2024年12月22日更新
北海道・札幌市のM&A・事業承継案件一覧!動向や仲介会社の選び方も解説
北海道・札幌でM&A・会社売却・事業承継を成功させるには、M&A仲介会社の選び方が重要です。今回は。北海道・札幌におけるM&A・会社売却・事業承継の動向やM&Aの案件一覧、仲介会社を選ぶポイントを解説します。
目次
1. 北海道・札幌市の経済情勢
北海道は、農林水産資源を生かした通年・滞在型の観光の推進が求められています。北海道における令和4年の農業産出額は1兆2,919億円で(対前年比1.4%減少)、全国の約14%を占めているのが特徴です。その他にも食料品、木材・木製品、パルプ・紙・紙加工品、石油・石炭製品などの産業も強いです。
リクルートワークス研究所「WorkReport2023」の未来予測20240レポートによると、国内の労働人口は全国的にますます減少していき、北海道は2030年に約18万人、2040年に約89万人の労働人口が減少するとしています。これは、札幌市の人口約196万人(令和6年12月時点)の約半数に近い労働人口が北海道全体から失われるという予測です。
特に不足する3業種は、輸送・機械運転・運搬職種で99.8万人(不足率24.2%)、建設職種で65.7万人(不足率22.0%)、介護職種で58.0万人(不足率25.3%)とされています。
参考:農林水産省「令和4年 農業産出額及び生産農業所得(都道府県別)」
2. 北海道・札幌市のM&A・会社売却・事業承継の動向
2023年に北海道内で行われた調査によると、全業種約1万800社のうち、後継者が「いない」または「未定」と回答した企業は約7200社にのぼりました。この結果、北海道内の後継者不在率は66.5%であると報告されています。
北海道地区では、取引先や従業員に影響がおよぶことを懸念し、後継者不在を訴えかける経営者が少ないと北海道事業承継・引継ぎ支援センターでは問題視しています。
こうした状態から抜け出すために、北海道では行政や地元金融機関が主体になり事業承継などのM&Aを積極的に推進しています。
また、経済産業省では、事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎ、廃業・再チャレンジを行おうとする中小企業者等を後押しするための事業承継・引継ぎ補助金の公募を実施しています(2024年8月現在、公募申請期間外)。
こうした働きかけにより、近年では北海道でもM&A・会社売却・事業承継を行う企業が増えている状況です。
北海道建設新聞のインタビュー記事で、北海道事業引継ぎ支援センター(現:北海道事業承継・引継ぎ支援センター)の新宮隆太氏は、北海道では60歳以上の経営者割合が全国で4番目に高く、全国を9ブロックに分けた場合の後継者不在率は全国ワーストと述べました。
ここからも、北海道地区では、後継者不在が大きな要因となり事業承継が円滑に進んでいないことがわかります。
参考:帝国データバンク「特別企画:北海道「後継者不在率」動向調査(2023 年)」
北海道経済産業局「事業承継・引継ぎ補助金の公募を開始しました」
北海道建設新聞
3. 北海道・札幌市近郊のM&A案件一覧
ここでは、弊社M&A総合研究所が取り扱っている北海道・札幌市を中心としたM&Aの案件を紹介します。
【北海道/シンボリックな施設・建物の施工実績多数】看板・サイン設計施工業者
建築物の看板・サイン設置工事に関する企画・設計・施工を行っている看板・サイン設計施工業者です。社内にデザイナーが在籍しており、建物看板やサインの企画デザイン、設計、製造、施工まで一気通貫で対応可能です。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 5,000万円〜1億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継) |
【不動産M&A】飲用可能な北海道の水源(日量4万トン)
北海道で日量4万トンと潤沢な水が湧く水源です。水利権がいらないため、すぐに活用することが可能で、飲用可能です。
エリア | 北海道 |
売上高 | 〜1,000万円 |
譲渡希望額 | 9億円(応相談) |
譲渡理由 | 水源を有効活用してほしい為譲渡を検討 |
【医療法人・NetCash5000万円】北海道の総合クリニック
近隣に競合他社がほぼおらず、小規模ながら幅広い診療科を備える地域総合クリニックです。無借金で財務良好、行政からの手厚い支援により高収益モデルを実現しています。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 2.5億円〜5億円 |
