2024年08月23日更新
青森県のM&A・会社売却・事業承継の現状は?案件一覧や事例も紹介!
本記事は青森県の会社売却や事業承継などの現状を解説し、案件一覧や成功事例、会社選びのポイントを紹介しています。現在、青森県ではM&Aの最盛期とも言えるほど黒字化の中小企業が増えてきています。青森県でM&Aを検討している方は必見の内容です。
目次
1. 青森県のM&A・会社売却・事業承継の現状
青森県のM&Aや会社売却、事業承継の現状について、2023年の経済状況を背景に分析します。
まず、2023年は輸入物価の上昇による物価高騰が広範囲に影響を及ぼしましたが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、人々の移動が回復したことで、特に個人消費がコロナ禍前の水準を超えるなど、経済活動は緩やかに回復しました。
しかしながら、製造業の生産動向に関しては、世界的な半導体不足の影響を受け、鉱工業生産指数が2023年2月には100.0、3月には89.2と不安定な動きを見せるなど、依然として課題が残っています。
雇用情勢に関しては、2022年12月に有効求人倍率が1.22倍となり、コロナ禍前の水準に戻りましたが、2023年に入ってからは緩やかに低下しており、引き続き注意が必要です。
また、消費動向については、2023年初頭には百貨店の売上が前年を上回ったものの、5月以降は衣料品の売上減少により低迷しており、スーパーの売上は堅調に推移しているものの、物価高騰の影響も見られます。
このような経済環境の中で、青森県におけるM&Aや会社売却、事業承継の動向にも影響が出ており、企業の戦略的な判断が求められています。
2. 青森県近郊のM&A・事業承継案件一覧
青森県近郊のM&A・事業承継案件を紹介します。
【優良取引先あり】東北のサッシ・エクステリア工事業
大手アルミ建材業界を中心に地場工務店と長年の取引実績があり、優良取引先、外注先から安定的な売上を得ています。
エリア | 東北 |
売上高 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡希望額 | 1,000万円〜5,000万円 |
譲渡理由 | 後継者不在、事業拡大のため |
【高収益・東北エリア】ビルメンテナンス/エアコン洗浄業
ビルメンテナンス、エアコン洗浄業務を中心に安定受注しており、直近期は年間200社以上と取引実績があります。NetCashを維持しており、営業利益率も約20%(直近期)と高い収益力を誇ります。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【Netcash3億円/3期平均EBITDA6,000万円/無借金】内装工事業者
ゼネコン・地場建設会社の1次/2次の下請け業者として建物の内装工事を行っています。従業員数は10名前後ながら、有資格者も多数在籍し内装工事全般を一貫して対応可能です。
エリア | 岩手県 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【東北地方/建設機械の販売・修理・レンタル業】地域密着の業歴50年以上の老舗業者
東北地方にて建機等の販売・修理・レンタルを手掛ける事業会社です。地域密着で業歴50年以上の実績があり、当地では知名度高い老舗業者です。
エリア | 東北 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【東北】施工管理技士 / 建設系人材派遣業
地元の大手建設会社への取引をメインに行う、建設系人材派遣会社です。施工管理技士や、事務等の派遣業を手掛けています。
エリア | 東北 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 5000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
3. 青森県のM&A・事業承継の成功事例4選
この章では、青森県のM&A成功事例を見ていきましょう。
寛一商店による共生商会のM&A
薬局を48店舗運営する寛一商店(京都府京都市)は、青森県青森市で調剤薬局を4店舗展開する共生商会の株式を取得し、子会社化しました。
共生商会は、青森県内で地域に根ざした医療サービスを提供している企業です。
このM&Aの目的は、寛一商店が東北地方への展開を強化し、共生商会の既存店舗を活用して地域密着型の医療サービスを広げることです。
エア・ウォーターによる元気のM&A
2019年2月、エア・ウォーターは、元気を株式譲渡のスキームで子会社化しています。
元気は、国内初の黒にんにくを製造した会社です。青森県産のにんにくを主な原料とした「熟成黒にんにく」を製造・販売しており、青森県産のにんにくは高いブランド力があります。
このM&Aの狙いは、両社における青果物の中卸や小売事業を、相乗効果で発展させることです。
アジアゲートHDによる東日本不動産のM&A
2018年10月、アジアゲートホールディングスは、東日本不動産を株式取得により子会社とすることに関して、大株主と基本合意書を締結しました。
アジアゲートホールディングスは、ゴルフ・リゾート事業や建設事業などを手掛けています。東日本不動産の子会社化により、東北地方を中心に事業規模を広げる見込みです。
このM&Aで、両社における不動産事業の展開や効率化、ノウハウの共有を狙います。
ウエルシアHDによる丸大サクラヰ薬局のM&A
