化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継!業界動向や事例、価格相場も解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

本記事では、化学製品卸業界におけるM&Aの売却・買収について分析しました。化学製品卸業界のM&Aにおける売却・買収や事業承継の動向、売却・買収価格相場、M&A事例を紹介します。売却理由や売却・買収を成功させるコツなども解説します。

目次

  1. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継
  2. 化学製品卸のM&A・売却・買収動向
  3. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継事例
  4. 化学製品卸のM&A・売却・事業承継の理由
  5. 化学製品卸のM&A・売却・買収価格相場
  6. 化学製品卸のM&A・売却・買収を成功させるコツ
  7. 化学製品卸のM&A・売却・買収時におすすめの相談先
  8. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継まとめ
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1. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継

化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継

当記事では、化学製品卸売業を行う企業のM&A買収・売却・事業承継について、さまざまな角度から見ていきましょう。化学製品卸のM&A・売却・買収を述べる前に、まずは業界概要や基本用語を確認します。

化学製品卸とは

化学製品卸業とは、合成樹脂や合成繊維・塗料・染料・医農薬といった化学工業製品と、その原材料を取り扱う卸売業をさします。

化学製品卸業を行う企業は主に化学メーカーで、化学製品卸以外に化学製品の製造・研究開発といった事業も展開しているところが多いでしょう。国内の主要な化学メーカーには、住友化学・富士フイルムホールディングス・三菱ケミカルホールディングス・三井化学・旭化成などがあります。 

化学製品卸業界の現状と課題

化学製品卸業界は現在、グローバルな競争にさらされています。海外メーカーと国内メーカーが盛んにM&Aを行い、業界の再編が進んでいるので、それに伴って、化学製品卸業界も再編が進んでいる状況です。大型企業同士のM&Aも少なくありません。

現在国内における石油化学製品の需要は低迷しており、低い成長率です。昨今における原油高の影響を受けて石油化学製品の価格は高騰し、今後も価格高騰が続けば化学製品卸に属する企業も影響を受けるでしょう。

コスト高の影響を受けて、コスト削減や利益の拡大を求めた成長戦略を描く企業が増えています。その手段として M&Aを実施する企業も多く、よりスケールメリットを求めるM&Aが少なくありません。

市場規模の推移

化学品・化成品卸における市場は、基礎化学品、誘導品など素材としての各種化学製品における中間流通を主力事業とする企業によって構成されています。化学メーカーが原料を加工した中間原料や一次製品を仕入れ、他の卸売業者または消費者に販売するのです。

化学製品卸業界の市場規模は、化学メーカーの市場動向、つまり、化学製品製造・化学メーカーの動向に大きな影響を受けます。業界動向サーチによる化学業界の2021年版(2020-21年)の業界レポートを見ると、化学業界の市場規模は29.8兆円で、やや減少している状況です。

景気変動の影響を受けやすい

化学製品卸業界は景気変動の影響を受けやすい業界です。近年は、原油価格が足元でも大きく上昇しており、これがエネルギー価格はもとより化学品の価格上昇にも影響しています。化学製品の原料となるエチレンやプロピレンといった基礎化学品の価格はすでに上昇し始めています。

化学製品製造・化学メーカーに対する需要がなくなれば、同時に、化学製品卸業界に対する需要も少なくなるでしょう。近年、環境・食品・安全がトレンドで、こうしたテーマに即した化学製品の売れ行きは好調です。

企業ごとに取扱製品が大きく異なる

化学製品卸業界は、企業ごとにさまざまな取扱い製品が存在しています。したがって、企業によって取り扱う製品ラインアップが異なっています。化学メーカーはさまざまな製品を取りそろえていますが、本当に需要に沿った商品が提供できているかどうかの見直しを迫られるでしょう。

製品ラインアップの拡充や供給力の安定、事業の選択と集中などを進める企業が多くあるため、化学製品卸に属する企業同士でのM&Aも盛んに行われています。

M&A・売却・買収とは

M&A・売却・買収といった用語は各種メディアでよく見聞きする言葉ですが、どういった行為をさすのでしょうか。ここでは、M&A・売却・買収それぞれの用語について、概要を説明します。

