ビルメンテナンス業界のM&A動向!売却・買収事例14選とメリット・デメリットを解説!【2023年最新】

提携本部 ⾦融提携部 部⻑
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

ビルメンテナンス会社のM&A・売却・買収が活発化しています。ビルメンテナンス会社の売却・買収には、どういった特徴があるのでしょうか。本記事では、ビルメンテナンス業界に触れながら、ビルメンテナンス会社のM&A動向や相場、成功事例などを解説します。

目次

  1. ビルメンテナンス業界の定義と市場動向
  2. ビルメンテナンス会社のM&A動向
  3. ビルメンテナンス会社のM&Aのメリットデメリット
  4. ビルメンテナンス会社のM&A成功事例14選
  5. ビルメンテナンス会社のM&Aを行う流れ
  6. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント
  7. ビルメンテナンス会社のM&A動向まとめ
  8. ビルメンテナンス業界のM&A案件一覧
  • ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継

1. ビルメンテナンス業界の定義と市場動向

ビルメンテナンス会社では、M&Aによる事業集約の流れが見られます。ビルメンテナンス会社が置かれている業界動向などが大きく影響しているからです。まずは、ビルメンテナンス会社の業界動向を詳しく確認しましょう。

ビルメンテナンス業界の定義

ビルメンテナンス会社とは、ビルなどの建物における保守・清掃・警備・機器管理などの維持管理サービスを総合的に行う会社です。以下の事業を展開しています。

  • 清掃、廃棄物処理などの環境衛生管理業務
  • 電気・通信・空調設備、エレベーターなどの設備管理業務
  • 警備、防火・防災などの保安警備業務
  • 建物の維持管理を行う建物設備保全業務

大手のビルメンテナンス会社であれば、上で挙げた全ての業務を提供しているケースもあります。中小企業は、いずれかに特化して地域密着型の事業を展開しているケースが多いです。

ビルメンテナンス会社の顧客

ビルメンテナンス会社の顧客は、主にビルのオーナーなどです。ビルを管理している管理会社などから清掃などの業務委託などを請け負っています。ビルのオーナー、ビル管理会社、マンション経営者などが顧客の主軸となるでしょう。

ビルメンテナンス業界に見られる特徴

ビルメンテナンス業は「労働集約型産業」であり、以前より機械化が進んではいるものの、人の労働力に対する依存度が高い業務です。しかし、業界では慢性的な人材不足状態であり、人材確保が大きな課題となっています。

人手不足解消の手段として、外国人労働者の積極的な採用や清掃ロボットの活用などがあり、取り入れている企業も増えてきていますが全体的にみると割合は高くありません。

また、ビルメンテナンス業はサービス面での差別化が図りにくいため、価格面での競争が激しくなりやすい傾向にあります。景気が悪くなるとその動向がより大きくなり、収益性が景気に左右されやすいのもビルメンテナンス業界の特徴です。

従業員の募集環境は以前に比べると改善の兆しがみられますが、人材不足の根本的な解決に至っていないのが現状であり、いかに多くの優秀な人材を確保するかが安定した事業運営のカギともなっています。

ビルメンテナンス業界の市場規模

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「 ビルメンテナンス情報年間2023」より

出典:https://www.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2023/03/2023_bmiy53_report.pdf

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が発表した「 ビルメンテナンス情報年間2023」によれば、第53回実態調査の結果、2021年度の市場規模は約4.57 兆円となりました。

コロナ禍の影響が最も大きかった2020年度が約4.5兆円だったことをみると、微増傾向で推移していると考えられます。ビルメンテナンス業界は新型コロナの影響から復調兆しが見えてはいるものの、復調傾向にあるのは大規模事業者が中心であり、まだまだ厳しい状況に置かれている中小規模の事業者も多いです。

ビルメンテナンス業界の課題と展望

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「 ビルメンテナンス情報年間2023」より

出典:https://www.j-bma.or.jp/wp-content/uploads/2023/03/2023_bmiy53_report.pdf

ビルメンテナンス業界の売り上げは堅調に推移しているものの、中小のビルメンテナンス会社は経営がひっ迫しており、他の業界と同様に人手不足が深刻な状況です。

東京オリンピック後の需要にも大きな課題がみられ、価格競争が激化するなか生き残りをかけて各種サービスに力を入れている企業が多くなっています。

コロナ禍により、ビルメンテナンス業界の企業では業務減少や消失など大きな影響を受けたところも多いです。その一方で、コロナ禍をきっかけに消毒・防疫業務を開始するなど、顧客や社会需要の変化に柔軟に対応し事業化に成功した企業は売上を伸ばしています。