2017年4月、ウエルシアホールディングスは、丸大サクラヰ薬局を株式譲渡のスキームにより、子会社化することを決めました。丸大サクラヰ薬局は、主に青森県でドラッグストアを67店舗、調剤薬局を8店舗運営しています。
このM&Aで、ウエルシアホールディングスは、丸大サクラヰ薬局を東北地方での薬局事業基盤として店舗を広げる狙いです。
M&A成功事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
4. M&A・事業承継時のおすすめの相談先
M&A・事業承継時のおすすめの相談先をご紹介します。
金融機関
静岡県で事業承継やM&A、会社売却を検討している企業にとって、金融機関は非常に頼りになる相談先です。金融機関は資金調達や財務アドバイスを提供するだけでなく、豊富なネットワークと専門知識を活かして、企業の経営戦略を支援します。
公的機関
後継者問題を抱えていれば、公的機関の利用にもメリットがあります。ここでは、青森県の公的機関について、以下3つを見ていきましょう。
- 青森県事業承継ネットワーク
- 青森県事業承継・引継ぎ支援センター
- はちのへ創業・事業承継サポートセンター
①青森県事業承継ネットワーク
まず、青森県事業承継ネットワークです。国がバックアップして、事業承継を円滑に後押しします。商工会議所や金融機関などのネットワークを最大限に利用し、事業承継の準備や掘り起こしを行うサービスです。
事業承継ネットワークを利用する前に、県や商工会議所に問い合わせましょう。事業承継ネットワークは青森県だけではないので、事業承継ネットワークの情報網を上手に活用してください。
②青森県事業承継・引継ぎ支援センター
今までの「事業引継ぎ支援センター」と「事業承継ネットワーク」の機能を合わせ、活動をより広げた機関が事業承継・引継ぎ支援センターです。
青森県事業承継・引継ぎ支援センターは、青森県で事業承継の問題に悩む中小企業をサポートする公的機関になります。ニーズの掘り起こしや事業承継⽀援を行っており、安心して相談することが可能です。
③はちのへ創業・事業承継サポートセンター
最後に紹介するのが、はちのへ創業・事業承継サポートセンターです。通称「8サポ」と呼ばれ、八戸市と八戸商工会議所が共同で創業および事業承継支援を促すために開設しました。
起業・創業者を増やし、経営者の高齢化などによる廃業を未然に防止し、事業承継を促すサポートを行っています。
M&A仲介会社
青森県で事業承継やM&A、会社売却を考えている企業にとって、M&A仲介会社は非常に重要なパートナーとなります。M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、取引をスムーズに進めるための専門知識とサービスを提供します。
M&Aの相談先については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
5. M&A仲介会社の選び方の5つのポイント
青森でM&A仲介会社を選ぶときに、注意したいポイントを5つ紹介します。
①同業種の専門的知識・M&A実績を持っている
M&Aの専門家でも、不得意な分野では力を発揮できません。しっかりした事業承継を行い、安心して会社売却につなげたい場合は、専門知識があり実績を持つM&A仲介会社を選びましょう。
②同程度の案件規模・地元のM&A案件の実績などがある
案件規模と希望するM&A規模がマッチしなければ円滑なM&Aは見込めません。地元青森の経済動向や地場基盤などその土地に合わせたM&Aの手法が必要なため、青森で実績があるかどうかも非常に重要なポイントです。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&Aには、学習で得た知識や経営知識だけでなく、社会状況やトレンドなど、世の中の幅広い分野における知識と経験を必要とします。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
M&Aには多くのコストがかかります。手数料や相談料などが明確でなければ、事業承継後や会社売却後までトラブルとなる可能性があるのです。
⑤担当スタッフの対応・相性が良い
M&Aを行う場合、結局は人が物をいいます。話しやすい、悩みを打ち明けやすい状況でなければ、企業同士のお見合いでもあるM&Aは、良い結果を生み出しません。人の相性はどのような場面でも大切です。
6. 青森県のM&A・事業承継・会社売却のまとめ
本記事では、青森県のM&A・会社売却・事業承継の現状について詳しく解説しました。
青森県の経済は商業やサービス業などの第3次産業が大きな割合を占め、製造業も徐々に回復傾向にあります。特に八戸市、弘前市、六ヶ所村、青森市の製造品出荷額は1兆円を超え、地域経済に大きな影響を与えています。
しかしながら、零細企業の経営者の高齢化や若者の県外流出といった課題も依然として存在しています。
こうした状況を受けて、青森県では県内企業の存続を支援するための施策が展開されており、地方の金融機関が積極的にM&Aのセミナーを行うなど、M&Aの推進に努めています。
特に、事業承継の手段としてのM&Aが注目されており、県外企業の青森県内企業の買収や県内企業の業界再編が進行しています。これにより、地域経済の活性化や企業の存続が図られています。
青森県近郊のM&Aや事業承継案件についても紹介し、具体的な事例を通じて現状を把握する手助けとなる情報を提供しました。
今後もM&Aを活用した経営戦略が、青森県の経済発展と企業の持続可能な成長に寄与することが期待されます。
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