関西地方のM&A・事業承継・会社売却の現状や動向は?案件一覧も紹介!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年は中小企業でもM&Aが用いられるようになりましたが、関西地方のM&A・事業承継・会社売却はどのような状況なのでしょうか。この記事では、関西地方のM&A・事業承継・会社売却の現状や動向から会社選びのポイントまで実際の案件とともに紹介します。

目次

  1. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却の現状
  2. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却の動向
  3. 関西地方のM&A案件一覧
  4. 関西地方のM&A・事業承継に役立つ公的支援
  5. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段
  6. 関西地方でM&Aをする際に仲介会社を選ぶポイント
  7. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却まとめ
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1. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却の現状

関西地方のM&A事業承継・会社売却の件数は、増加傾向にあります。

なお、2023(令和5)年に実施された関西地方近郊の代表的なM&A事例は、以下のとおりです。

  • 大末建設(兵庫県)が、土木工事の神島組(兵庫県)を買収
  • JALCOホールディングス(東京)が、不動産賃貸事業、ホテル運営事業、飲食店運営事業のエイコス(大阪府)を買収
  • 壱番屋(愛知県)が、飲食店経営の竹井(京都府)を買収
  • KTC(京都府)が、手動工具製造、販売のHI-TOOL(大阪府)を1月17日付で買収

【関連】M&A成功事例30選!【2023年最新】買収・合併の失敗事例も併せて紹介!

2. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却の動向

近年、日本では全国的にM&Aが活発化しており、関西地方でも同様の傾向が見られます。2018年における関西地方のM&A件数は過去最多でした。その背景には、スタートアップ投資の拡大や海外市場への参入などを狙う企業の増加などが挙げられます。

投資の拡大・市場展開などを背景にM&Aが実施されている一方で、事業承継の実現手段としてもM&Aは用いられるようになってきました。関西地方の代表的な商業地域である大阪府は「中小企業の街」と呼ばれるほど、多くの中小企業が集中している地域です。

その一方、大阪府における中小企業の廃業率は全国的に見ても高い数値で推移しており、その背景には深刻な後継者問題が挙げられます。

近年では、後継者難により事業承継が進まず、高齢となった経営者がやむを得ず廃業する負のスパイラルを打破するため、国や自治体が事業承継・引継ぎ支援センターおよび後継者バンク事業などを通じて、中小企業の事業承継支援に注力している状況です。

M&A・事業承継に役立つ公的支援については下記で解説しております。ぜひご参考ください。

【関連】中小企業の後継者問題とは?動向、原因や解決策・対策を徹底解説

関西企業の後継者不在率

帝国データバンクの調査によると、近畿地方の企業における後継者不在率は48.2%を記録しています。前年より5.4ポイント減少し、調査開始以来最も低い数値を記録しました。府県ごとにばらつきはあるものの、事業承継税制の見直しやM&A(買収・合併)を含む非同族承継の推進、企業実態の把握が進んだことが背景にあります。

とはいえ、依然として5割近い企業に後継者がいない状況は油断できない課題であるといえます。

参考:帝国データバンク「近畿企業の「後継者不在率」調査(2023年)」

3. 関西地方のM&A案件一覧

本章では、実際に公開されている関西地方のM&A案件をピックアップして掲載します。

【関西エリア・多店舗展開】自社ブランドのベーカリーレストラン運営

多店舗展開の自社ブランドのベーカリーレストラン運営及びパンの製造・販売事業を手掛けています。コロナの影響で急激に業績が悪化するも、現在は回復基調であり営業利益も黒字化予定です。
 

エリア 近畿
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 希望なし
譲渡理由 財務的理由、資金調達

【関連】【関西エリア・多店舗展開】自社ブランドのベーカリーレストラン運営(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

【無借金経営・駅前好立地】大阪の学習塾

大阪にて学習塾を複数教室運営している企業です。全学生世代を広くカバーしており、ニーズに合った授業形態が可能です。
 

エリア 大阪府
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 3,000万円(応相談)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【無借金経営・駅前好立地】大阪の学習塾(教室・教育・ノウハウ) | M&A総合研究所

【アジア各国の電子決済対応】トレーディングカード買取・販売業(EC・店舗)

インバウンド需要の取り込みを見込み、アジア各国の電子決済に対応しています。直近期までに必要な設備投資は全て完了済であり、今後は投資回収フェーズです。
 

エリア 兵庫県
売上高 5000万円〜1億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 事業の選択と集中

【関連】【アジア各国の電子決済対応】トレーディングカード買取・販売業(EC・店舗)(ウェブサイト・システム) | M&A総合研究所

【関西エリア / 急成長中】デイサービス、訪問看護・介護を展開する介護企業

関西エリアでデイサービス、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援の介護サービスを展開しています。主要都市からのアクセスが非常に良く、好立地です。
 