M&Aとは

M&Aとは「Mergers & Aquisitions」の略称で、企業の合併(Mergers)と買収(Aquisitions)のことです。M&Aの実施にあたっては、そのケースにより、さまざまな手法が用いられます。

売却・買収とは

M&Aの代表的な行為の1つである買収・売却とは、会社を丸ごと買収・売却する、あるいは会社の事業・資産を選別して買収・売却することです。

買収・売却の具体的な手法には、株式譲渡・第三者割当増資・株式移転・株式交換事業譲渡などがあります。会社の買収・売却や合併とは異なる経営戦略上の行為としてあるのが、株式の持ち合いや合弁会社設立などの資本提携です。これらは、資本の移動を伴う実態から、広義のM&Aとされています。

事業承継とは

事業承継とは、企業経営者が自社の事業を後継者に引き継ぐことをさし、誰を後継者にするかによって、親族内事業承継・社内事業承継・M&Aによる事業承継の3つに分類されます。

親族内事業承継 経営者の子供や配偶者など親族を後継者とする事業承継
社内事業承継 社内の役員や従業員を後継者とする事業承継
M&Aによる事業承継 M&Aで会社・事業を売却し、その買い手が後継者となる事業承継

従来、日本の中小企業では親族内事業承継が主流でした。しかし、昨今は、少子化や価値観の変化により親族に後継者の成り手がいない問題が噴出しています。

社内事業承継も有効な手立てではありますが、事業承継するには後継者側が会社の株式を買い取るため、多額の資金を用立てる必要のある点が難題です。

後継者がいない企業の場合、M&Aを実施して第三者である企業・個人に事業譲渡・会社売却すれば、事業承継を行えます。

2. 化学製品卸のM&A・売却・買収動向

化学製品卸のM&A・売却・買収動向

実際に化学製品卸業界でM&Aによる売却・買収を進める際は、対象業界の動向を把握しましょう。ここでは、化学製品卸業界におけるM&A・売却・買収の動向について、業界の背景を踏まえて解説します。

【化学製品卸業界のM&A・売却・買収の動向】

  1. 1990(平成2)年以降からは安価な外国製品に収益を奪われている
  2. 収益力の低下により業界再編が起こり続けている
  3. 環境問題により工場建設の条件も厳しくM&Aでの獲得が増加
  4. 技術革新により挑戦的な中小企業が買収のターゲットになる
  5. コスト削減・営業利益の拡大を目的とするクロスボーダーM&A

①1990年以降からは安価な外国製品に収益を奪われている

化学製品卸を含めた化学業界は、多様な業態から構成されていることもあり、石油化学だけで出荷額が8兆円を超えるほどの大きな市場規模でした。

しかし、1990年以降からは、安価な外国製品の台頭によって、国内企業の収益力が低下しています。

②収益力の低下により業界再編が起こり続けている

海外企業の台頭や化学製品の世界的な需要減少、石油化学分野の業績悪化などが影響して、化学業界全体の収益力は低下傾向です。

こうした背景により、工場の統廃合や同業他社との資本業務提携、海外企業の買収など、化学業界全体では業界再編の動きが見られます。

③環境問題により工場建設の条件も厳しくM&Aでの獲得が増加

化学製品卸を含めた化学業界は環境問題に直面しており、その影響で工場建設の条件が厳しくなっています。現在は、都心近郊で新しく工場を建設することが非常に難しく、化学業界における頭痛の種です。

工場建設の難しさを解消するため、好立地に工場を構える中小企業をM&Aによって買収する大手企業が増加しています。

④技術革新により挑戦的な中小企業が買収のターゲットになる

以前まで収益力が非常に高かった石油関連製品は、原料の価格高騰が影響して収益力が低下しています。これを受けて、技術革新により挑戦的な製品の製造や研究開発を行っている中小企業を、M&Aによって買収する動きが加速中です。

例えば、バイオ原料や半導体など高付加価値のハイテク素材を取り扱う中小企業は、大手化学メーカーからのニーズが非常に高くなっています。

⑤コスト削減・営業利益の拡大を目的とするクロスボーダーM&A

製品コストの高騰を受けて、化学メーカー各社が値上げを行っています。こうした動きを受けて、化学製品卸業界に属する企業は、コスト削減に向けた取組みを加速させている状況です。

