持株会社設立で経営統合!作り方や手順、メリット・デメリットを解説!

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M&Aシニアアドバイザー
鎌田 実築

三菱UFJ銀行にて中堅中小企業法人担当として、企業再生支援、事業承継支援、資産活用コンサルティング等幅広く活動。その後M&Aアドバイザーとして複数の業種で成約実績を積み、規模・エリアも問わず幅広い相談に対応。

持株会社設立で経営統合を図るといった手法を最近見ることがあります。持株会社設立で経営統合を行うには、どういった手続きや手法があるのでしょうか。持株会社設立における経営統合について、メリットやデメリットも交えながら解説していきますので、参考にしてください。

目次

  1. 持株会社とは?
  2. 持株会社を設立する目的
  3. 持株会社の設立方法・作り方
  4. 持株会社の設立手順
  5. 持株会社設立で経営統合するメリット
  6. 持株会社設立で経営統合するデメリット
  7. 持株会社設立における注意事項
  8. まとめ
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1. 持株会社とは?

持株会社とは?

少子高齢化などから、企業は会社継続に対する対策や担い手の不足など多くの課題を抱えています。特に中小企業にとって生き残りは深刻な問題で、生き残りの方法を模索しています。そうした中、持株会社設立による統合といった方法を見るようになりました。

持株会社の設立については、以前は独占禁止法により合併での統合が持株会社の作り方としての方法でした。しかし、1999年に同法案が改正され持株会社の設立が可能となったため、持株会社の設立が多くの場面で見られるようになったのです。

持株会社の種類

持株会社にはどのような種類があるのでしょうか。ホールディングスとも呼ばれる持株会社ですが、「純粋持株会社」と「事業持株会社」の2つの種類があります。

ここでは、それぞれ「純粋持株会社」と「事業持株会社」について、持株会社による定義などを簡単に解説していきます。

純粋持株会社の定義

持株会社の種類の1つである「純粋持株会社」の定義では、その会社自身は販売や製造などの事業を行いません。そして、自分以外の会社の事業を掌握します。「他の会社を掌握する」ことが純粋持株会社の事業となるのです。

事業持株会社の定義

一方で、「事業持株会社」とはどういった定義があるのでしょうか。これは、グループ内各社の株式を所持して子会社を掌握します。そして、自身も販売や製造などにより利益を生んでいくといった方法です。

合併による経営統合との違い

経営統合と似た方法に合併が存在します。それでは経営統合と合併は何が違うのでしょうか。端的にいえば、経営統合は複数の企業が存在し、合併は1つの企業しか存在しないため、数々の事務的な違いが存在します。

持株会社を設立し統合すると、それぞれの会社自体は存在を続けます。そのため、その会社が持っていた社内規定や方式、社内での手順や手続きを変更する必要がありません。あくまでも会社は既存のままでありながら、経営的に統合する形なのです。

一方で、合併は複数の企業が1つになる方法です。そのため、会社による手続きの違いや手順の違いなどが発生します。また、合併は社風や事務手続きなど全ての面において統合が行われます。そのため、合併には時間と費用がかかるのです。

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2. 持株会社を設立する目的

持株会社を設立する目的

会社を設立する場合、社会的貢献や収益確保などさまざまな目的があります。ではなぜ、持株会社を設立するのでしょうか。

一般的な会社設立と同様、さまざまな目的が見られます。まず1つ目の目的として考えられるのが、企業再編です。企業の再編を目的とするために持株会社を設立するのです。

次に考えられる目的は、企業の子会社化です。企業を子会社化する目的には、支配力の強化や他企業からの敵対的買収からの防衛などもあります。また、目的として考えられることに事業承継も存在します。

持株会社の設立にはいろいろな目的がありますが、どの目的であっても持株会社である限り、自社の支配下にいる会社となるのです。

3. 持株会社の設立方法・作り方

持株会社の設立方法・作り方

持株会社で経営統合を考えたとき、どのような方法で持株会社を設立するのでしょうか。ここでは、持株会社の作り方について解説します。

持株会社設立の方法には、主な方法として3つの作り方があります。それぞれの手続きについて簡単に目的と方法を紹介します。
 

  1. 株式移転方式
  2. 株式交換方式
  3. 抜け殻方式

①株式移転方式

持株会社経営統合の作り方の1つ目は「株式移転方式」です。この株式移転方式は、すでに存在する企業が、新たな企業を設立しそれを親会社とする方法です。この作り方では、存在している会社の株主が新会社の株主となる手続きになります。

