2025年02月22日更新
web制作会社のM&A・事業承継の動向!2025年最新事例や相場も紹介
web制作会社のM&A・事業承継の事例や積極買収企業を紹介します。web制作会社がM&A・事業承継を行うメリットやスムーズに行うポイント、相場・費用などもまとめました。web制作会社のM&A・事業承継を検討している方は必見の内容です。
目次
1. web制作会社とは
web制作会社とは、企業のコーポレートサイトやECサイトなど、インターネット上で展開されるwebサイトの制作を行う会社のことです。現在、webサイトはリッチ化が進み、クライアントからの要求水準が上がっていることから、web制作に必要な技術は高くなっています。
他社との差別化を図るために、webマーケティング分野までカバーするweb制作会社が増えているのが現状です。
web制作業界に見られる特徴
web制作業界の顕著な特徴として、会社規模の二極化があります。二極化とは、web制作業界内が、大手web制作会社と小規模web制作会社に、はっきりと分かれている状態のことです。
大手web制作会社にはエンジニア、デザイナー、プランナーなどが数多く在籍し、webサイトだけでなくwebアプリなど(ブラウザー上で展開されるファイルの転換やダウンロードサービスなど)webに関すること全般の業務を請け負います。
一方、小規模web制作会社は、ECサイトやデザイン性の強いサイトなど、自社が得意なタイプのwebサイトを明確に打ち出し、大手よりも価格を抑えることで受注を得て、すみ分けができているのです。
web制作業界を取り巻く現状
web制作業界を含む「インターネット附随サービス業」の売上高は、近年拡大を続けており、2024年時点で2兆7,342億9800万円を記録しています。今後もweb制作業界の市場規模は拡大を続けていく見込みです。
参考:経済産業省「 特定サービス産業動態統計調査 調査の結果」
web制作業界の課題と展望
前項で述べたツールの簡易化以外にも、web制作会社は、これまでどおりとはならないであろう現実に直面しつつあります。それは以下の3点です。
- 多くのコーポレートサイトやECサイトは飽和状態にあり、新規立ち上げ数は限られている。
- webアプリも同様、かつスマホアプリが主流となってきており、やはり新規案件は減少中。
- 開設済みのコーポレートサイトやECサイトなどの改修やリニューアルを、自社内に技術者を雇用して行う企業も増えている。
今後、予想される展望としては、web制作業界内で淘汰が進み、会社数は減少する可能性が言及されています。そのような状況下で生き残るためには、従来の技術・開発・デザイン・創造力に加えて、企画・提案・コンサルティング力をつける必要性があるでしょう。
ここからは、web制作業界の課題と展望について、2つの項目に分けて詳しく解説します。
参入障壁の低さ
web制作は、一般的なプログラム言語に比べれば簡易とされるHTMLやCSSを用いれば構築できるため、参入障壁は低いものでした。近年は技術開発が進み、web制作が簡易に行えるツールが発達したため、参入障壁はさらに下がっています。
これが前項で指摘した二極化、つまり小規模なweb制作会社が生き残れている理由といえるでしょう。ただし、この先もツールの簡易化やAI化が進むと予想されるので、あるいはweb制作のプロに求められる仕事が変容していく可能性があります。
人材不足の深刻化
総務省の情報通信白書(令和5年度版)によると、日本のIT業界全体でデジタル人材の不足が深刻化しており、「デジタル人材の育成・確保」が国の重要施策となっています。この背景には、インフラの高度化やWeb3.0の進展による人材需要の増加があります。
この政策は「デジタル田園都市国家構想」の一環として進められ、2026年度までに230万人のデジタル人材を育成する目標を掲げています。これにより、IT業界だけでなく一般企業にもデジタル人材が供給され、社会全体のデジタル対応力の向上を図る方針です。
この流れはWeb制作業界にも影響を及ぼし、単純作業の減少により業務価値の低下が進む可能性があります。そのため、Web制作企業は高付加価値なデジタル人材の育成を視野に入れ、ビジネスモデルの再構築が求められています。
2. web制作会社のM&A・事業承継が行われる背景
web制作会社のM&A・事業承継は、以下のような理由で行われます。
- 後継者がいない中小企業が多い
- 早期にM&A・事業承継を行う予定だった
- 競合が多く将来的に不安がある
- 従業員の確保が難しくなってきた
- 売却益を得て新しい事業を始めたい
①後継者がいない中小企業が多い
中小企業の場合、親族や社内に最適な後継者候補がいないケースも多く、廃業を選択せざるを得ない企業が多く存在していました。しかし近年は、廃業ではなく、M&Aによる事業承継を選択する中小企業の割合が増えています。