ビルメンテナンス業界の今後における課題としては、消費者の細かい要望に対して柔軟に対応できるレジリエンスが必要といえるでしょう。

2. ビルメンテナンス会社のM&A動向

ビルメンテナンス会社は集約傾向にある業界ですが、M&Aによる事業売買や事業譲渡はどういった動向が見られるのでしょうか。

昨今のビルメンテナンス業界における、M&Aによる会社売買や事業譲渡の動向は、国内における大手企業の集約をはじめ、海外への事業展開、清掃や保守などにおける総合サービスの提供、そして選択と集中といった特徴があります。

ビルメンテナンス会社のM&Aが注目される背景

近年、ビルメンテナンス業界のM&Aが注目されているのは、深刻な人手不足の影響を受けているためです。増大するサービスに対する消費者からの需要に対して、企業側のサービスが追いついていません。

ビルメンテナンス業界は、人的資本に依存した労働集約型の産業であるため、人手不足はビジネスに大きな影響を与える要素です。企業ごとのサービス内容では差別化が図りにくいので、価格競争が始まれば収益の低下につながり、安定的な業績を見込むのは難しくなります。

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3. ビルメンテナンス会社のM&Aのメリットデメリット

ビルメンテナンス会社がM&Aを行うメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、売却・譲渡側と買収・譲受側側、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
 

  売却・譲渡側 買収・譲受側
メリット
  • 大手資本で経営の安定化
  • 従業員の雇用を確保
  • 後継者問題の解決
  • 創業者利益の獲得
  • 人材不足の解消
  • 新しい技術やノウハウの獲得
  • 既存事業の拡大
  • 低コストで新規事業・周辺事業へ参入
デメリット 競業避止義務がある 想定したシナジー効果が得られないことがある

売却・譲渡側のメリット

売却・譲渡側のメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

大手資本で経営の安定化

大手企業に売却・譲渡した場合、相手企業の資本力による経営の安定化が見込めます。資金だけでなく、リソースを共有できるようになるため、自社のさらなる発展にも期待できるでしょう。

従業員の雇用を確保

もし廃業という選択をすれば自社の従業員は解雇しなければなりません。しかし、M&Aで売却・譲渡すれば従業員の雇用先を確保できるのが大きなメリットです。

株式譲渡を用いて自社を売却する場合は、従業員の雇用はそのまま買収・譲受側が引き継ぎます。ただし、事業譲渡の場合は改めて個々に契約しなおさなければならないため、事前に買収・譲受側としっかり話し合っておくことが重要です。

後継者問題の解決

中小規模のビルメンテナンス会社では、経営者が引退を考えていても後継者候補がみつからないケースもあるでしょう。後継者問題は国の課題ともなっていますが、M&Aは事業承継にも活用できる方法です。

M&Aによる事業承継では、買収・譲受側企業が後継者となり事業(会社)を引き継ぐため、経営者の周りに後継者候補がいない場合でも活用することができます。

創業者利益の獲得

株式譲渡を用いて自社を売却した場合、その対価は現経営者(株主)が受け取ります。これを「創業者利益(創業者利潤)」といい、まとまった現金を得ることも可能です。

創業者利益は、引退後の生活費に充てたり新しく事業を立ち上げる資金にしたりするなど、自由に使うことができます。

買収・譲受側のメリット

買収・譲受側のメリットとして挙げられるのは主に以下の4点があります。

人材不足の解消

まず、買収・譲受側のメリットとして挙げられるのは人材不足の解消です。同業他社を買収した場合、技術者や有資格者を一度に確保できます。経験者を確保できます。自社で人材を集められない場合は、買収による人材の確保を検討しましょう。

