長崎県のM&A・会社売却・事業承継の動向は?案件一覧や事例も紹介!

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

この記事では、長崎県におけるM&A・会社売却・事業承継の動向から案件一覧などを紹介します。長崎県におけるM&A仲介会社を選ぶ際のポイントなどに関してもまとめました。M&Aを検討中の方は必見です。

目次

  1. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継動向
  2. 長崎県の産業の特徴
  3. 長崎県近郊のM&A案件一覧
  4. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段
  5. 長崎県内のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的支援
  6. M&A仲介会社選びの5つのポイント
  7. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継の案件まとめ
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1. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継動向

帝国データバンクが発表した資料によると、2023年における九州企業の「後継者不在」は55.1%であることがわかりました。

長崎県の「後継者不在」は59.6%と九州全体の平均よりやや高い結果となりました。そして、60歳以上の経営者のうち5割超が将来的な廃業を予定していると回答しており、このうち「後継者難」を理由とする廃業が全体の約3割にのぼります。

また、帝国データバンクの『M&Aに対する九州企業の意識調査』によると、近い将来(5年以内)にM&Aにかかわる可能性があると回答した長崎県内企業の内訳で、26.7%の企業が買い手になる可能性があると回答しています。

売り手となる可能性があると回答した企業は5.3%、売り手と買い手の両方となる可能性があると回答したのは4.0%と比較的少ないです。

以上のデータを踏まえると、長崎県における今後のM&A・会社売却・事業承継の動向は、売り手よりも買い手となる企業数が増えると推測されます。売り手市場に移行すると、自社・事業の譲渡にふさわしい相手を見つけられる可能性が高まり、高値での売却も望めるといえます。

参考:帝国データバンク「九州企業の「後継者不在率」動向調査(2023 年)」
  :M&Aに対する九州企業の意識調査

長崎県のM&A件数の推移

レコフにおける「長崎県のM&A」によると、2018年のM&A件数は5件強、2020年における長崎県のM&A件数は9件でした。そして2022年の長崎県のM&A件数は9件です。

長崎県内の買収側と売却側であるM&Aの数は0件でした。買収側が長崎県内で売却側が長崎県外の件数は3件となっています。買収側が長崎県外で売却側が長崎県内であるM&Aの数は6件です。

【関連】大分県のM&A・事業承継・会社売却の動向は?案件一覧も紹介

2. 長崎県の産業の特徴

M&A・事業承継を検討する場合は、地域特有の事情や産業構造、経済情勢についても把握しておくと成功につながりやすくなります。

ここでは長崎県の産業の特徴について簡単に紹介します。

長崎県は日本の造船業の中心地の一つとなっています。19世紀後半に設立された長崎造船所は、日本の近代造船業の発展に大きく貢献し、最新の技術や設備を駆使して高品質の商船、タンカー、客船が製造されています。

造船業に関連して船のエンジンや機械部品の製造などの重工業も発展しており、造船業とともに長崎県の産業を支える柱となっています。

また、長崎県は観光業も盛んであり、出島や原爆資料館などの歴史的な観光地や、五島列島や壱岐、対馬などの島々の美しい自然景観は多くの観光客を引き寄せています。ヨーロッパの街並みを再現しているハウステンボスや、中国の旧正月を祝うランタンフェスティバルも魅力的な観光資源となっています。

3. 長崎県近郊のM&A案件一覧

本章では、長崎県近郊のM&A・売却希望案件を紹介します。

【九州地方/家具製造業】無借金経営・オリジナルブランド保有

オリジナルブランドを有し、自社内にて図面作成から仕上げまでを行っています。純資産が積みあがっており、無借金経営で財務状態が健全です。
 

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 2.5億円〜5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【九州地方/家具製造業】無借金経営・オリジナルブランド保有

【九州地方】業歴数十年の補償コンサルティング事業

幹部層が育っており、譲渡後も継続した事業運営が可能です。中途採用で外部から優秀な人材を採用しており、現場・経営とも能力値の高い人材が在籍しています。
 

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 1億3,000万円(応相談)
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【九州地方】業歴数十年の補償コンサルティング事業(その他サービス等) | M&A総合研究所

【九州 / HACCP認証あり】NB/PB商品製造の水産食品加工業

大手スーパーのNB/PB商品、九州の学校給食及び生協商品の製造を手掛けています。
 

エリア 九州・沖縄
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【九州 / HACCP認証あり】NB/PB商品製造の水産食品加工業(ものづくり・メーカー) | M&A総合研究所

熊本県のM&Aについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】熊本県のM&Aについて徹底解説!会社売却・事業承継の動向・事例までご紹介

4. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す3つの手段

ここでは、長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す主な方法を3つ紹介します。いずれの方法も自社のみで探す場合よりも、効率的に希望条件に合った相手先を探すことが可能です。

  1. M&A仲介会社・専門家に相談する
  2. 地元の金融機関などに相談する
  3. M&Aマッチングサイトなどを活用する

それぞれの方法を順番に見ていきましょう。

①M&A仲介会社・専門家に相談する

長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件を探す手段として、まずはM&A仲介会社や専門家に相談する方法があります。
仲介会社は、豊富なネットワークを持ち、全国規模で案件を紹介することが可能です。

さらに、案件の評価、交渉、契約手続きまで一貫してサポートを受けられるため、手続きがスムーズに進みます。
また、仲介会社には豊富な経験と専門知識があるため、売却先や承継先が見つかりにくい場合でも、最適な提案を受けることができます

他の手段に比べ、仲介会社に依頼することで効率的に信頼性の高い相手を見つけることができる点が、最大のメリットです。

②地元の金融機関などに相談する

長崎県にある金融機関でも、M&A・会社売却・事業承継を相談することが可能です。
地元の金融機関は、長崎県内の多くの中小企業と長年にわたり取引を行っているため、地域の事情に精通しています。
このため、地域特有の事情や企業文化に配慮したマッチングが期待できます

また、金融機関はM&Aに関連する融資や資金調達のアドバイスも提供できるため、資金面でのサポートが必要な場合にも適しています。
地元企業との強固なネットワークを活かし、地域密着型のサポートを受けられる点も大きなメリットです。

③M&Aマッチングサイトなどを活用する

長崎県のM&A・会社売却・事業承継案件は、M&Aマッチングサイトなどを活用しても探せます。M&Aマッチングサイトでは、サイト上で売り手・買い手が互いの情報を閲覧でき、直接交渉を進めることが可能です。

空いた時間に相手先を探したり交渉を進めたりと自身のペースで利用しやすい点や、仲介会社に依頼するよりも費用が安く済む点などがメリットといえます。

近年はマッチングサイトの数も増えていますが、特におすすめのサイトは以下の3つです。

  • M&A総合研究所
  • バトンズ(Batonz)
  • トランビ(TRANBI)

それぞれのサイトを順番に見ていきましょう。

M&A総合研究所

M&Aプラットフォームは、M&A総合研究所が運営するM&A仲介プラットフォームです。サイト上で売り手・買い手をお探しいただけるほか、直接交渉を進めていただくことも可能です。

利用料金は、売り手は無料となっております。交渉などでサポートが必要になった場合は、別途仲介サポートをご依頼いただけます。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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バトンズ(Batonz)

2つ目に挙げるM&Aマッチングサイトは、バトンズ(Batonz)です。登録した売り手・買い手がサイト上で交渉を進められるマッチングシステムを提供しているほか、交渉を支援するアドバイザーも紹介しています。

トランビ(TRANBI)

3つ目に挙げるM&Aマッチングサイトは、トランビ(TRANBI)です。売り手と買い手の交渉の場を、M&Aプラットフォームで提供しています。利用料金は売り手が無料です。M&Aの専門家による交渉の代行支援も行っています。

5. 長崎県内のM&A・会社売却・事業承継に役立つ公的支援

長崎県内では、公的機関による事業の引継ぎ支援も行われています。主な機関・支援は、長崎県事業承継・引継ぎ支援センターおよび、創業者と後継者不足の事業者を結びつける後継者人材バンクなどです。

長崎県事業承継・引継ぎ支援センター

長崎県事業承継・引継ぎ支援センターとは、ワンストップで事業承継全般の課題を解決するための公的な相談窓口です。後継者不足に悩む小規模事業者と中小企業に対して、事業承継のアドバイス・関連情報の提供・仲介会社への橋渡しなどの支援を行っています。

事業承継・引継ぎ支援センターの活用を政府も後押し

高齢化を原因とした廃業が増えると、働く場が失われるだけでなく経済の低下も進みます。政府はこうした現状を食い止めるために、事業承継・引継ぎ支援センターの利用を促している状況です。

後継者不足に悩む小規模事業者・中小企業に事業承継・引継ぎ支援センターを活用してもらうことで、廃業する企業を減らし経済の安定を図る狙いがあります。

事業承継・引継ぎ支援センターでは、相談対応から専門家の派遣までを無料で行っているため、相談者は気軽に利用できる点がメリットです。

事業承継・引継ぎ支援センターを活用すると、企業価値の向上はもちろん、価値ある地域特有の事業を次の世代へと承継できるため、まずは相談してみると良いでしょう。

日本政策金融公庫による資料

事業承継・引継ぎ支援センターの概要は、日本政策金融公庫による資料でも確認可能です。インターネット上でも閲覧できるため、支援の流れ・具体的な相談や成功事例を確認したい場合は、目をとおすと良いでしょう。