譲渡理由 | 他事業への集中 |
【北海道×製麺・中華惣菜製造業】自社オリジナル商品多数
北海道エリアにて、製麺・中華惣菜製造業を営む企業です。自社に蓄積されたノウハウやレシピから、多数のオリジナル商品の開発実績があり、取引先からの信頼が高いです。
エリア | 北海道 |
売上高 | 1億円〜2.5億円 |
譲渡希望額 | 1,000万円〜5,000万円 |
譲渡理由 | 事業成長のため、主に営業力の強化目的 |
【知名度あり/財務良好】水産加工業者
全国の販売ルート保有しているほか、優良な取引先を数多く保有しているのも強みです。
エリア | 北海道 |
売上高 | 25億円〜50億円 |
譲渡希望額 | 7.5億円〜10億円 |
譲渡理由 | 後継者不在(事業承継)、戦略の見直し |
4. 北海道・札幌市のM&A・事業承継・会社売却事例
北海道・札幌市のM&A・事業承継・会社売却事例を紹介します。
北海道ロジサービスによる物流会社4社と青果卸1社のM&A
2024年5月、コープさっぽろグループの北海道ロジサービスは、物流会社4社と青果卸1社の全ての株式を取得するなどでM&Aを行いました。
北海道ロジサービスは、自動車運送事業・物流センターの管理運営を展開しています。対象会社となったのは物流会社アイアイ・テーをはじめとしたグループ会社のウィルキャリー、ロジエンス北海道の物流会社、デリバリー、オリエンタルフーズの青果卸会社です。
今回のM&Aにより、物流を支える基幹物流、調達機能の強化を図ります。
イオン北海道による西友の北海道9店舗のM&A
2024年4月、イオン北海道は、西友の北海道9店舗のM&Aを実施しました、
イオン北海道は、総合小売業として、大型ショッピングセンターを主として、多様な店舗網と、魅力的な商品や様々なサービスを展開するマルチフォーマットを持つ企業です。
西友は、食料品、衣料品などの小売チェーンの運営を行っています。
今回のM&Aにより、北海道のそれぞれの地域・店舗・規模に合わせた商品と売場構成で、顧客の買物ニーズに応えられるよう多様な業態と店舗網を構築する予定です。そして、さらなる企業価値向上を目指します。
5. 北海道・札幌市のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
M&A・会社売却・事業承継の案件一覧を探す方法として、以下3つの手段を紹介します。
- 公的機関・地元の金融機関などに相談する
- M&Aマッチングサイトなどを活用する
- M&A仲介会社・専門家に相談する
①公的機関・地元の金融機関などに相談する
北海道・札幌の公的機関や地元の金融機関などでも、M&A・会社売却・事業承継の案件を探せます。
公的機関は、公的な立場であり利用料がかからないなどのメリットはありますが、一方で大規模案件や複雑なスキームのM&Aには対応できないなどのデメリットがあります。公的機関であれば、公的支援制度の情報を多くあり、利用料がかからないため、気軽に相談した場合に活用すると良いでしょう。
地元の金融機関は、主要な金融機関であれば広範囲のネットワークを保有するなどのメリットがありますが、一方で基本的に中小企業のM&AやスモールM&Aなどの相談に対応していないケースも考えられます。そのため、普段から取引している銀行などの金融機関にまずは相談してみる選択肢も有効です。
北海道事業承継・引継ぎ支援センター
北海道事業承継・引継ぎ支援センターは、経済産業省北海道経済産業局から委託を受けています。
公的機関である北海道事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継・引継ぎをサポートし、経済産業省の認定を受けた機関であるメリットを活用して行政機関や金融機関との連携も強め、事業承継に関するさまざまなサポートを実施している状況です。
北海道中小企業総合支援センター
公的機関である北海道中小企業総合支援センターは、経営相談や研究開発などの助成、取引あっせんや設備貸与などを行っています。
相談フォームもホームページ内に設置されているため、気軽に案件探し・マッチング相談を行うことが可能です。
北海道よろず支援拠点
北海道よろず支援拠点は、国が設置している無料経営相談所です。
中小企業や小規模事業者向けに27名のスタッフが経営の相談をしています。札幌市に本部がありますが、各地で地域拠点もありますので最寄りの相談窓口に行ってみましょう。