事業譲渡を用いる場合は、売却・譲渡側の従業員と改めて雇用契約を結ばなければなりませんが、株式譲渡であれば雇用もそのまま引き継がれます。

新しい技術やノウハウの獲得

売却・譲渡側企業のもっている技術やノウハウも獲得できます。自社にはない技術・ノウハウを相手企業がもっていれば、業務効率やサービス品質向上にもつながるでしょう。

ノウハウ構築や技術力の向上には時間がかかるものですが、M&Aによる買収・譲受であれば、その時間とコストを大幅に削減することができます。

既存事業の拡大

売却・譲渡側企業の事業エリアや拠点、顧客を獲得できるため、既存事業の拡大を図ることができます。

また、リソースやノウハウの共有でシナジー効果の発揮や、サービスのラインアップ拡大できる点もメリットのひとつです。

低コストで新規事業・周辺事業へ参入

ビルメンテナンス業界への新規参入を検討している場合、M&Aを活用すれば低コストで進出することができます。

自社で新しくビルメンテナンス事業を立ち上げるとなればコストだけでなく軌道に乗るまでの時間も必要ですが、M&Aでビルメンテナンス会社を買収・譲受すればコストを軽減しつつ迅速な事業展開が可能です。また、すでに自社でビルメンテナンスの周辺事業を展開していれば、シナジー発揮にも期待できます。

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売却・譲渡側のデメリット

売却・譲渡側のデメリットとして考えられるのは、競業避止義務が課されることです。競業避止義務とは「同一市町村および隣接する市町村の区域内においては一定期間(原則は20年間)同一事業を行ってはならない」というもので、事業譲渡の場合は会社法により規定がなされています。

M&Aの場合、契約書において競業避止義務条項を規定されるケースがほとんどです。また、事業譲渡の場合はもし規定がなくても会社法によりその義務を負います。もし、売却・譲渡後に同じ事業を始めたいと考えている場合は、慎重な判断が必要です。

買収・譲受側のデメリット

買収・譲受する側のデメリットは、想定していたシナジー効果を発揮できない可能性がある点です。たとえば獲得した人材がM&Aをきっかけに流出してしまったり、簿外債務を引き継いでしまったりすることも考えられます。

  • ビルメンテナンス会社のM&A・事業承継

4. ビルメンテナンス会社のM&A成功事例14選

ここでは、ビルメンテナンス会社におけるM&Aの成功事例を紹介します。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスによる生田ビルディングメンテナンスの子会社化

2022年10月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスが生田ビルディングメンテナンスの全株式を取得し子会社化した事例です。

M&Aの概要

2022年10月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、高知県にある生田ビルディングメンテナンスの全株式を取得し子会社化しました。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、独立系エレベーター等メンテナンス企業で保守・リニューアル業務などを手掛けています。

子会社となった生田ビルディングメンテナンスは、高知県を拠点にエレベーター等の保守・管理を行っている企業です。

M&Aの背景

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、顧客基盤の強化および生産性向上を目指し、エレベーター等の保守契約台数の増加による事業基盤の拡大を進めており、M&Aも積極的に展開しています。

生田ビルディングメンテナンスの子会社化は四国地区 の事業基盤強化を目的としており、両社の人的資源を活用することで共通のサービス提供地域の業務効率向上、技術ノウハウの共有によるサービス品質向上などが図れるとして、本M&Aに至りました。

参考:ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社「株式会社生田ビルディングメンテナンスの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

三菱電機がMotum社を買収した事例

2022年4月、三菱電機がMotum(モートム)社の全株式を取得して完全子会社化した事例です。

M&Aの概要

2022年4月、三菱電機はMotum(モートム)社の全株式を取得して完全子会社化しました。買い手の三菱電機は、大手総合電機メーカーで、グループの中核を担っています。売り手側のMotum社は、主にスウェーデンで、昇降機事業を手掛ける会社です。

M&Aの背景

近年、三菱電機は海外昇降機事業の拡大に取り組んでおり、欧州で需要拡大が見込まれる保守・リニューアル事業の強化を急務としていました。

本M&AでMotum社を傘下とすることにより、スウェーデンをはじめとした欧州の昇降機保守・リニューアルを軸に事業経営の基盤強化を図ると、Motum社の運営ノウハウを昇降機事業でも活用するとしています。