事業承継ネットワーク事業について

事業承継ネットワーク事業とは、全国各地の事業承継を強化するために開始された事業です。

各都道府県に事業承継ネットワークの拠点を置いて、地方自治体・商工会議所・事業承継・引継ぎ支援センター・金融機関などとのネットワークを形成しながら事業承継の支援を行っています。

後継者人材バンクとは

長崎県事業承継・引継ぎ支援センターでは、後継者人材バンク事業も行っています。後継者人材バンクとは、起業を考える方に向けた支援事業のことです。

具体的には、後継者のいない企業・事業者を紹介して、創業・事業の引継ぎを支援しています。利用者は創業にかかるコストを削減できるうえ、既存事業が保有するノウハウ・店舗・取引契約などをそのまま引き継ぐことが可能です。

後継者人材バンクを活用すれば商号の引継ぎも可能であるため、既存事業が築いたネームバリューも得られます。

後継者人材バンクについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】後継者人材バンクとは?使い方・手順やメリット・課題を詳しく解説

6. M&A仲介会社選びの5つのポイント

ここでは、長崎県でM&A・会社売却・事業承継を行う場合の仲介会社を選ぶポイントを5つ紹介します。

①同業種の専門的知識・M&A実績がある

1つ目に挙げるM&A仲介会社選びのポイントは、同業種に関する専門知識と実績の有無です。仲介会社には、それぞれ得意とする業種・分野があります。

M&A・会社売却・事業承継を依頼する場合は、譲渡・承継を行う事業に関する知識・経験がある会社を選ぶことが大切です。

過去に仲介を行っている会社であれば、該当する分野の知識を持っており的確なサポートに期待できるため、安心して譲渡・承継を任せられます。

②同程度の規模・地元のM&A実績がある

2つ目に挙げるM&A仲介会社選びのポイントは、同程度の規模の案件や地元でのM&A実績の有無です。

仲介会社は業種・分野に加えて得意とする事業規模も異なるため、譲渡・承継する会社の事業規模を確認し、仲介会社が同じ規模の案件を取り扱っているか確認する必要があります。

仲介会社は対象エリアにも違いが見られることから、長崎県の案件を取り扱っていて過去にM&A仲介を行っているか確かめましょう。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

3つ目に挙げるM&A仲介会社選びのポイントは、M&Aに関する専門知識と経験の有無です。

M&A・会社売却・事業承継では税務・会計・法務などの知識が必要となるため、各部門の専門家による協力が不可欠であり、仲介の経験もM&Aの成約率を左右します。

経験が乏しいと、自社に見合った交渉先が紹介されなかったり、ふさわしいスキーム・取引価格が提示されなかったりと、希望する条件での成約から遠ざかってしまうおそれがあるでしょう。

M&Aの仲介会社を選ぶ際は、M&Aに関する幅広い専門知識と経験を備えた会社を選んでください。

④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

4つ目に挙げるM&A仲介会社選びのポイントは、わかりやすい手数料・相談料・報酬体系です。仲介会社ごとに、定める手数料・相談料・報酬体系は異なります。

支払う手数料・相談料・報酬体系がホームページに掲載されていないケースもあるため、仲介会社を選ぶ際は、ホームページに明確な手数料・相談料・報酬体系を載せている会社を選びましょう。

⑤担当スタッフの対応・相性が良い

5つ目に挙げるM&A仲介会社選びのポイントは、担当スタッフの対応・相性です。

担当するスタッフによっては、質問に対する回答が遅かったり、希望する条件を候補選びに反映させてくれなかったりと、思うようにM&Aが進まない事態が考えられます。

仲介会社を選ぶ際は、担当するスタッフの対応・相性の見極めも重要です。自社の仲介にそぐわないと判断したら、担当スタッフを替えてもらう・他の仲介会社に相談するといった対応も検討しましょう。

7. 長崎県のM&A・会社売却・事業承継の案件まとめ

今回は、長崎県のM&A・会社売却・事業承継に関して、県内における譲渡・承継の動向、事業承継・引継ぎ支援センターおよび後継者人材バンクなどを中心に紹介しました。

長崎県のM&Aは売り手市場への移行が予想されているため、近い将来の譲渡ではふさわしい買い手を見つけやすいでしょう。

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