②株式交換方式

持株会社経営統合の作り方の2つ目は「株式交換方式」です。株式交換方式とは、すでに存在している企業が相互に株式を交換する手続きです。この株式交換方式の場合、片方の会社を完全子会社化するために、親会社が株式の全てを保有します。

③抜け殻方式

持株会社経営統合の作り方の3つ目は「抜け殻方式」です。抜け殻方式は、純粋持株会社設立を目的とした際に取り入れられる手続きです。親会社となる既存会社から現物での出資や事業の譲渡などを行うことで子会社に事業を分割します。

そして、親となる会社は自身で事業を行わず、子会社を支配することを事業とする手続きになります。

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4. 持株会社の設立手順

持株会社の設立手順

持株会社を設立する手順について解説します。先に解説した3つの方式それぞれについて、設立方法を解説していきます。
 

  1. 株式移転での流れ
  2. 株式交換での流れ
  3. 抜け殻での流れ

①株式移転での流れ

3つある持株会社の設立手順のうち、まずは株式移転を用いたときの手順について紹介します。株式移転は、経営統合を目的とした持株会社を設立する際に、株式を移転する手続きです。

別グループの会社同士が経営統合

経営統合の持株会社を設立する手法として株式移転を用いた場合、手順としてはまず、別グループの会社同士が経営統合を行います。この手法により、子会社化する会社の経営統合が行えます。

株式移転先の親会社を新たに設立

別グループの会社同士が経営統合した後に、株式移転先となる親会社を新たに設立します。これにより、経営統合による持株会社が作られます。新設した会社は、資本金や定款といった手続きや会計処理も円滑に行う必要があります。

株式移転方式のメリット

株式移転方式による持株会社の経営統合のメリットは、いくつか存在します。まず、事業に必要な許認可が存在する場合、許認可に対しての移転手続きが必要ないというメリットです。

また、持株会社となった既存会社に対して、事業への影響を最小限に留めることもメリットです。加えて、経営統合などを行う際の手続きについても期間が短く抑えられることや、他の方式と比較すると資金の調達などが不要な点もメリットとして挙げられます。

そして、既存会社もなくならないため、取引先や従業員などへの影響もあまりないといったメリットもあります。

②株式交換での流れ

次に、株式交換による持株会社設立で経営統合をする手順について解説します。株式交換はそれぞれの会社の株式を交換することによって、お互いが親子関係となる手続きです。

持株会社の親となる会社が子会社の株式を取得

まず、持株会社の親となる会社が子会社となる会社の株式を取得します。このとき、子会社となる株式を親会社は全て保有することになります。この手続きを行う前までに、株式交換の価格や手順などについて打ち合わせをしておきます。

対価として親会社である自社の株式を交付

次に、対価として子会社に親会社の株式が交付されます。株式交換は、少数の株主からは強制的に株式を交換させることが可能で、M&Aでは頻繁に用いられる手続きとなっています。

株式交換方式のメリット

株式交換方式の最大のメリットは、現金の調達が不要な点でしょう。株式交換方式であれば、多くの現金を必要としない手続きとなるため、手順さえしっかり踏まえれば、多くの費用は必要ありません。

また、強制的に少数の株主の交換を行えることもメリットとなります。その他にも、会社の資産を運用できたり、新たな株主が経営に参加し企業が活発化したりするなどといったメリットが見込まれます。

③抜け殻での流れ

それでは最後に、抜け殻方式での経営統合を目的とした持株会社設立はどのような手順になるのでしょうか。抜け殻方式は経営の効率を高めるために行われることが多い方式です。では、作り方について説明します。

事業譲渡や会社分割、現物出資などで親会社の事業を子会社に移動

抜け殻方式は「会社分割方式」ともいわれる方式です。事業譲渡などによる事業分割や会社分割のほか、現物出資などの手順で親会社の事業を、子会社に移動するといった作り方を行います。

親会社は子会社の株式だけを保有している状態となる

先の手順で全ての業務は子会社に移動するため、移動元であった親会社は、子会社の株式だけ所有している状態になります。これにより、親会社は子会社の支配を主な事業とするのです。