コスト削減の手段として、海外企業とのM&A(クロスボーダーM&A)を行う企業も少なくありません。海外企業とM&Aを実施し、販路を拡大して売上高を確保、あるいは製品ラインアップを絞ってコスト削減を進められます。こうして営業利益の拡大を目指します。

【関連】化学製品製造・化学メーカーのM&A・売却・買収!業界動向、事例、価格相場を解説【2022年最新】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

3. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継事例

化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継事例

この章では、化学製品卸売事業を含めた化学製品事業を展開する企業のM&A・売却・買収事例を見ていきましょう。

【化学製品卸業界のM&A・売却・買収事例】

  1. 大阪有機化学工業の事業譲受
  2. OATアグリオによるオランダ企業の買収
  3. 第一工業製薬による医薬品・健康食品会社2社の買収
  4. 蝶理による小桜商会の買収
  5. 住友化学によるオーストラリア企業の買収
  6. ニイタカによる買収
  7. 住友化学によるインド企業の買収

①大阪有機化学工業の事業譲受

2020(令和2)年8月、有機化学工業品・有機試薬品・石油化学製品・特殊ポリマーにおける製造販売、溶剤類の精製加工事業などを行う大阪有機化学工業は、三菱ケミカルホールディングスの子会社である三菱ケミカルが行ってきた事業のうち、頭髪化粧品用アクリル樹脂の製造・販売事業を譲受する契約を締結しました。

大阪有機化学工業の事業譲受予定日は2021(令和3)年2月1日で、取得価額は未公表です。

大阪有機化学工業は、機能化学品セグメントを強化するために、このM&Aにより製品ラインアップの拡充と海外販売のチャンネル獲得を見込みます。

②OATアグリオによるオランダ企業の買収

2018(平成30)年12月、農薬や肥料の研究開発・製造・販売を手掛けるOATアグリオは、鮮度保持剤の分野でブランド力を持つオランダのクリザールを、株式取得によって買収しました。なお、株式取得価額は78億7,800万円です。

OATアグリオは、収穫後の花や植物の鮮度を保つ鮮度保持剤「美咲」を国内販売しており、クリザールのサプライチェーンを活用して、世界的な展開を図ります

③第一工業製薬による医薬品・健康食品会社2社の買収

2018年9月、各種工業用薬剤の製造・販売を手掛ける第一工業製薬は、カイコや桑の研究を進める大学発ベンチャー企業であるバイオコクーン研究所と、天然物からの抽出物を粉末化する技術を持つ池田薬草の2社を完全子会社化しました。

第一工業製薬は、バイオコクーン研究所の研究成果をもとにした健康食品の販売や、池田薬草が持つ技術を生かした機能性表示食品の商品化を目的として、当M&Aを実施しています。

④蝶理による小桜商会の買収

2018年1月、化学品・機械事業において、有機化学品関連商材の取り扱いを主力事業として事業を展開している蝶理が、潤滑油添加剤を主力とする各種化学製品の販売会社である小桜商会を買収して子会社化しました。なお、蝶理は東レの子会社なので、小桜商会は東レの孫会社です。

小桜商会は、石油会社および潤滑油メーカーへ各種添加剤を供給する企業です。幅広くかつきめ細かいサービスの提供を背景に、主に国内取引先を中心としたビジネスを展開し、潤滑油添加剤の市場で確固たる地位を築いてきましたが、海外への展開に遅れを取っていました。

小桜商会の買収を通じて、蝶理は販路の拡大を目指すとともに売上規模の拡大を目指し、小桜商会も蝶理の販売網を活用して海外展開を図ります

⑤住友化学によるオーストラリア企業の買収

2017(平成29)年11月、石油化学・医薬品・エネルギーなどの分野で事業を行う住友化学は、オーストラリアにあるボタニカル・リソーシズ・オーストラリアとその関係会社(以降ボタニカル・リソーシズ・オーストラリア・グループ)の株式約83%を取得しました。株式取得価額は非公表です。

ボタニカル・リソーシズ・オーストラリア・グループは、除虫菊の花から抽出できる殺虫成分「ピレトリン」の大手サプライヤーで、安定した地位を確立しています。

住友化学は、グループ会社を通じてピレトリンの販売・製造を手掛けており、ボタニカル・リソーシズ・オーストラリア・グループのノウハウを取り入れ、安定したピレトリン供給体制の構築を進める見込みです。