②早期にM&A・事業承継を行う予定だった
昨今は、若い経営者ほどM&Aによる事業承継に抵抗が低く、M&Aによるイグジットを目標とする経営者もいます。特にweb制作会社などのIT関連分野では、その傾向が顕著です。
③競合が多く将来的に不安がある
ビジネス環境の変化が速く事業の先行きが見えにくい現状では、親族など身内への事業承継をためらう経営者が少なくありません。身内に事業を引き継ぐ代わりにM&Aによる事業承継が選択されています。
④従業員の確保が難しくなってきた
近年は、web制作会社などのIT関連分野だけでなく、さまざまな業界で人材不足が課題です。したがって、人材確保目的の買収や、事業継続が困難となったことから、M&Aによる事業承継を選択する企業が増えています。
例えば、 2024年11月、アイデミー、フロントエンド専門のWeb制作会社のトゥーアールを買収しました。企業のDX推進が進む中、AIやDXを活用した企業変革へのニーズが高まり、内製化支援の需要が拡大しています。
アイデミーは、自社のAI/DXソリューション「Modeloy」の成長を加速させるため、エンジニアリング体制の強化を急務と位置づけています。その一環として、Webアプリケーション開発に強みを持つトゥーアールを子会社化し、ソフトウェアエンジニアの確保と技術力向上を図ることを決定しました。
トゥーアールの持つ豊富なプロジェクト経験や業界知識をアイデミーのAI技術と融合させることで、「Modeloy」の提供力を強化し、より多様な顧客ニーズに応えられる体制を構築していきます。
⑤売却益を得て新しい事業を始めたい
米国では、M&Aによる事業承継で売却益を獲得し、さらに収益性の高い事業を始めるシリアルアントレプレナーが多く存在します。日本でも、若い起業家やベンチャー企業の中にシリアルアントレプレナーが増えており、売却益を目的としてM&Aを選択するケースも増加中です。
3. web制作会社のM&A・事業承継するメリット
web制作会社のM&A・事業承継には、主に以下3つのメリットがあります。
- 従業員の雇用先を確保できる
- 体力・心理・経済などさまざまな不安の解消
- 売却・譲渡益を得られる
①従業員の雇用先を確保できる
廃業を選択した場合は従業員を解雇しなければならないため、従業員が失業状態になるか、経営者が次の雇用先を個別に探す必要があります。しかし、M&Aによる事業承継を行えば、従業員の雇用を守ることが可能です。
②体力・心理・経済などさまざまな不安の解消
高齢の中小企業経営者の中には、引退したくてもできない状況に置かれているケースも少なくありません。このような場合、M&Aによる事業承継で信頼できる相手に事業を承継できれば、安心して引退できます。
③売却・譲渡益を得られる
M&A・事業承継によって自社を売却すれば、譲渡益・売却益を得られます。売却によってまとまった資金を得られるので、経済的・精神的余裕が生まれるでしょう。譲渡益・売却益は引退後の生活に充てたり、新しい事業の資金にしたり自由に使えます。
4. web制作会社のM&A・事業承継における相場と費用
M&Aでは、売却される会社や事業の規模や内容・特徴が個々に違うため、不動産のような固定相場のようなものはありません。各社が所有する事業資産も含め、個別に企業価値評価を実施することでM&Aの売買価額を割り出します。
企業価値評価は、企業会計の知識などを基本に、専門的な算定方法を用いて算出するものであるため、自社内での割り出しは難しいでしょう。この場合、M&A仲介会社や経営コンサルタントなどに依頼することによって、自社の企業価値評価を知ることが可能です。
M&A総合研究所では、企業価値評価の無料算定サービスを実施しています。以下のリンク先で詳細をご覧いただけますので、ぜひ、ご利用ください。
一方、M&Aにおける費用といえば、その大半はM&A仲介会社への手数料でしょう。M&A仲介会社の料金体系は各社で異なり、また手数料が一本化されず分散化されているケースもあるので、以下にその内容を掲示します。
- 相談料:正式依頼前の相談時の費用。無料の会社が多い。
- 着手金:依頼契約締結時に支払う費用。無料の会社が増えている(完全成功報酬制など)。
- リテイナーフィー:依頼契約締結後、毎月支払う定額の顧問料。発生しない会社が多い。
- 中間金:M&Aの基本合意書締結時に支払う費用。無料の会社も多い。
- 成功報酬:M&A成約時に支払う費用。レーマン方式で金額を決める会社がほとんどである。
5. web制作会社のM&A・事業承継の案件例
弊社M&A総合研究所が取り扱っているweb制作会社のM&A・事業承継の案件例をご紹介します。
【首都圏/直接取引8割以上】多数の制作実績を保有するWeb制作・デザイン業