抜け殻方式のメリット

向け柄方式の最大のメリットは、現金の調達が不要であるということです。これは、子会社に対して親会社が事業や資産を移動するからです。費用的にもメリットがある方法といえるでしょう。

さらには、すでにある会社に対して手続きが行われる方法のため、株式の移動がありません。そのため、株主も株式変更などの手続きが必要ないこともメリットとなります。

5. 持株会社設立で経営統合するメリット

持株会社設立で経営統合するメリット

持株会社による経営統合にはどのようなメリットがあるのか、簡単に解説していきます。持株会社の設立による経営統合のメリットは、数々のメリットが考えられますが、ここでは以下の7つに絞り紹介します。
 

  1. 人事や給与などの変更は不要
  2. 社員同士の競争心をあおり成長させる
  3. 子会社の管理費用などが一括できる
  4. コーポレート・メリットガバナンスを向上させる
  5. 各事業の労働条件の確立
  6. 共倒れするリスクの回避
  7. 後継者を育てやすい

メリット①:人事や給与などの変更は不要

第一のメリットは、人事や給与などの変更が不要なことです。これは、すでにある会社の運営が変わらないためです。定款や資本金なども変更がありません。そのため会計処理に変更がないメリットがあり、これは費用の面から見ても大きなメリットです。

メリット②:社員同士の競争心をあおり成長させる

2番目のメリットは社員の競争心向上です。持株会社設立で経営統合により、資本金の違いなど会社の大きさは関係なく、横並びとなったグループ会社は、それぞれの社員同士で競争心が芽生えることがあります。競争心が芽生えれば、事業も盛り上がるでしょう。

メリット③:子会社の管理費用などが一括できる

持株会社設立で経営統合における3番目のメリットは、子会社の管理費用などを一元化できることです。子会社の管理は会計処理の面から見てもコストがかかります。子会社の管理費用が一元化されることにより、会計処理も明確化し、結果的にコストダウンにつながります。
 

メリット④:コーポレート・メリットガバナンスを向上させる

持株会社設立で経営統合における4番目のメリットは、コーポレート・メリットガバナンスを向上させることです。これは、横列他社への競争心や正当性などの向上が見込めるという意味です。

メリット⑤:各事業の労働条件の確立

持株会社設立で経営統合における5番目のメリットは、各会社で労働条件が統一されることです。労働条件の統一は、従業員にとってやりがいを与えるため、働き方が向上するでしょう。

メリット⑥:共倒れするリスクの回避

持株会社設立で経営統合における6番目のメリットは、共倒れするリスクの回避です。1つの会社の業績が不振に陥ったとしても、それを理由に経営不振が頻発することはありません。
 

メリット⑦:後継者を育てやすい

持株会社設立で経営統合における7番目のメリットは、後継者が育てやすい環境になるということです。ホールディングス化された子会社がグループ内部で競い合うことにより、より優れた後継者が育っていくからです。

後継者を成長させる環境を整えることは、経営者にとって重要です。成長できる環境を作り上げることが、企業のさらなる成長を促すでしょう。

6. 持株会社設立で経営統合するデメリット

持株会社設立で経営統合するデメリット

一方で、持株会社による経営統合にはデメリットも存在します。持株会社の設立による経営統合に対するデメリットについて、数々のデメリットからここでは以下の4つに絞り紹介します。
 

  1. 子会社同士の連携が崩れる可能性
  2. 会社間での損益通算がわかりにくい
  3. シナジー効果が出にくいことがある
  4. 事務負担や事業の重複が起こる可能性

デメリット①:子会社同士の連携が崩れる可能性

合併のように1つの会社に生まれ変わるのであれば、社員同士の意思の疎通は取りやすいものですが、子会社同士となると、意外に連携が取れないことも多くあります。

同じ企業体でありながら、コミュニケーションの不足が生まれて事業が円滑に進まなくなるときもあるかもしれません。こうした状況になるのは、定款や資本金が違う会社同士なので仕方がありません。会計処理も違い、意思の疎通が取りにくい可能性もあります。

デメリット②:会社間での損益通算がわかりにくい

ホールディングス化が進められると、グループ内部での業務が多くなります。そのため、会計処理などにおける管理費用は増加する傾向があります。また、会社間での損益通算がわかりにくくなり、結果的に多くの費用が損失される可能性があるのです。

