2025年11月11日公開
ネット通販業界のM&A動向!売却・買収事例15選とメリットを解説!【2025年最新】
ネット通販の売上は年々増加していますが、物流問題や個人間取引の増大など、新しい課題も出てきています。そのような中でM&Aによる業界再編の動きもみられます。この記事では、ネット通販業界でのM&A動向について詳しくみていきましょう。
目次
1. ネット通販業界の概要と動向
ネット通販業界は、新型コロナ禍で大きく売り上げを伸ばしたところが多く、ネット環境の整備やスマホの普及が進んでいることで、今後のさらなる成長が期待できます。
しかし、そのような中で、さまざまな理由により、ネット通販業界でもM&Aが活発におこなれています。この記事では、ネット通販業界の近年の動向とM&Aの状況についてみていきましょう。
ネット通販業界とは
ネット通販とは、インターネットを通じて注文を受けて、郵便や宅配便で商品を届ける販売方法です。もともと、通信販売は電話やハガキで注文を受け付けるカタログ通販やテレビ通販などがありました。
1990年代にインターネット環境が整備されたことで、2000年ころからインターネット上で商品を販売するネット通販が発達してきました。
テレビ通販やカタログ通販とネット通販の大きな違いは、他の販売店やモールと価格や商品を比較しやすい点や、自分が好きなタイミングで文章だけでなく、画像や動画など販売者が提供する情報で商品の詳細を確認できる点です。
テレビ通販はテレビ放映されたタイミングでしか商品情報を確認できません。カタログ通販は写真とサイズ表記などの簡易な情報しか確認できません。
ネット通販では販売ページに多くの情報を掲載できて、他のECサイトとの比較もしやすく、消費者にとっては多くのメリットがあるといえます。
また、検索で自分が必要としている商品を探すこともでき、今後はますます通信販売業界におけるネット通販の存在感はましてくるものと思われます。
ネット通販業界の市場規模と動向
ネット通販業界の市場規模はどのくらいなのでしょうか。
上記の図表は、経済産業省が令和5年8月に出した「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」に掲載されていたものです。
こちらのEC化率をみると、一般消費者向けの商品の販売において2013年にはEC化率、つまりネット通販で販売されているのは、全体の4%弱しかありません。
しかし、EC化率は年々上昇しており、2018年には6%強、2022年度には10%近くまで増加しています。物販全体の市場規模も増加傾向にあるので、ネット通販での売上高は急激な勢いで伸びていることが予想されます。
2020年からの急激な伸びは新型コロナ禍での巣ごもり需要の影響が考えられますが、その後の経済回復でも落ち込むことなく成長を続けていることから、今後もネット通販業界の市場規模は増加を続けるでしょう。
参考:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
2. ネット通販業界のM&A動向
ネット通販業界で実施されているM&Aにはどのような動向がみられるのでしょうか。 近年のネット通販業界におけるM&A動向を解説します。
大手を中心とした業界再編の動き
ネット通販業界のM&A動向の特徴の1つが、大手のネット通販会社を中心として業界再編の動きがみられる点です。
ネット通販業界では、物流問や変化の速いITテクノロジーへの対応などの課題があります。大手のネット通販会社が、自社の課題を解決するシステムやテクノロジーを持つ企業をM&Aにより子会社化したり資本業務提携したりする動きが活発化しています。
売却側も、大手の傘下に入ることによる顧客基盤の強化などを図れるといった点がメリットです。
異業種間のM&A
ネット通販業界では、大手企業による買収の動きの他に、中小企業のM&Aによる合併も多くみられます。中小企業同士のM&Aの特徴は、異業種間での売買が多いことです。
今までに扱ったことがない商材の分野にM&Aによって進出することで、顧客獲得だけでなく、新しいノウハウの獲得や、既存顧客へのクロスセルの可能性、実店舗で扱う商品の幅を広げる、といった効果を狙ったM&Aが多いようです。
販路の拡大を図る動き