⑥ニイタカによる買収

2017年7月、業務用洗剤や医薬部外品の製造販売を手掛けるニイタカは、床用ワックスや洗剤などの製造販売を行うスイショウ油化工業の全株式を取得しました。なお、株式取得価額は非公表です。

ニイタカは、シナジー効果の創出による事業規模の拡大や、グループ全体の企業価値向上を目的に当M&Aを実施しています。

⑦住友化学によるインド企業の買収

2016(平成28)年6月、住友化学はインドの農薬事業会社であるエクセルクロップケアの発行済み株式約45%を取得しました。株式取得価額は200億円弱です。

住友化学は、2000(平成12)年4月に農薬の製造・販売拠点として子会社の住友化学インドを設立しており、エクセルクロップケア社の製品ポートフォリオや販売チャネルを活用して、農薬事業のグローバル展開を図る目的です。

その後、エクセルクロップケアの株式を公開買い付けによって追加取得した住友化学は、住友化学インドとエクセルクロップケアを2019(令和元)年8月31日に合併させ、存続会社の住友化学インドが同年9月1日より事業を継続しています。

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4. 化学製品卸のM&A・売却・事業承継の理由

化学製品卸のM&A・売却・事業承継の理由

化学製品卸会社におけるM&A・売却の実施が検討される理由は、どのようなものがあるのでしょうか。この項では、化学製品卸会社のM&A・売却が実施される主な理由を解説します。

【化学製品卸会社におけるM&A・売却の理由】

  1. 後継者問題の解決
  2. 業界全体の将来性不安
  3. 大手企業の傘下に入り経営を安定させる
  4. 倒産・廃業が回避できる
  5. 譲渡・売却益の獲得

①後継者問題の解決

化学製品卸会社がM&A・売却を検討する理由の1つ目は、後継者問題を解決するためです。

化学製品卸会社に限らず、日本国内における中小企業の多くは後継者問題に直面しており、高齢化などの理由で引退を検討していても適切な後継者がいないため、事業承継ができない企業も少なくありません。

こういったケースでは、M&Aによる第三者への事業承継が有効な手段です。身近に後継者となり得る人物がいなくても、M&Aによって第三者に会社売却や事業譲渡を行えば、事業を存続できます。

②業界全体の将来性不安

化学製品卸会社がM&A・売却を検討する理由の2つ目は、業界全体の将来性に不安があるためです。需要低下・海外企業の台頭・環境問題など、化学製品卸会社を含めた化学業界の将来性には不安なところがあり、市場の収益力が低下すれば中小企業は特に大きな打撃を受けます。

こういった背景から、将来への不安を解消するために、M&Aによって会社を売却して大手グループ会社の傘下に入ることを検討するのです。

③大手企業の傘下に入り経営を安定させる

収益力の低下が懸念される化学製品卸業界では、大手企業の傘下に入り経営を安定させることを目的にM&A・売却を実施することも多いです。

大手企業のグループ会社になれば、豊富な資金を使った研究や製品開発、ネットワーク活用による顧客の拡大などが期待できます。

④倒産・廃業が回避できる

収益力低下に伴う経営難や後継者不足による事業承継の遅延などが影響して、倒産・廃業を余儀なくされる企業もあります。会社を倒産・廃業させた場合は、従業員を解雇しなければなりません。

M&Aによる売却を実施すれば、倒産・廃業をせず事業の存続が可能になり、従業員の雇用も引き継いでもらえるでしょう。

⑤譲渡・売却益の獲得

化学製品卸のM&A・売却を行えば、経営者は譲渡・売却益を得られます。会社の規模によって受け取れる額は異なりますが、億単位の譲渡・売却益が獲得できるケースもあるでしょう。

獲得した譲渡・売却益は、引退後の生活や新規事業の資金に充てられるため、これを目的としてM&A・売却を行うことも少なくありません。

【関連】経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由15選!