今後、三菱電機は、昇降機とビル関連製品・サービスとの連携を進め、欧州におけるビルソリューション事業を強めることを狙う見込みです。

参考:三菱電機株式会社「 スウェーデン昇降機事業会社 Motum 社を買収」

M&A手法

株式譲渡

ジャパンエレベーターサービスホールディングスが関東エレベーターシステムを買収した事例

2022年1月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスが関東エレベーターシステムを子会社化した事例です。

M&Aの概要

2022年1月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは群馬県館林市に拠点を置く関東エレベーターシステムの株式を取得し、子会社化しました。

買い手のジャパンエレベーターサービスホールディングスは、独立系エレベーターのメンテナンスなどを行っている企業です。売り手の関東エレベーターシステムは、群馬県を中心にエレベーターの保守管理を手掛けています。

M&Aの背景

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、顧客基盤の強化・生産性の向上を目指し、保守契約台数の増大を通じた事業基盤構築・拡大に注力しています。

同業の関東エレベーターシステムを傘下にいれることで、北関東の事業基盤を一層強化し、経営資源の共有や事業連携を通じてシナジー効果を発揮できるとし、本M&Aに至りました。

参考:ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社「株式会社関東エレベーターシステムの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

ジャパンエレベーターサービスホールディングスがUNIECO社を買収した事例

2021年11月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスがベトナムのUNIECOを子会社化した事例です。

M&Aの概要

2021年11月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、ベトナムでエレベーター設置・メンテナンス事業を展開するUNIECO VIETNAM COMPANY LIMITEDを子会社化しました。

独立系エレベーターのメンテナンスなどを手掛けるジャパンエレベーターサービスホールディングスは、近年M&Aを積極的に行っている企業です。

UNIECOは、ベトナムのハノイを中心に、エレベーターの販売・設置やエレベーターの保守管理などを手掛けています。

M&Aの背景

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、中長期的な成長戦略に東南アジア圏への進出を挙げており、近年は事業展開に向け準備を進めていました。

東南アジア圏のなかでも、特にベトナムは高い経済成長を続けています。UNIECOを傘下に加えることで東南アジア圏への事業拡大を図り、より一層の企業価値向上を目指すとし本M&Aに至りました。

参考:ジャパンエレベーターサービスホールディングス「UNIECO VIETNAM COMPANY LIMITED の 資本持分の取得(子会社化)に関するお知らせ」

ジーネクストがBPMと資本業務提携した事例

2021年7月、BPMとジーネクストが資本業務提携を締結した事例です。

M&Aの概要

2021年7月、BPMとジーネクストが資本業務提携を締結した事例です。BPMはビルメンテナンスの施工管理やコンサルティングのほか、管理クラウドサービス『Qosmos』の開発・販売を手掛けています。

一方のジーネクストは、顧客接点データを活用したBI/AIの開発事業のほか、顧客対応DXプラットフォーム「Discoveriez」の開発・販売事業を行う企業です。       、

M&Aの背景

BPM社のクラウド型CMMS「Qosmos」と、ジーネクスト社のサービスである「Discoveriez」との連携することで現場知識管理の強化が図れ、両社のリソースを相互活用することでシナジー効果の発揮にも期待できるが見込めるとし、本資本業務提携の締結に至りました。

今後は、入居者がより安心・安全で生活できるよう尽力するとともに、建物・設備メンテナンス業界のDX化推進を加速させるとしています。

参考:株式会社ジーネクスト「【ニュースリリース】ジーネクスト、建物・設備メンテナンス業界のDX推進へ、BPMと資本業務提携のお知らせ」
参考:BPM株式会社「BPMとジーネクストが資本業務提携」

M&A手法

資本業務提携

建衛工業が穴吹ハウジングサービスへ株式譲渡した事例

2020年11月、穴吹ハウジングサービスが建衛工業の株式を取得して、子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年、穴吹ハウジングサービスは建衛工業の株式を取得して、子会社化しました。香川県に本社を置く穴吹ハウジングサービスは、分譲・賃貸マンション・企業社宅などの不動産管理業、パーキング事業などを全国展開する企業です。