ネット通販業界でのM&Aでは、販路拡大を目的としていることが多い点も特徴に挙げられます。
同業種同士のM&Aでは、自社が扱う商品のターゲット層と重なる顧客の層を厚くすることで、売上増加を図っています。異業種同士では、今までは自社の顧客層にいなかった層を新たに取り入れることでの販売機会の拡大を図ります。
ネット通販業界の売上増加が見込める現在、各社とも、顧客層を厚くして販路を広げる目的でM&Aを実施しているようです。
3. ネット通販会社をM&Aで売却するメリット
ネット通販会社をM&Aで売却や買収するメリットとはどのような点にあるのでしょうか。売り手側のメリットと買い手側のメリットをそれぞれ解説します。
売り手側のメリット
売り手側のメリットとしては次のような点が挙げられます。
後継者問題の解決
現在、ネット通販業界だけでなく、日本の多くの会社で後継者問題が深刻化しています。多くの会社で経営を引き継ぐ人がおらず、最終的に廃業を検討せざるを得ないとところも増えているようです。
ネット通販が成長し始めた2000年代に40代でネット通販会社を始めた経営者であれば、すでに60歳を超えており、会社の今後について真剣に考えなければいけない時期に入ってきます。
M&Aは第三者に会社を引き継いでもらうことなので、経営者の親族や社内に後継者として適当な人物がいない場合の後継者問題の解決策として注目されています。
後継者がいないと悩んでいるのであれば、一度、M&Aについて検討してみることもおすすめです。
売却益の獲得
後継者問題などでネット通販会社を廃業することになると、従業員への退職金の支払いや、設備などの処分費用が必要です。また、廃業時に債務が残っている場合には、経営者の引退後も返済が続く可能性もあります。
その点、M&Aで会社を売却できれば、従業員の雇用も設備も債務も、一般的にすべて買い手に引き取ってもらえるので、これらのコストは必要ありません。
その上、売却金も支払われます。売却金から税金とM&Aの手数料を支払った残りは、経営者の自由にできるので、新規事業の資金やリタイア後の生活費に充てることも可能です。
メイン事業や新規事業へ注力できる
ネット通販会社で複数の事業を行っている場合には、全ての事業が順調であることは少ないでしょう。不採算事業や、他の事業とのシナジー効果をうまく発揮できないときに、一部の事業だけを事業譲渡によるM&Aで譲渡することができます。
自社で不採算事業やシナジー効果が期待できない事業であっても、その事業を活かせる会社もあるでしょう。そのような会社でその事業を活用してもらい、譲渡金も得ることで、メイン事業や新規事業へより注力することが可能になります。
従業員の雇用確保
M&Aで会社を売却せずに廃業した場合には、従業員は全員解雇することになります。解雇されても、すぐに次の就職先が見つかる人もいるでしょうが、再就職が難しい人もいるでしょう。もしかしたら、廃業によって一部の従業員の生活を危うくする恐れもあります。
しかし、M&Aであれば一般的に従業員の雇用も買い手側に引き取られます。現在の経営者が経営を続けることができなくても、M&Aでの会社売却により従業員の雇用は確保されて、生活を守ることが可能です。
買い手側のメリット
買収側のメリットとしては次のような点が挙げられます。
販売網拡大・ECサイト構築の迅速化
ネット通販会社を買収することで、顧客基盤を広げることができます。売却側の顧客も自社の顧客とすることで販売網を拡大することが可能です。
また、ネット通販をまだ始めていない会社がネット通販会社を買収すれば、ネット通販のノウハウを入手することができます。ゼロからの状態でネット通販のシステムを構築する場合のよりも、より早く確実に、すでに実績のある方法でのECサイト構築が可能です。
参入リスクを軽減
ネット通販にまだ乗り出していな会社がネット通販を始めようとした場合、多くのハードルががあります。
自社で販売している商品の中でネット通販に向いている商品の選定、新たな顧客獲得、ECサイトの構築などには、専門的なノウハウが必要で、経験のない会社には難しいものです。
その点、すでにネット通販の実績のある会社をM&Aで買収することで、ゼロからネット通販を始める場合よりも低リスクでネット通販を始めることができ、参入リスク低減というメリットを得ることができます。