5. 化学製品卸のM&A・売却・買収価格相場

化学製品卸のM&A・売却・買収価格相場

ここでは、化学製品卸会社のM&A・売却・買収を実施した際の相場価格を解説します。実のところ、M&A・売却・買収の相場価格を断言するのは、非常に難しいといわざるを得ません。

化学製品卸会社に限った話ではなく、M&Aによる売却・買収にかかる金額の参考となる企業評価価値は、M&Aにおける対象企業の規模や保有資産・負債、市場動向などによって大きく変わるでしょう。

企業評価価値の算定方法

M&A・売却・買収価格の参考となる企業評価価値は、主に以下の算出方法を用いて求めることが可能です。ここでは、各算出方法の特徴と計算方法の概要を述べます。

【企業評価価値の算出方法】

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

コストアプローチ

コストアプローチでは、企業の貸借対照表にある純資産価値をもとに、企業価値を計算します。純資産価値をベースとして算出するため、客観的に企業価値を評価できる点がメリットです。

コストアプローチの具体的な方法として主なものは、時価純資産価額法と修正簿価純資産法などがあります。

インカムアプローチ

インカムアプローチでは、企業が将来獲得すると予測される収益やキャッシュフローをベースに、企業評価価値を算出します。

企業の将来性や期待値を企業価値に反映できるため、最も合理的な算出法と考えられ、M&Aで使用される頻度の高い方法です。主なインカムアプローチの手法には、DCF(Discount Cash Flow)法や収益還元法などがあります。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、市場で成立している価格をもとに企業評価価値を決定する算出法です。ここでいう市場で成立している価格とは、主に株式市場の価格をさします。主なマーケットアプローチの手法は、類似業種比準方式や類似会社比準方式などです。

企業評価価値の算出は個人では難しい?

企業評価価値を算出する方法にはいくつかの種類がありますが、どの算出方法が自社に適しているのかを判断するためには、専門的な知識や見解が必要になります。

算出方法によっては複雑な計算を行わなければならないため、M&Aや会計に詳しくない場合は、個人で企業価値評価を求めるのは難しいです。

自社の企業評価価値を算出したい場合は、M&A仲介会社をはじめとしたM&A専門家に依頼しましょう。

M&A総合研究所では、M&Aに精通したM&Aアドバイザーが適正な企業評価価値を算出します。M&Aアドバイザーは、親身になって案件をフルサポートします。無料相談を行っていますので、化学製品卸会社のM&A・売却をご検討の際や企業評価価値を行いたい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. 化学製品卸のM&A・売却・買収を成功させるコツ

化学製品卸のM&A・売却・買収を成功させるコツ

化学製品卸会社のM&Aを成功させるためには、さまざまな点に注意を払って進めなければなりません。この項では、化学製品卸会社のM&Aを成功させるためのコツについて、売却側・買収側それぞれの立場から解説します。

売却側

化学製品卸会社の売却側がM&Aを成功させるためには、以下の5つを意識して行うことが大切です。

【化学製品卸会社のM&Aを成功させるコツ:売却側】

  • M&Aは計画的に準備を行う
  • M&A・売却を行う目的を明確にする
  • 自社の強み・製品を売却先に伝える
  • 売却先に譲れない条件を伝える
  • M&Aの専門家に相談する

M&Aは計画的に準備を行う

化学製品卸会社のM&A・売却を成功させるためには、まず、M&Aの準備を計画的に行うことが重要です。

M&Aによる会社・事業売却には、相手先との交渉など複雑な手続きを踏まなければなりません。クロージングを迎えるまで、短くても3カ月~半年程度、長い場合は1年以上かかることもあります。

しっかりと計画をたてて準備をしておかなければ、M&A・売却のタイミングを逃してしまったり、交渉がスムーズに進まなかったりするでしょう。

化学製品卸会社のM&A・売却を行う際は、適切なタイミングでよりよい交渉ができるよう、事前にしっかりと準備することが大切です。

M&A・売却を行う目的を明確にする

化学製品卸会社のM&Aを成功させるために、化学製品卸業を含めた化学メーカーを売却する目的を明確にしてください。

M&Aで化学製品卸会社を売却する目的は、後継者問題の解決や将来に対する不安の解消、売却益の獲得など企業ごとに異なります。

それぞれの目的ごとに採用すべきM&Aスキームが異なるため、事前に売却の目的を明確にしましょう。

自社の強み・製品を売却先に伝える

化学製品卸会社のM&Aを成功させるためには、自社の強み・製品を売却先にしっかり伝えることが大切です。

事前に、自社の強みを分析したり、製品に関するデータを収集したりして、書面にまとめるとよいでしょう。書面にまとめれば、より正確、かつ客観的に相手に伝えられ、スムーズなM&A手続きを進められます。