売り手の建衛工業は北海道で事業展開している企業で、札幌を中心に分譲マンション管理業・ビルメンテナンス業などを行っています。

M&Aの背景

穴吹ハウジングサービスは、建衛工業を子会社化することで北海道エリアの事業拡大を図るとし、グループが手掛ける民泊事業も事業成長につながると判断しました。

建衛工業は後継者問題による事業継続を目的としており、今回の譲渡は顧客へのさらなるサービス向上につながるとしています。

参考:穴吹ハウジングサービス「建衛工業株式会社 の 株式取得(子会社化) 契約締結 に 関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

イノウエテクニカがTOKAIホールディングスへ株式譲渡した事例

2020年11月、TOKAIホールディングスが静岡県のイノウエテクニカを完全子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年11月、TOKAIホールディングスは、静岡県のイノウエテクニカを完全子会社化ました。

TOKAIグループは、ガス・電気エネルギー事業・情報通信サービス事業・住宅事業など、さまざまな事業を展開しており、TOKAIホールディングスはその持ち株会社です。

また、イノウエテクニカは、静岡県東部を中心にビルメンテナンス事業を展開しており、県内の公共施設や民間企業の工場、病院などの管財業務で豊富な実績を持っています。

M&Aの背景

TOKAIホールディングスは、イノウエテクニカが長年培ってきた組織力や地域との信頼関係、技術ノウハウを引き継ぎ、既存事業のサービス強化を図るとして、本M&Aに至りました。

今後は、双方のリソースを相互活用して、静岡県全域でビルメンテ事業を展開するほか、県外への事業拡大を目指していくとしています。

参考:株式会社TOKAIホールディングス「 株式会社イノウエテクニカの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

メイセイが日本ハウズイングへ株式譲渡した事例

2020年8月、日本ハウズイングがメイセイの全株式を取得して子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年8月、日本ハウズイングはメイセイの株式を全て取得して子会社化しました。日本ハウズイングは、マンションやビルの管理事業、不動産管理事業、営繕工事業を展開しています。

一方、メイセイは、給排水関連の設備や制御機器の保守・点検、調査・診断、清掃・洗浄、修理・工事業務を行っている企業です。

M&Aの背景

日本ハウズイングはメイセイと継続的な取引関係にあり、同社の給排水設備工事・保守点検業務の実績を高く評価しています。

メイセイを傘下へ迎え入れることでの子会社化による連携強化は技術者の確保や技術力の向上につながり、顧客満足度の向上にも期待できるとし、本M&Aに至りました。

参考:日本ハウズイング株式会社「株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 」

M&A手法

株式譲渡

富士ファシリティサービスがファーストブラザーズへ株式譲渡した事例

2020年7月、ファーストブラザーズが富士ファシリティサービスの株式を取得して子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年7月、ファーストブラザーズは富士ファシリティサービスの株式を取得して子会社化しました。ファーストブラザーズは、商業施設や事務所ビルなど不動産を中心とする投資業務を手掛けています。

富士ファシリティサービスは、ビル運営管理や設備点検・清掃などを手掛け、長きにわたりファシリティマネジメントなどを提供している企業です。

M&Aの背景

ファーストブラザーズは、富士ファシリティサービスが半世紀以上ファシリティマネジメントサービスを提供して積み重ねた実績と信頼を高く評価しています。

子会社化により、富士ファシリティサービスの拠点である大阪や複数の営業所を足掛かりとし、領域拡大や事業成長が見込めると判断し、本M&Aに至りました。

参考:ファーストブラザーズ株式会社「富士ファシリティサービス株式会社の株式取得(子会社化)に係る 株式譲渡契約締結のお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

セイコーエレベーターがジャパンエレベーターサービスホールディングスへ株式譲渡した事例

2020年4月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスがセイコーエレベーターの株式を取得して子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年4月、ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、セイコーエレベーターの株式を取得して子会社化しました。ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、独立系のエレベーターメンテナンス企業です。

子会社となったセイコーエレベーターは、東京を拠点として首都圏エリアを中心に、エレベーターの保守管理などを行っています。

M&Aの背景

ジャパンエレベーターサービスホールディングスは、顧客基盤の強化・生産性の向上のため、エレベーターの保守契約台数を増やし事業基盤の構築・拡大を進めていました。

セイコーエレベーターを子会社化することにより、保守契約台数の増加と首都圏の事業基盤強化を図とともに、技術・ノウハウを共有することで企業価値向上を目指すとしています。