北海道商工会議所連合会
北海道商工会議所連合会は、北海道に42カ所ある事業経営者向けに運営されている地域総合経済団体です。
中小企業者・商工業者が在籍しており、経営に関する相談やサポートを相互に行っています。M&Aに関する情報交換も北海道商工会議所連合会で可能です。
北海道信用保証協会
北海道信用保証協会は、中小企業が金融機関からスムーズに借り入れができるように保証人となってくれる公的機関です。
各都道府県に設置されており、金融面の相談や診断ができます。北海道でM&Aを行う際の資金調達として北海道信用保証協会が活用できるかもしれません。
②M&Aマッチングサイトなどを活用する
最近は、M&Aマッチングサイトも増え、手軽に案件探しを行えます。マッチングサイトは、選択肢が豊富で、候補先企業を探す労力やコストを削減できるなどのメリットがあります。一方で、サポート内容にばらつきがあるがあり、自社のM&Aに関する情報が拡散する可能性があるなどのデメリットがあります。
M&Aマッチングサイトを活用するケースとしては、無料で利用できるマッチングサイトも多いので、検討段階で利用してみるのもよいでしょう。
M&A総合研究所
M&A総合研究所が運営するM&Aマッチングプラットフォームは、AIを活用しており、高精度のマッチングが可能です。
仲介が必要な場合は、M&A専門のM&Aアドバイザーによる専任サポートをご依頼いただくことも可能です。
札幌市事業承継マッチングポータルサイト
札幌市では、後継者がいないために事業承継に課題を抱えている中小企業を対象に、ポータルサイトを活用して事業を引き継ぎたい人と譲渡を希望する企業をつなぐマッチング支援を行い、円滑な事業承継をサポートしています。
また、マッチングの進行に際しては、税理士などの専門家の支援が必要となる場合があるため、北海道事業承継・引継ぎ支援センター(札幌商工会議所が北海道経済産業局から受託)や公益財団法人北海道中小企業総合支援センター(北海道から事業再生・承継支援対策事業を受託)などの公的支援機関と連携し、包括的な支援を提供しています。
参考:札幌市事業承継ポータル
Batonz(バトンズ)
Batonz(バトンズ)は、日本最大級のM&A仲介会社である日本M&Aセンターが運営するマッチングサイトです。案件数が豊富なため、自社が希望する相手を見つけやすいです。
Tranbi(トランビ)
Tranbi(トランビ)は、全国の金融機関と多数提携している国内最大級のマッチングプラットフォームです。案件数も非常に多いため、自社に合う案件を見つけやすい点がメリットです。
スピードM&A
マッチングプラットフォームであるスピードM&Aでは、さまざまな売却価格の案件に対応し、素早く簡単にマッチングできる点がメリットです。
VANDDD(M&Aサーチ)
VANDDD(M&Aサーチ)は、廃業に悩む中小企業に対し、多くの実績があるM&Aアドバイザーが相談に対応し、事業承継を成功へとつなげてくれます。
M&A事例検索サービス(公開案件一括検索)を活用して、日本中の案件を探すことが可能です。
③M&A仲介会社・専門家に相談する
M&A仲介会社や専門家はM&Aの案件を幅広く取り扱うため、自社の希望に合った案件をスムーズに見つけられます。また、専門的なアドバイスやサポートがしっかりと受けられるがメリットです。
一方、仲介会社によっては相談料や着手金が必要なケースがあります。また、仲介会社によっては成約を急かされる可能性があるでしょう。
M&A仲介会社・専門家に相談するケースとしては、業界ごとの最新動向やM&Aで発生する費用の相場なども理解しているため、M&Aを相談から成約まで一貫したサポートをしてくれるため、M&Aの相談相手として最適な機関です。
6. 北海道・札幌市でM&Aをする際に仲介会社を選ぶ5つのポイント
北海道・札幌でM&A仲介会社を選ぶときに注意したいポイントは、主に以下5つです。
- 該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
- 案件規模・地元M&A実績などがある
- M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
- 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
- 担当スタッフの対応・相性が良い
①該当する分野の専門的知識・M&A実績を持っている
仲介会社によって、得意とするM&A分野は異なります。M&Aの仲介で、該当する分野や企業に合わせた的確なサポートが必要とされるため、該当する分野の専門的知識・M&A実績は不可欠です。