売却先に譲れない条件を伝える

化学製品卸会社のM&Aを成功させるためには、自社にとって譲れない条件を売却先に伝えることも大切です。どういった条件を優先するかは企業によって異なりますが、例えば自社従業員の雇用継続や最低希望売却価格など、譲れない条件をあらかじめ決めておきましょう

条件を相手先にしっかり伝えると、不利な条件で成約したり交渉が長引いたりする可能性が減り、手続きをスムーズに進められます。

M&Aの専門家に相談する

化学製品卸会社のM&Aを成功させるためには、M&A仲介会社など専門家のサポートが不可欠です。

M&Aを進めるためには、M&Aに関する知識はもとより、会計・税務・法務などの専門的知識も必要になるため、自社の経営陣だけで成功させるのは非常に困難といえるでしょう。

M&Aの専門家は、実績と知識から適切なサポートを行うため円滑にM&Aを進められ、万一トラブルが起きた場合も的確な判断をしてくれます。

M&A仲介会社などの専門家はそれぞれネットワークを持っているので、自社に合った相手先をスムーズに探すことも可能です。

買収側

化学製品卸会社を含めた化学メーカーの買収を成功させるコツとして、以下3つのポイントを解説します。

【化学製品卸会社のM&Aを成功させるコツ:買収側】

  • デューデリジェンスの実施
  • 買収先の従業員の離職防止
  • M&Aの専門家に相談する

デューデリジェンスの実施

化学製品卸の買収を成功させるためには、デューデリジェンスの実施を欠かせません。

デューデリジェンスとは、M&Aにおいて売却対象の企業を監査することです。デューデリジェンスは、売却側企業の経営実態を把握したり、化学製品卸事業の将来性を見極めたりするために行います。

デューデリジェンスによって、M&Aによるリスクを未然に防げ、買収側企業にとって有益な企業買収が実現する一助となります。

【関連】M&AにおけるビジネスDD(デューデリジェンス)とは?手法と目的を解説!

買収先の従業員の離職防止

売却側企業との交渉を終えクロージングを迎えたからといって、M&Aが成功したとは限りません。M&Aを実施した目的が達成できるように事業運営を進め、企業を成長させてこそ成功といえます。

企業の成長には従業員の力が不可欠ですが、M&A後は労働環境の変化などを理由に従業員の離職が増加する傾向があるのは否定できません。

そういった事態を避けるためには、従業員の待遇や労働環境を見直すなど、M&A実施後の従業員離職を防ぐ施策が必要です。

M&Aの専門家に相談する

売却側企業と同様、化学製品卸会社の買収側企業も、専門家に相談することで成功確率を高められます。

M&Aは自身で行うことも可能ですが、専門的な知識に乏しい場合は、M&A実施後に簿外リスクが見つかったり、クロージングまで長い期間を要したりする可能性もあり、結果として会社の経営全体に支障が及ぶかもしれません。

M&Aを成功させるためには、M&A仲介会社などの専門家に相談をして、デューデリジェンスの実施や、交渉、手続きのサポートなどを受ければ、化学製品卸会社のM&Aをスムーズに進められ、成功する確率も高くなります

7. 化学製品卸のM&A・売却・買収時におすすめの相談先

化学製品卸のM&A・売却・買収時におすすめの相談先

化学製品卸会社のM&A・売却・買収をご検討の際は、中小企業のM&Aを多数手掛けるM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、豊富な知識と経験を持つM&Aアドバイザーが化学製品卸会社の案件をクロージングまでフルサポートします。

通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月で成約した実績を有する機動力もM&A総合研究所の強みです。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

無料相談を受け付けていますので、化学製品卸会社のM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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8. 化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

化学製品卸のM&A・売却・買収・事業承継まとめ

化学製品卸会社のM&A・事業承継を成功させるためには、化学製品卸会社を含めた化学業界のM&A動向を見極め、戦略を立てて計画的に進めることが大切です。

化学製品卸のM&A・事業承継を進める際は、業界に関する知識のみならずM&Aに関する知識や見解も必要となるため、M&A仲介会社など専門家にサポートを依頼するとよいでしょう。

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