エリア 近畿
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億5,000万円(応相談)
譲渡理由 戦略の見直し

【関連】【関西エリア / 急成長中】デイサービス、訪問看護・介護を展開する介護企業(医療・介護) | M&A総合研究所

【SaaS/高収益/クラウド型サービス】生産管理システムの開発・販売業

生産管理全般をサポートするクラウド型サービスの開発・販売を行っています。競合他社に比べコストが低いため導入ハードルが低いです。
 

エリア 近畿
売上高 〜1000万円
譲渡希望額 1億円〜2.5億円
譲渡理由 戦略の見直し

【関連】【SaaS/高収益/クラウド型サービス】生産管理システムの開発・販売業(ウェブサイト・システム) | M&A総合研究所
【関連】京都府のM&A・事業承継・会社売却の現状は?会社選びのポイント・案件一覧も紹介!
【関連】三重県のM&A・会社売却・事業承継の動向や現状・案件を探す手段を紹介

4. 関西地方のM&A・事業承継に役立つ公的支援

本章では、後継者バンクなど関西地方の公的な事業承継支援事業を解説します。

全国の状況と同じく、関西地方でも中小企業の後継者問題が深刻化しており、近い将来に廃業する中小企業の多発が危惧される状況です。これを打破するため、国および地方自治体でも、中小企業の事業承継を積極的に支援する事業を行っています。

その核となるのが、後継者バンク事業を担う事業承継・引継ぎ支援センターです。ここからは、代表的な公的支援機関に関して、個別に概要を掲載します。

  1. 近畿経済産業局
  2. 独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部
  3. 特定非営利活動法人関西事業支援機構
  4. 事業承継・引継ぎ支援センター(関西地方各府県)
  5. 後継者バンク

①近畿経済産業局

経済産業省には、日本全体をブロック分けして地域ごとに管轄するための支局を設けています。関西地方を管轄する経済産業省の支局が、近畿経済産業局です。

近畿経済産業局では総合的な中小企業の経営支援施策を提供しており、その中で事業承継サポートが行われています。

②独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿本部

独立行政法人中小企業基盤整備機構も、中小企業に対して総合的な経営支援を行っている公的機関です。

中小企業基盤整備機構でも、全国をブロック分けして、それぞれの地域を管轄する体制を取っており、関西地方を管轄するのが中小企業基盤整備機構近畿本部です。

幅広い経営支援策が行われており、特に重要なサポート業務として事業承継対策が用意されています。

③特定非営利活動法人関西事業支援機構

特定非営利活動法人関西事業支援機構は地域経済活性化のために設立された機関で、中小企業への助言・援助活動を行っています。

中小企業庁より経営革新等支援機関に認定されていますが、いわゆるNPO法人であり公的機関ではありません。

大学教授・弁護士・公認会計士などの専門的知識を持つメンバーが参加しており、事業承継に関する専門的なサポートを受けることが可能です。

④事業承継・引継ぎ支援センター(関西地方各府県)

事業承継・引継ぎ支援センターは、2013(平成25)年度から、順次、都道府県ごとに設置されました。すべて、中小企業庁からの委託事業として設置されています。

関西地方の場合、三重県を除く府県では、府県庁所在地の商工会議所内に事業承継・引継ぎ支援センターが設置されている状況です。三重県の場合は、公益財団法人三重県産業支援センター内に設置されています。

事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業経営者の事業承継に関する全府的・全県的相談窓口です。

事業承継・引継ぎ支援センターの具体的な支援内容としては、後継者バンク事業の運営およびM&A・会社売却により第三者への事業承継を目指す中小企業経営者の支援などです。

ただし、M&Aの支援は、アドバイスおよびM&A仲介会社の紹介・あっせんに留まり、具体的にM&Aを進める場合は、M&A仲介会社に業務委託するケースが多いです。

⑤後継者バンク

事業承継・引継ぎ支援センターが行っている後継者バンク事業は、地域により後継者人材バンクとも呼称されていますが、その内容は変わりません。

後継者バンクの具体的な内容は、以下のとおりです。

  1. 事業承継・引継ぎ支援センターが、開業を志している創業志望者で既存企業からの事業承継により経営者となることを希望する人材を募り、その応募者を後継者バンク名簿に登録します。
  2. 後継者難で事業承継を行えないでいる中小企業経営者が事業承継・引継ぎ支援センターに相談した際、後継者バンク登録者への事業承継の可否を意思確認します。
  3. 後継者バンクの活用を決めた中小企業経営者に対して、望ましい後継者像を事業承継・引継ぎ支援センター側がヒアリングします。
  4. 後継者バンク登録者と中小企業経営者双方の希望が合致する相手がいる場合、事業承継・引継ぎ支援センターが、後継者バンクの紹介業務として両者を引き合わせます。
  5. 後継者バンク登録者と中小企業経営者の面会後に両者とも異存がなければ、具体的な事業承継の段取りについて、事業承継・引継ぎ支援センターが仲立ち・サポートを行います。