ECサイトでの自社商品販売
製造業や商社がM&Aでネット通販会社を買収した場合、自社で製造する商品や扱っている商品を、買収した会社のECサイトで販売しやすくなります。
今まで、独自のネット通販サイトを持っていなければ、ネット通販会社を傘下に収めることで、今まで顧客対象とならなかった層にもアプローチできるようになり、販路を拡大することが可能になるでしょう。
4. ネット通販会社のM&A・買収・売却事例15選
ネット通販業界で実施されたM&Aの事例を紹介します。
東京ソワールがキャナルジーンを子会社化した事例
2024年4月15日に、株式会社東京ソワールから、株式会社キャナルジーンの全株式を取得して子会社化することが発表されました。
東京ソワールは、婦人既成服の製造卸メーカーです。株式会社キャナルジーンは、レディースファッションを中心としたECと実店舗を運営していて、特に高いEC率を誇っています。
東京ソワールとしては、今後のライフスタイル事業の拡大にあたり、両社の強みを相互補完して収益力を高めることで、成長性が見込めると判断したとのことです。
THE WHY HOW DO COMPANYがCATCH THE STARの株式を譲渡した事例
2024年1月29日に、THE WHY HOW DO COMPANY 株式会社から、子会社である
株式会社CATCH THE STARの 全株式を、田邊勝己氏へ譲渡することが発表されました。
THE WHY HOW DO COMPANYは、スマートフォン向けのサービスやソリューションを提供している会社で、その子会社であったCATCH THE STARでは地方創生を掲げた「ふるさと物語」事業を展開していました。
しかし、事業計画を大きく下回る状況で事業活動を停止しています。そこで、THE WHY HOW DO COMPANYグループの事業の選択と集中のために、THE WHY HOW DO COMPANYの代表取締役兼社長の田邊勝己氏へ譲渡することになったとのことです。
日本テレビホールディングスがla belle vieを子会社化した事例
2023年4月21日に、日本テレビホールディングス株式会社から、la belle vie株式会社の全株式を取得して完全子会社化することが発表されました。
日本テレビホールディングスは、日本テレビやラジオ日本などを傘下に持つ認定放送持株会社です。la belle vieは、衣料品やアクセサリー、装飾品、雑貨などを扱う小売業で、優良な商品をお手頃価格で提供する、ファッションEC業界で確固たる地位を築いている会社です。
日本テレビホールディングスとしては、テレビ通販を中心とした物販事業にも力を入れています。生活者の利便性向上のためのECをより強化して、生活者の暮らしをより豊かにする物販を強化するためにM&Aを実施したのとのことです。
キングジムがエイチアイエムを子会社化した事例
2022年9月15日に、株式会社キングジムから、株式会社エイチアイエムの全株式を取得して子会社化することが発表されました。
キングジムは文房事務用品とインテリアライフスタイル雑貨の製造、企画、販売事業を展開しています。エイチアイエムは、キッチン用品や生活雑貨など、生活をより便利にするための商品を企画して、インターネット上で販売している会社です。
キングジムとしては、エイチアイエムをグループ内に迎え入れることで、商品ラインナップを広げてグループ内でのクロスセルによる売上の拡大を図り、EC事業のさらなる強化と、飛躍的な拡大を実現できるとしています。
ギフティがpaintoryを子会社化した事例
2022年9月14日に、株式会社ギフティから、株式会社paintoryの全株式を取得して完全子会社化することが発表されました。
ギフティは、「giftee」「eGift System」「giftee for Business」といったeギフトプラットフォーム事業を国内外で展開している会社です。paintoryは、誰でも簡単にオリジナルデザインのアパレルを制作・販売できるウェブサービスを展開しています。
ギフティとしては、paintoryのカスタムアパレルをギフトコンテンツとしてラインナップすることで、新たな需要を獲得して両社の流通額を最大化し、さらなる企業価値向上を図ることができるとしています。
Eストアーが志⾵⾳を子会社化した事例