自社が行うM&Aと同じ分野の専門的知識・M&A実績を持つ仲介会社であれば、的確なサポートが受けられるためM&Aが成功する確率も上がります。M&A仲介会社を決めるときは、該当する専門的知識・M&A実績を持つかどうかを事前に確認することが大切です。
②案件規模・地元M&A実績などがある
M&A仲介会社によって取り扱う案件規模は異なるため、自社の案件規模とかけ離れた案件規模を扱う仲介会社に依頼すると、スムーズに相手先が見つけられない可能性があります。
M&A仲介では案件規模だけでなく地域性も考慮したサポートが求められるため、自社と同程度の案件規模・地元M&A実績などがある仲介会社であればM&Aの成功率が高くなりやすいです。
③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
M&A・会社売却・事業承継を成功させるためには、対象企業・分野に合わせたM&A仲介会社のサポートが必要です。
M&A・会社売却・事業承継を進めるうえで、予期せぬトラブルが起こることも考えられます。的確なサポート・トラブルに対して柔軟な対応をするには、M&Aに関する幅広い知識・経験が必要不可欠です。
M&A仲介会社を選ぶときは、M&Aに関する幅広い知識・経験を持つかどうかを事前に確認しましょう。
④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
M&Aの実施をためらう経営者の中には、仲介会社へ支払う料金に不安を抱えている人も少なくありません。最近は完全成功報酬型の料金体系を採用する仲介会社が増えているため、そのような会社を選べばコストを抑えながらM&Aを行えます。
手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい仲介会社を選べば、予想外の出費がかさまないので、安心して依頼できます。
⑤担当スタッフの対応・相性が良い
M&Aを行う際、経営者は多くの悩みや問題を抱えています。問題や疑問を解決するためには悩みや問題を打ち明けることも必要ですが、対応スタッフの対応・相性がよくなければ難しいです。
担当スタッフの対応がよく信頼関係を築ければ、問題点を共有しやすくなり結果的にM&A・会社売却・事業承継を円滑に進められます。
担当スタッフの対応や相性もM&Aを進めるうえで重要なので、仲介会社を選ぶときの判断材料にしましょう。
7. 北海道・札幌市のM&A・会社売却・事業承継のまとめ
本記事では、北海道・札幌のM&A・会社売却・事業承継における案件一覧などを紹介しました。北海道・札幌市でのM&A・会社売却・事業承継を成功させるには、信頼できる仲介会社のサポートを受けながら進めましょう。
8. 北海道の成約事例一覧
9. 北海道のM&A案件一覧
【北海道札幌市】実質無借金経営の空調設備工事業
その他の製造業/建築・内装リフォーム/北海道案件ID:2519公開日:2024年12月25日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
1000万円〜5000万円
譲渡希望価格
5,000万円 (応相談)+不動産3,500万円
北海道札幌市にて空調設備工事業を行っている会社
【北海道×製麺・中華惣菜製造業】自社オリジナル商品多数
食品製造/北海道案件ID:2127公開日:2024年08月07日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
北海道エリアにて、製麺・中華惣菜製造業を営む企業 自社に蓄積されたノウハウやレシピから、多数のオリジナル商品の開発実績があり、取引先からの信頼が高い
【北海道/道東エリア】タコの老舗水産加工業
食品製造/食品卸・小売/北海道案件ID:1887公開日:2024年05月23日売上高
1億円〜2.5億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1000万円〜5000万円
・タコの加工 ・タコ商品の製造販売
【北海道】新規開設予定の管理型最終処分場
リサイクル・環境/北海道案件ID:1667公開日:2024年03月08日売上高
5000万円〜1億円
営業利益
〜1000万円
譲渡希望価格
1億円〜2.5億円
・最終処分場の運営 ・解体工事業
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