同じ傘下において会計処理が複雑化する可能性があります。それは、お互いの会社同士はそれぞれの会計処理を行っているものの、グループ内でのやり取りにおける会計処理が統一されるからです。こうした会計処理の複雑化がデメリットとして考えられます。

デメリット③:シナジー効果が出にくいことがある

会社の一体化がスムーズに進まないときは、シナジー効果が出にくいこともあります。持株会社のもとで、子会社は各企業文化や制度を存続できます。しかし、子会社同士の連携が困難になると、経営統合によって生じるシナジー効果が出ないというデメリットも考えられるのです。

デメリット④:事務負担や事業の重複が起こる可能性

デメリットとして考えられることに、事務負担や事業の重複があります。会計処理の複雑化により、事務負担が増えるばかりか、事業まで重複してしまうと、業務効率が著しく低下してデメリットしかありません。

このように持株会社設立による経営統合には、メリットと合わせてデメリットもあります。デメリットにどう対応していくかが、持株会社設立による経営統合では重要なポイントといえます。

7. 持株会社設立における注意事項

持株会社設立における注意事項

持株会社設立による経営統合において、費用や作り方なども含め、注意するポイントが数点あります。ここでは、持株会社設立における注意点を、以下の項目に沿って解説します。
 

  1. 株主総会
  2. 許認可
  3. 雇用条件や社会保険
  4. 債権者
  5. 開示手続き
  6. 開業届

①株主総会

持株会社設立による経営統合に、株主総会はどのように関わってくるのでしょうか。株式移転方式の場合は、株式の移転と事業の分割が必要となるので、株主総会の決議が必要です。

また、抜け殻方式の場合、子会社となる会社に事業を引き継ぐため、株主総会の決議が必要となっています。このように、それぞれの方式によって株主総会の決議が必要となりますので、事前に計画を立て円滑に進むように心がけましょう。

②許認可

許認可については、抜け殻方式を導入した場合は注意する必要があります。許認可を承継できない場合があるからです。認可が必要になる場合、当初の計画通りに子会社化ができなくなります。許認可が必要となる業種があるので確認しておきましょう。

このように、定款や資本金といった会社設立に必要な会計処理が会社設立には必要になる場合があるので、そういった点について専門家と相談をしながら進めていくと良いでしょう。

③雇用条件や社会保険

定款や資本金といった会社設立に必要な事項以外にも、従業員の雇用の条件や社会保険などの手続きも必要となります。これは、会社分割などによる異動には伴わないものの、会社を転籍すると捉えられるためです。

そのため、持株会社設立による経営統合によって、会社を設立した場合は、定款や資本金以外にもしっかりと経営を見据えておきましょう。

④債権者

債権者に対しては、持株会社設立による経営統合について説明する必要があります。債権者の保護手続きが必要となるからです。事前に債権者には持株会社の設立について、目的や手続きだけではなく資本金や定款といった内容について説明しておくと良いでしょう。

⑤開示手続き

持株会社設立による経営統合を行う会社を上場企業する場合、株式移転方式においては適時開示などを行い、上場手続きを行う必要があります。また、抜け殻方式についても適時開示が必要となります。

資本金の調達や定款を作るなどといった、普通の会社設立などと違い、事務手続きが複雑な所もあります。もちろん、資本金や定款などの設立も大切です。専門家と相談しながら、進めていくことをおすすめします。

⑥開業届

新たな会社の設立となりますので、資本金や定款などと合わせて、開業届を提出する必要があります。設立後3カ月以内に提出しましょう。

ここまで、持株会社設立による経営統合における注意点について解説しました。すでに会社を起業した方であれば、資本金や定款について迷うことはないでしょう。

しかし、持株会社設立による経営統合は、資本金や定款といったもの以外にもいろいろな手続きが必要です。自社の判断だけで進めずに、必ず相談課と相談するようにしましょう。

8. まとめ

まとめ

持株会社設立による経営統合について解説しました。内容的に難しい部分もありますが、先に紹介したメリットやデメリットを確認すると良いでしょう。費用的にも抑えられる部分を抑えながら、経営統合を図ることで、よりスリムな経営となります。

わからない部分があれば、専門家の手を借りることが重要です。M&A総合研究所であれば、持株会社設立による経営統合の知識も豊富です。相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。

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