広告、販売促進におけるPDCAのサイクルをワンストップで提供しています。企業からの直接依頼により売り上げの8割を構成しています。
顧客ニーズに合わせてコンセプトやテーマという企画の根幹づくりからお手伝いしています。売上の4割を占める企業と今後3年間の契約更新済で、今後同水準以上の利益を予定しています。
エリア | 関東・甲信越 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 6,000万円(応相談) |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【技術力高】Web制作/コンサルティング・プログラミング教室運営業
伴走型のWEB制作や、コンサルティングで顧客の課題に応じたWEBソリューションを提供しています。開発、デザインにおけるスキルを持った従業員が複数名在籍しており、勤続年数も長く安定したパフォーマンスを発揮しています。
思考力を養う独自のカリキュラムを用いたプログラミングスクールを関東・関西圏で約10拠点運営(オンライン講習もあり)しているのも強みです。
エリア | 近畿 |
売上高 | 5000万円〜1億円 |
譲渡希望額 | 株価1円+役員借入金3,700万円の返済 |
譲渡理由 | 会社のさらなる成長のため |
他にもM&A総合研究所で取り扱っている案件について詳しく知りたい方は以下の「M&A・事業承継案件一覧」のページよりご確認ください。
6. web制作会社のM&A・事業承継事例
ここからはweb制作会社のM&A・事業承継事例を紹介します。
アクセルマークによるスパイラルセンスの買収
2024年12月、アクセルマークは、スパイラルセンスの全株式取得に向けた協議を開始し、基本合意書を締結しました。
アクセルマークは、広告事業・IoTヘルスケア事業・ブロックチェーン関連事業を展開し、スパイラルセンスはゲーム・アプリ開発、XR開発、WEB/システム制作を手掛けています。
本M&Aにより、アクセルマークはトレカ事業のEC開発強化を図るとともに、エンジニア部門の開発・運用力向上を目指します。また、スパイラルセンスが持つ労働派遣・職業紹介許可を活かし、エンジニア人材サービスの展開を検討することで、グループ全体の業績基盤の強化を狙います。
アイデミーによるトゥーアールの買収
アイデミーは、トゥーアールの株式を取得し、子会社化することを決定しました。
アイデミーは、DX推進・AI内製化支援ソリューションを提供し、トゥーアールはフロントエンド専門のWeb制作を手掛けています。
本M&Aの背景には、企業のDX浸透に伴うニーズの変化があり、単なる人材育成からAI/DXを活用した変革支援への需要が高まっています。
アイデミーは、自社のAI/DXソリューション「Modeloy」の成長を加速させるため、トゥーアールのWebアプリ開発技術とプロジェクト経験を活かし、技術力向上・エンジニア確保を進めます。これにより、「Modeloy」のデリバリー強化と顧客対応力の向上を目指します。
ニーズウェルによるビー・オー・スタジオの買収
ニーズウェルは、ビー・オー・スタジオの全株式を約7.89億円で取得し、完全子会社化することを決定しました。
ニーズウェルは、システムインテグレーションを強みとし、バックエンド開発や運用・保守を手掛けています。一方、ビー・オー・スタジオは、フロントエンド開発に強みを持ち、民間企業や官公庁向けにWeb制作・DX支援を行っています。
本M&Aにより、ニーズウェルはWeb制作全体(フロントエンド~バックエンド~運用・保守)を一貫提供できる体制を構築し、官公庁・自治体および民間企業向けのDX支援強化を目指します。
チェンジホールディングスによる東光コンピュータ・サービスの買収
株式会社チェンジホールディングス(チェンジHD)は、東光コンピュータ・サービス(秋田県大館市)の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。
本件は、SBIホールディングスの連結子会社であるSBI地域事業承継投資との協働による取り組みです。
チェンジHDは、デジタル人材育成・業務プロセス革新・地方創生支援を行う企業で、東光コンピュータ・サービスは、業務ソフトウェア開発・システム導入支援・Web制作を手掛けています。
本M&Aにより、チェンジHDは、東光コンピュータ・サービスの技術力を活かし、DX推進と地方創生の強化を図ります。
デジタルガレージによるフィーリストの買収
デジタルガレージ(DG)は、2024年7月1日付でフィーリスト(北海道札幌市)の株式を取得し、「DGフィーリスト」へと社名変更しました。
デジタルガレージは、総合決済プラットフォームの提供などを行う企業で、フィーリストはシステム開発を手掛ける企業です。