2022年8月10日に、株式会社Eストアーから、株式会社志⾵⾳の全株式を取得して子会社化することが発表されました。
Eストアーは、ネット通販の開業からサイト構築、運用代行までを提供するなど、オンラインショッピング運用支援を行っている会社です。株式会社志⾵⾳は、ファッション・スキー/スノーボード・スポーツ・ランドセル事業の企画、生産などを行っています。
Eストアーとしては、同社のECノウハウで志⾵⾳の事業を大幅に進化させることで、Eストアーのシステム及びマーケティングサービス提供の収益増を目指すとのことです。
DCMホールディングスがエクスプライスを子会社化した事例
2022年2月10日に、DCMホールディングス株式会社から、エクスプライス株式会社の全株式を取得して子会社化することが発表されました。
DCMホールディングスは、ホームセンター事業などを手掛けるDCMやケーヨーなどを傘下に持つ持株会社です。エクスプライスは、家電を中心に幅広い商品を扱う日本最大級の専門店EC事業会社です。
エクスプライスでは自社サイトだけでなく、Amazonや楽天などの外部モールにも多く出店しており、EC運営のノウハウや事業戦略がDCMホールディングスが今後確立したい領域に合致しており、M&Aによって両社のシナジーを発揮できるとしています。
ワットマンがホビーサーチを子会社化した事例
2021年7月14日に、株式会社ワットマンから、株式会社ホビーサーチの全株式を取得して子会社化することが発表されました。
ワットマンは、主に店舗型リユース事業を展開している会社です。ホビーサーチは、フィギュアを中心としたホビーグッズを扱うEC会社で、国内外に54万人超のユーザーがいます。
ワットマンでは、リユース事業の他にホビー関連や海外事業なども進めています。このM&Aによって、ホビーサーチの54万人のユーザーへワットマンの持つノウハウでのサービスを提供するなどして、今後の企業価値向上に資するとしています。
日本郵政グループと楽天グループが資本業務提携をした事例
2021年3月12日に、日本郵政グループ と楽天グループは 資本業務提携に合意したことが発表されました。
日本郵政グループは、全国各地にある郵便局を拠点に、郵便、物流、銀行、保険などの事業を行っています。楽天グループは、日本最大級のECサイトである楽天市場を中心に、金融業やデジタルコンテンツ販売など幅広く手掛けています。
この資本業務提携により、物流拠点や配送システムなどを共同して構築し、顧客の利便性工場や地域社会への貢献などのシナジー効果を最大化させていくとのことです。
ロコンドがFashionwalkerを子会社化した事例
2020年7月21日に、株式会社ロコンドから、同社の完全子会社である株式会社Fashionwalkerを、2020年9月1日をもって吸収合併することが発表されました。ロコンドが存続会社となり、Fashionwalkerは解散します。
ロコンドは、2020年7月20日にFashionwalkerを完全子会社化しましたが、業務シナジーを最大限に引き出すためにはデータベースの統合などが必要であり、そのために吸収合併することになったとのことです。
綿半ホールディングスがアベルネットを子会社化した事例
平成30(2018)年11月21日に、綿半ホールディングス株式会社から、株式会社アベルネットの全株式を取得して連結子会社化することが発表されました。
綿半ホールディングスは、ホームセンターの綿半ホームエイドなどを傘下に持つ綿半グループの持ち株会社です。アベルネットは、家電やパソコンの通販サイト「PCボンバー」を展開しています。
このM&Aにより、両社が長年培ってきた経営資源や強みを相互活用して、商材の幅を広げたり、仕入れ機能や通販のノウハウなどのシステム基盤の共有を図ることができるなど、シナジー効果を期待できるとのことです。
ユニバーサル園芸社がアーキネットの園芸商品ネット通販事業を取得した事例
2018年8月8日に、株式会社ユニバーサル園芸社から、園芸ネット株式会社の全株式を取得して連結子会社にすることを発表しました。
園芸ネットは、株式会社アーキネットが同社の園芸ネット事業を承継させるために会社分割(新設分割)で新設した会社です。
