでしょう。

また、譲渡・売却益の獲得者は用いる手法によって異なります。株式譲渡は株式の売買のため株主が、事業譲渡は会社の資産を売買するため会社が獲得します。

個人的な資金が欲しい場合は株式譲渡、獲得した譲渡・売却益を有効活用して会社を大きくしたいなら事業譲渡という使い分けが一般的です。

7. 家具・オフィス業界のM&A・買収・売却におすすめの相談先

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却におすすめの相談先

家具・オフィス業界のM&A・買収・売却を検討の際は、M&A総合研究所にご相談ください。M&Aに強いアドバイザー・会計士・弁護士の3名によるフルサポート体制をご用意しています。

また、家具・オフィス業界に明るい専門家も在籍していますので、M&Aの目的を伺ったうえで最適な手法を選択して、家具・オフィスのM&Aで得られるメリットの最大化に努めます。

料金体系は完全成功報酬制を採用しています。M&Aが成約するまで一切の手数料が発生しないタイプなので安心してご相談いただけます。

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8. まとめ

まとめ

家具・オフィス業界は異業種からの参入も激しく、特にヤマダ電機による大塚家具の子会社化は大きな反響を呼びました。

しかし、ヤマダ電機が大塚家具を取り込んだとしても業界トップシェアにはまだまだ届いていないため、今後も家具・オフィス業界の再編は継続されることが想定されます。

買い手の積極的なM&A姿勢は売り手市場であることも意味しているので、タイミングを見計らっておくことで譲渡・売却益を最大化させることも十分に可能です。

【家具・オフィス業界のM&A・買収・売却動向】

  1. 異業種からの参入が目立つ
  2. 後継者・引き継ぎ問題に悩む経営者の増加
  3. 家具・オフィス業界から異業種への参入も進む

【家具・オフィス業界のM&A・買収・売却のメリット】
  1. 後継者問題の解決ができる
  2. 従業員の雇用先を確保できる
  3. 個人保証・担保などを解消できる
  4. 倒産・廃業を回避できる
  5. 譲渡・売却益を獲得できる

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