上記のように、後継者不足に悩まされている中小企業と起業への意欲がある個人とのマッチングが行われ、事業承継を実現できる可能性があります。

事業承継・引継ぎ支援センターには、自治体の枠を越えた横の連携もあります。たとえ同府県内で合致する後継者バンク登録者がいなくても、隣接県の後継者バンク登録者とのマッチングが可能です。

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5. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却案件を探す手段

関西地方のM&A・事業承継・会社売却に関する案件を探す手段には、主に以下の3種類があります。

  1. M&A仲介会社・専門家に相談する
  2. 地元の金融機関などに相談する
  3. M&Aマッチングサイトを活用する

①M&A仲介会社・専門家に相談する

1つ目の方法は、M&A仲介会社・専門家に相談することです。関西地方で事業を展開しているM&A仲介会社に相談をすれば、自分の希望にマッチしたM&A案件を探せて、実績や経験によるサポートも受けられます

②地元の金融機関などに相談する

地元の金融機関などに相談しても、M&A・事業承継案件を探せます。金融機関では、地域密着型の事業承継をサポートする体制を整備しています。

③M&Aマッチングサイトを活用する

M&A・会社売却・事業承継案件を探すには、M&Aマッチングサイトを活用するのも1つの方法です。以下では、おすすめのM&Aマッチングサイトを掲載します。

M&A総合研究所

M&A総合研究所が運営しているM&Aプラットフォームは、AIシステムを採用したM&Aマッチングプラットフォームです。高いマッチング精度を誇っており、最適なM&A案件を見つけることが可能です。

なお、M&Aの交渉や手続きなどで不安が生じた場合には、M&Aアドバイザーによるサポートの依頼も可能です。

TRANBI(トランビ)

TRANBIは、国内最大級のM&Aマッチングプラットフォームです。さまざまな種類の案件が登録されているため、自身が求めているM&A案件を探し出せます。

【関連】後継者不足の求人募集に役立つM&Aマッチングサイトとは?メリットも解説【中小企業向け】

6. 関西地方でM&Aをする際に仲介会社を選ぶポイント

本章では、関西地方でM&Aによる事業承継・会社売却を実施する際の仲介会社を選ぶポイントを解説します。M&Aを実施する場合には、以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

  1. 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 案件規模・地元M&A実績などがある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている

M&Aを安心して進めるためには、自社が実施しようとしているM&Aに該当する分野の専門的知識とM&A実績をしっかり持っている仲介会社を選びましょう。

M&A仲介会社のサイトを閲覧したり、直接連絡したりして、「どんな分野の仲介業務が得意なのか」「M&A仲介実績はどのくらいか」を確認することをおすすめします。

②案件規模・地元M&A実績などがある

M&A仲介会社によって、得意とする案件規模や事業エリアに違いがあります。大企業同士のM&A仲介を得意とする業者もあれば、中小企業の仲介のみしか取り扱っていない業者もあるのです。

事前に「どのような案件規模が得意か」、「得意とする事業エリアはどこか」を調べ、自社に適した仲介会社を選びましょう。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

仲介会社を選ぶ際は、「M&Aに関する幅広い知識・経験を持っているか」を調べることも重要です。M&A手続きでは、会計・財務・税務・法務・労務などの専門的知識が必要です。

的確かつスムーズな判断を下さなければいけない場面もあります。幅広い知識・経験を持つ仲介会社を利用すれば、最後まで安心してM&A手続きを進めることが可能です。

④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

仲介会社選びの際に大切なポイントの1つに、「手数料・相談料・報酬体系がわかりやすいこと」があります。

報酬体系に関する説明がない仲介会社や、中間報酬や手数料が高く設定されている仲介会社もあるため、注意しましょう。

わかりやすくシンプルな料金体系の仲介会社を選ぶことで、M&A手続きに関するトラブルを未然に防げます。

⑤担当スタッフの対応・相性

M&A手続きを安心して進めるためには、仲介を担当してくれるスタッフとの信頼関係も非常に大切です。したがって、M&A仲介会社を選ぶ際には、担当スタッフの対応や相性の見極めも重要だといえます。

【関連】中小企業M&Aの現状や流れを徹底解説!注意点や成功事例もわかりやすく説明

7. 関西地方のM&A・事業承継・会社売却まとめ

関西地方のM&A・事業承継・会社売却を行う際は、後継者バンクを提供する事業承継・引継ぎセンターなどの公的機関を利用する方法もあります。ただし、登録数が多くないため、希望の相手を探し出せない可能性が高いです。

M&Aを実施・成功させたい場合は、案件探しから交渉・クロージングまでのサポートを行うM&A仲介会社など専門家に依頼し、進めていくことをおすすめします。

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