参考:ジャパンエレベーターサービスホールディングス株式会社「セイコーエレベーター株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

新栄ビルサービスが東洋テックへ株式譲渡した事例

2020年4月、東洋テックが兵庫県の新栄ビルサービスの株式を取得して連結子会社化した事例です。

M&Aの概要

2020年4月、東洋テックは兵庫県の新栄ビルサービスの株式を取得して連結子会社化しました。東京テックは、警備事業・ビル総合管理業などさまざまな事業を展開しています。

子会社となった新栄ビルサービスは、兵庫県姫路市に本社を置き、マンション・ビル管理業務を手掛ける会社です。

M&Aの背景

東洋テックは、新栄ビルサービスが得意とするマンション・ビル管理業務のノウハウを活用し、互いのリソースを共有することでる警備業務とビル管理業務との一体運営が可能になると判断し、本M&Aに至りました。

参考:東洋テック株式会社 「株式会社新栄ビルサービスの株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ 」

ふきのとうがホクタテへ株式譲渡した事例

2020年3月、ホクタテはビル管理・清掃請負業務を行う有限会社ふきのとうを完全子会社化しました。

M&Aの概要

2020年3月、ホクタテは有限会社ふきのとうの株式を取得し、完全子会社化しました。ホクタテは、北陸地区を中心にビルメンテナンス事業・通信システム事業・商社事業の3事業を柱とする企業です。

子会社となったふきのとうは、ビルの管理・清掃請負にかかわる業務を主に富山県内で展開しています。

M&Aの背景

ホクタテは、同じ富山県内を事業エリアとするふきのとうを傘下に加えることで、グループ内連携による人手不足の軽減、事業基盤の強化・拡大を図ることを目的に本M&Aに至りました。今後はさらに付加価値の高い安全安心のサービス提供を目指すとしています。

参考:株式会社ホクタテ「有限会社ふきのとうの株式取得のお知らせ」

C+H Associates Pte Ltd.が大成へ株式譲渡した事例

2019年10月、大成がシンガポールのC+H Associates Pte Ltd.の株式を取得し、子会社化した事例です。
 

M&Aの概要

2019年10月、大成はにシンガポールにあるC+H Associates Pte Ltd.社の株式75%を取得して、子会社化しました。大成は、ビルメンテナンス業や駐車場管理、建築・土木工事全般に関する請負、太陽光発電事業など多数の事業を展開しています。

子会社となったC+H Associates Pte Ltd.はシンガポールにあり、設備管理および建築業務に関する事業を手掛ける企業です。

M&Aの背景

大成は、不動産管理・ビルメンテナンス事業において今後の発展が見込める東南アジアを戦略的な市場と位置付け、積極的な事業進出を行ってきました。

C+H Associates Pte Ltd.社をグループ傘下とすることにより、東南アジア地区における業容拡大を図ることを目的とし、間接的に出資しているベトナムのファシリティマネジメント会社と連携しながら事業を進めていくとしています。

参考:大成株式会社「シンガポール共和国におけるファシリティマネジメント会社の 一部株式取得(連結子会社化)の件 」

M&A手法

株式譲渡

都市総合サービスが三幸へ株式譲渡した事例

2019年6月、三幸が都市総合サービスの全株式を取得して子会社化した事例です。

M&Aの概要

2019年6月、三幸は都市総合サービスの全株式を取得して子会社化しました。本M&A実施前より、三幸は都市総合サービスの株式を8.87%保有していましたが、今回の取得によって全株式を保有します。

買い手の三幸は総合ビルメンテナンス業を主軸とし、貸会議室事業なども手掛ける企業です。子会社となった都市総合サービスとは本M&A以前から協力関係にあり、同社の株式8.87%を保有していました。

都市総合サービスとの協力体制をさらに強化することで、業務の効率化や拡大の実現、企業価値向上につながるとしています。

参考:三幸株式会社「都市総合サービス株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

M&A手法

株式譲渡

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5. ビルメンテナンス会社のM&Aを行う流れ

ビルメンテナンス会社をM&Aにより売買する場合、どういった流れや手続きが必要となるのでしょうか。ここでM&Aの流れを簡単に解説します。

ビルメンテナンス業界でよく使われるM&Aの手法

ビルメンテナンス会社のM&Aによる、事業譲渡や会社売買には、どういった手法が使われているのでしょうか。ビルメンテナンス業界では、以下のM&A手法が活用されています。