本件M&Aにより、DGフィーリストの開発力やエンジニア育成環境を活用し、デジタルガレージグループの事業拡大を図ることを目的としています。
クロス・マーケティンググループによるトラフィックスの買収
クロス・マーケティンググループは、2024年1月31日にトラフィックス(TFC社、大阪市)の株式を取得し、完全子会社化しました。
クロス・マーケティンググループは、デジタルマーケティングやデータマーケティング事業を展開しており、TFC社はBPO、Web制作、クリエイティブ事業を主力とし、SaaSソリューションの開発・提供を行っています。
本件M&Aにより、クロス・マーケティンググループは、デジタルマーケティング事業の中核企業(エクスクリエ、REECHなど)との連携を強化し、オフラインイベントやキャンペーン事業の拡大を図ることを目的としています。
ラグザスによるフォーティファイヴの買収
ラグザス(大阪市)は、2023年11月1日、フォーティファイヴ(大阪市)の全株式を取得し、完全子会社化しました。
ラグザスグループは、プログラミングのオンライン学習や留学支援サービスを提供しており、本件により4社目の子会社を迎えることとなります。フォーティファイヴはWeb制作やコンテンツ制作を手掛ける企業です。
本M&Aは、ラグザスの成長戦略の一環であり、両社の技術やサービスを統合することで、顧客により高品質なソリューションを提供することを目的としています。また、グループ全体のコンテンツ制作力の向上によるシナジー効果も期待されています。
デザインワン・ジャパンによるアマネクコミュニケーションズの買収
2021(令和3)年5月、デザインワン・ジャパンは、アマネクコミュニケーションズの全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。デザインワン・ジャパンは、インターネットメディア事業、開発事業、人材紹介サービス事業、広告代理事業などを行っています。
アマネクコミュニケーションズは、web制作も含めた広告代理業を行っている企業です。デザインワン・ジャパンの狙いは、グループとして新サービスの提供や法人向け営業体制強化が図れることにあります。
7. web制作会社の積極買収企業紹介
ここでは、web制作会社を積極的に買収している企業を紹介します。
- 宝印刷
- ジェネレーションパス
- Orchestra Holdings
- アクセンチュア
- ヒューマンホールディングス
- フラッグ
- サンワカンパニー
①宝印刷
宝印刷は、企業の情報開示をサポートする老舗企業です。サービス充実のため、国内外で積極的に買収を行ってきました。事例でも紹介したように、2017年1月にはweb制作会社のイーツーを買収し、近年の情報開示分野における変化に対して柔軟な対応を行っています。
②ジェネレーションパス
ジェネレーションパスは、ECサイトに関するトータルサポートを行っている会社です。web制作会社の買収や他業界への買収、海外でのweb制作会社買収など、成功・失敗もありながら積極的な買収で事業を拡大しています。
③Orchestra Holdings
Orchestra Holdingsは、積極的なM&Aにより主力のデジタルマーケティング事業強化や新規事業の拡大を続けている会社です。事例でも紹介したように、2019年1月にはファンステージの買収によりソリューション事業を開始しています。
④アクセンチュア
アクセンチュアなどの大手コンサルティング会社各社は、近年のデジタルマーケティング分野の隆盛に対応するため、積極的なM&Aを行っています。
アクセンチュアは、2016年4月に高いweb制作技術を持つアイ・エム・ジェイを買収するなど、デジタルマーケティングへの対応を進めてきました。
⑤ヒューマンホールディングス
ヒューマンホールディングスは、教育事業を核としてさまざまな事業を展開している会社です。2016年3月にはダイレクトワン、2017年4月にはウェブスマイルなど、web制作会社を獲得して業務システムの効率化を行うなど、IT分野への積極的なM&Aによって事業の成長と安定化を進めています。
⑥フラッグ
フラッグは、デジタルマーケティングの総合プロデューサーとしてコンテンツ制作事業、プロモーション事業、コンテンツビジネス開発事業、グローバルプロダクション事業、映画配給宣伝事業、スポーツビジネス開発事業、教育事業などを行っています。
これまでのM&A歴は、2011(平成23)年4月にweb制作会社のムーサ・ドットコムの子会社化(翌年8月に吸収合併)、2016年4月に映画学校運営のニューシネマワークショップの子会社化(2020(令和2)年4月に吸収合併)です。
⑦サンワカンパニー