ユニバーサル園芸社は、園芸商材の生産や卸、植物を使った空間プロデュースなどを手掛ける会社です。園芸ネットは園芸関連商品のネット通販販売事業を行っています。
ユニバーサル園芸社としては、今後さらにインターネットの活用が広がる中で、園芸業界でのネット通販の先駆的存在としての園芸ネットをグループ化することにより、相乗効果や市場拡大の足がかりにしていくとのことです。
アイフリークホールディングスがアイフリークプロダクツセールスの株式譲渡、Eコマース事業から撤退した事例
平成27(2015)年1月30日に、株式会社アイフリークホールディングスから、同社の連結子会社であるる株式会社アイフリークプロダクツセールスの全株式を、同社の元取締役である橋本伸也氏へ譲渡して、Eコマース事業から撤退することが発表されました。
アイフリークホールディングスは、モバイルコンテンツ事業を展開している会社です。アイフリークプロダクツセールスは、アイフリークホールディングスのEコマース事業を所管して、インターネット通販と美容、健康商材の提供を行っています。
アイフリークプロダクツセールスでは、収益化するための取り組みを続けてきましたが赤字体質から脱却できない状況が続いていました。
アイフリークホールディングスとしては、グループ内の経営資源の配分を最適化させて、中核事業へ集約させるための株式譲渡だとのことです。
インタートレードがエスラインのネット通販事業を取得した事例
平成25(2013)年7月18日に、株式会社インタートレードから、株式会社エスラインのインターネット通販事業「Z-collectioN」の譲受に関する基本合意書の締結が発表されました。
インタートレードは、証券会社向けの自社開発パッケージソフトの販売を行っている会社です。事業譲渡される「Z-collectioN」は、「健康」「美容」のキーワードで若い女性から指示を受けているネット通販事業です。
インタートレードでは、「健康」「美容」をコンセプトとしたフードサービス事業を手掛けており、40代以上の女性から高い支持を受けています。
このM&Aで、同じコンセプトの事業において顧客層をお互いに補完し合う関係を構築し、売上高と利益率の向上が期待できるとのことです。
スクロールがAXESを子会社化した事例
平成24(2012)年5月14日に、株式会社スクロールから、株式会社AXESの全株式を取得して子会社化することが発表されました。
スクロールは主に女性向けのアパレル・ファッション雑貨を中心とした、ネット通販とカタログ通販を展開している会社です。AXESは、国内および海外のブランドバッグや小物などのEC事業を展開しています。
このM&Aにより、スクロールとしては商品ジャンルの幅を広げてEC事業の拡大を図り、収益力向上と強固な事業基盤の確率を目指すとのことです。
5. ネット通販会社のM&Aにおける成功のポイント
ネット通販会社のM&Aを成功させるためには、どのような注意点に気をつけたら良いのでしょうか。特に気をつけたい5つの注意点を解説します。
M&Aの専門家に相談をする
1つ目の注意点は、M&Aの専門家に相談することです。近年は、M&Aの情報サイトが充実してきたことから、自分でM&Aの相手を探す経営者も増えてきました。
しかし、M&Aを成功させるためには、最適な相手を見つけることと、法律や財務についての高度な知識が必要な手続きが必要です。
そのために、自分だけで進めていても、必ずどこかでつまづいてしまうことが多いようです。M&Aの専門家なら、それまでの豊富なM&A仲介の経験から、会社の状況を把握した上でM&Aが最適かどうか、といったところから相談に乗ってくれます。
M&Aを決意したら、最適な相手探しや手続きのサポートもしてもらえるので安心です。まずは、M&Aの専門家へ相談しましょう。
M&Aのご相談はお気軽にM&A総合研究所までお問い合わせください
M&A仲介会社選びにお悩みの場合は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。M&A総合研究所では、各業界のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任となって案件をフルサポートします。