事業譲渡

事業譲渡とは、事業の一部または全部を買い手企業に譲渡するM&A手法です。事業譲渡における最大のメリットは、対象となる資産・負債だけを切り出せる点であり、たとえば事業のうち「環境衛生管理業務」だけを売却したい場合などに向いています。

また、ほとんどの資産・負債は売却したいが一部残したい資産などがある場合も、事業譲渡は適した方法です。しかし、事業譲渡の手続きが煩雑になりやすく、譲渡範囲を明確にしなければ買い手との交渉に難航する可能性もあります。

事業譲渡後も、権利の取り直しや従業員との労働契約、取引先との取引契約を全て改めて契約し直さなければならないため、注意が必要です。

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株式譲渡

株式譲渡とは、会社の資産・負債を全て買い手企業に譲渡するM&A手法です。経営権(株式)が買い手企業へ異動するので、事業承継目的で自社を売却したい場合などに向いています。

株式譲渡のメリットは手続きが簡単なことです。経営者が変わるだけで会社そのものは存続し、事業譲渡と違い雇用契約や取引契約における巻き直しの必要もありません。

また、会社における全ての資産・負債が買い手企業へ引き継がれるため、負債が手元に残らないメリットもあります。

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譲渡の流れ

株式譲渡の場合

株式譲渡を行う場合、まずは譲渡側と譲渡を受ける側の合意が必要です。その後、株主の同意を得た後に、株式譲渡となります。株式の譲渡に対して、譲渡された側は、対価として現金または株式などを売却側に支払います

事業譲渡の場合

事業譲渡の場合は、譲渡を行う事業の一部または全てについて、双方での同意が必要です。事業だけであれば、譲渡に対する登記などの変更は基本的に必要ありません。

ただし、従業員や資産など、どの部分まで譲渡するかを細かく決める必要があります。業務譲渡を行った場合、譲渡された側の企業への対価は現金であることが一般的です。

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6. ビルメンテナンス会社のM&Aを成功させるポイント

ビルメンテナンス会社のM&Aにおいて、成功となるポイントはどういった事柄があるのでしょうか。ポイントは以下のとおりです。

  1. 相場を調べる
  2. タイミングを考慮する
  3. スキームを選択する
  4. M&Aの専門家に相談・依頼する

4つのポイントを確認しましょう。

①相場を調べる

M&Aを行う場合は、企業価値の相場を知る必要があります。企業価格は、売却側企業のノウハウや商品、資産によって大きく変わるので、まずは、相場を知ることが重要です。

②タイミングを考慮する

M&Aでは、時代背景などを考慮する必要があり、タイミングが重要です。これから伸びることが期待される産業であれば、M&Aのチャンスといえるでしょう。

③スキームを選択する

自社に合ったM&Aの手法を選択しましょう。手法によっては現金を調達しなくても良いケースがあり、M&Aのスキームはさまざまです。相場、タイミング、スキームなどは、自分で判断するのは難しいです。専門家の力を借りることをおすすめします。

④M&Aの専門家に相談・依頼する

どういったM&Aでも、専門家の力を得るのはおすすめです。会計士・税理士などの士業をはじめ、銀行や公的機関なども活用しましょう。無料で相談できる機関もあるので、気軽に相談できる環境を整えることが大切です。

7. ビルメンテナンス会社のM&A動向まとめ

ビルメンテナンス業界は、M&Aによって集約化されています。人材不足・後継者問題によって、中小企業のM&Aも増加傾向です。一方で、中小のビルメンテナンス会社は、事業譲渡などの動きが見られ、集約の時期がきているといえます。

M&Aを実施する際は、取引相手との相性やシナジー効果を事前に把握しましょう。売り手の場合は、経営理念や技術者のスキルを考慮して、承継先を選んでください。

ビルメンテナンス会社をM&Aで売買する場合は、さまざまな手続きが必要なため、自社だけで行うのは困難です。専門家のアドバイス・サポートを受けられる仲介会社を利用しましょう。

8. ビルメンテナンス業界のM&A案件一覧

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