サンワカンパニーは、住宅設備機器、建築資材のインターネット通信販売を行っている企業です。M&A歴は、2016年5月、台湾において現地企業と合弁会社を設立しています。現在、工務店・設計事務所やシステム受託開発・web制作会社の買収に向け、相手先を探しています。
8. web制作会社のM&A・事業承継をスムーズに行うには
web制作会社のM&A・事業承継をスムーズに行うには、以下のポイントを意識して行うことが大切です。
- M&A・事業承継を行う目的を明確にする
- 契約成立までは時間がかかることを想定しておく
- 自社の強みや資料をまとめておく
- M&A・事業承継のタイミングを見る
- M&A・事業承継の専門家に相談する
①M&A・事業承継を行う目的を明確にする
M&A・事業承継を行う目的が明確でないと、相手との交渉をスムーズに進めることは困難になります。M&A・事業承継を行う際は、事前に目的を明確にして交渉が円滑に進むよう準備をしておくことが重要です。
②契約成立までは時間がかかることを想定しておく
一般的にM&A・事業承継手続きは3カ月~6カ月、長い場合は1年以上かかることもあります。したがって、手続きに必要となるであろう期間の事業継続や資金計画を立てておくことも重要です。
③自社の強みや資料をまとめておく
最適なM&A・事業承継相手を見つけるには、相手にも明確なメリットを感じてもらう必要があります。交渉を進める際は、事前に自社の強みや経営などに関する資料をまとめておき、相手にしっかりと根拠を示せるようにしておきましょう。
④M&A・事業承継のタイミングを見る
M&A・事業承継の結果は、タイミングや運にも左右されます。したがって、業界のトレンド変化や自社の現状など、タイミングをよく見極めることも大事なポイントです。
⑤M&A・事業承継の専門家に相談する
M&A・事業承継の専門家は手続きをサポートするだけでなく、交渉を円滑に進めたり企業価値を上げる対策をしたり、M&A・事業承継後のサポートも行ったりと、さまざまな支援をします。
M&A・事業承継の実施を決めたら、まずは専門家に相談しましょう。そうすることで、M&A・事業承継の道筋が見えてきます。
9. web制作会社のM&A・事業承継でおすすめの相談先
web制作会社のM&A・事業承継でおすすめの相談先をご紹介します。
金融機関
金融機関もM&Aにおいてファイナンシャル・アドバイザーの役割を担うことがあります。外資系投資銀行や日系証券会社は、大規模なM&Aを得意としており、成功報酬は外資系で2億円以上、日系証券会社で2千万円以上が一般的です。商業銀行では、メガバンクで2千万円以上、地方銀行で数百万円程度が目安とされています。
金融機関は専門的な知識が豊富であり、資金調達に関する相談をしやすい点が強みです。
中小企業のM&Aには適しておらず、規模の小さい案件では十分なサポートが受けにくいことがあります。また、成功報酬が高額であるため、費用面の負担が大きい点もデメリットです。
公的機関
商工会議所などの公的機関は、中小企業向けにM&A支援を提供しており、「事業承継ガイドライン」においてもM&Aが重要な手法として位置づけられています。
公的機関は中小企業支援の経験が豊富で、買い手・売り手が中小企業の場合に適した相談先といえます。中小企業特有の課題に理解があるため、安心して相談できる点も利点です。
商工会議所のM&A支援を利用するには会員登録が必要で、入会費や年会費が発生します。会員であれば初期費用なしで相談できますが、会員費用が負担となる可能性があります。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、M&Aを専門とする企業であり、それぞれに得意分野や実績が異なります。自社の目的に合った仲介会社を選ぶことが重要です。
仲介会社を利用すると、幅広い候補企業から適切なM&A相手を見つけやすい点が大きな利点です。また、金融機関と比べて成功報酬が低い場合が多く、コスト面でもメリットがあります。
仲介会社によっては報酬目当てで契約締結やM&A成立を急がせるケースがあり、慎重な選定が必要です。相談や契約の際に、しっかりとしたサポートが受けられるか確認することが重要です。
10. web制作会社のM&A・事業承継まとめ
web制作会社のM&A・事業承継を円滑に行うには、業界に精通した専門家によるサポートがおすすめでしょう。web制作会社のM&A・事業承継を成功させるポイントは、以下のとおりです。
・M&A・事業承継を行う目的を明確にする
・契約成立までは時間がかかることを想定しておく
・自社の強みや資料をまとめておく
・M&A・事業承継のタイミングを見る
・M&A・事業承継の専門家に相談する
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