M&A総合研究所の料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ)随時、無料相談をお受けしていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
最適なタイミングを逃さない
2つ目の注意点は、最適なタイミングを逃さないように、早めに売却の準備を始めるということです。
M&Aで会社を売却するには、M&Aの専門家に相談してからクロージング(経営権の引き渡し)までに最短でも半年ほど、多くの場合は1年から1年半程度、長ければ数年単位でかかることもあります。
M&Aでの売却を望みながら準備期間が足りなかった場合、廃業に追い込まれてしまった例も多いことから、M&Aの準備は早めに始めましょう。
経営者の年齢による健康問題が悪化してから売却準備を始めたのでは遅すぎます。経営者がまだ元気で判断力がしっかりしているうちに、準備を始めて、最もいい条件で売却できるタイミングを逃さないことが重要です。
情報漏洩に注意する
3つ目の注意点は、情報漏洩を起こさないことです。
特に、M&Aで売却する側は、最終契約書を締結して、会社売却を公表できる段階に入るまでは、絶対に情報漏洩を起こさないことが大切です。
公表できる段階に入る前に会社売却のうわさが流れてしまうと、不安に駆られた従業員の退職や、取引先の離反を招きます。
M&Aについての情報漏洩は、M&Aについての資料を従業員に見られたり、相手方やM&Aの専門家との電話での会話を聞かれたりなどちょっとしたことで起きてしまいます。M&Aについての情報管理は厳重に行い、情報が決して漏れないように注意しましょう。
目的を明確にする
4つ目の注意点は、M&Aで会社を売却する目的を明確化することです。売却する目的によって、選ぶべきM&Aのスキーム(手法)が異なるためです。
リタイア後の生活費獲得などの金銭面での動機が大きい場合には株式譲渡のスキームを選択することが一般的です。一部の事業を整理したい場合には事業譲渡です。
スキームの選び方で、M&A後の会社のあり方や税額が異なってくるので、目的から選ぶようにしましょう。
また、買収側は自社のどのような点を強化するためのM&Aかを明確化しましょう。M&Aでの買収が目的化しまい、シナジー効果を得られない会社を買ってしまう例もみられます。そのようなことにならないように、最初の目的を明確化してから相手を探しましょう。
シナジー効果が見込まれる相手先を選定する
5つ目の注意点は、M&Aではクロージング後の統合が成功するかどうかが最も大きな鍵になります。そのために必要なことは、売却側も買収側も、シナジー効果が得られる相手を見つけることが重要です。
お互いがお互いの業績にプラスの効果を発揮できる会社を選ばないと、買収側にとっては無駄な買い物をしたことになってしまい、売却側も従業員の待遇などが不安定になる可能性があります。
そのようなことが起きないようにするために、シナジー効果が見込まれる相手を選ぶことが重要です。
6. ネット通販会社のM&Aの売却相場
ネット通販会社をM&Aで売却する場合の売却相場とはどのくらいになるのでしょうか。
大まかなM&A相場
具体的な金額は会社の規模などによって大きく異なりますが、大まかに相場を算定する事はできます。ネット通販会社のM&Aでの売却価格の目安は次の計算式で計算できます。
株式譲渡の場合
時価純資産+営業利益と役員報酬の2年分から5年分
事業譲渡の場合
事業資産+事業利益の2年分から5年分
企業価値の評価方法
M&Aでの企業価値の評価方法には次の3つがあります。
- コストアプローチ:保有している資産と負債をベースに株式価値を算定する方法
- インカムアプローチ:将来期待できる利益、キャッシュフロー、配当に注目して現在の企業価値を算定する方法
- マーケットアプローチ:業種や規模が似ている企業の株価や売却事例を元に企業価値を算定する方法
7. ネット通販業界のM&A・事業譲渡まとめ
ネット通販業界でも、今後、後継者問題などが深刻化してくると考えられており、早めの対応が求められます。
M&Aでの売却は、販路の拡大や進化の速いIT技術への対応力強化などのメリットが大きいので、ぜひ会社の将来に不安を感じているのなら、早めに準備を始めましょう。
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